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    一般人

    triangle_sak

    MOURNINGいつかの無配にした一般人フィ(大学教授)×アイドルファ(???)のお話です。フィガロがずっとオタク。モブの女の子が出ます。
    設定違うとはいえ公式芸能パロに焼かれて続きが書けなくなるかもなので先に供養します。
    推しより先に死にたくない! あなたの好きなものを教えて、と言われて、そのとき思いついたものを伝える。車内に響くラジオがタイミングよくいい感じの曲を流していると、これなんていい感じだよね、と便乗して。こちらがハンドルを握っているというだけで容易くそこそこのムードを作り出せるのだから、それで十分だった。
     しかし後日、「あれを聴いた」「同じ歌手の他の曲を聴いた」などと報告されたって、反応に困る。添えられる感想が、ほとんどの場合自分が抱いた所感の熱量を上回っているからだ。
     だから、良くないことだとわかっていて、ああそう、と生返事をするたびに、好きなんじゃなかったの、と怪訝な顔をされる。そういった些細なことがきっかけになって、関係に亀裂が入って。弁明に力を尽くしてまで繋ぎ止める気力はないので、去っていく背中を追ったことはない。あまりにもろくに続かないものだから、最近はもうめっきり枯れ気味だ。
    9099

    januar00kate99

    PASTまだ平穏だった頃の未来の話。
    カードショップで働く「僕」は、困っている様子の客に声をかけた。
    彼は、生まれたばかりの息子に贈るデッキに迷っているようだ。

    ※未来の世界の一般人視点のお話。
    ※Sinデッキが未来で普通に販売されていたデッキだったら?という妄想です(カード効果はアニメ版に準拠)。
    ※パラドックスの家族に関するあらゆる要素を捏造しています。
    ※その他、あらゆる要素が作者による幻覚です。
    とある父親の贈り物 街も微睡む土曜の昼下がり、僕が働くカードショップにも、ゆったりとした時間が流れていた。だからなのか、僕はさっきから、落ち着かない様子でガラスケースの中を眺める一人のお客さんのことが気になっていた。彼は三〇分ほど前に来店して以来、この狭い店内をぐるぐると歩き回ってはカードを吟味し、困ったようにため息をつくということを繰り返していた。
     はぁ、とまた小さくため息の音が聞こえる。僕はついに声をかけた。
    「お困りでしたら、お手伝いしましょうか?」
    「良いのかい?」
     俯けていた顔を上げ、その人はぱっと表情を明るくした。鮮やかな金の瞳が、安堵したように細められる。
    「何かお探しでしたか?」
    「実は先日息子が産まれたんだが、初めて贈るデッキを何にしようか、迷っていてね」
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