坊ちゃん
KAKUASAKA
DOODLE一応軍装なのでワンクッション。20250701のrkgk。一枚目、暖かく(氣温が高い)なってきたのでアフリカ師団ちっくなもの。ウサギのバウアーの制服のみウール地。二枚目以降はうさうさぶった(かわいい振りの)ウサギのバウアーからの更に心眼ヴァージョンの途中的な。カックイイヒトガタに成らず半端状態な、擬兎化から更に擬人化みたいな🙄。坊ちゃんなナカミはかわらずでな想像イメージw。 3
bellmage
DOODLECoC『罅割れてハイドランジア』制作:黒柄エチル様
KP/KPC:Vincent Sylvester/いのさん
PC:Roosevelt Sylvester / まげる
両生還
「(身なりのいい坊ちゃん達が居るな……)」
はるし
MOURNING仙楽风情(?)もうさすがに寝ただろと思ってちょっと部屋に行ってみたらまだ普通に雑務の片付けしてた慕情に言葉を無くす風信、なイメージ。
(風信もお坊ちゃんだから寝着も高貴なの参考にしたよ)
仙楽時代もいっぱい考えたいな。
基本、自分の风情は完結後に結ばれるパターンなんですが、仙楽時代に既に関係持ってるパターンも好きだし、結局风情ってどんなパターンも美味しくいただけちゃうんですよね。
甘冉ひみ
MOURNINGCoC「ヴェルネの天使は死を歌う」KP:エレナ様
PC/PL:Iellan Vuopmejordet / カズ(一千秋)様
Calro Spinel / ばったもん2号様
Nicola de’ Serafini / ひみ
坊ちゃんRP楽しかったです!
私の子だけ生き残ったよ…さみしいね
そのこ
DOODLE幻水2、坊ちゃんが帰ってくる前のクレオさん。言及してる絵、例のあれです公式のシチュー作ってるやつ。ゲーム中は顔グラですが。はい。
2025-06-15
日が昇る前に目が覚める。目を開ければ見慣れた部屋がある。小さなサイドボードに色褪せた壁紙。一人用の机といす。私に必要なのはそれだけなのに、着替えて扉を開けてみれば、もっと大勢で住む豪邸が目の前に広がっている。
赤月帝国にその人ありとうたわれたテオ・マクドール邸。赤月帝国を打倒した解放軍を率いたセキア・マクドールの生家。いまは私一人が暮らしている。しんと静まり返った屋敷の中を、私の足音だけが響き渡っている。
さて今日も、汚れてもいない部屋を掃除し、見る人もいない花を飾る。あの頃のように、あの頃とは違うと私に刻みつけるように。
年金があるから、日々の暮らしに不自由はしない。それが坊ちゃんの指図であることは聞き及んでいた。この国を出ていく前、レパント殿にいくつか残した頼み事。そのうちの一つが私の事だった。
1690日が昇る前に目が覚める。目を開ければ見慣れた部屋がある。小さなサイドボードに色褪せた壁紙。一人用の机といす。私に必要なのはそれだけなのに、着替えて扉を開けてみれば、もっと大勢で住む豪邸が目の前に広がっている。
赤月帝国にその人ありとうたわれたテオ・マクドール邸。赤月帝国を打倒した解放軍を率いたセキア・マクドールの生家。いまは私一人が暮らしている。しんと静まり返った屋敷の中を、私の足音だけが響き渡っている。
さて今日も、汚れてもいない部屋を掃除し、見る人もいない花を飾る。あの頃のように、あの頃とは違うと私に刻みつけるように。
年金があるから、日々の暮らしに不自由はしない。それが坊ちゃんの指図であることは聞き及んでいた。この国を出ていく前、レパント殿にいくつか残した頼み事。そのうちの一つが私の事だった。
rRhlsbZnWaNsZn6
MEMO2025.06.07CoC6【Mの憧憬】
KP:こっきさん
PC / PL
HO1.小さき主人:成谷 目次 / ろきそにんさん
HO2.大きな従者:いちご / ぶどうのお酒
▼お友達のような主従でした!!!楽しかった~~~!
