ろひ
mame
DONE出ロデ プロヒ×パイロット※互いに両想いなのはわかってるけど付き合ってないふたり(設定:https://twitter.com/i/events/1431533338406178824)
出、おつかれの巻
これは、一体。
出久は目の前の光景に思わず固まる。帰宅すると同時に手に持ち替えていたリュックをどさりとリビングの入り口で落としたが、構うことはない。
「ええ……? ロディがいる……? なんで……? 僕の見てる都合のいい幻覚……?」
目を擦ってみても消えないその幻覚は、ソファでコーヒーを飲みながら寛ぎ、テレビを見ていた。
「おっ、お疲れヒーロー。なんか大変だったみたいだな」
髪の毛を首の後ろでお団子状にまとめたリラックスモードのロディの幻覚は、どうやら幻覚ではないらしい。だって喋ったし、出久に笑いかけているし、これが幻覚だったらやってられない。
ソファに背もたれ足を組むロディは出久のセカンドハウスに置きっぱなしのVネックシャツと細身のスウェットを着ていた。しかもロディが見ているテレビに映っているのは、紛れもなく出久自身だ。
2630出久は目の前の光景に思わず固まる。帰宅すると同時に手に持ち替えていたリュックをどさりとリビングの入り口で落としたが、構うことはない。
「ええ……? ロディがいる……? なんで……? 僕の見てる都合のいい幻覚……?」
目を擦ってみても消えないその幻覚は、ソファでコーヒーを飲みながら寛ぎ、テレビを見ていた。
「おっ、お疲れヒーロー。なんか大変だったみたいだな」
髪の毛を首の後ろでお団子状にまとめたリラックスモードのロディの幻覚は、どうやら幻覚ではないらしい。だって喋ったし、出久に笑いかけているし、これが幻覚だったらやってられない。
ソファに背もたれ足を組むロディは出久のセカンドハウスに置きっぱなしのVネックシャツと細身のスウェットを着ていた。しかもロディが見ているテレビに映っているのは、紛れもなく出久自身だ。
明智ゆう
MOURNINGpkmn腐(ワタヒビ・ダイユウ・シロヒカ)少し前に書いた小ネタ的なもの。
支部に上げるか迷っている短文になります。
とりあえず、供養としてポイピクに投げときます。
とあるチャンピオンたちの会話とあるチャンピオンたちの会話
「ヒカリちゃんはね。バトルセンスもそうなんだけど、キラッと光るものがあるの。ポケモンとの接し方とか、人との対話とか」
「自慢か」
にこにこと笑みながらシロナは語る。そんな姿にワタルはまたかと言いたげな目を向けた。バーのカウンターでカクテルを飲みながら、彼女はそうよと悪びれる様子もなく答える。
人気の少ない落ち着いた雰囲気のバーのカウンターに男女が三人。すでに出来上がっているのではといったふうに酔った表情を見せるシロナは自慢したくなるでしょと言う。
「私の可愛い可愛い恋人よ? 自慢したくなるじゃない!」
「確かに可愛い恋人は自慢したくなるね」
「ダイゴくん、シロナくんをヒートアップさせないでくれ。惚気が始まる」
2824「ヒカリちゃんはね。バトルセンスもそうなんだけど、キラッと光るものがあるの。ポケモンとの接し方とか、人との対話とか」
「自慢か」
にこにこと笑みながらシロナは語る。そんな姿にワタルはまたかと言いたげな目を向けた。バーのカウンターでカクテルを飲みながら、彼女はそうよと悪びれる様子もなく答える。
人気の少ない落ち着いた雰囲気のバーのカウンターに男女が三人。すでに出来上がっているのではといったふうに酔った表情を見せるシロナは自慢したくなるでしょと言う。
「私の可愛い可愛い恋人よ? 自慢したくなるじゃない!」
「確かに可愛い恋人は自慢したくなるね」
「ダイゴくん、シロナくんをヒートアップさせないでくれ。惚気が始まる」
mkg1000no
