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    はとこさん

    DONEビマヨダ。自分にしては甘め。キス有。ひとりで見る月も好きなヨダナの話。先に呟いた、すすき野でひとり立っているヨダナがどっか消えそうに見えたビマニキが腕掴んで、から派生。雰囲気小話なので深く考えてはいけない。
    兎じゃなくてケダモノならいる薄闇の中に、囁く声がある。
    声、ではなく、音か。
    閉じていた目を開けば、目の前に在るのは背よりも少し低い真白の穂を靡かせた一面のすすきである。シュミレーターに再現されたのは、マスターの国…どこかの地域のどこかのすすき野原。人里もなく、人の気配もなく。地にはすすきが靡き、空には見事な満月が輝くのみである。
    耳を澄ませば、すすきを揺らして通り抜ける涼やかな風がある。くん、と鼻を鳴らせば…よもや匂いまでも忠実に再現しているらしい。しっとりと湿った土と緑の青くさい匂いがする。
    マスターの国…日本は四季がはっきりとしており、今宵再現したのは中秋の名月なる、もっとも美しい月が見られる日だという。
    暑い夏が終わり、生えた樹木は美しく色づき、緑生い茂っていた山は、野は、一様に枯れた色に染まりつつもぷくりと膨れた実をつけるものもあれば、この時期…秋にしか咲かないという花が咲き乱れ、目を楽しませる。可憐でありながら強く、主張している。派手さはないが、慎ましやかというのか。
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    utai_pxm

    MAIKING謎の現パロブラネロ(ブラッドリーが作詞作曲した曲のボーカルをネロにやってほしいみたいな呟きをなぜか形にしようとした産物)
    聖歌隊の足音1 ブラッドリー・ベインが人生で一番はじめに触れた音楽は聖歌だ。年の離れた姉が敬虔な信徒で、子供のころに家の近くの古い教会の聖歌隊に入れられたのがきっかけだった。同い年くらいの奴らと同じ格好をして行儀よく並び、声をそろえて神を賛美する。その一連の行為自体は大層つまらなかったが、歌い方は覚えた。覚えるだけ覚えたら声変わりを待たずにさっさと抜けて、住んでいた通りの近くにあったライブハウスに通うようになった。そのライブハウスはかつて路上で喧嘩をする代わりに音楽を使い始めた奴らの闘技場を前身とした、今ではこの辺りで活動する名も無きミュージシャンたちの集う混沌としたたまり場でもあった。
     ベインの家はとにかく兄弟が多く、いつもろくに金がなかった。幼い頃は小遣いなんて一文たりとも貰えなかったから、正規の方法で会場には入れなくて、バイトをしていた年の近い兄にくっついてライブを見た。はじめは相当に煙たがれていたけれど、諦めずに通いつめれば顔見知りは増えていき、よくそこでライブをしていたロックバンドのメンバーの一人にギターの弾き方を教わった。バンドのアンサンブルを耳で学んだ。ライブの熱気や高揚感を客席から得て、自分も壇上へ上がることを選んだ。
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