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    村人

    penDakoZ

    DONEモブ村人視点のお話です。风息と天虎ちゃんが出ます。人間と妖精たちの交流は絶たれ、风息たちが龍游を出る直前の頃のお話です。その頃の风息なので人間に対してほどほどに塩です。本当に文化も地方も歴史もめっちゃめっちゃなので、ファンタジーです!!農民を暮らしを調べるのは楽しかったです…!!「夏の夜」と少し対比になっていると嬉しいです。小説を読んでくださる方、本当にありがとうございました。完結です!
    青の園Ⅱ「冬の朝(モブ視点、天虎と风息) 私が生まれたのは、深い森に覆われた山間にある小さな村だ。祖父からは、ここは神様の住う土地だと教えられてきたけれど、そんなの昔話だ。皆が神様の事を思い出すのは、今はもうお祭りの時くらいで、勿論私は神様を見た事なんて無い。

     東の空が白む頃、私は布団に包まったまま、姦しい鶏の鳴き声を聞いている。カンの上に布団を敷いているから、寝台はぬくぬくと温かく離れがたい。
     あと五分、いいえ十分。ようやく決心して、えいと体を起こすと腊月の寒さに身震いする。井戸から汲み貯めた水で顔を清めると、指先が千切れそうな程冷たい。
     朝餉の支度は、私の仕事だ。竈門に乾燥させた果樹の枝を放り投げて、鉄鍋に湯を沸かす。粥を炊くのと一緒に魚と野菜も蒸してしまう。
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    penDakoZ

    DONE龍游を出て数十年、放浪の旅を続ける離島組の話。風息と虚淮しか出ません。
    モブが沢山虚淮さんと絡むので注意してください。
    「青の園」シリーズとしては、「夏の夜」と本作の間に挟まれる天虎メインのお話が絶賛停滞中ですが(すいません)、それぞれ単品で読めるお話です。これはモブ村人私と天虎ちゃんの夢小説なので気長に書いています!
    実際の中国の歴史や街などは考慮せず、ファンタジーとして読んでください。
    青の園Ⅲ「迷い子の鈴/夜に蠢くもの(虚淮視点、虚淮と风息)」 故郷を去ってから、数十年の月日が流れた。あてなき旅路の中で、美しいと思えるものにも、醜悪なものにも多く出会った。放浪に果ては無く、私達は失ったもの、残されたものにも未だ名前をつけられずにいる。

     旅の途中で出会った妖精の話を頼りに辿り着いた地だったが、全く期待外れだった。かつて龍が住うとされた豊かな水源は工場からの排水で濁り、美しい森は、故郷を離れ寄り辺ない者たちが集う、歪に積み重なった街と化していた。曇天の下を、物売りの自転車が土煙をあげながら駆け抜けていく。
     人間が暮らす街では、若い男が昼間からふらふらと出歩けば悪目立ちするものだが、この街では誰もよそ者ばかりなので他人への関心が希薄だ。その点に限れば、私達にとって都合が良かった。露天で汚れた古着を選んで買い揃えて、長い髪も尖った耳も大きな帽子ですっぽりと覆ってしまえば、やや不健康そうではあったが、人間にみえない事もない。街で妖精として振舞う事が禁忌とされていた。
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