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    一人称

    あめつき

    CAN’T MAKE彼らの時代の死生観ってどんなだろうって考えてたら暗い話になったやつ。卒業後どこかに勤めてる設定。
    俯瞰的な文章を書けるようになりたいのに一人称擬きを書いてしまった。
    実際の伊作くんはこんなうだうだ考えなさそうだし、そもそも忍者よりも町医者とかになってそこそこ平和に暮らしてそう。てかして欲しい。
    memento mori人は死んだら何処へ行くのだろう。
    どこかの坊主の教えでは、仏となって浄土で往生すると言っていた。最近南蛮から渡来した信仰では、信じ祈れば神の身元へと導かれるらしい。

    伊作はどこか上の空になった頭でそんな聞き齧った程度のことを考える。手元は未だ血に塗れ、持っていた苦無を取り落としそうになる。こと切れる前の人間を前に物思いに耽る。
    どうして忍者になろうとしていたのか、初心なんて今はもう思い出せない。いや、そうではない。覚えているがあの頃の自分が思い描いていた未来と、今目の前にある現実は酷く乖離していてここまでの道程に対して疑心を抱く。

    忍びの術を学ぶ場所で、伊作は忍術だけでなく医術を学んだ。よっぽど向いていたのか六年間で十分すぎる知識を修めた。医術は人を生かすことを知ると同時に、どうすれば人は死ぬのかということを他の何よりも直接的に彼に知らしめた。これから戦乱へと身を投げる彼にとってはこの上無く有利になる知識であった。
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    みはいく

    DONE2022.6.11
    まだ自覚していない頃のふたり。ノヴァ君が先生のお酒を飲んでしまい、倒れてしまいます。酔っぱらってちょっとだけ先生に甘えます。
    先生とノヴァ君の一人称で物語が進みます。
    *リンガイア王国は十五歳で元服を済ませる私得設定なので、ノヴァ君は成人扱いです。
    *ゴッチェ・インペリアルは実在するお酒です。度数なんと92度!
    *酔っぱらっているので、ノヴァ君の父親の呼び方が普段と違います。
    サフランの雫 ランカークスの森の更に奥深く、他人がほとんど訪れない入りくんだ地形に、オレとオレの弟子が住む工房がある。
     オレの腕が壊れてから、人間の坊やを弟子にとって、こうやって工房に住むことになった。ヤツは鍛冶について学びながら、腕が利かなくなったオレの身の回りの世話もしてくれている。
     ヤツはオレにとって、そして他の人間たちにとって、いや地上の生きとし生けるものの命の恩人だ。言ってどうなるものでもないから言わないが、あのままなす術もなく手をこまねいていたら、地上はバーンのものになって、消し炭にされていたに違いない。この地上がそんな姿になるなど死んでも見たくない。ヤツがいてくれたからオレはあの剣を使う気になったし、つまるところ、オレの心は死なずに済んだのだ。バーンの所為で心が二度も殺されるなんて、まっぴらごめんだった。
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