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    異世界

    ru____mir

    DONEマレ監♂(監♂受けワンライ提出)
    突如飛ばされた異世界で、自分が何者でもなく、どこにも所属できないことに時折落ち込んでしまう監督生。ホリデーで故郷に帰っていたはずの🐉が酔っ払ってオンボロ寮を徘徊しているのを発見し、思わず声を掛けるが──
    ブロット このねじれた世界において、自分はインクの染みのような存在だ。汚れのない世界地図に、どこから来たのかも分からないインクがぽとりと落ちて、黒くにじむ。
     パーティーで人の輪に入れずに壁に張り付いているような男は「壁の染み」と呼ばれるが、全くもってその通りだと思う。どこにも誰にも属していなくて、学園の隅っこのオンボロい寮で一人(と一匹と数人のこの世ならざる者たちと)で暮らしている。グリムとゴーストたちがいるから、ひとりぼっちではないけれど、そういうことではなくて。
     自分はこの世界の異物なのだと、漠然と考えることがある。

     だからといって、気にかけてくれる人がいないわけではない。
     学園長はなんやかんや言いつつ生活費と居住地を支給して、僕に居場所を与えてくれている。魔獣であるグリムは僕と同様に、どこから来たのか分からない不思議な子で、僕を子分だとか言って仲間にしてくれる。都合のいいように使われる言葉でもあるけれど、この学園において僕たちは一蓮托生なのでお互い様ともいえる。エースとデュースはいい奴だったりいい奴じゃなかったり、でも小言を言いながらも支えてくれる優しい友達だ。出会いは最悪でも、今思えば彼らと出会えたことは僕にとってきっと幸運だった。
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    夜中に拾う

    DONE異世界FT。「あたし」の仕えるロブスターの異形頭「ロブスターヘッド」の腕が柄杓になっちゃった。
    あたしのロブスターヘッド:柄杓腕 突然の轟音と揺れに驚いて寝台から飛び降りると、廊下のほうからもくもくと煙が入ってきた。「ロブスターヘッド!」口を袖で覆いながら廊下に飛び出る。噴煙の中にジンワリと人の形が見える。ロブスターヘッドだ。
    「大丈夫ですか!」
     人影がうなずく。あたしはその影の形に何か違和感を覚えて目を細めた。
     噴煙の中には……ロブスターヘッドが立っている。
     あたしのカミさまは、右腕が柄杓の形になっていた。

     木っ端の片づけに町中の人がやってきてくれた。何が起きたのか説明を求められたが、あたしにもさっぱりだった。ロブスターヘッドは姿を消し、町の人曰く、書庫のほうに行くのを見ましたよとのこと。かれなりの対処法があるのかもしれないと、そこは放っておいて、あたしは爆発の規模を見た。神殿の廊下で起きた爆発。作りの頑丈な石の神殿そのものには影響はなかったけれど、廊下の壁沿いに備わっていた、木で作られた棚が木っ端みじん。二十年前に町の人が手作りしてくれたものらしい。せっかくの良い棚がねえ。とみんなが残念がるので、あたしはとりあえず新しいのを作ってくださいと木工職人の息子に頼んでおいた。それがすぐにみんなに伝わってみんなは喜んでいた。やれやれ。
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    tamagobourodane

    DOODLE自分の世界に帰って異世界のことをかなり忘れちゃってる晶君のところにこれまた色々忘れてるフィガロが「来ちゃった♡」する話 (3/4)

    フィガ晶♂です

    多分しんどいところだから元気な時に読んで欲しい

    あと6話くらい残ってますが多分あとは出来上がったら全部まとめてピクシブいきます
    9.

     たくさんの美しい布地がベッドの上に置かれ、晶のベッドの上はまるで仕立て屋の机の上のようなことになっていた。薄く透けるシフォンからしっかりとした絹まで、あるいは綿の丈夫そうな布地まで、その淡い色彩が部屋を少しだけ賑やかにする。
     晶はちょうど任務の為の衣装の試着をしているところだった。今年の賢者の魔法使いにはデザイナーを志す青年が名前を連ねていて、特別な衣装が必要になる場合はこうして仕立ててくれるのだ。今回は南の国のある村に調査任務に行くというので、なるべく地味で目立たないような、しかし動きやすい服をという注文がついていた。
     既に彼が作った衣装は、調整が必要ないほどに晶の身体にぴったりなように見えた。麻のようなものでできたシャツに房飾りのついた薄茶色のカーディガンを羽織ると、若草色のパンツと相まって、南の国の景色に良く馴染みそうだった。作業中の村人と名乗るには少々余所行きに見えてしまうかもしれないが、旅人と名乗っても問題はなさそうだ。
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