DOODLEQ.描かなきゃいけない絵がたくさんあるのに君達と出会ってしまったせいで進めません、どうしてくれるんですか。A.どうでも良〜〜〜〜^^人外からは離れられない宿命なのね modが配布されてたら本当にヤバかったと思う でももう少し早くに出会っていたかった そろそろヒプくんも描かないと
mame
DONE出ロデ プロヒ×パイロット※互いに両想いなのはわかってるけど付き合ってないふたり(設定:https://twitter.com/i/events/1431533338406178824)
ロくんの納豆チャレンジの巻
「あ、ナットウってどこにある?」
ロディがそう尋ねてきたのは、出久とふたりで今晩の夕食はどうしようか、なんて相談しながらスーパーへ足を踏み入れたときだった。
出久はロディから初めて出てきた単語に目を丸くする。思わずピノの反応を確認するが、ピノはフライトの時差ぼけでロディの頭の上で眠っている。ロディ自身も眠いのだろうが、それでも出久と一緒に買い物にきてくれるのだから出久としては嬉しい。ただ、いまの問題は。
「え、納豆……? 納豆好きだったの、ロディ」
「いや、食べたことねえ」
「だ、だよね?」
少なくとも出久は自分といるときロディが納豆を食べているのを見たことがない。日本にロディがフライトでくるときは四六時中出久といるわけではないので、そのときに食べたのかと思い聞けば、ロディはあっさり首を横に振った。
3353ロディがそう尋ねてきたのは、出久とふたりで今晩の夕食はどうしようか、なんて相談しながらスーパーへ足を踏み入れたときだった。
出久はロディから初めて出てきた単語に目を丸くする。思わずピノの反応を確認するが、ピノはフライトの時差ぼけでロディの頭の上で眠っている。ロディ自身も眠いのだろうが、それでも出久と一緒に買い物にきてくれるのだから出久としては嬉しい。ただ、いまの問題は。
「え、納豆……? 納豆好きだったの、ロディ」
「いや、食べたことねえ」
「だ、だよね?」
少なくとも出久は自分といるときロディが納豆を食べているのを見たことがない。日本にロディがフライトでくるときは四六時中出久といるわけではないので、そのときに食べたのかと思い聞けば、ロディはあっさり首を横に振った。
hmrmyb801hr
MOURNINGメモ帳に残っていたプロヒ同棲轟出の小話冒頭幸せを紡ぐ歌 緑谷と二人で暮らすようになってしばらく経つが、最近妙に緑谷に見つめられることが増えてきた気がする。今もそうだが、隣からとても熱心に見つめているのがひしひしと伝わるような視線だ。ひとまず腹が減っているのかと思って作ったばかりの玉子焼きの端を薄く切り、緩く開いた口に放り込む。
「そんなに見なくても、もうすぐできる」
「ん?」
玉子焼きを咀嚼しながらきょとりと大きな瞳を丸くして首をかしげた緑谷に「腹減ったんだろ」と言いながら、手早く盛り付けを進めていく。つまみ食い防止だとでも思ったのか、そばかすの散ったまろい頬を赤く染め、本人的には睨み付けているのだろう潤んだ瞳で見上げてきた。
「お、お腹は空いてるけどそこまで食いしん坊じゃないよ!」
1734「そんなに見なくても、もうすぐできる」
「ん?」
玉子焼きを咀嚼しながらきょとりと大きな瞳を丸くして首をかしげた緑谷に「腹減ったんだろ」と言いながら、手早く盛り付けを進めていく。つまみ食い防止だとでも思ったのか、そばかすの散ったまろい頬を赤く染め、本人的には睨み付けているのだろう潤んだ瞳で見上げてきた。
「お、お腹は空いてるけどそこまで食いしん坊じゃないよ!」
mame
DONE数年後設定、出ロデ プロヒ×パイロット設定:https://twitter.com/i/events/1431533338406178824?s=21
明日はロディが日本にやってくる日だ。
