薔薇
汎用斉藤
DONE青鉄の都営浅草線お誕生日おめでとう絵。62歳おめでとう!
路線カラーのローズにちなんで薔薇を持ってもらいました。くちゃくちゃの薔薇だけど61+1描いたよ。
おじさんを自称する割に、路線さんにしては実は若いとこがかわいいね。
都営さんは四人全員誕生日が12月なので、今月はめでたいけどちょっと慌ただしい。
asumafriday
TRAINING【その9】呪力はなくなったけど記憶と金と顔と足の長さは繰り越したさとるが、呪力も記憶も無い恵と野薔薇を拾って育ててたら、悠仁と出会っちゃった話。の続き〜!かぞくのとびら(The way to say I'm home.)9.
悠仁は割とあっさり見つかった。
あの足でめちゃくちゃ遠くに行ってたりしたらどうしようと、焦って車で出てきたけれど、最寄駅のロータリーの隅に並んだベンチに、フードをかぶって背中を丸める赤い塊が見えた。
路肩に車を止め、エンジンをかけたままハザードを焚いて道路へ降りる。雨はまだやんでいなかった。傘をさしたサラリーマンや、楽しげな女子グループが行き交う人混みから離れ、雨靄の中ぽつんとどこを見るでもなく座っている悠仁の姿はひどく頼りなかった。
「悠仁!」
駆け寄りながら声をかけると、悠仁は弾かれたようにこっちを見た。
「五条さん……」
朝に見た天気予報で、夜には真冬の寒さになるって言ってたっけ。風と雨で冷やされた鼻先が赤い。眉が下がり切って、迷子の子供みたいだった。
4063悠仁は割とあっさり見つかった。
あの足でめちゃくちゃ遠くに行ってたりしたらどうしようと、焦って車で出てきたけれど、最寄駅のロータリーの隅に並んだベンチに、フードをかぶって背中を丸める赤い塊が見えた。
路肩に車を止め、エンジンをかけたままハザードを焚いて道路へ降りる。雨はまだやんでいなかった。傘をさしたサラリーマンや、楽しげな女子グループが行き交う人混みから離れ、雨靄の中ぽつんとどこを見るでもなく座っている悠仁の姿はひどく頼りなかった。
「悠仁!」
駆け寄りながら声をかけると、悠仁は弾かれたようにこっちを見た。
「五条さん……」
朝に見た天気予報で、夜には真冬の寒さになるって言ってたっけ。風と雨で冷やされた鼻先が赤い。眉が下がり切って、迷子の子供みたいだった。
asumafriday
TRAINING【その8】呪力はなくなったけど記憶と金と顔と足の長さは繰り越したさとるが、呪力も記憶も無い恵と野薔薇を拾って育ててたら、悠仁と出会っちゃった話。の続き〜!かぞくのとびら(The way to say I'm home.)8.
