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    プロポーズ

    七篠(Nanashino)

    DONE「2回目のアニバーサリー」
    2回目の同棲記念日に、雪祈にプロポーズしようと頑張る大の話(全年齢向)

    同人誌『アルカディア』収録「Drifter」からさらに数年後のイメージで書いてます。(未読でも読めます)
    中途半端な完成度になってしまったので、加筆して未来の新刊に入れるかも。

    (※イベント時パスワード制にしてましたが、パス外しました。ご自由にお読みください)
    二回目のアニバーサリー 三十路手前のオレたちがNYのフラットで同棲しはじめてから二年目の季節がやってきて、記念日の今日はレストランで食事することになった。
     一年目の記念日の時はオレ、宮本大は演奏旅行のツアー中、沢辺雪祈は依頼を受けた作曲の締切前で忙しかったので、今日が実質はじめてのアニバーサリーデイみたいなものだった。

    「えーっと、今日の店はキングダムホテルの3F【ブルー・サファイア】か」
     店の選択と予約は雪祈のやつに丸投げだったので、オレは今日の店については名前しか知らない。でもホテル3Fの、低層フロアにあるレストランならそこまでかしこまるような場所では無さそうだ。
     本日のオレの装いはコットンのパリッとした白いシャツに、おろしたてでまだ真っ黒のデニム。それにカジュアルめの蝶ネクタイを合わせて、髪もワックスでアップに整えた。いつもと違う格好だったから練習中にバンドメンバーから「おッ。リーダー、今日は愛するユキチャンとおデートですか?」と散々いじられたけど気にしないで演奏に励んでいたオレです。
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    まみや

    MAIKING8/12夏コミ新刊「いつかきっと王子様が…」のサンプル。
    子供の頃溺れているところをドラちゃんに助けられたロナルド王子が大人になってドラルクと再会しプロポーズするも断られ「願いを3つ叶えたら結婚してやろう」と言われて奮闘する話です。最後はハッピーエンド、全文ではR18になりますが、サンプル部分は全年齢です。https://darkdance.booth.pm/items/4988727?_gl=1
    いつかきっと王子様が… ここは美しい海辺の街、シンヨコハーマ。都ほど栄えてはいないけれど、豊かな海と貿易で人々が幸せに暮らす小国でした。王の名前はヒヨシ、先代から王位を継いだばかりの若い王様でしたが人々の人望も厚く慕われていました。ヒヨシの二人のきょうだい、ロナルドとヒマリも兄をよく助け国民のために働くよき王族でした。兄のロナルド王子は美しい銀の髪にトパーズのような青い瞳と見目も麗しく、国民特に女性からは大人気でした。
     その王子には秘密がありました。
     王子はカナヅチだったのです。
     海の恵みで生きているようなこの国で泳げないとは言語道断。けれどそれには理由がありました。
    「子供の時に溺れてから泳げないんだったな」
     今日も泳ぎの特訓のために訪れている静かな入江で、指南役を仰せつかった人魚のヒナイチは憐れむようにそう言いました。ヒナイチはお城のお菓子と引き換えにロナルドに泳ぎを教えているのです。
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