「坊ちゃん、次はどこへ行きましょうか」
sabasavasabasav
DONE「幸せだった頃」。ワンドロワンライ久々の参加でした。坊ちゃんの誕生日の話。マクドール家。テッドと出会う前。 ▽
夕暮れの気配が屋敷の敷地を包み始めていた。燃えるような西日が中庭の石畳を赤く染め、風に揺れる枝の影が長く伸びている。鍛錬場として使用している草原に立つ少年の背に、その光が静かに降り注いでいた。
ティア・マクドールは長棍を両手に構え、ひと息ごとに型を繰り出していた。その動きは派手さこそないものの、無駄がなく、丁寧に積み重ねられた日々を感じさせるものだった。
額から滴る汗が顎を伝い、地面に落ちる。数度、呼吸を整えるように目を閉じたティアは、やがてゆっくりと棍を納めた。
「……ふう」
肩で息をしながら、ティアはゆっくりと体を起こす。決して軽い疲労ではなかったが、それも心地よい。今日はやけに集中できていた気がする。だが、それはきっと、何かを押し込めるための集中でもあったからだ。
3433夕暮れの気配が屋敷の敷地を包み始めていた。燃えるような西日が中庭の石畳を赤く染め、風に揺れる枝の影が長く伸びている。鍛錬場として使用している草原に立つ少年の背に、その光が静かに降り注いでいた。
ティア・マクドールは長棍を両手に構え、ひと息ごとに型を繰り出していた。その動きは派手さこそないものの、無駄がなく、丁寧に積み重ねられた日々を感じさせるものだった。
額から滴る汗が顎を伝い、地面に落ちる。数度、呼吸を整えるように目を閉じたティアは、やがてゆっくりと棍を納めた。
「……ふう」
肩で息をしながら、ティアはゆっくりと体を起こす。決して軽い疲労ではなかったが、それも心地よい。今日はやけに集中できていた気がする。だが、それはきっと、何かを押し込めるための集中でもあったからだ。
sabasavasabasav
DONE坊←カス+オニール。祝祭6のエアスケブでした。珍しいシチュ!ほのぼのにしようかシリアスにしようか迷いに迷ってこちらにしました。坊ちゃんは出てきません。 ▽
霧が、湖の向こうから上がってくる頃だった。
古城の屋上にひとり、カスミは立っていた。忍びのくせに姿を曝け出すなんてと思いつつ、風に吹かれている。
日は既に沈み、薄暮の残光が石造りの手すりを鈍く照らしていた。
胸に宿るのは、言葉にならない思い。名を呼ぶには遠く、ただそこにあって、形にはならない情熱。
──ティア様。
彼の名を、心のうちで静かに呼ぶ。口に出すことすら憚られるほどに、それは脆く、切実な想いだった。
彼が父をその手にかけたあの日から、どれほどの夜が過ぎただろう。その事実だけで、誰もが打ちひしがれてしまってもおかしくはない。
だが、ティアは違った。
3199霧が、湖の向こうから上がってくる頃だった。
古城の屋上にひとり、カスミは立っていた。忍びのくせに姿を曝け出すなんてと思いつつ、風に吹かれている。
日は既に沈み、薄暮の残光が石造りの手すりを鈍く照らしていた。
胸に宿るのは、言葉にならない思い。名を呼ぶには遠く、ただそこにあって、形にはならない情熱。
──ティア様。
彼の名を、心のうちで静かに呼ぶ。口に出すことすら憚られるほどに、それは脆く、切実な想いだった。
彼が父をその手にかけたあの日から、どれほどの夜が過ぎただろう。その事実だけで、誰もが打ちひしがれてしまってもおかしくはない。
だが、ティアは違った。
sabasavasabasav
DONE坊ちゃんとジョウイ。祝祭6のエアスケブ。そんなつもりはなかったんですがジョウイのカウンセリングみたいになってしまった。坊ちゃんは、キャロ組に対しては頼れる先輩であろうとしてほしいね…… ▽
午後の陽は既に傾き始めていた。雲が薄く広がり、陽光は鈍く白く濁って、地に淡い影を落とす。
