魔術師
くろん
DONEサンポワンドロ参加作品『あなたのサンポ』『いつでもそばに』使い魔サン×魔術師星なパロ
細かい設定は作り込んでない、雰囲気だけでふわっと読むタイプの話
※名有りの捏造モブが出張ってます
※途中不穏な展開ですがハッピーエンドです
※軽い流血描写あり
Forever yours「さあ、お前の出番だ。出てくるがいい!」
芝居がかった口調で命じた男の背後の空間がゆらりと揺らぎ、何もないところから一体の人型の魔物が現れた。その姿を目にして、男と対峙していた星は呆然と呟く。
「……サンポ」
それは一週間前に突然姿を消した、星の使い魔の名前だった。
「はははははっ! どうだ、最も信頼していた右腕に裏切られる気分は!!」
「ど、うして……」
「申し訳ありませんねぇ。こちらのデボルド卿が、給金をたんまり弾んでくれると仰るものですから」
「ふん、金で主人を裏切る使い魔など聞いたことがない。貴様はよほど人望がないらしいな」
強張った顔で声を震わせる星を鼻で笑い、デボルドと呼ばれた男はニヤニヤと厭味ったらしい笑みを浮かべた。
2635芝居がかった口調で命じた男の背後の空間がゆらりと揺らぎ、何もないところから一体の人型の魔物が現れた。その姿を目にして、男と対峙していた星は呆然と呟く。
「……サンポ」
それは一週間前に突然姿を消した、星の使い魔の名前だった。
「はははははっ! どうだ、最も信頼していた右腕に裏切られる気分は!!」
「ど、うして……」
「申し訳ありませんねぇ。こちらのデボルド卿が、給金をたんまり弾んでくれると仰るものですから」
「ふん、金で主人を裏切る使い魔など聞いたことがない。貴様はよほど人望がないらしいな」
強張った顔で声を震わせる星を鼻で笑い、デボルドと呼ばれた男はニヤニヤと厭味ったらしい笑みを浮かべた。
黄月ナイチ
PROGRESS魔術師ことを起こすのに必要なものは何だと思うか、とヘリオスが尋ねてきたので、アマチはその問答に付き合うことにした。
こと、と言うのはヘリオスとの問答においてしばしば現れる単純化された言葉だが、つまりは彼もしくは彼らが唱える荒唐無稽、星を目指すという夢物語についての計画のことである。ヘリオスは時折、知っているはずの真理の答え合わせをするような話題を仕掛けてくる。
つい先刻まで二人で遊んでいたカードがちょうど手元にあったので、おさらいのがてらに簡単な手品を披露することにしたアマチは手際よく伏せたままのカードをぐるぐると掻き回し、その中の一枚をめくった。
「心と血肉」
宣告と同時に現れたのはハートのカード。ヘリオスは少し目を瞠り、それから視線だけで先を促す。
796こと、と言うのはヘリオスとの問答においてしばしば現れる単純化された言葉だが、つまりは彼もしくは彼らが唱える荒唐無稽、星を目指すという夢物語についての計画のことである。ヘリオスは時折、知っているはずの真理の答え合わせをするような話題を仕掛けてくる。
つい先刻まで二人で遊んでいたカードがちょうど手元にあったので、おさらいのがてらに簡単な手品を披露することにしたアマチは手際よく伏せたままのカードをぐるぐると掻き回し、その中の一枚をめくった。
「心と血肉」
宣告と同時に現れたのはハートのカード。ヘリオスは少し目を瞠り、それから視線だけで先を促す。
NRX0013
DOODLEごだるか 魔術師と運命の輪のらくがき たまったので まとめます。ネタバレはないです。本当にただのらくがき。
表情差分、現パロ、TS、いろいろ。
漫画テンプレお借りしてます。最後はトレスです。 19
maris
DONE不死鳥幻想 主人公4人組左から順に
長耳族の魔術師 セリーナ・マラカイト
不死鳥の力を受け継ぐ戦士 キャロライナ”キャロル”フェニックス
異国の格闘家 翡天龍(フェイ・ティエンロン)
小人族の探検家 クロード・マクニール
soreyue-chan
