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    旅人

    Dochi_Kochi28

    DOODLE「あの人の旅路を追いかけて」
    星唄のあと。ある旅人が砂漠を訪れる話。
    旅人が誰なのかはご想像に任せます。
    「ある旅人の話」


    後、5、4、3、2、1。

    「やった…。」

    着いた、と同時に今まで体を支えていた力は抜けて、杖がわりにしていた槍にもたれかかるようにその場にすわりこんでしまった。

    砂漠の中のオアシス、と言う場所だ、と「あの人」がくれた書物に書いてあった、と思う。

    眼前に広がる澄んだ水はつよい日差しを受けてまるで宝石みたいだ。

    背負い袋から水筒を取り出し、中身を、自分でも信じられない勢いで喉に流し込む。
    それだけで体中が息を吹き返すみたいに感じられた。
    息を吹き返した頭を持ち上げて、もう一度目の前のきらきら光る泉を見つめる。

    「あの写真の通り、これは美しい…。」

    「おねーさん、おねーさん、大丈夫クポ?さっきからため息ばっかりクポ。」
    声のする方を向くと、白い熊、いや、ブタ?とも似つかない生き物がいた。

    [newpage]

    「クポ?モグたちをみるのは初めてクポ?」
    やけにクポクポしゃべる白くてふわふわしたもの。確か、

    「これが、あの、モーグリ?」

    ガシッ。
    あぁ、あの、ぬいぐるみそのものだ!あの人が送ってくれたそのままの形だ!

    「クポクポ!おねーさん、はなすクポ 944

    yahiro_69

    DONE魈生誕祭!の鍾魈なのに主に喋っているのは旅人とパイモンです。なんでだろう「鍾離先生、この後帰離原の方まで行くけどついでにいつもの薬届けてこようか?」

    頼んでいた清心の束を受け取って鍾離はひとつ瞬いた。
    旅人たちには時折、荻花洲にある旅館まで使いを頼む時がある。
    かの旅館に住まう少年仙人へ、凡人には作り得ない薬を届けてもらっているのだ。
    そういえば前に頼んだのはいつだったかとカレンダーを見て気がついた。

    「そうだな……少し待ってもらえるか? 一緒に手紙を書いておこうと思ってな」
    「いいけど珍しいね。ちょっとの用なら伝言するけど」

    旅人とパイモンが揃って首を傾げるのが面白くて、ふふと笑みながらカレンダーを指す。

    「いや何、今日はあの子の生誕の日だったということを思い出してな。祝いの言葉でも添えておこうかと」
    「えぇっ魈の誕生日なのか!? うーん、それならオイラたちもプレゼントを持っていくか?」
    「というか鍾離先生が直接持っていくほうが良いんじゃないかなあ。いつも先生のこと気にしてるし」

    今度は揃って別の方向に首を傾げている。
    本当にこの異邦人たちは見ていて飽きないものだと鍾離は機嫌よく筆と便箋を手元に寄せた。

    「いや、あの子はあれでいてお前たちのこ 1783