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    nae_purin

    MOURNINGモブに色々改造されて先生に救出されてほっとするも(まだ公子の威厳ギリ保ってる)こんな体みないで!って絶望して(先生に見られてもう自分が公子に相応しくないって思ってしまって)鬱になってふらっと出た徘徊先で旅人にぼろぼろの姿見られてガン泣きしながら迎えにきた先生に回収されて欲しい、話です。供養。
     鍾離をの洞天を抜け出し、行く先もなく歩く。かろうじて履いたスラックスと、肩にひっかけただけの真っ白のシャツ。見下ろした自分の体は見慣れた傷しかない。鍾離に直してもらったばかりのまっさらな体。治療の際、ひとつひとつ鍾離の指先が辿っていったその傷たちはもうないはずなのに、隠すように振るえる指先シャツのボタンを留める。
     踏みしめた地面に転がる石を感じながら足元を見る。洞天から転がり出た先がどこにつながるのか考える暇もなかった。呆然としたまま辺りを見回す。先ほどから見える木々は黄金に色付き、璃月の地であることは伺える。しかし2人ほどが通れる程度の道は舗装されているともいえず、裸足で歩くような道ではないことだけが確かだ。差し込む光を遮る木の葉が影をつくり道を彩る。木漏れ日の隙間から除く青空は雲一つなく、暖かい。常であれば息をのむ景色だったのかもしれない。けれど、いまのタルタリヤにとって景色がどうなどとは関係無かった。ただ、この道の先を進めば鍾離の視界から少しでも遠くに行けると盲目的に信じているだけだ。足を傷つける小石が意識の端に引っかかっては消えてゆく。
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    ru____mir

    DONEマレ監♂(監♂受けワンライ提出)
    突如飛ばされた異世界で、自分が何者でもなく、どこにも所属できないことに時折落ち込んでしまう監督生。ホリデーで故郷に帰っていたはずの🐉が酔っ払ってオンボロ寮を徘徊しているのを発見し、思わず声を掛けるが──
    ブロット このねじれた世界において、自分はインクの染みのような存在だ。汚れのない世界地図に、どこから来たのかも分からないインクがぽとりと落ちて、黒くにじむ。
     パーティーで人の輪に入れずに壁に張り付いているような男は「壁の染み」と呼ばれるが、全くもってその通りだと思う。どこにも誰にも属していなくて、学園の隅っこのオンボロい寮で一人(と一匹と数人のこの世ならざる者たちと)で暮らしている。グリムとゴーストたちがいるから、ひとりぼっちではないけれど、そういうことではなくて。
     自分はこの世界の異物なのだと、漠然と考えることがある。

     だからといって、気にかけてくれる人がいないわけではない。
     学園長はなんやかんや言いつつ生活費と居住地を支給して、僕に居場所を与えてくれている。魔獣であるグリムは僕と同様に、どこから来たのか分からない不思議な子で、僕を子分だとか言って仲間にしてくれる。都合のいいように使われる言葉でもあるけれど、この学園において僕たちは一蓮托生なのでお互い様ともいえる。エースとデュースはいい奴だったりいい奴じゃなかったり、でも小言を言いながらも支えてくれる優しい友達だ。出会いは最悪でも、今思えば彼らと出会えたことは僕にとってきっと幸運だった。
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    sardine57817

    MAIKING日七(篤建)の会話文。
    任務でしくじった七が深夜徘徊し、それを日さんが拾うという話。
    「ガキがこんな時間にうろついてんじゃねえよ」
    「初対面の人間をガキ呼ばわりした上、説教される筋合いはないです」
    「あっそ、別に説教したつもりはねえけど?」
    「ならほっといてください」
    「俺は大人、お前は子ども。一応義務ってもんはあるし……お前、高専生だろ?」
    「?!」
    「制服見りゃわかる。俺の後輩ってわけだ、つっても10くらい違ぇけどな。そうなると、なおさら責任が発生するわけだ。ほら、送ってやるから乗ってけよ」
    「……あそこへは戻りたくないんです」
    「任務でもしくったか?」
    「どうとでも」
    「面倒くせえなァ」
    「だからほっといてくださいって言っているでしょう?」
    「ここでうだうだしてたってしょうがねえだろ」
    「別にいいんです、心の整理がついたら帰りますから」
    「……じゃあちょっとドライブしねえ?」
    「何をーー」
    「さっきも言ったが、お前に対する義務と大人としての責任があんだよ。高専には俺が言っといてやるから。悩むだけならどこでもできるだろ?」
    「アナタには関係ない」
    「確かに関係はねえけどな。あと俺ァ、アナタじゃねえ、日下部篤也だ。ほら今名前を知った。もうこれで無関係なわけねえだろ?」 583