SPOILER最後の魔術師-The last magicianHO2 フラン・ローウェル 表情差分まとめ(未使用含む)
⚠️シナリオバレ含む可能性がありますので、閲覧はご注意ください 26
菫城 珪
DOODLE出奔魔術師閑話「とあるロマンス作家の衝撃」とあるロマンス作家の衝撃とあるロマンス作家の衝撃
ミゴン・アルシペルに着いた私は先に到着していた編集者であるヤーナ・ツヴェートと現地で落ち合った。
彼女は有能な編集者で、私にノール様についての一報を寄越した同志でもある。
「ノール様は不死鳥亭に泊まっているようです。冒険者が泊まるには少々高いところですね。その分、宿のクオリティーは抜群、食事も部屋もいいですし、何よりセキュリティが効いています」
「ノール様がいつも泊まるような場所ではないですよね…。という事はやはり相手は高貴な身分の人…?」
誰ともパーティーを組まない孤高の冒険者。これまでどれほど金を積まれても誰ともつるむ事がなかったというのに。
そんなノール様が組んだというのは一体何者なのだろうか。
2274ミゴン・アルシペルに着いた私は先に到着していた編集者であるヤーナ・ツヴェートと現地で落ち合った。
彼女は有能な編集者で、私にノール様についての一報を寄越した同志でもある。
「ノール様は不死鳥亭に泊まっているようです。冒険者が泊まるには少々高いところですね。その分、宿のクオリティーは抜群、食事も部屋もいいですし、何よりセキュリティが効いています」
「ノール様がいつも泊まるような場所ではないですよね…。という事はやはり相手は高貴な身分の人…?」
誰ともパーティーを組まない孤高の冒険者。これまでどれほど金を積まれても誰ともつるむ事がなかったというのに。
そんなノール様が組んだというのは一体何者なのだろうか。
菫城 珪
DOODLE出奔魔術師閑話 とあるロマンス作家の激震出奔魔術師閑話 とあるロマンス作家の激震 小説。それは誰もが手軽に自らの妄想を紡ぐ最適かつ最高の手段である……。
セレスト・コルケット、デビュー作 「鮮烈なる緋狼」後書きより。
ロマンス小説。それは世の女性の間を席巻している小説のジャンルである。
製紙技術と印刷技術の向上により、市井に本が出回るようになったのは私イヴェット・コルボーンが世に生まれるほんの少し前の話だ。父も母も生粋の読書好きで幼い頃には既に身近に本がある生活を送っていた私が本の虫になるのは当たり前の事だったと思う。
そんな私の一番好きな小説がロマンス小説だ。
冒険活劇を加えたもの、ドロドロした不倫に身分差の恋物語。どれもこれも夢一杯な世界が広がっていて読むだけでドキドキワクワクする。
2838セレスト・コルケット、デビュー作 「鮮烈なる緋狼」後書きより。
ロマンス小説。それは世の女性の間を席巻している小説のジャンルである。
製紙技術と印刷技術の向上により、市井に本が出回るようになったのは私イヴェット・コルボーンが世に生まれるほんの少し前の話だ。父も母も生粋の読書好きで幼い頃には既に身近に本がある生活を送っていた私が本の虫になるのは当たり前の事だったと思う。
そんな私の一番好きな小説がロマンス小説だ。
冒険活劇を加えたもの、ドロドロした不倫に身分差の恋物語。どれもこれも夢一杯な世界が広がっていて読むだけでドキドキワクワクする。
菫城 珪
PROGRESS出奔魔術師の旅日記7出奔魔術師の旅日記7 いざこざと金の眼 7 いざこざと金の眼
それからいくつかの説明を受け、一通りの話が終わったところでユディはやりきった顔で二人を見た。
「次はパーティー申請ですね。問題無さそうならカードをお預かりします」
「はい、お願いします」
トレイの上にカードを戻せば、ユディはノエルとユークの二人へと栗色の瞳を向ける。
「リーダーはどちらで登録しますか?」
「俺で頼む」
「承知しました。少々お待ちください」
短いやり取りをすると、ユディは二人のカードを持って再びカウンターの奥へと向かう。
