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    キース

    loveandpeace_kd

    DONE3月19日のエリオスWEBオンリー用の展示小説。キスディノですがモブ子視点。ディノは出ません。ほぼほぼモブ子とキースです。

    パスワードはお品書きに記載。
     キース・マックスと初めて会った日の事はよく覚えている。ヒーローはランクが上であればある程に人気も上がると認識している。今や私が住むニューミリオンでは当たり前な存在である彼らは、メジャーヒーローともなればそこらの芸能人よりよっぽど有名人だ。レジェンドと言われるレオナルド・ライト然り、この近年ではスーパーヒーローと言われ、親しまれるジェイ・キッドマンも誰もが知るヒーローだった。私はそこまでヒーローに対してミーハーな気持ちも持っていた訳でもなく、友人がかなり熱心なヒーローマニアでよく話を聞くから知っている程度だった。
     そんなある日の事。そのヒーローマニアの友人とイエローウエストでショッピングをしていて、彼女の買い物が終わるのを店の外で待っていた時、不意にけたたましいサイレンが鳴り響いた。何が起きたのか分からずに周囲を見渡すも状況は掴めない。やがて誰かがイクリプスだ!!と声を張り上げた事で辺りは一瞬でパニックになった人々の悲鳴に囲まれた。イクリプスの襲撃から逃げる為に皆が一目散に走り出す。友人を連れて急いで避難しようにもその店までの僅かな距離が、逃げ惑う人々で溢れかえったその通路では難しい状況だった。漸く人の合間を掻き分けて辿り着いたその店先には見た事も無い出で立ちの人間なのか機械なのかも分からない存在が居た。その時に私は直感で気付いたのだ。ああ、多分これがイクリプスで、私はここで死ぬんだ。短い人生だったな、せめて店に居る友人は無事だと良いけれど。そう心の中で友人の無事だけを願い目を閉じたその刹那、いつまで経っても自分に降り掛かって来ない衝撃に疑問を感じながら恐る恐る目を開けると、目の前に映ったその光景に私はポカンとただただ口を開く事しか出来なかった。
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    karehari

    DONE前作キスディノ(一問一答~)のすき間のフェイスとジュニアの話です
    ※前作中盤の「キースの算段」の話
    ※変なことは書いてないつもりですが、人によっては蛇足かも
    ※CPはキスディノのみ
    ※フェイス19歳
    夜の守り人九つ歳上のメンターが慌ただしく駆けていくのを、リビングでまったりと過ごしていたフェイスはちょっと驚いた様子で見送った。行き先はどうやらバスルームで、顔色は妙に赤い。いつもは持って入らないスマートフォンが防水バッグに詰められ連れていかれているのがフェイスのマゼンタの目に映る。
    推測出来る理由はいくつかある。うち、この場合は急ぐ必要はないだろう、あれならフェイスを見つけて声を掛ける余裕はあるだろう、と頭の中で考えて省いていくと一つが残る。

    「やっとかぁ」

    間延びした声で、隅に箔柄の入った黒い小箱から気に入りのショコラをつまんだ名探偵フェイスがもごもごと呟いた。
    俗な言葉で言ってしまえば、同室に住まうメンター二人、キースとディノはデキている。公言はされていないものの、最近の空気感が明らかにこれまでと違うのだ。距離感はもともと狂っているのであれだが、どうにもこう、ふんわりとした幸せそうな雰囲気が二人を包んでいるようにフェイスには見えていた。分別のある彼らは業務に支障をきたさず、自分やジュニアの前で恋人の振る舞いをすることもない。大人なのだな、と感心するほど。
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    so_annn

    MOURNING失恋する勇気のないキースの話。
    【https://poipiku.com/535307/6169917.html】の続き?です。
    ・先天性女体化のキス→ブラ♀です。
    ・一部キスディノ♀をにおわせる描写を含む可能性があります。
    ・ブラッドのほかにも何人か(ディノなど)女性になっていますが、直接描写があるのはブラッドとディノだけです。
    10年醸造 #9
     10年以上初恋を引きずっている、なんて人が聞いたら笑うだろうか。笑うんだろうな。
     けれどオレは、もう10年以上、煮詰めすぎた恋心を捨てきれずに生きている。
     オレが知る他の誰より高潔で、清く、美しい女への片恋を。
     
     
     あれは確か、17の年の初春のことであったと思っている。彼女と一緒に、クラスメイトの女友達へのプレゼントを買いに行っていたのだから間違いない。
     女友達……ディノへ何を買うか、いつまでも考えあぐねていたオレとは違って既に何を購入するのか見当をつけていたらしい彼女は、さっさとショッピングモールのなかにあるアクセサリーショップへと進んでいった。
     アクセサリーショップ、なんていっても高級店じゃない。店の左手にはショーケースに入ったそれなりに高そうな品も売られていたが、彼女が用があったのは、その手前、比較的入りやすいエリアにあるコーナーのようだった。
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