Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    ズサ

    なまたまご

    TRAININGコスメカウンターに居るやけ“とお客さんの新卒OLにょたんばちゃんの話2。出会い編後半です。

    この話は、小ゆずさんによるやげんばの設定をお借りした三次創作です。
    片側のオレンジは愛を知っている。俺とその女は、アイシャドウのディスプレイで候補を見繕い、カウンターに戻った。その候補に上がったのは3つのパレットで、それぞれブラウン、ピンク、オレンジを基調にしたパレットだった。俺に言わせるならもう答えは決まっている。ブラウンしかない。だが俺はあえてそれを口にせず、この女が恐る恐る手に取ったピンクのパレットと悩ましげな視線を送ったオレンジのパレットに手を伸ばし、ここへ持ち帰った。
    「ご自分でお付けになりますか?」
    「いや…お、お願いしたいんですけど…。」
    「はい、かしこまりました。どちらから試されますか?」
    「…茶色のやつ、で。」
    「かしこまりました。では準備させて頂きますね。」
    「お願いします…。」
    俺は閉じられたあどけない瞼にベースを塗って、アイシャドウを重ねた。グラデーションを作り、瞼の上にハイライトを入れて、それとなく仕上げる。それから女に鏡を見せて、出来栄えと所感を聞いた。女は鏡を見た瞬間に、驚いて目を見張った。印象が変わった自分の顔が、まるで自分ではないように見えたのだろう。
    3730

    mao_skyland

    MOURNING無惨戦後の余生うずさねです。
    なんかみんな余生上げてたから…。
    刀嵐3で掲載した『愛してるの代わりに』の前身となったもの。随分前に書いたやつだから視点がコロコロ切り替わって読みにくいし色々と荒い。
    べったー最近使ってないから非公開にしてしまったのでこっちで供養しておきます。一度これが原因で心が死んだことがあるので恥ずかしくなったら下げます。
    痣の寿命による死ネタ有り。
    共に見た景色は光り輝くあの日、鬼の始祖を倒して手に入れた平和な世界と引き換えに、オレは全てを失った。





    自分の命より大切な弟が、目の前で塵になって消えていった。骨の一本すら残らず、残されたのは中身の無い只の布。あいつにはオレのことなんざ忘れて、何処かで穏やかに暮らしてほしかっただけなのに。弟を連れて行かないでくれというオレの願いは、無情にも天に届くことは無かった。
    悲しみに暮れる間も与えられず、ただ我武者羅に刃を振るった。



    目を開けると消毒液のにおいのする寝台の上で、全身の痛みと発熱で回らない頭で自分があの世から戻されたことをぼんやりと思い出す。
    指先を動かすことすらできず、ただ天井を眺め続けているとガシャンという何かを落とす音が聞こえた。
    8487

    @t_utumiiiii

    DOODLEホワイトデーに「バレンタインデーのお礼」をくれるピアソンさんと何も渡した記憶がないウッズさんの話です
    with pearl earrings(泥庭医) エマが部屋で机に向かい、彼女が日頃つけている継ぎの当たったエプロンのポケットに入る程度に小ぶりなサイズのノートを開いて、日々の園芸の記録を付けていたところ、ドアをノックされた。
    「はーい」
     それに何気なく応えたエマが、さらに「どなた?」と続けると、「う、ウウ、ウッズさん! わっ、わた、私だ、ク、クリーチャーだ。その、い、いまいいか」と、ドアの向こうから男の裏返った声が返って来て、エマは微かに表情を曇らせながら、迂闊に返事をしたことを後悔した。
     彼女に用があるらしく、部屋の前まで来ているクリーチャー・ピアソンとの因縁――彼はエマにとって、荘園での初回のゲームで同席した三人の内の一人であり、そのゲームの参加者はいずれも、過去に彼女に対して酷い仕打ちをした者たちで構成されている――は兎も角として、今時点のエマはその男のことを、「絡まれたら面倒な人」程度に思っていた。何かと付きまとってきて鬱陶しいし、それで思うように行かないと癇癪を起こして喚き出すところなんかを、エマは(子供じゃないんだから!)と、呆れるぐらいに思っている。そっと息を殺して、いないふりをすれば良かったかもしれない………。
    4201