一体どうやって登録しているのか、どんな魔道具を使っているのかと好奇心は尽きないが、どうにも周囲からの視線が痛くて流石のユークも大人しくしていた。何か起こしてノエルに迷惑を掛けるのは避けたい。
4630それからいくつかの説明を受け、一通りの話が終わったところでユディはやりきった顔で二人を見た。
「次はパーティー申請ですね。問題無さそうならカードをお預かりします」
「はい、お願いします」
トレイの上にカードを戻せば、ユディはノエルとユークの二人へと栗色の瞳を向ける。
「リーダーはどちらで登録しますか?」
「俺で頼む」
「承知しました。少々お待ちください」
短いやり取りをすると、ユディは二人のカードを持って再びカウンターの奥へと向かう。
一体どうやって登録しているのか、どんな魔道具を使っているのかと好奇心は尽きないが、どうにも周囲からの視線が痛くて流石のユークも大人しくしていた。何か起こしてノエルに迷惑を掛けるのは避けたい。
菫城 珪
PROGRESS出奔魔術師の旅日記6出奔魔術師の旅日記6 冒険者ギルド 6 冒険者ギルド
ダンジョンに入るには幾つかの取り決めがある。
数多の危険が待ち受けるダンジョンは出現する魔物の強さや仕掛け、深度によってそれぞれランク分けがされていた。それ故に誰でも入れるものでは無く、冒険者・勇者登録のある者、あるいはダンジョンの管理をしている者に必要な申請を提出し、承認された者である事が必須だ。
また、入る者達にダンジョンの難易度に相応しい力量がある事がまず前提条件で挙げられる。更には内部の構造も深さも出現する魔物の強さや仕掛けの難易度も個々での差が激しく、ダンジョンに同じものは一つとして存在していない。出没する魔物が共通していても、その強さや行動特性はそのダンジョンの環境に依存し、あるダンジョンでは個別行動している魔物が別のダンジョンでは群れを成しているなど変化が多い。
9107ダンジョンに入るには幾つかの取り決めがある。
数多の危険が待ち受けるダンジョンは出現する魔物の強さや仕掛け、深度によってそれぞれランク分けがされていた。それ故に誰でも入れるものでは無く、冒険者・勇者登録のある者、あるいはダンジョンの管理をしている者に必要な申請を提出し、承認された者である事が必須だ。
また、入る者達にダンジョンの難易度に相応しい力量がある事がまず前提条件で挙げられる。更には内部の構造も深さも出現する魔物の強さや仕掛けの難易度も個々での差が激しく、ダンジョンに同じものは一つとして存在していない。出没する魔物が共通していても、その強さや行動特性はそのダンジョンの環境に依存し、あるダンジョンでは個別行動している魔物が別のダンジョンでは群れを成しているなど変化が多い。
菫城 珪
PROGRESS出奔魔術師の旅日記5出奔魔術師の旅日記5 迷宮都市ミゴン・アルシペル5 迷宮都市ミゴン・アルシペル
検問を越えて街中に入るとそこは活気に満ち溢れていた。
数え切れないほどの人が行き来し、路上に開かれた露天からは客引きの声が飛ぶ。行き交う人々の半分は何かしら武器を携えているか魔術師といった出立ちでいかにも冒険者の街といった様子だ。
事前にブルーノから聞いた話によるとミゴン・アルシペルは街の中心に巨大なダンジョン「ノホ・カウム」が口を開けており、それを起点に円を描くように広がった街らしい。通りを挟んで建物の円環が重なり、更に中心から放射線状に八箇所、それぞれ市壁に作られた門に向かって大通りが伸びている。市壁の上から見ればまるで放射線上に切り込みを入れた木の年輪や蜘蛛の巣のような形をしているのだという。
7159検問を越えて街中に入るとそこは活気に満ち溢れていた。
数え切れないほどの人が行き来し、路上に開かれた露天からは客引きの声が飛ぶ。行き交う人々の半分は何かしら武器を携えているか魔術師といった出立ちでいかにも冒険者の街といった様子だ。
