一松
ふみこ
СДЕЛАНО一トド伝奇松のはじたか(紫坂一×桃瀬百々史)
雪と古本のにおいカーテンを開けようとした手が、止まった。
「どうしたの?」
その手をぼんやりと眺めていた一が、訊く。カーテンを握ったまま、弾かれたように百々史が振り向いた。一とぱちりと目が合う。一はベッドの上で、毛布にぐるぐるにくるまっている。眠そうな双眸と、ぴょこっと元気なくせっ毛が、かろうじて出ているだけだ。重力に逆らっていたくせ毛が、へたっと毛布にくっついた。それを見て、クスッと笑いつつ百々史は、
「ちょっとこっち来て」
小さく手招きをした。しかし、一は眉間にシワを寄せて
「えー、寒い……」
「いいから!」
百々史が語気を強めて言うと、掴んでいた分厚い遮光カーテンも一緒に揺れた。窓の外から白い光の破片がキラリと一の顔を照らす。
2807「どうしたの?」
その手をぼんやりと眺めていた一が、訊く。カーテンを握ったまま、弾かれたように百々史が振り向いた。一とぱちりと目が合う。一はベッドの上で、毛布にぐるぐるにくるまっている。眠そうな双眸と、ぴょこっと元気なくせっ毛が、かろうじて出ているだけだ。重力に逆らっていたくせ毛が、へたっと毛布にくっついた。それを見て、クスッと笑いつつ百々史は、
「ちょっとこっち来て」
小さく手招きをした。しかし、一は眉間にシワを寄せて
「えー、寒い……」
「いいから!」
百々史が語気を強めて言うと、掴んでいた分厚い遮光カーテンも一緒に揺れた。窓の外から白い光の破片がキラリと一の顔を照らす。
ruthxkuru_2
СДЕЛАНО一カラ『I love youで薔薇を送る』~収録作~あかねうち(@akaneuchi0520a1)さんとコラボさせていた、一松の告白シリーズのパンジー編です。
ポンとはじけるバターコーンが登場します。
支部に全文掲載中の抜粋です。 5
ruthxkuru_2
СДЕЛАНО10/1 一緒に色いろ42 掲載作カワウソ系次男&飼い主四男の『カラカワッ!』
カラ松くんが、オリジナル動物派生のカワウソとして登場します。サーモンが大好きで、ちょっぴり食い意地の張ったカラマツくん。一松は日々てんてこ舞い! 4
蜜リンゴ
СДЕЛАНО配信者のカラ松とリスナーの一松の一カラです。画面越しのI LOVE YOU「皆さんにスマートフォン端末を支給します」
「ビッグデータの収集にご協力お願いします」
「こちらをどうぞ」
「こちらをどうぞ」
ニートAIオムスビことウメ&シャケが交互に発言する。松野家の居間には横並びに六つ子が座り、各々がウメとシャケから手渡されたスマートフォンを物珍しそうに眺めていた。
「え!? これ最新モデルじゃん! やった!」
歓声を上げたのは末っ子のトド松だ。自分のスマートフォンを持っている唯一の松は早くもその機能を駆使して自撮りを開始している。十四松が素早く割り込みツーショットになっているが。
「ビッグデータってどういうこと?」
「大きいデータってことでしょ?」
「そういう意味じゃないだろ」
「ビッグデータとは人間では全体を把握することが難しい巨大なデータ群のことです」
14176「ビッグデータの収集にご協力お願いします」
「こちらをどうぞ」
「こちらをどうぞ」
ニートAIオムスビことウメ&シャケが交互に発言する。松野家の居間には横並びに六つ子が座り、各々がウメとシャケから手渡されたスマートフォンを物珍しそうに眺めていた。
「え!? これ最新モデルじゃん! やった!」
歓声を上げたのは末っ子のトド松だ。自分のスマートフォンを持っている唯一の松は早くもその機能を駆使して自撮りを開始している。十四松が素早く割り込みツーショットになっているが。
「ビッグデータってどういうこと?」
「大きいデータってことでしょ?」
「そういう意味じゃないだろ」
「ビッグデータとは人間では全体を把握することが難しい巨大なデータ群のことです」