教師と生徒でもなければ、歳の差もそれほど無い。僕は最強じゃないけれど、悠仁だって宿儺がいない。
僕も悠仁も、10月31日だって普通に仕事してた。ウケるでしょ。お互いそれなりに忙しいし、何より子供達がいるから、二人きりになるのは難しいけれど、悠仁が自転車に乗れない雨の日は子供達をつれて車で迎えに行く。スーパーに寄り、家で一緒にごはんを食べて、キッチンでこっそり指を絡めて、キス。食後にゲームをしながらコーヒーを飲んで、子供たちが眠くなる前に車で悠仁の家へ送る。
それだけの、そこまでの、繰り返し。だけど、確かに穏やかな日々だった。
出来過ぎじゃない?と思うくらいに。
◇
暗くなる時間が早くなり、ついこの前まで冷風を出していたエアコンは暖房になった。気がつけば11月も半ば。外の空気は匂いが変わり、冬がすぐそこまできていた。
4985教師と生徒でもなければ、歳の差もそれほど無い。僕は最強じゃないけれど、悠仁だって宿儺がいない。
僕も悠仁も、10月31日だって普通に仕事してた。ウケるでしょ。お互いそれなりに忙しいし、何より子供達がいるから、二人きりになるのは難しいけれど、悠仁が自転車に乗れない雨の日は子供達をつれて車で迎えに行く。スーパーに寄り、家で一緒にごはんを食べて、キッチンでこっそり指を絡めて、キス。食後にゲームをしながらコーヒーを飲んで、子供たちが眠くなる前に車で悠仁の家へ送る。
それだけの、そこまでの、繰り返し。だけど、確かに穏やかな日々だった。
出来過ぎじゃない?と思うくらいに。
◇
暗くなる時間が早くなり、ついこの前まで冷風を出していたエアコンは暖房になった。気がつけば11月も半ば。外の空気は匂いが変わり、冬がすぐそこまできていた。
catfish__red
DONE主従WEBオンリー『Paso doble del destino!!』パソデス1122にて公開した四コマ漫画です。愛之介様といえば薔薇。
そして幼い頃から薔薇に囲まれ、想い出は薔薇とともに…な愛忠ですが、
11月22日の誕生花が「白い薔薇」と知ってどっしぇ~~~~ってなった勢いで描いた薔薇に関するお話です。
生まれながらに愛之介様を象徴する花を背負ってるんですね、忠。運命つよい。 2
はるち
DONEリーと昔関係があったらしい女性が目の前に現れて動揺するドクターのお話。美しい薔薇には棘があり、鮮やかな生物に毒があるように。
物事には裏表があるというお話。
たったひとつの冴えない願い「リーに聞いてくれないかしら? 次はいつ来てくれるの、って」
美しい人だった。雑然とした居酒屋の中でも燦然として存在感を放っている。この距離でも、鼻先まで纏う香水の甘い匂いがした。これは百合であろう。清純の象徴でありながら、橙の雄しべと芳香が時として淫靡だと忌避される、毀誉褒貶定まらない花。あの香りも美しさも、蝶を誘うためにあるのだから、それは当然であろうに。そして目の前にいる女性もまた、彼の花と同じ美しさを纏っている。輝くプラチナブロンドはゆるやかに巻かれ、首元と耳には真珠のアクセサリー。艶を消した黒のドレスこそ大人しいが、それは彼女自身が宝石だということの証左であり、身に纏う全てはそれを引き立てるために存在していた。
3002美しい人だった。雑然とした居酒屋の中でも燦然として存在感を放っている。この距離でも、鼻先まで纏う香水の甘い匂いがした。これは百合であろう。清純の象徴でありながら、橙の雄しべと芳香が時として淫靡だと忌避される、毀誉褒貶定まらない花。あの香りも美しさも、蝶を誘うためにあるのだから、それは当然であろうに。そして目の前にいる女性もまた、彼の花と同じ美しさを纏っている。輝くプラチナブロンドはゆるやかに巻かれ、首元と耳には真珠のアクセサリー。艶を消した黒のドレスこそ大人しいが、それは彼女自身が宝石だということの証左であり、身に纏う全てはそれを引き立てるために存在していた。
asumafriday
TRAINING【その7】呪力はなくなったけど記憶と金と顔と足の長さは繰り越したさとるが、呪力も記憶も無い恵と野薔薇を拾って育ててたら、悠仁と出会っちゃった話。の続き〜!かぞくのとびら(The way to say I'm home.)7.