事務所からの帰り道、出久は軽やかに二十四時間営業のスーパーの入り口を潜る。タイムセール中の惣菜を買おうとデリカコーナーにいけば、ロディが気に入っている梅じそチーズフライが残っていて、出久は上機嫌でカゴに入れる。最近、ロディは梅がブームらしい。最初酸味と塩分に驚いていたというのに、なんだかクセになるなと真面目に呟きながらよく食べている。とてもかわいいと思う。うん。
ロディは現在オセオンの航空会社に副操縦士として勤めていて、入社時に下っ端だから本数こなさなきゃなんねえんだと言っていた通り、いつもいそがしくしている。若手は短距離フライトが基本らしい中で、相当苦労してオセオン-日本の直行便のフライト担当をもぎ取ったらしい。アジア便は一度のフライトで長時間運転になるので、割りがとても良く年功序列で埋まってしまうそうだ。
2751事務所からの帰り道、出久は軽やかに二十四時間営業のスーパーの入り口を潜る。タイムセール中の惣菜を買おうとデリカコーナーにいけば、ロディが気に入っている梅じそチーズフライが残っていて、出久は上機嫌でカゴに入れる。最近、ロディは梅がブームらしい。最初酸味と塩分に驚いていたというのに、なんだかクセになるなと真面目に呟きながらよく食べている。とてもかわいいと思う。うん。
ロディは現在オセオンの航空会社に副操縦士として勤めていて、入社時に下っ端だから本数こなさなきゃなんねえんだと言っていた通り、いつもいそがしくしている。若手は短距離フライトが基本らしい中で、相当苦労してオセオン-日本の直行便のフライト担当をもぎ取ったらしい。アジア便は一度のフライトで長時間運転になるので、割りがとても良く年功序列で埋まってしまうそうだ。
mame
DONE数年後設定、出ロデ(プロヒ×パイロット)これを(https://twitter.com/mamemane_open2/status/1430099072191369219?s=21)この設定でhttps://twitter.com/mamemane_open2/status/1429816321965842433?s=21)書きました
目が覚めたら小麦の焼ける香ばしい匂いがした。
カーテンの隙間から朝日が差し込んでいて、そこから伸びた黄色の透き通った光が出久の頬を撫でていた。重い瞼を押し上げ、沈んでいた意識を浮上させる。
目覚まし時計で時間を確認すれば、出勤時間を大きく超えていて慌ててがばりと上半身を起こしたと同時、今日は久しぶりの休みだったことを思い出した。出久は焦りで上がっていた肩をすとんと落とし、一度ぐっと両手を組んで天井へ向けて持ち上げた。背筋がぎゅうっと伸びて、弛緩させると身体がすっきりとした。そこで気付いたのだ。漂ってくる小麦の香りに。そして優しい人の気配に。
わずかに開かれている寝室の扉は、誰かがそっと開けて音を立てないよう締め切らなかったのだろう。少しの音でも反応して起きてしまう出久を気遣ったものだし、そんな芸当が出来るこの家にやってくる人間なんてひとりしかいない──ロディだ。
3702カーテンの隙間から朝日が差し込んでいて、そこから伸びた黄色の透き通った光が出久の頬を撫でていた。重い瞼を押し上げ、沈んでいた意識を浮上させる。
目覚まし時計で時間を確認すれば、出勤時間を大きく超えていて慌ててがばりと上半身を起こしたと同時、今日は久しぶりの休みだったことを思い出した。出久は焦りで上がっていた肩をすとんと落とし、一度ぐっと両手を組んで天井へ向けて持ち上げた。背筋がぎゅうっと伸びて、弛緩させると身体がすっきりとした。そこで気付いたのだ。漂ってくる小麦の香りに。そして優しい人の気配に。
わずかに開かれている寝室の扉は、誰かがそっと開けて音を立てないよう締め切らなかったのだろう。少しの音でも反応して起きてしまう出久を気遣ったものだし、そんな芸当が出来るこの家にやってくる人間なんてひとりしかいない──ロディだ。
柴漬け
DOODLE図書室で秘密の逢瀬。興味本位で一回キスしたらもうやみつきになるであろうクロヒル!士官学校って隠れてイチャイチャするところ多そう!