のぞむ(g-enom)
КАРАКУЛИ2017らくがき 1-3p:あんスタ、4-5p:ポップン、6-7p:一松、8p:賢(デジモン)、9p:レキ(灰羽連盟)、10ー11p:刀剣、12ー21p:ペルソナ5(注:女装有) 21wato72color
КАРАКУЛИレ「お前服が破ける度に襲ってくるのやめろ!」武「でも一松、本気で抵抗すれば剥がせるだろうに、手を握ったら大人しくなるじゃないか。同意だろ?」
レ「おおお覚えてんじゃねーよ!!!!(矢を突き刺す)」
のぞむ(g-enom)
ТраурR-15G系 流血、怪我、暴力、リスカ、臓器1p:ファウスト(シャーマンキング)/2p:花ちゃん(神聖かまってちゃん)/3-4p:カヲル(エヴァ)/5p:【色違い】蒲田くん/6-8p:山姥切国広、宗三左文字、髭切(刀剣乱舞)9-10p:一松(おそ松さん)/11-12p:狂スロ、サンソン(FGO)/13p:三島(ペルソナ5) 13
samukawa_mayu_3
ПРОГРЕСС松二次創作BL。世界が終わらないと告白できない一松と、翻弄されるカラ松。左右なし、キスまでしかしません。続きです。愛しのお前と終焉simile②忘却 手鏡で飽きもせず自分の顔を見ている、オレ……
というのは建前で、今日のオレはそっと一松を観察している。オレのことをあんなに激しく求めてくれたはずの弟は、今はオレに興味の無い様子で、フレンドであるキャットと戯れている。
せっかく二人きりになれたのに
本当ならばオレに向けられる筈の微笑みは、全てそのキャットに向けられた。その柔らかな表情が憎らしいほどに思える。優しく撫でられてゴロゴロと喉を鳴らし、一松の膝で寛ぐキャット。あの指先も、その幸せそうな表情も、全てオレのものだった筈なのに……。
フッ、一松のフレンドに嫉妬するだなんて、オレらしくもない。
しかし、一松ってこんなに美しかったか? そりゃあ六つ子だからオレと同じ顔で、それは容姿が整っているということではあるが、こんなに惹かれたのは生まれて初めてだ。
4544というのは建前で、今日のオレはそっと一松を観察している。オレのことをあんなに激しく求めてくれたはずの弟は、今はオレに興味の無い様子で、フレンドであるキャットと戯れている。
せっかく二人きりになれたのに
本当ならばオレに向けられる筈の微笑みは、全てそのキャットに向けられた。その柔らかな表情が憎らしいほどに思える。優しく撫でられてゴロゴロと喉を鳴らし、一松の膝で寛ぐキャット。あの指先も、その幸せそうな表情も、全てオレのものだった筈なのに……。
フッ、一松のフレンドに嫉妬するだなんて、オレらしくもない。
しかし、一松ってこんなに美しかったか? そりゃあ六つ子だからオレと同じ顔で、それは容姿が整っているということではあるが、こんなに惹かれたのは生まれて初めてだ。
sumire421232
СДЕЛАНО인간쿠소さんの子持ち未亡人補佐ぴの設定をお借りして、モブ補佐前提若補佐オメガバースのSSを書きました。注意
・倫理観の欠如
・若頭はノンケ
・一松→カラ松要素あり 14355
samukawa_mayu_3
ПРОГРЕСС松二次創作BL。途中まで貼ります。カラ松のことを好き過ぎる一松と、それを知った途端に世界が終わった(けどリセットされた)カラ松のラブな話(左右なし)愛しのお前と終焉simile①「おそ松兄さんは?」
「まあ……死んだだろうな」
「マジかぁ……」
「……見たわけじゃあないが、状況的にそうだろう?」
世界は、もうすぐ終わるらしい。
星もない真っ暗な空、奇妙に歪んだ極彩色の景色。瓦礫と化した街並み、潰れて平らになった山。おい、何なんだよ、これは。
おれはいつの間にかカラ松と手を取り合って、そんな中でも暢気に宙に浮かんでいた。理屈はわからない。でも、確かにこの世界が終焉を迎えていると感じていた。
