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    ちせ

    あ や 🍜

    DONE(はるちせ)キスもセッ*スもするし、互い以外の相手を選ぶ気なんて微塵も無いけど、それが恋とは思っていないふたりがすき。
    その世界は恋を知らない ぽかぽかとあたたかい、春のまどろみに似た夢を見ていた。
     部屋中に散らばる意識を手繰り寄せるように、ぴったりふたつ、ぱちりぱちりとまばたきを落とす。めずらしく、昼の手前のような時分まで休日を謳歌する子どもみたいにぐっすりと眠りこけていたらしい。
     くあ、と大きな欠伸を零してから、当然そこにあるはずの温もりを求めて、白いシーツのキャンパスに俺はくるりと円を描く。けれどそういう俺の甘い期待とは裏腹に、哀れな左腕はすっかり熱を失ったリネン生地の感触を虚しく拾い上げただけだった。――顔を動かして、視線を隣へ向ける。
    「……はるおみ……?」
     ぽつり。ひとりごちた言葉は、まだ何処か夢うつつな風を滲ませている。そこでようやく、一緒に眠りについたはずの彼はとっくに夢から目を覚まし、俺を置いて、ふたりきりのベッドから抜け出していたことに気が付いた。……飼い主に捨てられた仔犬って、こんな気分なのかな。寝起きのぐずぐずした頭でそういうくだらないことを考えながら、俺はちいさくため息を吐く。
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