ロゼ
hoshinami629
PROGRESSロゼマさんがフェルさんのマントに本気で刺繍するために、色んな人と関わりながら作業を進める話が書きたいな〜みたいな感じの話。レティーツィア視点、ユストクス視点、ローゼマイン視点、フェルディナンド視点まで書けたら完成ですが完成する気がしないのでとりあえずここに上げておく。マントに刺繍しよう(仮) アレキサンドリアで暮らしていると、なかなか秋が深まらないと感じる。暑くもなく寒くもない、ある意味では過ごしやすい日がいつまでも続く。一応、冬には雪も降るらしいけど、積もったところは見たことがないと近所の人達から聞いた。冬支度もエーレンフェストより、ずっと簡単に済むらしい。何なら、天気さえ良ければ真冬でも市が立つと聞いた。そんな風に初めての土地の気候について話しながら、私と母さんは、繕い物の準備をしていた。
「こちらだと冬の支度が楽で良いわね」
母さんの言葉に頷きながらテーブルを拭き、布地を広げたところで、ガチャ、というあの音が聞こえた。続いて、隠しきれない弾んだ足音。
「あ、マインだ」
私が言えば、母さんも笑って頷く。ちょうど貰い物のピルネが残っていたので、それを皿に盛る。夏以来の習慣で作り置いていたお茶をカップに注いだあたりで、背後から、ただいま! の声が聞こえた。
15389「こちらだと冬の支度が楽で良いわね」
母さんの言葉に頷きながらテーブルを拭き、布地を広げたところで、ガチャ、というあの音が聞こえた。続いて、隠しきれない弾んだ足音。
「あ、マインだ」
私が言えば、母さんも笑って頷く。ちょうど貰い物のピルネが残っていたので、それを皿に盛る。夏以来の習慣で作り置いていたお茶をカップに注いだあたりで、背後から、ただいま! の声が聞こえた。
びいどろ
DONEハッピーなロゼ王とのことで、届いた手紙にモヤモヤしたロゼのお話を…中身のないものとなりましたがなっちゃんネタ提供ありがとう〜〜!
嫉妬の手紙「…手紙、か」
側近のロゼという肩書きの男が差し出した手のひらほどの小さな便箋。封蝋は剥がされており、一度ロゼが中身を確認したことが伺えた。誰からだろうと差出人を見ればああ、あの子かと容姿を思い出して口元が綻んだ。
しかしその微笑みとは真逆にロゼの顔は険しく、こちらを見つめる目は不機嫌にくすんでいて。
…さて、中身は。そう封筒を覗けば折り畳まれた紙が2枚ほど収まっていた。
慎重に開きながら一字一句丁寧に読み進める。2人の間には無音の空間が広がっていた。王様の目が徐に伏せて、長いまつ毛がゆっくりと瞬きをする。それだけで絵になってしまいそうだ。
ロゼはそんな王様の姿をじっと見つめ、王様がふっと肩の力を抜いて椅子の背にもたれかかったところで紅茶の入ったティーカップを目の前に置いた。
2466側近のロゼという肩書きの男が差し出した手のひらほどの小さな便箋。封蝋は剥がされており、一度ロゼが中身を確認したことが伺えた。誰からだろうと差出人を見ればああ、あの子かと容姿を思い出して口元が綻んだ。
しかしその微笑みとは真逆にロゼの顔は険しく、こちらを見つめる目は不機嫌にくすんでいて。
…さて、中身は。そう封筒を覗けば折り畳まれた紙が2枚ほど収まっていた。
慎重に開きながら一字一句丁寧に読み進める。2人の間には無音の空間が広がっていた。王様の目が徐に伏せて、長いまつ毛がゆっくりと瞬きをする。それだけで絵になってしまいそうだ。
ロゼはそんな王様の姿をじっと見つめ、王様がふっと肩の力を抜いて椅子の背にもたれかかったところで紅茶の入ったティーカップを目の前に置いた。
小さな葉っぱ
DOODLEワルロゼ。春のお花と彼と彼女。
春の花と彼と彼女 ワルイージは自宅の庭で薔薇の世話をしていた。そろそろ肥料を取り替える時期で、その作業に勤しんでいる。
そこに愛しい声が流れ込んで来るのは、春の風が僅かに通り過ぎた後だった。
「此処に居らっしゃったんですね、インターホンを鳴らしてもお出にならなかったので」
「おう、あんたか。悪いな気づかねえで」
「いえ、構いませんよ。クッキーを焼いて来たんです。一緒にいかがですか?」
ロゼッタが手にしていた比較的小さな紙袋を顔の高さまで挙げる。ワルイージの顔にそれを楽しみにしたにやりとした笑みが浮かんだ。
「こいつは上等なティータイムだ。待っててくれ、これ終わらせちまうから」
「とっても綺麗な薔薇ですね」
彼の側まで来たロゼッタが腰を屈め、薔薇の一つにちょんと人差し指で触れた。たおやかな指も相まって、そんな何気ない所作ですら画になる。
919そこに愛しい声が流れ込んで来るのは、春の風が僅かに通り過ぎた後だった。
「此処に居らっしゃったんですね、インターホンを鳴らしてもお出にならなかったので」
「おう、あんたか。悪いな気づかねえで」