じゃあしょうがないか。また来世。来世はきっとすぐにおれたちを迎えに来て、再び日常という名の六つ子揃ってのニート生活が始まるだろう。そういうのは前にもあった気がするし、なんとなく感覚でわかっている。来世と言っても、今手を繋いでいるこの兄との関係性が何一つ変わらないであろうことも。
4036「まあ……死んだだろうな」
「マジかぁ……」
「……見たわけじゃあないが、状況的にそうだろう?」
世界は、もうすぐ終わるらしい。
星もない真っ暗な空、奇妙に歪んだ極彩色の景色。瓦礫と化した街並み、潰れて平らになった山。おい、何なんだよ、これは。
おれはいつの間にかカラ松と手を取り合って、そんな中でも暢気に宙に浮かんでいた。理屈はわからない。でも、確かにこの世界が終焉を迎えていると感じていた。
じゃあしょうがないか。また来世。来世はきっとすぐにおれたちを迎えに来て、再び日常という名の六つ子揃ってのニート生活が始まるだろう。そういうのは前にもあった気がするし、なんとなく感覚でわかっている。来世と言っても、今手を繋いでいるこの兄との関係性が何一つ変わらないであろうことも。
強炭酸しゅわラムネ
MEMO去年の11月11日に描きたかったはずが、描けなくてそのまま寝かせちゃってたポッキーゲーム一カラ出てきましたヴァンプニート一カラは、ニート一カラ前提で一松が後天性の吸血鬼になったという設定です。
ヴァンプ一ニートカラ(ポッキーゲーム)ヴァンプニート一カラ(ポッキーゲーム)
「いちまぁつ!」
「何?」
「今日はポッキーの日らしいぞ!!買ってきたから一緒に食べないか!?」
「食べないかって…おれ、もうお前の血以外味しないんだけど?」
「一緒に食べたらするかもしれないだろ?」
「うーん…」
「…やっぱりダメか?」しゅん…
「いや、食べる…一緒に食べたいんでしょ」
ぱああああっとしてる「ありがとうな!流石マイラバーだ!じゃあ…」
カラ松がポッキーを口に咥えてよこしてくる
「は!?おま、何してんの!?」
「ポッキーゲームだぞ?」
「ポッキーゲームはわかるけど!一緒に食べるってそういう!??」
「そうだぞ?」
「何つー卑猥なゲームだよ!」
「何でそうなるんだ…」
「はあ!?だってこれ、両端から食べてってキスするだろ?」
581「いちまぁつ!」
「何?」
「今日はポッキーの日らしいぞ!!買ってきたから一緒に食べないか!?」
「食べないかって…おれ、もうお前の血以外味しないんだけど?」
「一緒に食べたらするかもしれないだろ?」
「うーん…」
「…やっぱりダメか?」しゅん…
「いや、食べる…一緒に食べたいんでしょ」
ぱああああっとしてる「ありがとうな!流石マイラバーだ!じゃあ…」
カラ松がポッキーを口に咥えてよこしてくる
「は!?おま、何してんの!?」
「ポッキーゲームだぞ?」
「ポッキーゲームはわかるけど!一緒に食べるってそういう!??」
「そうだぞ?」
「何つー卑猥なゲームだよ!」
「何でそうなるんだ…」
「はあ!?だってこれ、両端から食べてってキスするだろ?」
hanpa114
КАРАКУЛИ仲良くなった老婦人にひと月の入院の間、犬(テリポメ)の世話と家の管理?を任された一松と十四松の、なにも起きない穏やかな毎日。(ちょこっと両片思いのモダモダがあるとなおよし)って言う、誇大妄想を最初だけざっと書いて、ちょこちょこ方針修正くらいでほぼA〜I任せにダラダラっと。
限定家族ごっこ(仮)人付き合いの苦手な一松と十四松と言えど、他人との交流が全くないわけではない。
一人ならいざ知らず、連めば怖いものなしの傾向のある現金な二人にはそこそこ心許せる知人が何人か存在している。
そのうちの一人で、稀少な異性の知り合いである老婦人は、散歩の度に顔を合わせていて、ひょんなことから縁が生まれた。
彼女には一松と十四松のように必ず連れがいた。連れは大変可愛らしい、まん丸でコロコロ動くヤンチャなポメラニアンと、ややぽっちゃり目の太々しい顔つきをしたボストンテリアなる犬っころだった。
