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    リッパー

    🍊みかん好きのオルカ

    DONE今日貰うもの、奪うもの


    飽きられたと思ってる傭兵くんとまだ手を出してないリッパーさんの話。


    最大のネタバレ↓

    ハピエン!

    おたおめ!!!相変わらず泣いてるけどハッピーです。いつかR-18な続きが……分かりません。
    性格の違う互いが柄にも無く合わせようとしててほしい!!それですれ違ってほしい!!以上!!!
    今日貰うもの、奪うもの ガシャン、と煩い機械の音と共にサイレンが響く。
     たった2人。残った仲間を逃して地面に倒れ込む。

    「ごめんなさいね、お誕生日なのに」

     ヴィオレッタはせめても、と優しく繭に包んでくれた。血と土に汚れた顔で最後の力で礼の代わりに微笑めば、彼女は包み終わった手をばいばい、と振った。
     今日は誕生日。これは本日最後のゲーム。帰ればパーティー。それなのに。
     まだ、恋人には会っていない。




     
     ゲームが終わり、ナワーブは自室のベッドに腰をかけてぼうっと扉を見つめていた。
     ナワーブには悩みがある。ここ最近の話ではない。
     殺人鬼から愛の告白を受けて半年ほど越した。彼に特別な感情を抱いていないままYesと答えたのは、単に彼の示す愛に興味があったからだ。それを隠して冷静でいたつもりだったのに、隣にいるのが心地良くなり、気が付けば彼に好意を抱いていた。
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    miomiowo

    DONE趣味の詰め込み。エクソシスト五とストリッパー乙のパロです。五乙固定ですが、ちょこっとモブとの絡み(諭吉を巡って)があったりします
    Last drop of my blood1エクソシスム・アクシズ。
    日本では東京と京都に拠点を構え、各国にも拠点を持つ国際的組織。エクソシスト達が管轄区画にて発生した悪魔関連の一切を執り行うのが専らの活動内容だ。
    ちなみにエクソシスム・アクシズに加入前から独自に活動をしていた帝国時代の特殊祓魔局の名残で、日本ではエクソシストを祓魔官と呼んでいる。

    エクソシスム・アクシズ東京支部は他の省庁と同じく千代田区にビルを構えている。一見他の官公庁やオフィスビルと変わらないが、その地下最下層には内部でも秘密裏になっている大聖堂がある。
    日本に二人しかいない特級祓魔官、五条悟が制服である黒のキャソックを纏い、エレベーターケージのボタンを押す。エレベーターが上昇を始めて最下層から脱すると五条は漸く一息吐いてやれやれと肩を竦めた。隠しエレベーターから降りて地下駐車場に着くと1台のセダンが五条の前に近づく。リアシートに乗り込んだ五条は、組んだ脚の上にスマホを放り出してシートポケットからキャンディ包みのチョコレートを取り出した。
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    waremokou_2

    DOODLE今日から暫く違う人類史のはなし。
    リッチマン(金持ち限定の弁護士)の黒柳が、誘いを断れない相手に誘われた先で、ストリッパーのバイトをしている三毛縞と出会う話。これはネヤネ:マイルドでかくはなし。
     ほら、と差し出されたマグカップは雑に入れられたティーバッグが僅かに色を滲ませながらも、まだほとんど湯のままの状態に近かった。ただ全身の骨まで刺すような寒さの中で、三毛縞が寄越したマグカップの湯気をもくもくとたてるそれは、手のひらの凍ってしまった細胞を溶かし尽くすような確かな温もりを持っている。歯の根が合わないなんて生まれて初めての経験だった。小さな小さな――とはいえ黒柳が見た中では冗談かと疑うほど大きなマグカップだけが、今黒柳を生かす温もりのようにさえ感じられて、ただ必死で、その最低最悪の紅茶にしがみついていた。
     紅茶は嫌いじゃない。それでも黒柳が好むものは女子供が好んで飲むような甘ったるく、着せられたような華やかさのあるフレーバー・ティーではない。厳選された産地、選び抜かれた茶葉、そしてその素材を人の手により加工する技術。その芸術と叡智を最も完璧な状態で抽出する一滴にこだわる美しさが好きだった。今、目の前に浮かぶ茶葉は甘ったるく強すぎる人工的な香りが茶葉本来の風味をぶち壊し、無駄に加えられたスパイス――おそらく、シナモンだろうその香りが全てを誤魔化すためだけに使われている。黒柳は再び、今度はせっせと毛布を運んできた三毛縞を一度睨むと、もうじゅうぶん色のでたティーバッグを引き上げて見せながら、その置き場を口外に要求した。
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    _aonof

    PROGRESS時間と世界を跳躍するトリッパーな女主と夏油の話。救済系。
    あの春の日、あの少女を死から救えたら、私の選択肢はまた変わってただろうか?
    前中後編のうちの前編。まとめた。
    雨の音がずっとしている。水があちこちにぶつかり、跳ねては地に落ちるて流れていく音が重なり合って響いている。今、世界のノイズはそれだけで、通り過ぎていく傘がいつもよりも人間の情報を減らしていた。今は何も見たくない。特に『普通の人間』を視界に入れたくなかった夏油にとって、この雨はほんの少しだけ救いだった。行く宛もない。そろそろ戻らなければ門限に間に合わないと分かっていても、どうしても足を元来た道の方へ向けられない。帰っても今は誰もいないのを知っている。出迎えてもらったところでなんになる。そう思う自分と、傘も差さずに馬鹿みたいに濡れて、どうするつもりだと自分が問いかけてくるのを聞こえないふりをした。夏油は俯いて毛先から雨が滴り落ちるのをそのままに、ただただ黙ってただ足を進める。止まることは出来ない。自分が決めた道を歩んでいる。でも行き先が分からない。救うこと。その対価に傷つくこと。見返りを求めているわけじゃない。でも、この世界はあまりにも──自分達に優しくない。
     ふと、前に人が立っていて足を止めた。
     避けようとした瞬間に、雨が止む。
     違う、頭の上に傘を差し出されたのだ。
     顔をあげると 7892