事前にブルーノから聞いた話によるとミゴン・アルシペルは街の中心に巨大なダンジョン「ノホ・カウム」が口を開けており、それを起点に円を描くように広がった街らしい。通りを挟んで建物の円環が重なり、更に中心から放射線状に八箇所、それぞれ市壁に作られた門に向かって大通りが伸びている。市壁の上から見ればまるで放射線上に切り込みを入れた木の年輪や蜘蛛の巣のような形をしているのだという。
菫城 珪
PROGRESS出奔魔術師の旅日記4出奔魔術師の旅日記4 4検問にて
馬車での道程はユークにとって案外快適だった。
荷台に荷物と他の人と一緒にぎゅうぎゅう詰めになって乗るのは初めてだが、新鮮で面白い。怪我をした男も随分回復し、その仲間の男も混じえて話を聞いていると二人は兄弟なのだという。
怪我をしたのが弟で名をマルコ、手当てしていたのが兄でニーノ、更に御者をしている男が彼等の叔父でブルーノというらしい。兄弟は冒険者をしている傍ら、商人兼宿屋を営む叔父の仕事を手伝っているそうで、今日は隣街への行商の帰りだった。
「ついてねぇよな。街道も再整備されて忌避剤も新しくなってから魔物の数も減ってたし、魔物避けも使ってたのにいきなり襲われてよ。ほんと、二人が通り掛かってくれて助かったぜ」
7023馬車での道程はユークにとって案外快適だった。
荷台に荷物と他の人と一緒にぎゅうぎゅう詰めになって乗るのは初めてだが、新鮮で面白い。怪我をした男も随分回復し、その仲間の男も混じえて話を聞いていると二人は兄弟なのだという。
怪我をしたのが弟で名をマルコ、手当てしていたのが兄でニーノ、更に御者をしている男が彼等の叔父でブルーノというらしい。兄弟は冒険者をしている傍ら、商人兼宿屋を営む叔父の仕事を手伝っているそうで、今日は隣街への行商の帰りだった。
「ついてねぇよな。街道も再整備されて忌避剤も新しくなってから魔物の数も減ってたし、魔物避けも使ってたのにいきなり襲われてよ。ほんと、二人が通り掛かってくれて助かったぜ」
菫城 珪
PROGRESS出奔魔術師の旅日記3です出奔魔術師の旅日記3 3 黒の森の道行
火の始末を終えて支度を整え、街道へと戻ると二人はいよいよ本格的に歩き出す事になった。
ユークが逃げてきたのは森の西側からなのだが、ノエルがどこを目指すのか具体的には知らない。しかし、先程の話ではダンジョン群を目指すと言っていたからなんとなくの予想はついていた。
「迷宮都市ミゴン・アルシペルを目指す。ここからだと東に半日くらい歩いた距離だ」
予想通りの街の名前にユークは小さく頷く。
迷宮都市ミゴン・アルシペルはその名の通りダンジョンを多く有する大きな街だ。大小合わせて50程のダンジョンが街の中やその近隣に存在し、それを攻略する為に集まってくる冒険者や観光客に向けた商売をして栄えている。街の中心にはこの国でも有数の大きなダンジョンが口を開いており、内部の一部は観光地化もされているのだという。
5023火の始末を終えて支度を整え、街道へと戻ると二人はいよいよ本格的に歩き出す事になった。
ユークが逃げてきたのは森の西側からなのだが、ノエルがどこを目指すのか具体的には知らない。しかし、先程の話ではダンジョン群を目指すと言っていたからなんとなくの予想はついていた。
「迷宮都市ミゴン・アルシペルを目指す。ここからだと東に半日くらい歩いた距離だ」
予想通りの街の名前にユークは小さく頷く。
迷宮都市ミゴン・アルシペルはその名の通りダンジョンを多く有する大きな街だ。大小合わせて50程のダンジョンが街の中やその近隣に存在し、それを攻略する為に集まってくる冒険者や観光客に向けた商売をして栄えている。街の中心にはこの国でも有数の大きなダンジョンが口を開いており、内部の一部は観光地化もされているのだという。
菫城 珪
PROGRESS出奔魔術師の旅日記①です。プロローグだけ置いとくのも何かなーと出奔魔術師の旅日記1 月と狼の邂逅月と狼と邂逅
その夜、「黒の森」と呼ばれるこの森は酷く静かだった。
