アドベントカレンダー
himmel_blumen
PAST◆よろこびは光のいろをしたクリスマスのアドベントカレンダー企画で描いた話の再録。
12月25日の夜に幻太郎の家を訪ねる帝統の話。
よろこびは光のいろをした クリスマスは子どもの願いが叶う日。世間のイメージではそういうことになっていて、当の子ども自身もそう信じている。だけどクリスマスに夢見るような歳の頃でも、俺にとってその日は何も良いことがなかった。
開けても開けてもきりのない、大層な包装のプレゼントの山。レストランかと思うばかりの豪華な食卓。それを多分世の中の奴らは羨ましがるんだろうけど、俺にとってそれは一番欲しいものじゃなかった。
普段は会えないおふくろは、特別な節目には帰ると言った。ただし、言っただけだった。
いつもクリスマスの食卓では、おふくろのための席は空っぽで、帰れない謝罪の手紙と罪滅ぼし代わりの贈り物だけが渡された。
今になっても思う。あの頃欲しかったものは、一度だって手に入らなかった。子どもだった俺にとって、本当のクリスマスプレゼントなんて何処にもなかった。
4987開けても開けてもきりのない、大層な包装のプレゼントの山。レストランかと思うばかりの豪華な食卓。それを多分世の中の奴らは羨ましがるんだろうけど、俺にとってそれは一番欲しいものじゃなかった。
普段は会えないおふくろは、特別な節目には帰ると言った。ただし、言っただけだった。
いつもクリスマスの食卓では、おふくろのための席は空っぽで、帰れない謝罪の手紙と罪滅ぼし代わりの贈り物だけが渡された。
今になっても思う。あの頃欲しかったものは、一度だって手に入らなかった。子どもだった俺にとって、本当のクリスマスプレゼントなんて何処にもなかった。
himmel_blumen
PAST◆キネマトグラフの隠匿クリスマスのアドベントカレンダー企画で書いた話の再録。
小さな映画館で映画を見る犯探の話。
▼15歳以上(義務教育修了済)?(yes/no)▼ 2976
himmel_blumen
PAST◆星明かりに謡うクリスマスのアドベントカレンダー企画で書いた話の再録です。
付き合う前に一緒にクリスマスマーケットに行った窓コルの話。
星明かりに謡う きらきらと、橙色の光があちこちを飾っていた。広場を囲む屋台に灯る明かりが、夜を皓々と照らしている。点在する街灯は白く光り、まるで星空が地面にも降りてきたみたいだ。
ここに来るまで、イルミネーションで装飾された場所を通ってきた。色とりどりの明かりで飾られた道は鮮やかで眩しかったけれど、ここも一種のイルミネーションと言ってもいいと思う。寒々しい黒い空の下で輝く暖色は、見ているだけで冬の厳しさを慰めてくれた。
「綺麗ですね」
温かな色に囲まれた景色を見渡して、俺とテーブルを挟んで向かい合う人が言った。
「さっきのイルミネーションも良かったけど、ここもすごく明るくて綺麗」
「そうっすね」
ひねりのない返事しかできないのは、俺にとって辺りの景色以上に、向かい合うその人が目を奪って仕方ないからだった。
6037ここに来るまで、イルミネーションで装飾された場所を通ってきた。色とりどりの明かりで飾られた道は鮮やかで眩しかったけれど、ここも一種のイルミネーションと言ってもいいと思う。寒々しい黒い空の下で輝く暖色は、見ているだけで冬の厳しさを慰めてくれた。
「綺麗ですね」
温かな色に囲まれた景色を見渡して、俺とテーブルを挟んで向かい合う人が言った。
「さっきのイルミネーションも良かったけど、ここもすごく明るくて綺麗」
「そうっすね」
ひねりのない返事しかできないのは、俺にとって辺りの景色以上に、向かい合うその人が目を奪って仕方ないからだった。
フォドン
INFOpixivにSSのまとめを投稿しました。→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=21338086
@9byonpa様作成の推しアドベントカレンダーをお借りしております。
カイト中心にいろんな人たちが出てきます。
CPはありません。
表紙が気に入ったので本にできるくらい書けるといいな。