庭先に面した古びた縁側。この村には宿がないからと村民らが快く貸してくれた空き家。民家の造りにしては少し贅沢な檜の板間に、ジョウイは膝を抱え、黙って空を眺めていた。
リアンとナナミは食料の買い出しに出ていた。短くて小さな留守だった。だがその隙間に訪れた静けさは、普段の旅路にはない質の重さを孕んでいた。
風が渡るたびに、庭の草が波のように揺れた。微かな虫の声と、遠くで笑い合う子どもたちの声だけが世界の音であり、ここには誰の気配もなかった。ただ一人を除いては。
「静かですね。あの二人がいないと、余計に」
4221午後の陽は既に傾き始めていた。雲が薄く広がり、陽光は鈍く白く濁って、地に淡い影を落とす。
庭先に面した古びた縁側。この村には宿がないからと村民らが快く貸してくれた空き家。民家の造りにしては少し贅沢な檜の板間に、ジョウイは膝を抱え、黙って空を眺めていた。
リアンとナナミは食料の買い出しに出ていた。短くて小さな留守だった。だがその隙間に訪れた静けさは、普段の旅路にはない質の重さを孕んでいた。
風が渡るたびに、庭の草が波のように揺れた。微かな虫の声と、遠くで笑い合う子どもたちの声だけが世界の音であり、ここには誰の気配もなかった。ただ一人を除いては。
「静かですね。あの二人がいないと、余計に」
ksdmkt315
PAST「笑顔の行方・0」シナプル長編本の前日譚13pシーナ視点、結構尖ってます内容的に。地味にシュウシナ出会いシーンですね印象最悪なんですけど。兄さん側の事情も色々あるんですただ性格悪いわけじゃないんです良くもないけど。坊ちゃんはちょっと絡むだけ。2000年8月発行鉛筆コピ本をリメイク。 13
sumamono
DOODLE祝祭開催おめでとうございます!!!全くの遅刻な上に新しいのはこれのみと言う体たらく。坊ちゃんの愛が伝わった3後の坊ルクの夢をずっと見ております🙏うちの坊ちゃんは報われたヤンデレ。よるのなか
DONE主坊。幻想水滸伝webオンリーイベント「星の祝祭Ⅵ」展示作品です。開催おめでとうございます!ロックアックス陥落後の主坊の会話です。CP色はそれほど強くありませんが主坊のつもりで書きました。
・ティントで逃亡していない2主です。
・坊ちゃん:アルト、2主:ミラン
タイトルは某有名バンドの曲から。これ聴くたびに主坊だと思います。
硝子窓 小鳥のさえずりが聞こえる。その音に促されるように目を開けると、窓の外にすっかり昇りきった太陽が見えた。ミランはゆっくりと起き上がる。陽の光が入った、明るく広い自室。本拠地である城が大きくなるにつれ、広くなっていった自室だ。けれど今朝は、とりわけ広く、そして寒く感じるような気がして。何故だろうと考えて、すぐにその理由にたどり着く。
(そうだ、声が聞こえないからだ)
声が聞こえないから。姿が見えないから。
『朝だよー!』
今までだったら、元気な声と、昔からずっと見ていた笑顔が目の前にあったはずなのに。それが失われて数日。まだ慣れないなとミランは苦みを含んだ笑みを浮かべた。あの姿が見えないだけで、この場所がこんなにも広く、何もないように感じるなんて。
3875(そうだ、声が聞こえないからだ)
声が聞こえないから。姿が見えないから。
『朝だよー!』
今までだったら、元気な声と、昔からずっと見ていた笑顔が目の前にあったはずなのに。それが失われて数日。まだ慣れないなとミランは苦みを含んだ笑みを浮かべた。あの姿が見えないだけで、この場所がこんなにも広く、何もないように感じるなんて。
ma_ko_re
DONEすたぷフリック君
つんつんしてて、1の頃より青さが出てて
可愛いね。ぜひ、すたぷで坊ちゃんと出会ってて欲しいな
「お嬢さん」「美人」とか、絶対後で顔真っ赤になってたと思う
可愛いね。若フリック君
ritsuka_nora
