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    TAR

    misaka_akari

    DOODLE鍾タルの続き
    神様の忘れた契約の話・3 体感ではかれこれ数時間歩いているが、景色は大きな変化を見せない。
     なだらかな平原が地平線まで続いている。時折、地面から大きさや形も様々な岩が生えているがそれだけで、史跡や建造物の類は見当たらない。
     ここがモンドや璃月であったとしても、数時間同じ光景を見続けるということはありえない。璃月に関しては地理や歴史をそこそこかじっているが、このような平原が続く土地があるとは聞いたことがない。
     これだけ歩いて人の姿を見ないのも奇妙だった。旅人や、行商人、はたまた宝盗団。そのいずれかは出会してもいいものの、遭遇するものはと言えば二足歩行する仮面をつけた化け物、ヒルチャールばかりだ。
     ヒルチャールには個体差があった。剣や棍棒などの近接武器を持つ個体。弓矢や呪術をもちい遠距離から攻撃してくる個体。巨大な体躯を持ち身の丈ほどの斧を振り回す個体。それらは一定数で群れをなし、こちらの姿を認めるや否や襲ってくる。そして群れは等間隔で配置されていた。段々、そろそろ群れが現れるのが分かってくる。そして期待は裏切られない。人を見かけないのと同じくらい奇妙なことだった。
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