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    ローグ

    koji_033

    PROGRESSいずれ燐ひめになるノンケの燐音×HiMERUが見たいなと思ってプロローグだけ書いてみたもの。筆が乗れば続きを書くし、乗らなければこのままかも知れないし…という感じです。
    ノンケ燐音×HiMERU「え、何? もしかしてメルメルって俺っちのこと好きなの?」

     どんな話の流れだっただろうか。たまたまレッスンルームに二人でいる時、唐突にそんなことを言われた。いや、別に唐突でもなかったか。何かしら天城がそう思うようなきっかけが前後の会話の中にあったんだと思う。ただその時の俺は頭が真っ白になっていたから、奴が半笑いで冗談めかして口にした言葉以外、何も思い出すことが出来なかっただけで。

    「……、」

     そんな状態じゃ当然自分がどんな顔をしていたかなんてことも覚えていない。“否定しなければ”と脳は指令を送っていたけれど、唇はぎこちなく開閉を繰り返し、細い息を吐くだけだった。ニヤニヤと意地の悪い意味を浮かべてこちらを見ていた天城は、そんな俺の様子に気付いてか、次第に笑みを引っ込める。その時僅かに奴の頬が強張ったのが分かってしまって、冷や水をぶっかけられたような気分になった。まぁ、そのおかげで却って冷静になれたんだろうけど。
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    ぽわみ

    PROGRESS文字書き練習もかねて。芸で頒布するやつにねじ込みたい。NOT CPの自ユニSSのプロローグ。
    プロローグ:HAL「将来の夢」。苦手な言葉だ。特に熱中してることもやりたいこともない俺には、「これで大人になったら生きていきます!」と宣言できるものもなかった。多分俺の考えすぎなんだろうけど。大人は「もっと夢を持ちなさい」って言うくせに、こちらがいざ夢を語ると「現実を見なさい」って言ってくるから嫌いだ。じゃあどうしろっていうんだよ、と思ったが要するに「身の丈に合った」「夢」を探せという事なんだと理解したので、俺は夢を探すのをやめた。中学の卒業文集でも将来の夢を書かされたけど、何も思いつかなかったので当たり障りなく部活でやってた「バスケの選手」と書いた記憶がある。
     アイドルにスカウトされたのは高1の夏だった。人気ゲーム会社のエンジニア、公務員、国際社会で活躍する企業へ…この先何で飯を食べていくのかをクラスメイトが続々と決めていく中で、自分だけがまだ二の足を踏んでいた。焦っていながらなぜ焦るのか答えを探したくて、哲学ならその答えが掴めるんじゃないかと哲学科進学を朧げながら考えて勉強していた時期だった(残念ながらこれは大人の思う「身の丈に合った夢」のレールから大きく外れるので、後々俺は親と揉めるのはまた別の話だ)。社会を良くしたいとか、人生で何を残したいとか、そんなのはどうでも良くて、ただ自分の存在証明の手段が勉強しかなかったんだ。
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