TRAINING🎲と🍭と🐴と📿。いいとこの坊ちゃん!ってイメージ先行で頑張るとこうなったりします。「顔も身体もまあ綺麗だし、ビデオやりゃ負け分は賄えんじゃねぇか?」
「カシラがお戻りになったらすぐに部屋用意するか。相手役も身繕っとけ」
うーん、負けた相手が悪かったな。ヤクザもんって分かっちゃいたが、タコ殴りの後拉致か。乱数や幻太郎がたまに言う、内臓を、みたいな事で合ってんのかね。猿轡された上に拘束されていちゃ文句も言えねぇし、何より質問できないっつの。
「カシラ!オツトメご苦労さまです!」
屈強なヤクザ達がきれーな最敬礼をした。部屋の中には何人もいたが、皆がしっかり頭を下げている。角度もきちんとしている。ヤクザの頭ってのは、流石恐れられているようだ。誰だか知らないが。
「おー、もうちょいボリューム下げろ。聞こえてっからよ……あ?」
2957「カシラがお戻りになったらすぐに部屋用意するか。相手役も身繕っとけ」
うーん、負けた相手が悪かったな。ヤクザもんって分かっちゃいたが、タコ殴りの後拉致か。乱数や幻太郎がたまに言う、内臓を、みたいな事で合ってんのかね。猿轡された上に拘束されていちゃ文句も言えねぇし、何より質問できないっつの。
「カシラ!オツトメご苦労さまです!」
屈強なヤクザ達がきれーな最敬礼をした。部屋の中には何人もいたが、皆がしっかり頭を下げている。角度もきちんとしている。ヤクザの頭ってのは、流石恐れられているようだ。誰だか知らないが。
「おー、もうちょいボリューム下げろ。聞こえてっからよ……あ?」
rorongaxx
DONE怪我したグレミオを手当てしたい坊ちゃんと坊ちゃんにそんなことさせるわけにはって食い下がるグレミオを色々妄想したあと描きたいところだけ描いたらこうなりました。(設定どっか行った)そのこ
DOODLEルックと坊。坊ちゃん、ちゃんと後継を決めて出奔したんだといいなって。自分がなんか曖昧に権力を引き継いだことを後悔しててほしい。2025-05-08
弔意を示すリボンを揺らしながら、セキアは山積みの書類を一つ一つ片づけていく。戦争が終わっても、仕事が減っている様子はない。軍の中枢をグレッグミンスターに移す為にむしろ増えているぐらいだろう。レパントとウォーレンにも相応に任せているとはいえ、軍師を失い、部隊長がやまと欠け、皆が戦勝に浮かれているこの状況はセキアにとっても恐ろしい程忙しいはずだ。
だが少年はなんだか楽し気に書類を取りまとめ、ハンコをつき、指示を飛ばす。その間にルックが持ってきた茶菓子をかじる。忙しくしていないと良からぬことを考えてしまうと、セキアは言った。
手元を照らす明かりにルックは手を伸ばし、明かりを強めた。ほわ、と広がった明かりがセキアを照らす。憔悴が目元に滲んでいる。
1411弔意を示すリボンを揺らしながら、セキアは山積みの書類を一つ一つ片づけていく。戦争が終わっても、仕事が減っている様子はない。軍の中枢をグレッグミンスターに移す為にむしろ増えているぐらいだろう。レパントとウォーレンにも相応に任せているとはいえ、軍師を失い、部隊長がやまと欠け、皆が戦勝に浮かれているこの状況はセキアにとっても恐ろしい程忙しいはずだ。
だが少年はなんだか楽し気に書類を取りまとめ、ハンコをつき、指示を飛ばす。その間にルックが持ってきた茶菓子をかじる。忙しくしていないと良からぬことを考えてしまうと、セキアは言った。
手元を照らす明かりにルックは手を伸ばし、明かりを強めた。ほわ、と広がった明かりがセキアを照らす。憔悴が目元に滲んでいる。
sabasavasabasav
DOODLEカスミは坊ちゃんが不老だということを、ルックから聞いている。そこに萌えたので書いた。 ▽
風が吹いている。
同盟軍本拠地の高台。灰色に沈む空の下、冬の気配を孕んだ風が山々を撫で、湖の水面を揺らし、遠くの稜線をぼんやりと霞ませている。冷たい空気は、肌を刺すような鋭さを持っていた。