クロードはやっぱり策士だしヒルダちゃんは負けん気が強そう。。。
※キス描写あり
mame
DONE【出ロデ】数年後設定、未来捏造注意(プロヒ×副操縦士) テレビやインターネットを利用できるような環境になって、身に沁みたことがある。
ロディはすっかり手に馴染んだスマートフォンの画面を見つめながら、口元に薄く笑みを浮かべる。ロディのいる休憩室はロディ以外誰もおらず、自然と溢れた独り言を拾う人間ももちろんいなかった。
「今日もやってるねえ、ヒーロー」
フライト前には行き先の情勢をチェックするようにしている。本日のフライトはオセオンー羽田の直行便。二時間後、ロディは副機長としてコックピットに乗り込む。
手の中にあるスマートフォンが表示しているのはニューヨークタイムズだ。トップは日本の市街地で起こった商業施設の火災。大規模で死傷者の発生は免れないと思われたそれは一躍世界のトップ記事になった。理由としては、世界的に有名なヒーローデクをはじめとする日本の若いヒーローたちの尽力で、人的被害を軽症者のみにおさえたからである。
14642ロディはすっかり手に馴染んだスマートフォンの画面を見つめながら、口元に薄く笑みを浮かべる。ロディのいる休憩室はロディ以外誰もおらず、自然と溢れた独り言を拾う人間ももちろんいなかった。
「今日もやってるねえ、ヒーロー」
フライト前には行き先の情勢をチェックするようにしている。本日のフライトはオセオンー羽田の直行便。二時間後、ロディは副機長としてコックピットに乗り込む。
手の中にあるスマートフォンが表示しているのはニューヨークタイムズだ。トップは日本の市街地で起こった商業施設の火災。大規模で死傷者の発生は免れないと思われたそれは一躍世界のトップ記事になった。理由としては、世界的に有名なヒーローデクをはじめとする日本の若いヒーローたちの尽力で、人的被害を軽症者のみにおさえたからである。
しいだ 倉庫
INFO※頒布/配布終了しました大昔のサガフロヒューサイ再録DL書籍
「CRACK SHOT RAMPAGE」
PS版の頃に描いた同人誌で、「サイレンスがIRPOにいるのはヒューズが関係している」という公式の話のいきさつを捏造した長編になります。
(トップ絵の誤字は気にしないでください…………) 8
oooooo_654321
DONE8/8 【BKTD PARADISE! in summer】無配ペーパー
ブランドコラボの広告をしたプロヒ爆轟(イラスト1p+漫画4p)
※パスワードはサークルサイトに記載してあります。
(会場の店舗から飛べます) 5
まる。
DOODLE【轟爆】ショートに恋しちゃったかっちゃん。※プロヒ捏造&キャラ崩壊。パスワードはピクスク店舗です。[2021,07,24]
続きを更新しました!プロヒ1年目くらいの感じです![2022,10,08]
▼[2023,11,10追記]
パスワード外しました。 9
ジョンジョン
DONEプロヒーローになって同棲してる勝デク。まじで初心者が書いたので許して欲しい。大目に見て。願いごと┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「かっちゃん!かっちゃんはお願いごと、何にした?」
そう言いながらデクは自分で書いた短冊を笹に結んでいく。
「ァ?なんでテメェに教えねぇといけねぇんだよ」
第一そんなモン願ったって自分で行動しねぇと意味がねぇ。そりゃ、昔はそれなりに楽しんで短冊に願いごとを書いていた。でも今は七夕なんてくだらないとしか思えない。デクは困った顔をして俺を見ながら笑った。
「かっちゃんは変わらないなあ。でも3歳の頃は一緒に短冊書いたりしたよね」