普段ならば五月蝿い程に響いている魔物や獣が立てる騒めきすらなくて、不安感を覚える程に。
高レベルの魔物も多く棲み、昼ですら太陽の光があまり届かずなお暗いこの深い森を人は忌避する。
森を通る街道は整備され、魔物避けは施されているものの、そこを通るのも命懸けの道行となる。無事に通り抜けるには腕に自信のある冒険者か傭兵を数人雇わねばならない。
そんな危険な森の中、街道から少し外れた所に何かが暴れた跡地なのか誰かが意図的に木を切り倒したのか、僅かにだがぽっかりと木々が口を開けている場所があった。丁度この夜は満月で、高く登った月は黒々と広がる森に穏やかな光を落としていた。
6847その夜、「黒の森」と呼ばれるこの森は酷く静かだった。
普段ならば五月蝿い程に響いている魔物や獣が立てる騒めきすらなくて、不安感を覚える程に。
高レベルの魔物も多く棲み、昼ですら太陽の光があまり届かずなお暗いこの深い森を人は忌避する。
森を通る街道は整備され、魔物避けは施されているものの、そこを通るのも命懸けの道行となる。無事に通り抜けるには腕に自信のある冒険者か傭兵を数人雇わねばならない。
そんな危険な森の中、街道から少し外れた所に何かが暴れた跡地なのか誰かが意図的に木を切り倒したのか、僅かにだがぽっかりと木々が口を開けている場所があった。丁度この夜は満月で、高く登った月は黒々と広がる森に穏やかな光を落としていた。
あさけまゆた
DONEエンリリ 魔術師トリオ(ファーデン素顔バレ有)ファーデンさんの素顔(公式アートブックより)バレ有注意
イレイェンさんとファーデンさんと、ミーリエルさん。ギャイギャイしながらも(イレイェンさんが)3人で仲良く研究にあけくれていたのではないかと想像しています。
みるく
PROGRESS8/20に頒布予定の司類派生パロ(騎士×魔術師パロ)の書き下ろし部分のサンプルです。Twitterと支部に載せていたお話2本の再録と書き下ろし3本を一冊本にまとめる予定です。
支部に載せているお話2本をまとめているシリーズはこちらから
→https://www.pixiv.net/novel/series/10085128
8/20に頒布する🌟🎈騎士×魔術師パロの書き下ろし部分のサンプル(未完成)【秘密裏に行われる真夜中の攻防戦】
とある部屋の中で一人、筋トレや剣の素振りなどの鍛錬をしていた青年の荒い息遣いが響き渡る。
「……ふぅ、今日の自主練はこれくらいにしておくか」
その青年、司は鍛錬を止め、風呂場で汗ばんだ体を洗い流し、寝間着に着替えると疲れた体をベッドへと沈めこむ。全体で行う訓練を終えた後もこうやって自室で鍛錬を欠かさず行い、日々腕を磨き続ける。これが若くして騎士団長を立派に務める司の日課だった。上に立ったからといって、己が成長するための努力を決して怠らない男であった。
今日も日課を終え、疲れた体をしっかり休めるためにも早く就寝に入ろうと目を瞑ってからほんの数分後の事だった。眠りが深くなりそうなタイミングで扉の外から何やら物音らしきものが耳に聞こえてきた。何事かと思い、ベッドに入ったままではあるが耳を澄ませる。司の私室は騎士団長ということもあり、有事の際、すぐに動けるようにと王宮内に存在していた。そうした部屋事情や、感じ取った気配からも下手な輩ではなさそうだと判断した司はそのまま様子を窺った。するとキィ、と音を立てて扉が開いていくではないか。許可なく扉が開かれたことで流石に警戒心を高めた司は侵入者を油断させるために狸寝入りを決め込むことにし、再び様子を窺っているとおずおずといった感じで誰かが部屋に入り込む気配を感じた。思っていた反応と違い、相手に気づかれないように目を薄く開いて確認すると入ってきた人物はなんと類であった。例の襲撃事件を含む幾度の試練を乗り越え、類の信頼を勝ち取り、森から王宮へと連れ出して以来、類の希望もあって類の私室は司の隣へと用意された。つい先程も互いに自分の部屋の前で就寝前の挨拶をして別れたばかりだった。だからもうすでに眠っているものだと思っていた予想外の人物に司が固まっていると類は足音を立てないようにそっと歩き出して、司が眠っているベッドのそばまで近づいてきた。