「五条さんちのテレビ、4分割してもでけえ!すげえ!」
ゲームはひたすらうるさく、楽しかった。 3人で遊ぶことはたまにあっても、そこに誰かが加わって4人で対戦するなんてのは初めてだった。
「いたどりおそい!」
「俺、初めてなんだよ〜」
今まで使ったことがなかったオレンジ色のコントローラーは、悠仁のためにあったかのようによく馴染んでいた。
「ごじょうさんもおそいです」
「は?」
「うはは、大人気ねえなあ」
最強じゃなくなった今、僕だって甲羅に当たるしバナナで滑る。悔しい。勝ったり、負けたり、笑ったり。気づけば子供たち二人はカートではなく船を漕いでいた。
あ、風呂に入れそびれちゃった。
「五条さん、二人とも電池切れみたい」
2618「五条さんちのテレビ、4分割してもでけえ!すげえ!」
ゲームはひたすらうるさく、楽しかった。 3人で遊ぶことはたまにあっても、そこに誰かが加わって4人で対戦するなんてのは初めてだった。
「いたどりおそい!」
「俺、初めてなんだよ〜」
今まで使ったことがなかったオレンジ色のコントローラーは、悠仁のためにあったかのようによく馴染んでいた。
「ごじょうさんもおそいです」
「は?」
「うはは、大人気ねえなあ」
最強じゃなくなった今、僕だって甲羅に当たるしバナナで滑る。悔しい。勝ったり、負けたり、笑ったり。気づけば子供たち二人はカートではなく船を漕いでいた。
あ、風呂に入れそびれちゃった。
「五条さん、二人とも電池切れみたい」
yukimatiya222
MOURNINGイデマレワンドロライの薔薇、新婚生活追加バージョン。朝も夜もずっと①Idiaサイド
遠くに聞こえる鳥のさえずり。
瞼を刺激する朝日の光。
そろそろ目を覚ませと言わんばかりの外界からの刺激に、まだもう少し微睡んでいたいと寝返りを打つ。
おもむろに腕を伸ばせば、隣で眠る君の体温が。
「…無い」
その事実に気づい瞬間、全身の血の気が引いたと同時に飛び起きた。
見れば、昨夜一緒に眠りについたはずの彼がいない。
「マ、マレウス!?」
「どうしたイデア?」
あまりの恐怖に叫ぶと、柔らかな声が後ろから聞こえてきた。
思わず振り向けば、そこにいた。
「おはよう」
自分の愛しい伴侶が、柔らかな笑みを浮かべて自分を見ている。
その事実を認識すると、先ほどまでの恐怖が一気に霧散し、力尽きるようにベッドに沈んだ。
3513遠くに聞こえる鳥のさえずり。
瞼を刺激する朝日の光。
そろそろ目を覚ませと言わんばかりの外界からの刺激に、まだもう少し微睡んでいたいと寝返りを打つ。
おもむろに腕を伸ばせば、隣で眠る君の体温が。
「…無い」
その事実に気づい瞬間、全身の血の気が引いたと同時に飛び起きた。
見れば、昨夜一緒に眠りについたはずの彼がいない。
「マ、マレウス!?」
「どうしたイデア?」
あまりの恐怖に叫ぶと、柔らかな声が後ろから聞こえてきた。
思わず振り向けば、そこにいた。
「おはよう」
自分の愛しい伴侶が、柔らかな笑みを浮かべて自分を見ている。
その事実を認識すると、先ほどまでの恐怖が一気に霧散し、力尽きるようにベッドに沈んだ。
asumafriday
TRAINING【その6】呪力はなくなったけど記憶と金と顔と足の長さは繰り越したさとるが、呪力も記憶も無い恵と野薔薇を拾って育ててたら、悠仁と出会っちゃった話。の続き〜!かぞくのとびら(The way to say I'm home.)6.