楽しかったなぁ、と呟きながら当時のことを思い出しているのかニコニコしながらソファでコーヒーを飲む俺の横に座る。
「あの時は2人とも同じこと書いたんだよ、覚えてる?」
706「かっちゃん!かっちゃんはお願いごと、何にした?」
そう言いながらデクは自分で書いた短冊を笹に結んでいく。
「ァ?なんでテメェに教えねぇといけねぇんだよ」
第一そんなモン願ったって自分で行動しねぇと意味がねぇ。そりゃ、昔はそれなりに楽しんで短冊に願いごとを書いていた。でも今は七夕なんてくだらないとしか思えない。デクは困った顔をして俺を見ながら笑った。
「かっちゃんは変わらないなあ。でも3歳の頃は一緒に短冊書いたりしたよね」
楽しかったなぁ、と呟きながら当時のことを思い出しているのかニコニコしながらソファでコーヒーを飲む俺の横に座る。
「あの時は2人とも同じこと書いたんだよ、覚えてる?」
1405Barca
MOURNING南無三🐟なお焚き上げロロヒカ書きかけです
かわいい後輩の続き(未完)「マジで言ってんのか?」
「ああ。」
「いや駄目だ先に病院行け熱中症かプリオンかクールー病かわからねぇが取り敢えず治療してからでも遅くな」
「黙れ。貴様が何を言おうとこれからやる事は変わらん。さっさと洗ってこい。」
「....どこを。」
「ケツをだ。途中でクソが出てこないよう念入りに洗え。」
「ハァ〜〜〜〜?!正気かぁ!?」
「俺は冗談は好かん。早く行け。」
バン、と音を立てて浴室の扉は閉められた。一人残された弓ヶ浜の手には、家主のロロンに押し付けられた洗面器と、その中の俗物的色合いの液体、頭の悪いデザインの注射器型のプラスチックがある。なんでこんな事になってんだっけと、浴室の鏡に写る己に弓ヶ浜は問いかけた。
最初は宴席だった。いつものメンツ(劉、飛、ニコラ)と酒を呷っている最中に、男がやってきてこう言った。「賭けをしよう、弓ヶ浜。」やってきた男、ロロン・ドネアは遠方を指差して、あのバーから最初に出てくる人間は男か女か、それを賭けようと言う。深く考える前に「勝ったら?」と弓ヶ浜は問うていた。その問いに、ふ、と双眸を緩めて、何でも言う事を聞こう、とあの堅物は言ってのけた。なんだコイツという嫌悪より、興味関心が勝った末に乗った賭けは弓ヶ浜の負けだった。弓ヶ浜は男に賭け、出てきたのはコンパニオンの女だったからだ。いざ黒星を取ってから、重大な過失に気づく。何でも言うことを聞くのは、己にも適応されるのだと言うことを。急ぎ振り返れば、満足気な顔の男が、ジョッキを差し出していた。「注いでこい。」それだけだった。そうして、あの晩程のいいパシリに使われてから、稀に賭けに誘われるようになった。なんでも言う事を聞く、という大層な権利は、水を買ってこいだの、荷物を持てだの、資料を持って行けだのといった下らない事に使われた。弓ヶ浜の勝利もそれなりにあったが、大抵飲み代をせびったり、交通費をせびる事に当てられた。ロロンは嫌な顔せず要求に応じたが、いつかの変顔をしろ、という注文に全力で返されてから、内容が変化して行った。この時点で気づくべきだったのだ。あからさまに距離感がおかしくなっていたことに。賭けはいつの間に二人きりの場所で執り行われ、外部の目が入らなくなっていたし、なんでもする券はサシ飲みの口実と化していた。いつもの達観し不動の姿勢とは違い、緩く口角を上げてこちらに耳を傾ける様に高揚を覚え
1258「ああ。」
「いや駄目だ先に病院行け熱中症かプリオンかクールー病かわからねぇが取り敢えず治療してからでも遅くな」
「黙れ。貴様が何を言おうとこれからやる事は変わらん。さっさと洗ってこい。」
「....どこを。」
「ケツをだ。途中でクソが出てこないよう念入りに洗え。」
「ハァ〜〜〜〜?!正気かぁ!?」
「俺は冗談は好かん。早く行け。」