けれど、カスミはその冷たさを拒まなかった。石壁に背を預け、胸いっぱいに風を吸い込む。凛とした冷気が肺に満ちるたび、心のどこかに溜まっていた澱が、ゆっくりと洗い流されていくような気がした。
以前は、この季節が苦手だった。武器を握る手は悴み、吐く息は白く、世界はただ静かで、寒さが孤独を際立たせた。
──けれど、この季節になると、必ず思い出す光景がある。
こういうとき、彼はふらりと現れて、決まって数言だけ交わして去っていくのだ。たったそれだけなのに、不思議と心は温かくなった。
3529風が吹いている。
同盟軍本拠地の高台。灰色に沈む空の下、冬の気配を孕んだ風が山々を撫で、湖の水面を揺らし、遠くの稜線をぼんやりと霞ませている。冷たい空気は、肌を刺すような鋭さを持っていた。
けれど、カスミはその冷たさを拒まなかった。石壁に背を預け、胸いっぱいに風を吸い込む。凛とした冷気が肺に満ちるたび、心のどこかに溜まっていた澱が、ゆっくりと洗い流されていくような気がした。
以前は、この季節が苦手だった。武器を握る手は悴み、吐く息は白く、世界はただ静かで、寒さが孤独を際立たせた。
──けれど、この季節になると、必ず思い出す光景がある。
こういうとき、彼はふらりと現れて、決まって数言だけ交わして去っていくのだ。たったそれだけなのに、不思議と心は温かくなった。
ponsuke
DONE一つ前のものの続き(?)同じくリャンシャンの町娘達に密かに憧れられている色男ジュウに若干モヤる終さん
色男(無自覚モテ)×色男(無自覚モテ)好きです!!(自覚有りでも可)
ジュウベイくん良いとこの坊ちゃんだし腕っぷしも強いし礼儀正しいし顔もいいし絶対モテモテでしょ全人類知ってる
skrk5
DOODLEはるか昔の幻水ログ。坊ちゃん+いろんなキャラで身長差分。この時は坊ちゃんの身長が特段公式から出ていなかったので(2009年)、163cmくらい想定で描いてます。
あと、公式の身長が存在しないキャラ(I、IIにしか出てないキャラ)は、私の好みです。 40
そのこ
DOODLEパーンがテオの前に立ちふさがるときの坊。パーン、うっかりレベル上げが足りなかったりして死にがち。
2025ー04ー09
パーンが笑った。ぎこちなく頬を緩め、目を細める。握った拳を僕に突き付け、僕はそれに自らの拳を添えた。
テオ・マクドールの鉄甲騎馬隊は解放軍を蹴散らした。錬度も足りなければ兵の数も叶わない。勢いだけで勝てるほど甘い相手ではなく、勢いぐらいしか優っているものがないから、それをくじかれれば終わりだ。
今は逃げるしかない。いくらそれが難しくても、僕らは、僕は死ぬわけにはいかないのだ。僕が死ねば、何もかも無意味になってしまう。
だから、僕はここでパーンを置いていかざるを得ない。一度は離れ、それでも僕を信じてくれた兄とも慕う人間を、置いていく理由が僕にはあるのだ。
解放軍の兵たちは、僕を見つめている。行くな、と言うべきなのだろうか。そして共に戦う姿を見せるべきなのか。それはできない。皆が逃げるために殿を務める事はできない。だからと言って、何も言わずにパーンを残し、すたこらっさっさともいかないのが面倒なところだ。
1242パーンが笑った。ぎこちなく頬を緩め、目を細める。握った拳を僕に突き付け、僕はそれに自らの拳を添えた。
テオ・マクドールの鉄甲騎馬隊は解放軍を蹴散らした。錬度も足りなければ兵の数も叶わない。勢いだけで勝てるほど甘い相手ではなく、勢いぐらいしか優っているものがないから、それをくじかれれば終わりだ。
今は逃げるしかない。いくらそれが難しくても、僕らは、僕は死ぬわけにはいかないのだ。僕が死ねば、何もかも無意味になってしまう。
だから、僕はここでパーンを置いていかざるを得ない。一度は離れ、それでも僕を信じてくれた兄とも慕う人間を、置いていく理由が僕にはあるのだ。