「ただいま!」
「ただいま」
「はい、おかえり〜」
「おじゃましまーす」
「どーぞ」
食材をキッチンで広げると、悠仁が「お相伴に預かるかわりにせめてやらせて」と、手伝いを買って出てくれた。
生地を混ぜて、ネギとキャベツとタコを細かく切って、それから紅生姜は多め。相変わらず手際がいい。その間に僕はダイニングテーブルの真ん中にたこ焼き用のプレートを置いて、取り皿を並べる。冷蔵庫からソースとマヨネーズを出して、あっという間に準備が整った。あ、青海苔と鰹節、忘れるとこだった。
「俺のやり方でいい?」
「お願いしまーす」
高温で熱したプレートに、悠仁が油を塗り生地を流し込む。じゅう、と心地のいい音がした。
「あたしタコ入れたい!タコ!」
3316「ただいま!」
「ただいま」
「はい、おかえり〜」
「おじゃましまーす」
「どーぞ」
食材をキッチンで広げると、悠仁が「お相伴に預かるかわりにせめてやらせて」と、手伝いを買って出てくれた。
生地を混ぜて、ネギとキャベツとタコを細かく切って、それから紅生姜は多め。相変わらず手際がいい。その間に僕はダイニングテーブルの真ん中にたこ焼き用のプレートを置いて、取り皿を並べる。冷蔵庫からソースとマヨネーズを出して、あっという間に準備が整った。あ、青海苔と鰹節、忘れるとこだった。
「俺のやり方でいい?」
「お願いしまーす」
高温で熱したプレートに、悠仁が油を塗り生地を流し込む。じゅう、と心地のいい音がした。
「あたしタコ入れたい!タコ!」
フジサキタケト
DOODLE「全国いちご消費拡大協議会」が制定したとされているが、現在は解散されているとかで何故いちごの日になったのかはわからないらしい…(たぶん語呂合わせ)いちごは実のように見える部分が花托であり、取り扱いが野菜に分類されたりする。薔薇科なので青薔薇も考えたのですが、いちごは甘みがあるため糖分担当に出てきてもらいました。asumafriday
TRAINING【その5】呪力はなくなったけど記憶と金と顔と足の長さは繰り越したさとるが、呪力も記憶も無い恵と野薔薇を拾って育ててたら、悠仁と出会っちゃった話。の続き〜!※ちょっとモブが出ますがこの話以降五悠の恋愛には絡んで来ないです
かぞくのとびら(The way to say I'm home.)5.
3学期制の幼稚園は、7月の終わりに1学期の終業式があった。とは言っても、働いている親には夏休みなんかは関係ないから、子供たちは8月だって登園だ。ちょっと申し訳ないな、と思っていたけれど、彼らは相変わらず楽しく通ってくれた。悠仁に感謝。
その8月の間に、野薔薇は6歳の誕生日を迎えた。ケーキを食べながら、恵に「恵は12月ね」と言うと、珍しく嬉しそうな顔をした。二人の誕生日を祝うのはいつも悠仁が主導だったな、と思い出す。そっか、こんな気持ちだったんだね。
幼稚園では、入院していた副担任のスズキ先生が復帰し、9月の初め、悠仁は大量の花束と園児たちからの手紙を抱えてまた別の園へと行った。
恵と野薔薇の話によると、方々からの引き留めが凄かったらしい。二人も相当落ち込んだようだった。
42883学期制の幼稚園は、7月の終わりに1学期の終業式があった。とは言っても、働いている親には夏休みなんかは関係ないから、子供たちは8月だって登園だ。ちょっと申し訳ないな、と思っていたけれど、彼らは相変わらず楽しく通ってくれた。悠仁に感謝。
その8月の間に、野薔薇は6歳の誕生日を迎えた。ケーキを食べながら、恵に「恵は12月ね」と言うと、珍しく嬉しそうな顔をした。二人の誕生日を祝うのはいつも悠仁が主導だったな、と思い出す。そっか、こんな気持ちだったんだね。
幼稚園では、入院していた副担任のスズキ先生が復帰し、9月の初め、悠仁は大量の花束と園児たちからの手紙を抱えてまた別の園へと行った。
恵と野薔薇の話によると、方々からの引き留めが凄かったらしい。二人も相当落ち込んだようだった。
asumafriday
TRAINING【その4】呪力はなくなったけど記憶と金と顔と足の長さは繰り越したさとるが、呪力も記憶も無い恵と野薔薇を拾って育ててたら、悠仁と出会っちゃった話。の続き〜!かぞくのとびら(The way to say I'm home.)4.