「いえ、構いませんよ。クッキーを焼いて来たんです。一緒にいかがですか?」
ロゼッタが手にしていた比較的小さな紙袋を顔の高さまで挙げる。ワルイージの顔にそれを楽しみにしたにやりとした笑みが浮かんだ。
「こいつは上等なティータイムだ。待っててくれ、これ終わらせちまうから」
「とっても綺麗な薔薇ですね」
彼の側まで来たロゼッタが腰を屈め、薔薇の一つにちょんと人差し指で触れた。たおやかな指も相まって、そんな何気ない所作ですら画になる。
小さな葉っぱ
DONEワルロゼ(ワルイージ×ロゼッタ)の短いものです。お題ガチャでお題を頂きました。
頂いたお題↓
【推しカプシチュガチャ】
「好き」と伝えるのが恥ずかしくて何も言えなくなってしまうロゼッタと、それを言ってくれるときを辛抱強く待つワルイージ
#お題ガチャ #推しカプシチュガチャ https://odaibako.net/gacha/963?share=tw
お題小説『好き』
ワルイージさんに抱いている想いは掻い摘んで言えばそうなる。でも、そんな単純な言葉で良いのかと、口にするのを躊躇してしまう。
言いかける度に、いつも迷いが喉を詰まらせた。
この気持ちに偽りはないのに、何故かしら。告げてしまえば私自身も楽になるし、彼も喜んでくれるのに。
ごめんなさい、こんな及び腰の弱虫で。
姫さんがオレを深く愛してくれて、それを表す二文字を言えない事はなんとなく察している。
たぶん、親御さんと離れ離れになった事、初めに出会ったチコがほうき星に生まれ変わる為に一度命を落とした事から、それを言う事に臆病になってるんだと思う。
オレではその心の傷は埋められないが、いつまででもその単純で真っ当な真理の言葉を待つつもりさ。
347ワルイージさんに抱いている想いは掻い摘んで言えばそうなる。でも、そんな単純な言葉で良いのかと、口にするのを躊躇してしまう。
言いかける度に、いつも迷いが喉を詰まらせた。
この気持ちに偽りはないのに、何故かしら。告げてしまえば私自身も楽になるし、彼も喜んでくれるのに。
ごめんなさい、こんな及び腰の弱虫で。
姫さんがオレを深く愛してくれて、それを表す二文字を言えない事はなんとなく察している。
たぶん、親御さんと離れ離れになった事、初めに出会ったチコがほうき星に生まれ変わる為に一度命を落とした事から、それを言う事に臆病になってるんだと思う。
オレではその心の傷は埋められないが、いつまででもその単純で真っ当な真理の言葉を待つつもりさ。
小さな葉っぱ
TRAINING800字練習。今日はワルロゼ。
今日はほぼ描写を放棄しちゃってる。
800字小説練習(ワルロゼ) 憎たらしいほどの快晴の空の下、サーキットに詰め掛けた観客たちの喧騒が聞こえる。
彼らはカート大会の始まりを今か今かと待ち望む。とはいえ今日のところはサーキットのコース上を会場としたセレモニーが行われるだけだ。本番前からこの大騒ぎという事は、本格的にレースが開始されれば相当な盛り上がりを見せる事は間違いない。
個々に用意された選手控え室。その中でロゼッタは今日何度目かの重たい溜め息を吐いた。
「ママー、きんちょーしてるの?」
連れて来ている一人のチコが無垢に、そして少し心配そうに尋ねる。
その子の浮かんでる方を見て、ロゼッタは少々無理に口角を引き上げた。
「ええ、実はそうなの」
ロゼッタは今回のカート大会で初出場するドライバーだ。その為、壇上に立って挨拶をする時間がセレモニーに設けられている。
1432彼らはカート大会の始まりを今か今かと待ち望む。とはいえ今日のところはサーキットのコース上を会場としたセレモニーが行われるだけだ。本番前からこの大騒ぎという事は、本格的にレースが開始されれば相当な盛り上がりを見せる事は間違いない。
個々に用意された選手控え室。その中でロゼッタは今日何度目かの重たい溜め息を吐いた。
「ママー、きんちょーしてるの?」
連れて来ている一人のチコが無垢に、そして少し心配そうに尋ねる。
その子の浮かんでる方を見て、ロゼッタは少々無理に口角を引き上げた。
「ええ、実はそうなの」
ロゼッタは今回のカート大会で初出場するドライバーだ。その為、壇上に立って挨拶をする時間がセレモニーに設けられている。
小さな葉っぱ
TRAINING800字練習。今日はワルロゼ(ワルイージ×ロゼッタ)。
描写修行も兼ねているのでヤマやオチには期待しないでネ♪
800字小説練習(ワルロゼ) 薄ら覚醒した意識と耳にだんだん大きくなる形で、小鳥のさえずりが鼓膜を揺らす。
朝が来たのか、と若干寝惚け気味の脳みそを働かせた。
次に感じたのは額を中心とした頭の軽い鈍痛。激痛ではないものの内側からじんわりと纏わり付き、振り払えない嫌な感覚。そういえば全身が怠っぽい。それに妙に火照っている。
そうだ、自分は昨日熱を出して――。それで、どう帰って来たんだっけ?
