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    としお

    miya_ko_329

    DONEED後。朝っぱらからいちゃついてるだけのアルフェンとシオン。
    TOAR/アルシオ 意識が浮上すると共に開けた視界は淡い緋に満たされていた。紗のようなその隙間から光がきらきらと踊っている。朝焼けにも似た色彩は、どこか現実離れしたうつくしさで、さてこれは夢の続きだろうかとうっかり瞼を閉じそうになったところで気付いた。
    この色は、シオンの――
    「……おはよ」
     寝起きの、乾いた喉から発せられた朝の挨拶は明瞭な発音とは言い難かった。柔らかな枕に横向きの頭を半ば沈ませながら、アルフェンは視線だけを向ける。水底の青はすぐに見つかった。
    「おはよう、アルフェン。起きてしまったのね」
     どことなく残念そうなシオンの顔が頭上にあった。その指先がアルフェンの額から頬へ、髪の生え際をなぞるように滑り落ちていく。長い髪がまるで帳のようにアルフェンの視界の端で流れ落ちている。夢ではなく、紛うことなき現実の、触れられるもの。触れたいと意識するより先に反射的に手が伸びた。指に絡ませて、癖の無い柔らかな髪の感触を楽しむ。彼女がその美しい髪を傷めないように気を遣っていることは知っていたので、しばしの手遊びの後、わずかな名残惜しさを覚えつつ解放した。
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    g1641018

    DONEクロノとシオンがTRPGシステム『マギカロギア』の魔法使いという設定のパロものです。クロノからシオンへの片想いです。





    補足

    書警:ブックウォッチ。魔法戦のエキスパートで攻撃性能がめちゃくちゃ高い。
    書工:アルチザン。魔導書のメンテナンスをしたり他の魔法使いのサポートが主な役割。
    猟鬼:サイクロプス。悪い魔法使い絶対殺す部署。
    瞳に込めるは何色「頼むよ、クロノ。君にしか頼めないんだ」

     いつもと同じような声で、なんでもないようにシオンはそう言った。



    (…………簡単に言ってくれるぜ)

     この綺麗な瞳をくり抜いて、義眼を嵌める。それを、自分に頼むのか。




     クロノは書工。大法典に所属する彼は魔法使いであり、シオンもそうだ。彼は書警、クロノよりも身分は上だ。

     大法典では「階梯」と「位階」が絶対だ。シオンの位階「書警」は1位、対してクロノの「書工」は3位。同じ階梯である以上、シオンの方が立場が上であり、その命令は絶対だ。

     本当は拒否権なんてない。しかし、シオンはあくまで頼みという形でクロノに話を持ち掛けてきた。

     
    (…………すげえ、嫌だけど)

     シオンの願いを無碍にもしたくない。迷いながらも、クロノは了承の返事を返した。少しだけ時間をくれとも。
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    しの☆

    DONE酔っ払って可愛くなっちゃった四男のお話。からいちです。ルキラン1位頂いた作品なので思い入れがひとしお。
    酔った四男は破壊力が凄まじい。その日、松野家は珍事の連続だった。
    その一、両親が商店街の福引で当てた温泉旅行に二泊三日で出掛けてしまい、家には六つ子だけが残された。
    その二、これはいつも通りだが勝率の低い合コンに出掛けた末っ子トド松。普段どんなに遅くなっても帰って来るのに、合コン仲間のアツシくんと言う友人の家に泊まってくると先程連絡があった。
    その三、夕方からデカパン博士の所へ遊びに行っていた五男の十四松も、博士の研究の手伝いするから今日は帰らない!と電話を寄越した。
    その四、これが実は一番驚いた事だけれど。四男の一松が友達とご飯食べる、と連絡して来た。家にいた兄三人の脳裏に過ぎったのは、路地裏で猫と一緒に猫缶を食べる一松の姿。恐る恐る聞くと、ちゃんと人間の友達だと言う。何でもいつぞやのクリスマスに絡んだ挙句、家を出た時にはご飯をご馳走になったカップルの彼氏の方とばったり再会したらしい。一緒にご飯でも、と誘われてお断りスキルを発動出来なかったと戸惑い気味に告げる一松の声は、それでもどことなく嬉しそうだった…とは、電話に出たチョロ松談。
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