解放軍の兵たちは、僕を見つめている。行くな、と言うべきなのだろうか。そして共に戦う姿を見せるべきなのか。それはできない。皆が逃げるために殿を務める事はできない。だからと言って、何も言わずにパーンを残し、すたこらっさっさともいかないのが面倒なところだ。
そのこ
DOODLEグレミオの外套なんじゃないか、の話をもう一回。坊ちゃん視点。直して坊ちゃんが使っているとしたらどうかな、って。2025-04-03
両の手で大きく外套を広げた。誰もいない夜の部屋。しんと静かで誰の声もしやしない。これを届けた男ももうとっくに去ってしまって、僕は夜の中一人取り残されている。
似合いもしないのに握りしめていた斧と瞳の色と良く似合う緑の外套。随分前に失った僕のグレミオ。ずっと隠し持っていたくせに、明日死ぬかもしれないから返しに来たなんて笑わせる。
どれだけ腕を持ち上げても、僕の背丈では裾が床についてしまう。菌糸にやられたのか、それとも保管方法が悪かったのか、使い込まれて柔らかな外套にはそこここに穴が開いていた。グレミオならすぐに直してしまうだろうが、僕にその技術はない。
自分が腕を上げた場所よりももう少し上にグレミオの頭はあった気がする。手足ばかりがひょろりと長くて、眉を下げて情けなく笑う。僕を叱る時でさえ、厳めしい顔は出来なかった優しい男。
1309両の手で大きく外套を広げた。誰もいない夜の部屋。しんと静かで誰の声もしやしない。これを届けた男ももうとっくに去ってしまって、僕は夜の中一人取り残されている。
似合いもしないのに握りしめていた斧と瞳の色と良く似合う緑の外套。随分前に失った僕のグレミオ。ずっと隠し持っていたくせに、明日死ぬかもしれないから返しに来たなんて笑わせる。
どれだけ腕を持ち上げても、僕の背丈では裾が床についてしまう。菌糸にやられたのか、それとも保管方法が悪かったのか、使い込まれて柔らかな外套にはそこここに穴が開いていた。グレミオならすぐに直してしまうだろうが、僕にその技術はない。
自分が腕を上げた場所よりももう少し上にグレミオの頭はあった気がする。手足ばかりがひょろりと長くて、眉を下げて情けなく笑う。僕を叱る時でさえ、厳めしい顔は出来なかった優しい男。
そのこ
DOODLE坊ちゃんのマント、グレミオのマントを手直ししたやつとかだといいなって。マリーさんが直してたりすんのかなって。2025-04-02
「マリー、少しいいかな」
仕事の落ち着いた午後の宿、カウンターで拭き掃除をしていたマリーに軍主が声をかけた。ひそめた声、毛羽だった布を大事そうに抱えた姿はまるで悪いことをしているかのようだ。
幸いなことに客はおらず、窓から初秋の穏やかな光が入るばかり。兵のざわめきが時折外から聞こえることを、セキアは少し怖がっているように見えた。
「はいはい。どうしたんだい」
ひとりで宿に来るのは本当に珍しい。マクドールのお坊ちゃんと呼ばれていた頃から知っているが、その時もいつだって誰かと連れ立っていた。今はもう亡い金色の髪の従者が、いつだってそばに居て、なんくれとなく世話を焼く。それがずっと続くと、マリーとて信じていた。
1533「マリー、少しいいかな」
仕事の落ち着いた午後の宿、カウンターで拭き掃除をしていたマリーに軍主が声をかけた。ひそめた声、毛羽だった布を大事そうに抱えた姿はまるで悪いことをしているかのようだ。
幸いなことに客はおらず、窓から初秋の穏やかな光が入るばかり。兵のざわめきが時折外から聞こえることを、セキアは少し怖がっているように見えた。
「はいはい。どうしたんだい」
ひとりで宿に来るのは本当に珍しい。マクドールのお坊ちゃんと呼ばれていた頃から知っているが、その時もいつだって誰かと連れ立っていた。今はもう亡い金色の髪の従者が、いつだってそばに居て、なんくれとなく世話を焼く。それがずっと続くと、マリーとて信じていた。