5335とある部屋の中で一人、筋トレや剣の素振りなどの鍛錬をしていた青年の荒い息遣いが響き渡る。
「……ふぅ、今日の自主練はこれくらいにしておくか」
その青年、司は鍛錬を止め、風呂場で汗ばんだ体を洗い流し、寝間着に着替えると疲れた体をベッドへと沈めこむ。全体で行う訓練を終えた後もこうやって自室で鍛錬を欠かさず行い、日々腕を磨き続ける。これが若くして騎士団長を立派に務める司の日課だった。上に立ったからといって、己が成長するための努力を決して怠らない男であった。
今日も日課を終え、疲れた体をしっかり休めるためにも早く就寝に入ろうと目を瞑ってからほんの数分後の事だった。眠りが深くなりそうなタイミングで扉の外から何やら物音らしきものが耳に聞こえてきた。何事かと思い、ベッドに入ったままではあるが耳を澄ませる。司の私室は騎士団長ということもあり、有事の際、すぐに動けるようにと王宮内に存在していた。そうした部屋事情や、感じ取った気配からも下手な輩ではなさそうだと判断した司はそのまま様子を窺った。するとキィ、と音を立てて扉が開いていくではないか。許可なく扉が開かれたことで流石に警戒心を高めた司は侵入者を油断させるために狸寝入りを決め込むことにし、再び様子を窺っているとおずおずといった感じで誰かが部屋に入り込む気配を感じた。思っていた反応と違い、相手に気づかれないように目を薄く開いて確認すると入ってきた人物はなんと類であった。例の襲撃事件を含む幾度の試練を乗り越え、類の信頼を勝ち取り、森から王宮へと連れ出して以来、類の希望もあって類の私室は司の隣へと用意された。つい先程も互いに自分の部屋の前で就寝前の挨拶をして別れたばかりだった。だからもうすでに眠っているものだと思っていた予想外の人物に司が固まっていると類は足音を立てないようにそっと歩き出して、司が眠っているベッドのそばまで近づいてきた。
ると🎀⚙️
MEMOhttps://www.pixiv.net/novel/series/10146110『歯車の魔術師と腹ペコ魔法使い』の独自設定マホロアのことを簡単にまとめた自分用資料
歯車の魔術師マホロアのこと歯車の魔術師
ハルカンドラから追放された人々が住む惑星出身。魔法派と科学派が存在する中で、狭間の者として生まれた。父は魔法、母は科学の民。魔力が生命維持に必要な魔法生物として生まれたが内包できる魔力量が少なく、虚弱体質。移動するだけで消耗が激しく息切れしていたため幼少期は母の作った浮遊する車椅子を使用していた。
知識欲と好奇心は強く、両親に愛されて育つ。魔法と科学への憧れはこの頃の両親の影響から。
人間年齢換算で5歳の頃に両親と離別。『いなくなった』としか覚えていない。
生きる為に何でもやった。その過程で身体を隅々まで調べられた際に生殖能力を持たないことが判明している(狭間の者のため)。次第に笑顔と虚言で心を守ることを覚える。
1824ハルカンドラから追放された人々が住む惑星出身。魔法派と科学派が存在する中で、狭間の者として生まれた。父は魔法、母は科学の民。魔力が生命維持に必要な魔法生物として生まれたが内包できる魔力量が少なく、虚弱体質。移動するだけで消耗が激しく息切れしていたため幼少期は母の作った浮遊する車椅子を使用していた。
知識欲と好奇心は強く、両親に愛されて育つ。魔法と科学への憧れはこの頃の両親の影響から。
人間年齢換算で5歳の頃に両親と離別。『いなくなった』としか覚えていない。
生きる為に何でもやった。その過程で身体を隅々まで調べられた際に生殖能力を持たないことが判明している(狭間の者のため)。次第に笑顔と虚言で心を守ることを覚える。