座敷@zashiki3
DONEアドベントカレンダーの小話達と同じ世界線の話。後程全部まとめてネップリ配布したいです。pupと、shizunと、さんたくろーす「ジングルベール、ジングルベール、すっずっがーなるー」
クローゼットから取り出した収納ボックスをごそごそと漁りながら歌うshizunの横でリズムに合わせて尻尾を揺らしながら、pupは探し物のお手伝いをしています。尤も、shizunが何をお探しなのか、pupは知らないのですが。
\shizun、shizun、なにをおさがしですか? このでしは、おやくにたちます!/
「確かこの辺にある筈なんだけどな〜」
必死にアピールするpupですが、探し物に集中していて気付かないのか、shizunは答えてくれません。少し前までご機嫌に揺れていたpupのふわふわの尻尾とお耳も、へにょりと垂れてしまいそう。
「お、あった!」
突然の嬉しそうな声に、めしょりと潤みかけたくりくりお目目を上げようとしたpupのお顔の横を、shizunの手が通り過ぎました。首筋をさりりと撫でて行った細い指先に、pupの思考回路はショート寸前。
1029クローゼットから取り出した収納ボックスをごそごそと漁りながら歌うshizunの横でリズムに合わせて尻尾を揺らしながら、pupは探し物のお手伝いをしています。尤も、shizunが何をお探しなのか、pupは知らないのですが。
\shizun、shizun、なにをおさがしですか? このでしは、おやくにたちます!/
「確かこの辺にある筈なんだけどな〜」
必死にアピールするpupですが、探し物に集中していて気付かないのか、shizunは答えてくれません。少し前までご機嫌に揺れていたpupのふわふわの尻尾とお耳も、へにょりと垂れてしまいそう。
「お、あった!」
突然の嬉しそうな声に、めしょりと潤みかけたくりくりお目目を上げようとしたpupのお顔の横を、shizunの手が通り過ぎました。首筋をさりりと撫でて行った細い指先に、pupの思考回路はショート寸前。
流菜🍇🐥
DOODLETF主ルチ。TF主くんがルチにアドベントカレンダーを渡す話です。アドベントカレンダー その日が近づくと、町はクリスマス一色に染まる。街路樹はイルミネーションで彩られ、店先には赤と緑の貼り紙が貼られていた。ショーウィンドーのある店には、レースや小さなクリスマスツリーまで飾られている。
大通りを歩きながら、僕は店先の様子を眺めていた。クリスマスまで二週間を切り、ルチアーノにプレゼントを用意しなければいけない時期が近づいていたのだ。彼はあまり乗り気ではないけれど、プレゼントを期待していないわけではない。誠意を込めた贈り物をしなくては、拗ねてしまうような男の子なのだ。
とは言っても、クリスマスらしい贈り物というのは難しい。ルチアーノは好みがはっきりしているし、好物は既に贈っているのだ。僕にとっては、ネタ切れの状態が続いていた。
2385大通りを歩きながら、僕は店先の様子を眺めていた。クリスマスまで二週間を切り、ルチアーノにプレゼントを用意しなければいけない時期が近づいていたのだ。彼はあまり乗り気ではないけれど、プレゼントを期待していないわけではない。誠意を込めた贈り物をしなくては、拗ねてしまうような男の子なのだ。
とは言っても、クリスマスらしい贈り物というのは難しい。ルチアーノは好みがはっきりしているし、好物は既に贈っているのだ。僕にとっては、ネタ切れの状態が続いていた。
さいぜる
DONEどうもです。異形頭オンリーアドベントカレンダー2023、18日目を担当させていただきましたさいぜると申します〜
今回一枚絵で参加させていただきました。拙宅異形頭の血墨(通称)さんです
画面が驚きの赤さですが、なんとなくクリスマスっぽさあればいいな〜と思いました(作文)
ktkr45_great12
MOURNINGラウグエアドベントカレンダー企画のワンドロに間に合わなかった物。テーマ「サンタへの手紙」。ちょっと致してる描写があるのでワンクッションします。
兄が弟大好きです。大大大好きです。 2042
シロ坊
