Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    蛇足

    x_spr1

    SPUR ME2022/03/06 21日の新刊予定だった漫画、絶対間に合わねぇ…ってことで全然違う内容の小説にします。現パロ大学生ルルスザ(付き合ってない)の同居短編集の予定です。尻叩きにプロローグ。まだ推敲してないんですが、蛇足が多いので本になるときはだいぶ変わると思います。
    おはよう、おやすみ、いってきます すっかり明るい空を見て、夏が近いなとスザクは思う。
     午前五時三十分。起床時刻にしては少々早いが、スザクにとってはいつものことだ。幼い頃、懇意にしてもらっていた武道教室の師匠の元で生活をしていた時期があり、そのときにすっかり身についた癖のようなものである。目覚ましがなくても、夜のどれだけ遅い時間に就寝したとしても、身体は目覚めの時間をしっかりと覚えているらしい。……引っ越し祝いにと師匠からもらった目覚まし時計は、結局今日も役目を与えられぬまま、かちかちと針の動きを進めているだけだ。
     ううん、と腕を大きく伸ばして、スザクは洗面所へと向かった。


     スザクが住んでいるのは、通っている大学から徒歩で十五分ほどのマンションである。キッチンにトイレ、風呂、洗面所があり、さらに六畳ほどのフローリングの部屋が三つ。駅から近くはないとはいえ、大学生が住むには贅沢すぎる物件だ。自身のアルバイト代のみで生活費や授業料をまかなっているスザクに、普通であればこんな部屋を借りる余裕などない。
    5969

    karehari

    DONE前作キスディノ(一問一答~)のすき間のフェイスとジュニアの話です
    ※前作中盤の「キースの算段」の話
    ※変なことは書いてないつもりですが、人によっては蛇足かも
    ※CPはキスディノのみ
    ※フェイス19歳
    夜の守り人九つ歳上のメンターが慌ただしく駆けていくのを、リビングでまったりと過ごしていたフェイスはちょっと驚いた様子で見送った。行き先はどうやらバスルームで、顔色は妙に赤い。いつもは持って入らないスマートフォンが防水バッグに詰められ連れていかれているのがフェイスのマゼンタの目に映る。
    推測出来る理由はいくつかある。うち、この場合は急ぐ必要はないだろう、あれならフェイスを見つけて声を掛ける余裕はあるだろう、と頭の中で考えて省いていくと一つが残る。

    「やっとかぁ」

    間延びした声で、隅に箔柄の入った黒い小箱から気に入りのショコラをつまんだ名探偵フェイスがもごもごと呟いた。
    俗な言葉で言ってしまえば、同室に住まうメンター二人、キースとディノはデキている。公言はされていないものの、最近の空気感が明らかにこれまでと違うのだ。距離感はもともと狂っているのであれだが、どうにもこう、ふんわりとした幸せそうな雰囲気が二人を包んでいるようにフェイスには見えていた。分別のある彼らは業務に支障をきたさず、自分やジュニアの前で恋人の振る舞いをすることもない。大人なのだな、と感心するほど。
    7500

    EIGOnon

    DOODLE「ロマンスなんて知らない」の二人が過ごすバレンタインの話です。今度は間に合ったぞ!!
    ターナーくんが作っていたのはザッハトルテです。

    蛇足
    海外では贈られる側(女性)は赤い下着で相手を迎えるそうなんですけど、ボスの趣味じゃなさそうなので省きました(ネロくんはやりそうですが)
    これ以上ない程の愛を込めて〈月曜日、空いてるか?〉

     穏やかな昼下がり、使い慣れない携帯端末に表示されたのは、そんな短い単語だった。
     ネロは「月曜日」と単語を繰り返し、アプリコットを焚く手を止めてカレンダーを見やる。
     二月十四日。はて、と首を傾げる。ええと、何かあったよなぁ、この日。何だっけ。
     安物のカレンダーをじっと見つめるも、最低限の祭事しか書かれておらず、答えはない。
     兎角、月曜日は麦穂も休みである。
     土曜の夜から日曜にかけてはブラッドリーの家で過ごしてはいるものの、月曜はネロにとっては空いた休暇に過ぎない。
     掃除か苦手な帳簿付けくらいしかやることもなかった。あまり深く考えずに返答を寄越すことにする。
     〈空いてるよ〉と、爺かよと揶揄されるレベルで遅い打ち込みを以て送ったメッセージには、〈じゃあ夜に行くから、そのまま予定空けとけ〉と即座に返って来た。
    3202

    nayutanl

    DONE昔、北師弟で四人暮らししていたころ(という設定)のなかでのホワイトとオズの話。
    これも昔の話と今の話ですが、結構強い幻覚なので気を付けてください。なお、例の🥄発売以前に書いた話を前提としているので、フィガロの話し方が結果的に捏造かも。

    蛇足がついてるので、「いる」って何だ? と感じたら下まで読んでみてください。
    愛の才能「「ただいま我が家!」」
     少しばかりの留守の後、現在の我が家に帰ってきたスノウとホワイトに弟子たちが駆け寄ってくる―などといったことはありはしなかったが、自分達の姿を確認し彼らがわずかばかり表情を変えたことには少なからず教育の手応えを感じた。教育とはいえ真似事にすぎないのだが、これでも試行錯誤を繰り返してきたし、総合的に見れば上手くいっているとは言い難い有り様なので、少しでも変化があると報われたような気持ちになってしまう。何年生きてきても単純なところは単純らしい。
    「おかえりなさい。ご無事で何よりです」
     フィガロが見本のような言葉で迎えるその傍らで、オズは唇を結んだまま佇んでいるだけだが、姿を見せるということは自分達の動向に少なくとも興味を持っているということなので、スノウとホワイトは外出の疲れも癒されるような思いで破顔した。
    7639