    @t_utumiiiii

    DOODLEエミリー先生にリースを編むためにミモザを取ってきたウッズさんにダル絡みしたら花を分けてもらえたピアソンさんが浮かれてる現場に遭遇したフレディ・ライリーの二次です(泥庭+弁) ※セクハラ/強めの言葉の描写
    mimosa(泥庭+弁護士) 黄色く細かい綿埃めいた花が、しなだれるような枝先に向かっていくつもの連なっているそれには、ミモザという名があるそうだ。ピアソンにとっては、敢えて注目したこともない花だった。とはいえ、ミモザは都市の生活環境のなかではいたって身近な植物であり、日当たりのいい屋敷の南側の生垣や、こじんまりとして感じのいい庭の入口の門などに覆いかぶさるように生えて、春先には黄色く感じの良い花をつける。単純にそれらが、およそ都市の貧民街の中にすっぽりと納まっている、ピアソンの生活半径の内側に存在しなかった、というだけのことだった。
     あんたがよく手入れをしている例の中庭にそれが生えているのを見たことはない、などとピアソンが言ってみると、ミモザの花のついた嵩張る枝葉を腕に一抱えするほど持ちながら屋敷の廊下を歩いていたところで呼び止められていたエマは、僅かに面倒臭そうに、しかし、あからさまに皺を寄せたと見咎められない程度に眉頭を寄せながら、「……裏の林に生えているのよ」と言った。未だ姿を見せることのない荘園主の手紙によってほうぼうから呼び寄せられ、その後荘園に閉じ込められた招待客(サバイバー)らが仕方なく共同生活を送っている屋敷の裏手に、鬱蒼と広がっている林のことだ(定期的にそこから荘園の外へ脱出できないかを試す連中が現れるが、成功したという話はひとつも聞いたことがない)。
    4633

    かもがわ たかお

    MOURNING別に付き合ってもいないのにワンナイトしてしまって子供ができてしまいこのままじゃぃばの足枷になる障害になると姿を消したんずさん。一人で子供を産んで育てていた所、茨サンがそれを探し出して、子供と接触する話。
    子供の名前出てきたりなどするし、あんスキャラと音が被ったりなどしている。
    ネタが人を選ぶアレなので心の広い方のみどうぞ。子供視点なので平仮名がめちゃくちゃ多いです。
    こどもとおとな おれのおかあさんは忙しい。仕事はいろんなイベントのきかく、うんえいっていうのをしてるんだって。町の大きなホールでやったスゴイひとのコンサートとか、年に一回、夏にある大きなおまつりをつくったりだとか、冬はとなりの町といっしょになって、ぜんぶぜんぶをクリスマスでいっぱいにしたりして、とにかくうちのおかあさんは忙しい。そんでもって、スゴイ。
     うちにはお父さんってやつがいないから、おれが小さいときから、おかあさんは大変だった。保育園でも、おれは帰るのが一番遅かったし、小学校にはいってからはがくどうに通っている。それでも、おかあさんが帰るのがおそくなる時は、となりのおばちゃんのうちで晩御飯を食べたり、時々くるおかあさんのおとうと?おじさん?が家にとまってくれたりして、そうやっておれを一人にしなかった。
    4196

    kotobuki_enst

    DONE茨の相談に乗ってあげるあんずさんの茨あん。進展しないから落ち込んでたとかそういうわけではないけどご本人からエールをもらえてちょっと浮かれてる茨。
    会話をメインに話を進めようとするのは難しいね……!
    その瞳に焼べるのは「……どうしても仕留めたい案件があるんですけど」
    「うん」
    「自分には難しそうなんですよねぇ。こういう時、あんずさんならどうします?」

     茨の珍しく弱気な発言に、あんずは返事の代わりに向き合っていた雑誌から正面に座る茨へと視線を移した。当の茨はあんずの方は見ておらず、ノートパソコンを見下ろしてキーボードを叩いている。
     夜のCOCCIには茨とあんず以外の客はいない。つい先ほど店員がラストオーダーに注文したコーヒーとカフェラテを運んできて、今はキッチンの奥に引っ込んで店じまいの支度をしているようだった。茨がキーボードを叩く音と遠くでカチャカチャと食器のぶつかる音だけが店内に小さく響いている。二人は四人用のテーブルに荷物を広げて、何か打ち合わせをするわけでもなく各々の片付けるべき業務をそれぞれ進めていた。会話はなく、最後に言葉を交わしたのは「遅くなってきたね。そろそろ切り上げる?」「そうですね。キリの良いところで引き上げましょうか」という一時間ほど前のやりとりであった。結局どちらも進んで荷物を片づけ始めることなく、こうして閉店ギリギリまで店に居座っている。
    3517