DONE12/9 RHアドベントカレンダーにて。短いお話と、挿し絵で参加させていただきました!素敵な企画ありがとうございます。
Pass:7文字
幸せなふたりが、幸せであることが日常でありますように。 6430
フォドン
TRAINING天城カイトアドベントカレンダー@9byonpa様作成の推しアドベントカレンダーをお借りしました。
短編の練習をしていきます。
カイトといろんな人たちが登場予定。CPはありません。
天城カイトアドベントカレンダー【カレンダー】
・カイト+クリス ・最終回後
「もう十二月か……」
クリスは研究室の壁に掛けられたカレンダーをめくる。写真が紅葉から雪景色に変わったのを見ながら、彼は時の流れの速さをしみじみと感じていた。
カイトは表情を変えず、自分の席でコーヒーを啜る。
「十一月三十日の翌日は十二月一日だろう。別に早くも遅くもない」
「……君らしいな」
クリスは苦笑しながらカイトの方を向く。
彼の知る中で一番気難しい人間はドクター・フェイカーだが、その息子であるカイトも相当難儀な性格をしていた。特にクリスに対しては突っかかるような発言をすることが多く、その場面に居合わせたミハエルをムッとさせることもある。
しかしそんなカイトの言動に、クリスが気分を害したことはなかった。その言葉の裏にあるのが悪意ではなく、彼に対する信頼であることを――クリスは知っているのである。
2099・カイト+クリス ・最終回後
「もう十二月か……」
クリスは研究室の壁に掛けられたカレンダーをめくる。写真が紅葉から雪景色に変わったのを見ながら、彼は時の流れの速さをしみじみと感じていた。
カイトは表情を変えず、自分の席でコーヒーを啜る。
「十一月三十日の翌日は十二月一日だろう。別に早くも遅くもない」
「……君らしいな」
クリスは苦笑しながらカイトの方を向く。
彼の知る中で一番気難しい人間はドクター・フェイカーだが、その息子であるカイトも相当難儀な性格をしていた。特にクリスに対しては突っかかるような発言をすることが多く、その場面に居合わせたミハエルをムッとさせることもある。
しかしそんなカイトの言動に、クリスが気分を害したことはなかった。その言葉の裏にあるのが悪意ではなく、彼に対する信頼であることを――クリスは知っているのである。
パイプ
TRAININGひジ日和がジュンにアドベントカレンダーを贈る話。
前々日譚。
11月29日師走はお坊さんの偉い人たちが東奔西走忙しい時期だから、あっちこっち走り回る様をあっという間に過ぎ去っていく感覚に例えた当て字の月名だと聞いた事がある。そう言うんなら今年はずっと師走だったなぁ・・・いや、おひいさんに出会ってからずっと師走か。などと目前に迫る12月への所感を何気なく休憩中、日和に話した事がはじまりだった。
「え、ジュンくん、もうすぐ12月だって思うとそんな感想になるの?お年寄りじみているね?」
いつもの事ながら、失礼な物言いに抗議の気持ちを込めてジュンは隣に座る日和をジトリと睨む。
「だって、12月だよ?みんなが楽しみにする一大イベントがくるね?」
「一大イベント・・・っすか?あぅ?大掃除?・・・は楽しみじゃねぇか・・・」
1055「え、ジュンくん、もうすぐ12月だって思うとそんな感想になるの?お年寄りじみているね?」
いつもの事ながら、失礼な物言いに抗議の気持ちを込めてジュンは隣に座る日和をジトリと睨む。
「だって、12月だよ?みんなが楽しみにする一大イベントがくるね?」
「一大イベント・・・っすか?あぅ?大掃除?・・・は楽しみじゃねぇか・・・」
marie33helene
DONEポカぐだ♀ アドベントカレンダーのお話千々なる祈り 食堂へ向かう廊下に立香の影が伸びる。
艦の窓から見る空はオレンジとネイビーのグラデーションを描き、徐々にネイビーの幅が広くなっていた。
ハワトリアで過ごした夏から比べてすっかり陽の落ちる時間も早まったし、影もあっという間に長く伸びていって本格的に冬の様相だ。
白紙化された地球からは日本のような外から見える風景に四季は感じ取れないけれど、データ上は今日から十二月を示している。