『んー……』と不調の溜まった嫌な空気を吐き出すように間延びした呻き声を出す。
朝の日差しに目がやられないようにゆっくり瞼を開けて行った。
すると、
「おはようございます。体調はいかがですか?」
ベッドの横から突然の声。想定外の出来事にドキッと心臓が跳ねた。ワルイージは驚いて目を見開き、慌てて首をそちらに傾ける。
1393朝が来たのか、と若干寝惚け気味の脳みそを働かせた。
次に感じたのは額を中心とした頭の軽い鈍痛。激痛ではないものの内側からじんわりと纏わり付き、振り払えない嫌な感覚。そういえば全身が怠っぽい。それに妙に火照っている。
そうだ、自分は昨日熱を出して――。それで、どう帰って来たんだっけ?
『んー……』と不調の溜まった嫌な空気を吐き出すように間延びした呻き声を出す。
朝の日差しに目がやられないようにゆっくり瞼を開けて行った。
すると、
「おはようございます。体調はいかがですか?」
ベッドの横から突然の声。想定外の出来事にドキッと心臓が跳ねた。ワルイージは驚いて目を見開き、慌てて首をそちらに傾ける。
小さな葉っぱ
TRAINING800字練習。今日はワルロゼ(ワルイージ×ロゼッタ)。
描写修行も兼ねているのでヤマやオチには期待しないでネ♪
800字小説練習(ワルロゼ) 今日は朝から車軸を流すような雨がずっと続いていた。泣いた空は夜になると少しは大人しくなったが、やはり空には重い雲がどこまでも広がりその雫はまだ収まっていない。
夕食を摂った後のワルイージは、カーテンを閉めようと窓に近づく。硝子の向こうの景色を見て顔をしかめて眉を吊り下げる。空と同じどんよりとした嘆息を肺の奥から吐き出した。
――今日は星空を見る事が出来ない。
夜に星を眺めるのは彼女と出会ってからの日課。恋に気づく前はなんとなくあの人を思い出すからという理由から、片思いになって自分の胸高鳴る感情を預けぶつけるスクリーンにした。恋人になってからはなかなか会えない彼女を少しでも身近に感じたくて、彼女の居る世界を僅かでも知りたくて。
1024夕食を摂った後のワルイージは、カーテンを閉めようと窓に近づく。硝子の向こうの景色を見て顔をしかめて眉を吊り下げる。空と同じどんよりとした嘆息を肺の奥から吐き出した。
――今日は星空を見る事が出来ない。
夜に星を眺めるのは彼女と出会ってからの日課。恋に気づく前はなんとなくあの人を思い出すからという理由から、片思いになって自分の胸高鳴る感情を預けぶつけるスクリーンにした。恋人になってからはなかなか会えない彼女を少しでも身近に感じたくて、彼女の居る世界を僅かでも知りたくて。
小さな葉っぱ
TRAINING800字練習。今日はワルロゼ(ワルイージ×ロゼッタ)。
今日で練習を始めて十日が経ちました。
800字小説練習(ワルロゼ) ほうき星の天文台と繋がるヘブンズドアにも春が訪れていた。空は宇宙ならではのダークネイビーが広がっているが、空気はぽかぽかとやんわり抱き締めるように暖かい。向こうには春を告げる花の代表格である菜の花が群れて咲いており、緑が豊かな青々とした地面に明るい蛍光色はとても映えて目にも楽しい。
このヘブンズドアに招かれたワルイージは城柱のような建造物の上に出した白い丸テーブルに着き、ロゼッタから紅茶をご馳走になっていた。
まさに宇宙規模の超遠距離恋愛故に会えない時間の方が多いので、一緒にお茶をするだけでも心がうずうずと良い意味で疼く。
いつもはあまり飲まないが、今日は彼女と同じアプリコットティーが良いと頼み、薄い赤褐色の味わい深い液体を啜った。