その犬たちがあわや車道に飛び出すところを助けたことを切っ掛けに、二人は老婦人と言葉を交わすようになった。
そればかりか助けられたことが分かっているのか、犬たちに大層懐かれるようになった。
7439一人ならいざ知らず、連めば怖いものなしの傾向のある現金な二人にはそこそこ心許せる知人が何人か存在している。
そのうちの一人で、稀少な異性の知り合いである老婦人は、散歩の度に顔を合わせていて、ひょんなことから縁が生まれた。
彼女には一松と十四松のように必ず連れがいた。連れは大変可愛らしい、まん丸でコロコロ動くヤンチャなポメラニアンと、ややぽっちゃり目の太々しい顔つきをしたボストンテリアなる犬っころだった。
その犬たちがあわや車道に飛び出すところを助けたことを切っ掛けに、二人は老婦人と言葉を交わすようになった。
そればかりか助けられたことが分かっているのか、犬たちに大層懐かれるようになった。
カミツレ
СДЕЛАНОいっとどことあの部屋、ifまぷ松さんの「いっとどことあの部屋」(https://twitter.com/mappmatsuu/status/1492457125569826816?s=21)の「数時間後に意を決して愛の言葉をささやく一松っちゃん」を妄想したらできました
壁に追い詰められなかったし扉もっと派手に開くと思うんですけどこれが私の限界でしたφ(:3」∠)_ 5
fumau46k
СДЕЛАНОアニメディア2021年4月号で特集されていた学パロより、養護教諭カラ松✕数学教師一松です。ベタなバレンタインの話。『六つ子の中で一番生徒から人気があるのは一松』という設定を踏まえると、一松はめちゃくちゃチョコ貰ってくると思う推せる。そうやってチョコに興味なさそうな先生こそ逆にモテるんだよ知ってた。でも一松一人勝ちはムカつくから校長権限でそういうことするおそニキ校長、愛せる。雑誌読んでください。まるでさっき食べたチョコみたいだ 一日の仕事を終えて帰宅した一松は両手に持った紙袋を居間に降ろすと、疲労感を纏った溜息をついた。
「何か年々増えていってないか? どうやら今年も一松のチョコの数がオレ達六人の中で一番みたいだな」
カラ松は中身をチラリと覗き見て、思わず感嘆の声を漏らす。
「いやどう考えても一番はおそ松兄さんでしょ。『校長にチョコあげたら校内でチョコのやり取りしていい』なんてクソなルール作りやがって。おかげでこっちは校則違反って断り文句が使えなくて困ってんだよ」
一松はちゃぶ台の上にノートパソコンを開くと、チョコを畳の上に取り出した。包装紙や添えられたメッセージカードに書いてある名前を確認すると、それらをデータベースに打ち込んでいく。
1508「何か年々増えていってないか? どうやら今年も一松のチョコの数がオレ達六人の中で一番みたいだな」
カラ松は中身をチラリと覗き見て、思わず感嘆の声を漏らす。
「いやどう考えても一番はおそ松兄さんでしょ。『校長にチョコあげたら校内でチョコのやり取りしていい』なんてクソなルール作りやがって。おかげでこっちは校則違反って断り文句が使えなくて困ってんだよ」
一松はちゃぶ台の上にノートパソコンを開くと、チョコを畳の上に取り出した。包装紙や添えられたメッセージカードに書いてある名前を確認すると、それらをデータベースに打ち込んでいく。
Ermine
КАРАКУЛИ投稿テスト。ポジションが決まらず同時に童貞処女卒業すればよくね?となって奮闘する馬鹿二人。
「一松…これやっぱ無理じゃないか?」
「うるせぇもうちょっと腰落とせ💢」
「痛い痛い腰痛いちんここれ以上下げらんない痛い!!」
「おれだって首も腰も痛ぇよ畜生!!💢」
夜永 弥子
СДЕЛАНО20211114 いい十四松の日久々に松絵を描きました。
ついでに過去の松絵(ゆーなぎ名義)をまとめてみるなど。