師走だからね、と人が口々に言いばたばたと過ごした日常を、伸びた影を見ながらぼんやり思い返す。
カルデアに来てからも何だかんだと大きい出来事は十二月から大晦日、お正月と続いていくものだ。
今年とて何か起きるか分からないし、感傷に浸ってばかりもいられない。
3670艦の窓から見る空はオレンジとネイビーのグラデーションを描き、徐々にネイビーの幅が広くなっていた。
ハワトリアで過ごした夏から比べてすっかり陽の落ちる時間も早まったし、影もあっという間に長く伸びていって本格的に冬の様相だ。
白紙化された地球からは日本のような外から見える風景に四季は感じ取れないけれど、データ上は今日から十二月を示している。
師走だからね、と人が口々に言いばたばたと過ごした日常を、伸びた影を見ながらぼんやり思い返す。
カルデアに来てからも何だかんだと大きい出来事は十二月から大晦日、お正月と続いていくものだ。
今年とて何か起きるか分からないし、感傷に浸ってばかりもいられない。
りーさ
DONE2022.12.162回目のアドベントカレンダーの企画に参加した時のもの。
1回目の時は毎日わくわくしながら見てたので、翌年に参加出来て嬉しかったです。
おまけで公演毎の役で描きたかったけれど挫折した向城置いておきます…。 2
たまごやき@推し活
PAST現パロアンぐだ♀、ぐだ子受アドベントカレンダー参加作品まとめぐだ子受アドベントカレンダーまとめスタート
賑やかな通りはハロウィンが終わった瞬間に赤と緑の飾りで覆われる。どこもかしこも浮かれきった有様。
近所の寂れたスーパーですらそれなりの飾りが施されている。
「もう他に足りないものなかったっけ? もうお会計しちゃうよ」
「すぐ近くなんだ、買い忘れがあってもどうにかなる」
そんな面倒なことにならないように確かめてるのに! と不機嫌なフリで彼女が言った。
スーパーからの帰り道、電飾で飾られた家を見るたびに彼女は顔を輝かせる。
そのくせ我が家といえばツリーどころか果たしてクリスマスディナーのひとつも出るか疑わしい状況。丸めた原稿の成れの果てで灯した炎で夢でも見られたら良いのだが、生憎現実はそうもいかない。
36168賑やかな通りはハロウィンが終わった瞬間に赤と緑の飾りで覆われる。どこもかしこも浮かれきった有様。
近所の寂れたスーパーですらそれなりの飾りが施されている。
「もう他に足りないものなかったっけ? もうお会計しちゃうよ」
「すぐ近くなんだ、買い忘れがあってもどうにかなる」
そんな面倒なことにならないように確かめてるのに! と不機嫌なフリで彼女が言った。
スーパーからの帰り道、電飾で飾られた家を見るたびに彼女は顔を輝かせる。
そのくせ我が家といえばツリーどころか果たしてクリスマスディナーのひとつも出るか疑わしい状況。丸めた原稿の成れの果てで灯した炎で夢でも見られたら良いのだが、生憎現実はそうもいかない。
mikoro_u
DOODLE蛇神が寿のこと「古狸」って呼んでるし、歳は狸が上なんだろうな。幼い頃はきっと狸のが身長高かった時期もあるんだねぇ…という願望と落書き。
アドベントカレンダーのページは下げさせて頂きました。
見てくださりありがとうございます!
今年もキラキスたくさーんの年になりますように!
座敷@zashiki3
MOURNINGクリスマスのアドベントカレンダー用に手書き原稿で書いたものの、スマホへの打ち込みと印刷が間に合わずに、身内以外に渡せなかったpupちゃん小話のWEB再録です。当時は校正も間に合わなかったので、今回のWEB再録に合わせて多少の加筆修正をしています。
※なんでも許せる方向けです。 4403
みゅうちゅー
DONEしーっ。今道満寝てるから、ね?って感じの膝枕道ぐだです。
ぐだ子受けアドベントカレンダー2022に出しました。
年内にもっと描きたかったんですが、これが限界でした…あとは間に合わないけど描こうと思います!
みゅうちゅー
DONE身長差カップルあるある(多分)なやつです。これもぐだ子受けアドベントカレンダー2022のお題「マフラー」として出させていただきました。
お題見た瞬間にほぼ全部決まってるので、描ける限り描きたいですね…掃除が…