Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    はっか

    9cc5e6ea930a

    SPUR ME大人になった みつや、たいじゅ、ゆずは、はっかい で、初めてのディナーをする話④
    しば兄弟の可能性を祈ってます。
    ※たい みつ を含みます。
    ※デザイナー、モデル軸の現代+オーナー設定です。
    ※しば母捏造してます。
    白のプレリュード④ side - 柴 大寿「ま、待ってよ、兄貴……」
     そんな八戒の声が聞こえた瞬間、大寿は思わず息を呑んだ。
     三ツ谷に唆され行くぞとは言ったものの、ついて来ない可能性も、十分にあると思っていたからだ。
    「早くしろ」
     動揺を悟られぬよう、極めて冷静に返しながらも、自然と大寿の歩く速度は落ちていた。
     ほどなくして追いついた八戒を連れ、大寿はワインセラーへと案内する。その少し後ろを歩きながら、八戒はチラリと兄の様子を伺った。
     ただ淡々と先を進む姿には、なんの打算も感情も見て取れない。笑うでも怒るでもない様子は、むしろ何を考えいるのか分からず、八戒はかえって不安になる。とはいえ訪ねる勇気もなかった。
     なにせ大寿と再び会うようになってからは、いつも三ツ谷が一緒にいたため、二人きりになるのは初めてなのだ。三ツ谷がいたからこそ言葉を交わせていたが、そのサポートがない今、一体何を話せばいいのか分からない。取っ掛りすら思い浮かばず、八戒は閉口するしかなかった。
    4835

    kuduchan

    MOURNING14巻時空のはっかいの話 はちみつはちみたいな描写はあるっちゃあるけど本題ではない。八戒には兄が二人いる。一人は血の繋がった兄、柴大寿。もう一人は血の繋がらない兄貴分、三ツ谷隆だ。
    両親が不在の家で、兄はこの家の長だった。母と離婚した父が三人の子どもを引き取った後、具体的にどこで何をしているか、幼い頃は良くわかってはいなかった。周囲より頭一つ抜け出たマンションは、子供だけで住むには、とても広かった。良くも悪くも、金に不自由はしなかった。金が全てではないということを早々に知れたのは、良かったと言えるだろう。しかも立派な兄がいて、美しく優しい姉がいる。けれど、どんなに人から羨まれようが、八戒は家が嫌いで嫌いで仕方なかった。何が、と問われれば、答えは一つ。兄、大寿が恐ろしかった。
    大寿はトイレの電気をつけっぱなしだとか、門限を数分破ったとか、買い物に抜けがあったとか、些細なことで手を上げた。同学年と比較して、大寿は明らかに身体的に恵まれていた。小学生の頃から中学生と間違われるほどに。しかし、そんなことお構いなしに、手加減せず殴った。顔や体から、痣が消えたことはなかった。そして殴ってから、オレはお前らに期待しているから強くあたるのだと言って、頭を撫でる。その手は、今さっきまで 5921