1:2021年いい十四松の日
2:OPPAIパーカー松
3~16:ある寒い日の散歩
17~18:F6カラ松・トド松
19:背中合わせ数字松
20:2016年賀状
21~22:壁寄り一松
23:pixivイラコン用イラスト
24~25:イラコン用イラスト塗り絵(甥と姪へのプレゼント) 25
fumau46k
СДЕЛАНОアニメディア2021年4月号で特集されていた学パロより、養護教諭カラ松✕数学教師一松です。六つ子みんなで先生やってる学校における保数の2人の生活にスポットを当てた短編です。『六つ子の中で一番生徒から人気があるのは一松』という神から与えられた最高設定を咀嚼したくて書きましたが4000字そこらでは何も咀嚼できなかったのでいつかちゃんと馴れ初め含めて設定をきちんと捏造したいです。雑誌読んでください。正しい猫の愛し方 正午過ぎ。校内に予鈴が鳴り渡る、とある私立高校。
期末テストの終了と共に昼休みに入った生徒達は、とびきりの開放感の中で思い思いの時間を過ごしている。
そんな中、教室がある校舎とは別棟に配された保健室では、数人の女子生徒が入り浸っていた。
「ねぇねぇからぴー、数学の一松先生って家だとどんな感じなの?」
「こらこら、ちゃんと『先生』をつけないとダメじゃぁないか」
まるで友達のように呼ばれたカラ松が生徒に注意するも、彼女達が態度を改める素振りは特に見られない。カラ松もそれ以上追及することはなく、意識は既に先程の質問の答えに向いている。
「そうだな……思い返してみたが、別に家と学校で大きな差はないな」
「家でも無口なの?」
4961期末テストの終了と共に昼休みに入った生徒達は、とびきりの開放感の中で思い思いの時間を過ごしている。
そんな中、教室がある校舎とは別棟に配された保健室では、数人の女子生徒が入り浸っていた。
「ねぇねぇからぴー、数学の一松先生って家だとどんな感じなの?」
「こらこら、ちゃんと『先生』をつけないとダメじゃぁないか」
まるで友達のように呼ばれたカラ松が生徒に注意するも、彼女達が態度を改める素振りは特に見られない。カラ松もそれ以上追及することはなく、意識は既に先程の質問の答えに向いている。
「そうだな……思い返してみたが、別に家と学校で大きな差はないな」
「家でも無口なの?」
hanpa114
ИЗГОТОВЛЕНИЕ8月に入る前に書き始めたのに放置したら書けなくなったもの。ただただ十四松くんを甘やかす一松兄さん(と、それを分かった上でひたすら甘える十四松くん)の話、にするつもりだった
やっと長い梅雨が明けたのに、今度は暑すぎるからって理由で当面の野球禁止令を出された十四松は、ここ数日ずっと不機嫌そうにしている。
それでも律儀に言うことを聞く裏には、禁止を言い渡される数日前に増水した川で危うく流され掛けたからだ。
だけどその我慢もそろそろ限界だろう。
日がな一日バランスボールと戯れ、時々おれの元へとやってくる猫たちに構われて、たまにトド松と野球盤や将棋(と言って良いのか怪しいが)をするのが関の山の十四松は、このところやたらと甘えたで我儘になった。
「にーさん、お腹減った」
「へーへー」
十四松に言われなくとも、おれ自身空腹を覚え始めていた矢先だ。投げやりに返事をしつつ、緩慢に席を立った。
「…素麺?うどん?」
2666それでも律儀に言うことを聞く裏には、禁止を言い渡される数日前に増水した川で危うく流され掛けたからだ。
だけどその我慢もそろそろ限界だろう。
日がな一日バランスボールと戯れ、時々おれの元へとやってくる猫たちに構われて、たまにトド松と野球盤や将棋(と言って良いのか怪しいが)をするのが関の山の十四松は、このところやたらと甘えたで我儘になった。
「にーさん、お腹減った」
「へーへー」
十四松に言われなくとも、おれ自身空腹を覚え始めていた矢先だ。投げやりに返事をしつつ、緩慢に席を立った。
「…素麺?うどん?」