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    モイラ

    いずみのかな

    DONEある方に「(大抵に承花が含まれている)CLAMPの作品みたいな」とお言葉もらって、なるほどそれだ、と納得したのでカプのタグをつけましたが、どうぞお好きなように読んでください。へんてこな話です。
    ペルソナでないほうのP2のパロとしても読めますのでで苦手な方もいらっしゃると思います、お気をつけください。
    パロ的なところで語りますと、こういう男のこういう話だったと、思うんですよ。
    砂上 こんな夢を見た。

     男はもうとても長いこと世界を記録していた。自分の名前を忘れ、自分の姿がどういうものかも忘れていたが、ただ、誰かを待っていることは憶えていた。昔、待っていると告げた人が自分の目の前で去ったとき、すべての時間が止まり、そして白い大地の隙間に黒い線がすぅと立ち上っているのが見え、その硝子のようにすべてを置いて透き通ったものを押したら、そこはなにもない空間だった。そうして男は時間から離れ、この場所で世界を記録しつづけているのだ。
     男が茫洋と世界の全てを見ているうちにも、日は昇り、日が沈み、月は満ちそして欠けていった。多くの人たちが不幸になり幸せになり、なにかを得てなにかを失っていった。ニューヨークのビル街でアラブの移民が口ずさんだ歌が風に乗り、ゴビ砂漠に住む少年の耳に届く様を見た。アゼルバイジャンの山奥で老婆が織った美しい布がオーストラリアの花嫁を飾るところを見た。ある青年は雪一面のアラスカで倒れて二度と動かなかった。ある中年の女は自分の人生を取り戻そうと殴る男から離れ、一人バスクの巡礼へと向かった。ガンジスは流れ、イラクの遺跡は崩れ、アマゾンの緑は毎年燃えた。
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    Starlit

    PAST※暁月6.0メイン前提。
    エメ、トセルク、大好き!つづき。
    前作のように可愛い話にしたかったのですが、ちょっと違ったな。ゴメンナサイ

    タイトル通り花の香りの表現があります。苦手な方もいらっしゃると思いますので、お好みでイイ具合の香りだとお考えください……。

    ↓ヒカセンのひとこと
    インドでそういう風習があるらしいと見つけたので、やってもらった。
    エメ、トセルク、大好き!2 ~花の香り ヘルメスが先に向かった牙の園まで、4人で向かいます。
     ノトスの感嘆からナビを利用してゼピュロスの喝采へ移動すると、道沿いに鮮やかな花畑が見えます。
    「綺麗だね」
    彼女がそちらを眺めて顔を綻ばせました。
    「お花、皆好き。いろんなお花、創る」
     そこには様々な花が所狭しと咲き誇っています。足元に隠れるように咲く細やかな小花から、手を伸ばせと木の上から誘うように咲く花、宙を踊るように舞う花、人を飲み込みそうな大きな花も見えます。花の創造者達が好き好きに種を撒いていくのです。
     花は気持ちを伝える素敵なプレゼントのひとつだと聞いています。
    「ねえねえ、皆で、花束、作りたい!」
    3人を見上げると、ヒュトロダエウスが穏やかな顔を明るくします。
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    kyk_kokage

    DONEロアゲタ。

    【ご一読下さい】

    ゴーハ市の治安が悪いです。
    死んでるモブとか出てきます。
    ロア様とゲッタちゃんが法に触れる行動をとります。
    後味が悪いかもしれません。
    (逆にそういった作品が好きな方にはぬるく感じられるかも……)
    でもこんなロアゲタが好きな方もいらっしゃるかもしれない、いらっしゃるといいな。
    お楽しみいただけますと幸いです!
    毒を喰らわば皿まで7月30日、AM4時。

    夏とはいえまだ暗い早朝、平月太の自室で携帯端末の呼び出し音が鳴り響いた。

    「ん〜……」

    月太は眠さで呻きながら、ベッドの上でもぞもぞと、端末に手を伸ばす。

    「……もしもし……?」
    『あ、ゲッタちゃん。おはよ。ちょっと手伝ってくんない?』
    「はぁ? 今、何時だと思ってんだよ……」

    早朝に似付かわしくない幼馴染の明るい声に、月太は寝起きで呂律が回らないまま答える。

    『朝の4時。とりあえず、オレ様の言う通りに動いて』
    「何言ってんだよ……4時って」
    『ゲッタちゃん。あんまり時間ないから、早く。でも慎重に』

    いつになく真剣味のある声に、月太は「……わかった」と応じて、起き上がった。





    両親を起こさないよう、そっと身支度を整えると、月太は改めてロアに電話をかけ、指示を仰いだ。
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