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    ネームレス

    eineklei

    REHABILI誰か年上の人が”好き”な天峰くんと同級生で生徒会に入ってる「私」の観測失敗夢小説です。ネームレス。
    これは誰の話? 「天峰くん」が私達の恋バナに参加することは極めて稀だった。生徒会はいつも忙しいのでそんな話題になる事自体おかしいのだが、最近アイドルになった彼にとって危ない話題だってことくらい、流石に高校生の私達でも分かる。A組の××は○○の事が好きだとか、C組のあの人を誰と誰が気になってるとか、私達が話している時も彼は黙々と手を動かしているか、資料に目を通しているか。そして休憩の時間が終わると──大抵五分か十分だ──「先輩、そろそろ始めましょう」真っ白なコードを耳から外して私達に声を掛ける。
     おしゃべり好きな「先輩たち」は生徒会長だから恋しないんじゃないかとよく噂していた。自分たちの手本にならないから、天峰くんは真面目だから、進学校らしい校則をちゃんと守ろうとしてるのかもしれない。でも、同じく書記として生徒会に入った自分だけは知っている。クラスメイトで隣の席になったこともある私は「天峰」がスマホ片手に難しい顔をしてる事も知ってる。クラスに唐突にできた空席を誰もが遠巻きに見ていた。「天峰」の周りには、触れちゃいけない話題がごろごろ転がっている。でも、それでもみんな彼が好きだった。
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