「あ〜ポカリ被っちゃった、ごめん。栄養ドリンクとゼリーもあるから冷蔵庫入れるね。おでこのそれ、足りる?他にいるもんあれば買ってくるよ。アイスとか欲しかったら言ってね」
悠仁は持ってきたものを手際良く冷蔵庫に詰めながら、キッチンのカウンター越しに、ソファで横になっている僕に声をかけた。僕は「ありがと」と答えながら、すっかりぬるくなった冷却シートを剥がした。これ、8時間もつなんて絶対嘘だろ。
「五条さん、食欲どう?うどんなら食える?」
「食べれそう…だけど、うちに…そんなの…無いです…」
「だいじょーぶ、買ってきた!冷凍のやつだから明日以降も使えるよ」
悠仁がゴソゴソとスーパーの袋から冷凍のうどんと、束になったネギを取り出して見せた。
4251「あ〜ポカリ被っちゃった、ごめん。栄養ドリンクとゼリーもあるから冷蔵庫入れるね。おでこのそれ、足りる?他にいるもんあれば買ってくるよ。アイスとか欲しかったら言ってね」
悠仁は持ってきたものを手際良く冷蔵庫に詰めながら、キッチンのカウンター越しに、ソファで横になっている僕に声をかけた。僕は「ありがと」と答えながら、すっかりぬるくなった冷却シートを剥がした。これ、8時間もつなんて絶対嘘だろ。
「五条さん、食欲どう?うどんなら食える?」
「食べれそう…だけど、うちに…そんなの…無いです…」
「だいじょーぶ、買ってきた!冷凍のやつだから明日以降も使えるよ」
悠仁がゴソゴソとスーパーの袋から冷凍のうどんと、束になったネギを取り出して見せた。
cinque_flower_l
DOODLE間に合うはずのないというか間に合わせる予定でもなかった宇誕のようならくがき供養。21本の薔薇は『真実の愛』て、宇さんや!!!と思ってたので🤣
字の続きを書きたいのにできなくて…😭
はやく💎編書き上げたいよーっ脳がつかれてひまがないよーっ😭 3
ruiruirui_green
DOODLEタ/イ/ニ/ャ/ミ過激派の神のらくがき(キャラ崩壊かもしれない)(タ/イ/ニ/ャ/ミいない)頭の中で突然「てめえも薔薇色に染めてやろうか」って感じのフレーズが出たから描いたけど、これが久々に描く神ってどうなのよ
そして字がクソ汚い
藤 夜
DONE教師×教師if野薔薇のウエディングドレス話から一年生組に外堀埋められていく五条先生。わいわい楽しく先生もいいよね。
pixivにて展示した短編集より
【緋色】 招待状「別に結婚したいワケじゃないけど、ウエディングドレスは着てみたいわよね」
「そういうモンなの」
とてもうっとりとは形容しがたい表情の野薔薇に、虎杖がよくわかんないと顔に書いて返事をしている。
「あんな豪華なドレスなら一回とは言わず、何回も着てみたいじゃない」
「何回もって、それ、あんまりいいことじゃないんじゃない」
誰もが納得で同意してくれそうな突っ込みを受けた野薔薇は、コント見たいなやり取りをほぼ無表情で聞いていた伏黒に、矛先を向けてにやりと笑う。
「あんたは、タキシードって言うより紋付きの方が似合いそうね」
「どーでもいいし」
「相手もいないのにって。別にそこがどうでもいいわよ」
面倒そうに顔を顰める様子にばっさりと切って捨てた様子に、既に結婚式の要素はなくなりつつある。
2471「そういうモンなの」
とてもうっとりとは形容しがたい表情の野薔薇に、虎杖がよくわかんないと顔に書いて返事をしている。
「あんな豪華なドレスなら一回とは言わず、何回も着てみたいじゃない」
「何回もって、それ、あんまりいいことじゃないんじゃない」
誰もが納得で同意してくれそうな突っ込みを受けた野薔薇は、コント見たいなやり取りをほぼ無表情で聞いていた伏黒に、矛先を向けてにやりと笑う。
「あんたは、タキシードって言うより紋付きの方が似合いそうね」
「どーでもいいし」
「相手もいないのにって。別にそこがどうでもいいわよ」
面倒そうに顔を顰める様子にばっさりと切って捨てた様子に、既に結婚式の要素はなくなりつつある。