バン、と音を立てて浴室の扉は閉められた。一人残された弓ヶ浜の手には、家主のロロンに押し付けられた洗面器と、その中の俗物的色合いの液体、頭の悪いデザインの注射器型のプラスチックがある。なんでこんな事になってんだっけと、浴室の鏡に写る己に弓ヶ浜は問いかけた。
最初は宴席だった。いつものメンツ(劉、飛、ニコラ)と酒を呷っている最中に、男がやってきてこう言った。「賭けをしよう、弓ヶ浜。」やってきた男、ロロン・ドネアは遠方を指差して、あのバーから最初に出てくる人間は男か女か、それを賭けようと言う。深く考える前に「勝ったら?」と弓ヶ浜は問うていた。その問いに、ふ、と双眸を緩めて、何でも言う事を聞こう、とあの堅物は言ってのけた。なんだコイツという嫌悪より、興味関心が勝った末に乗った賭けは弓ヶ浜の負けだった。弓ヶ浜は男に賭け、出てきたのはコンパニオンの女だったからだ。いざ黒星を取ってから、重大な過失に気づく。何でも言うことを聞くのは、己にも適応されるのだと言うことを。急ぎ振り返れば、満足気な顔の男が、ジョッキを差し出していた。「注いでこい。」それだけだった。そうして、あの晩程のいいパシリに使われてから、稀に賭けに誘われるようになった。なんでも言う事を聞く、という大層な権利は、水を買ってこいだの、荷物を持てだの、資料を持って行けだのといった下らない事に使われた。弓ヶ浜の勝利もそれなりにあったが、大抵飲み代をせびったり、交通費をせびる事に当てられた。ロロンは嫌な顔せず要求に応じたが、いつかの変顔をしろ、という注文に全力で返されてから、内容が変化して行った。この時点で気づくべきだったのだ。あからさまに距離感がおかしくなっていたことに。賭けはいつの間に二人きりの場所で執り行われ、外部の目が入らなくなっていたし、なんでもする券はサシ飲みの口実と化していた。いつもの達観し不動の姿勢とは違い、緩く口角を上げてこちらに耳を傾ける様に高揚を覚え
a_neyaaSs
MOURNINGプロヒろきくん×無個性でっくん(事務所勤務)な闇オークションネタ。以前の垢でベッターに上げてたやつをこっちに移したものです。私が読みたかっただけ。
闇の宴 ひしめき合う人々の群れ。着飾った格好、小綺麗なスーツ、顔を隠すヴェールや仮面。足がつかないように素性を隠していながら、分かる者にはわかる『身分証』。
ついさっきどこかの不届き者が競り落とした『商品』が運ばれていき、またひとつ押収するための証拠が増えた。耳元で最小音でやり取りされるインカムから、次の競りに探し求めた彼が『出品』される事を知らされる。
認識が甘過ぎたのか、それとも巧みな手法を使われたのか。あの日、迎えに行った彼の部屋はもぬけの殻となっていて。
思い出すだけで、己の不甲斐なさと彼を拐った者への憤怒に歯を食いしばってしまう。拳を強く握り締めて怒りを逃がそうとした、その時。
暗く落ちていた照明がパッと輝き、正面の舞台の中央にスポットが当てられる。進行者の拡声器越しの声が耳障りに思いながら、眩しいその舞台の主役に目を見開いた。
2642ついさっきどこかの不届き者が競り落とした『商品』が運ばれていき、またひとつ押収するための証拠が増えた。耳元で最小音でやり取りされるインカムから、次の競りに探し求めた彼が『出品』される事を知らされる。
認識が甘過ぎたのか、それとも巧みな手法を使われたのか。あの日、迎えに行った彼の部屋はもぬけの殻となっていて。
思い出すだけで、己の不甲斐なさと彼を拐った者への憤怒に歯を食いしばってしまう。拳を強く握り締めて怒りを逃がそうとした、その時。
暗く落ちていた照明がパッと輝き、正面の舞台の中央にスポットが当てられる。進行者の拡声器越しの声が耳障りに思いながら、眩しいその舞台の主役に目を見開いた。