1170このヘブンズドアに招かれたワルイージは城柱のような建造物の上に出した白い丸テーブルに着き、ロゼッタから紅茶をご馳走になっていた。
まさに宇宙規模の超遠距離恋愛故に会えない時間の方が多いので、一緒にお茶をするだけでも心がうずうずと良い意味で疼く。
いつもはあまり飲まないが、今日は彼女と同じアプリコットティーが良いと頼み、薄い赤褐色の味わい深い液体を啜った。
小さな葉っぱ
TRAINING800字練習。今日はワルロゼ(ワルイージ×ロゼッタ)。
ワルさんは世界のヒーローにはなれなくてもロゼさんにとってのヒーローでは居て欲しいんだな〜。
描写修行も兼ねているのでヤマやオチには期待しないでネ♪
800字小説練習(ワルロゼ) マリオと出会って以来、ロゼッタは百年に一度でなくともあの蒼い星に降り立つようになった。最近の趣味は目的も宛もなくあの星を散策する事。両親と弟と過ごしていた時と同じ風を感じられて嬉しくもあったが、自分が来ていない間に変わった場所を訪れるのも、大人な印象ながら好奇心旺盛な彼女に享楽を与えた。
今日は“都会”の方に行ってみようと心の針が向く。都会は自分の少女時代にもあるにはあったが、現代とは意味に乖離があるように思える。そんな興味と共に、自分の時代にはなかった発達した文明の景色をこの目で見てみたいという冒険心も働いた。
やって来たのはニュードンク・シティ呼ばれる都市。天を突き破るのではないかと思うほどの高い建物が立ち並び、街は人の活気に溢れている。信号一つ取ってもデザインに優れているような気がして新鋭的な印象を与える。
1040今日は“都会”の方に行ってみようと心の針が向く。都会は自分の少女時代にもあるにはあったが、現代とは意味に乖離があるように思える。そんな興味と共に、自分の時代にはなかった発達した文明の景色をこの目で見てみたいという冒険心も働いた。
やって来たのはニュードンク・シティ呼ばれる都市。天を突き破るのではないかと思うほどの高い建物が立ち並び、街は人の活気に溢れている。信号一つ取ってもデザインに優れているような気がして新鋭的な印象を与える。
小さな葉っぱ
TRAINING800字練習。今日はワルロゼ(ワルイージ×ロゼッタ)。描写修行も兼ねているのでヤマやオチには期待しないでネ♪
800字小説練習(ワルロゼ) 今日の一日を終え、寝る前に外に出て春の月を見上げる。季節の心地好い風が小さく歌い、周りはその柔らかい息吹で揺れる草の音以外なにも聞こえない。
今宵の月は一層黄色く明るくて、彼女のシルクのような金糸の艶やかな髪を想起させた。
こんな風に夜空を見上げるのが習慣となったのは、やはり彼女と出会えたから。昼では見られない天然の宝石箱をこうして見上げていれば、遠く離れた彼女と繋がっていられるような気がして。会えない寂しさを銀星の光を拾い上げて埋める。
彼女を愛するまでこんな叙情的な趣味を知らなかった。
『花言葉があるように、星にも星言葉かあるのをご存知ですか?』
いつだったか会話にあった星の話。
今は彼女の誕生星が見える時季。月から目線を外して探してみる。
957今宵の月は一層黄色く明るくて、彼女のシルクのような金糸の艶やかな髪を想起させた。
こんな風に夜空を見上げるのが習慣となったのは、やはり彼女と出会えたから。昼では見られない天然の宝石箱をこうして見上げていれば、遠く離れた彼女と繋がっていられるような気がして。会えない寂しさを銀星の光を拾い上げて埋める。
彼女を愛するまでこんな叙情的な趣味を知らなかった。
『花言葉があるように、星にも星言葉かあるのをご存知ですか?』
いつだったか会話にあった星の話。
今は彼女の誕生星が見える時季。月から目線を外して探してみる。