向日
翠蘭(創作の方)
DONE華軍企画内企画、「彼岸(悲願)の向日葵」の自宅の話幸せな夢を断つ話 六「未? 大丈夫なの?」
目の前で膝を着き、動かなくなった少女に、月待依宵は狼狽えながら手を差し出す。それは、生前の彼女そっくりだった。知り合いであろうと無かろうと、彼女は手を差し伸べる。そういう人だった。
「未、具合が悪いなら、今日はもう帰ろう?」
「……」
返事はない。聞こえていないのだろうか。
「ねぇ、ひつ」
「先輩」
鋭い声が耳に届く。
「月待先輩。──月待依宵、先輩」
「……なぁに?」
突然フルネームで自分を呼ぶ彼女に困惑しながら、依宵は返事をする。
「貴女は、もう、いないんですね」
「……」
依宵は、不意を突かれたのか、声を出せなかったらしい。
「ならば約束通り、貴女を弔わなければ」
1765目の前で膝を着き、動かなくなった少女に、月待依宵は狼狽えながら手を差し出す。それは、生前の彼女そっくりだった。知り合いであろうと無かろうと、彼女は手を差し伸べる。そういう人だった。
「未、具合が悪いなら、今日はもう帰ろう?」
「……」
返事はない。聞こえていないのだろうか。
「ねぇ、ひつ」
「先輩」
鋭い声が耳に届く。
「月待先輩。──月待依宵、先輩」
「……なぁに?」
突然フルネームで自分を呼ぶ彼女に困惑しながら、依宵は返事をする。
「貴女は、もう、いないんですね」
「……」
依宵は、不意を突かれたのか、声を出せなかったらしい。
「ならば約束通り、貴女を弔わなければ」
obU_Udo
DONEかなり中途半端で拙いですが、以前ひそほまワンドロで描いた向日葵がお題の絵から考えていた書きかけの小説があって、今更ですが書き上げたので載っけました描き始めたのが夏なので夏の話です
流れないでペルセウス「さあ出掛けるよ、密くん」
そう言って唐突にアリスは立ち上がった。
午後4時をすぎたというのにまだ太陽はジリジリと頭上を焦がしている。楽しみにしていた新発売のマシュマロアイスもあっという間に平らげてしまって、涼しさはもう何処にもない。寧ろ自分自身がアイスみたいに溶けてしまいそうなくらいだ。
密は暑い、と出来る限りの面倒臭そうな声色で誘いを断る。
「でもここに居ても暑いではないか。どうせ暑いなら出かけるのも悪くないだろう?」
「......面倒くさい」
どのみち暑いとかそう言う問題ではない。面倒くさいものは面倒くさいのだ。
密は諦めてくれと言わんばかりにソファの上で寝返りを打って誉に背を向ける。
すると、後ろからボソっとした呟きが降って来た。
2002そう言って唐突にアリスは立ち上がった。
午後4時をすぎたというのにまだ太陽はジリジリと頭上を焦がしている。楽しみにしていた新発売のマシュマロアイスもあっという間に平らげてしまって、涼しさはもう何処にもない。寧ろ自分自身がアイスみたいに溶けてしまいそうなくらいだ。
密は暑い、と出来る限りの面倒臭そうな声色で誘いを断る。
「でもここに居ても暑いではないか。どうせ暑いなら出かけるのも悪くないだろう?」
「......面倒くさい」
どのみち暑いとかそう言う問題ではない。面倒くさいものは面倒くさいのだ。
密は諦めてくれと言わんばかりにソファの上で寝返りを打って誉に背を向ける。
すると、後ろからボソっとした呟きが降って来た。
翠蘭(創作の方)
DONE華軍企画内企画、「彼岸(悲願)の向日葵」の自宅の話、五話目回想
幸せな夢を断つ話 五「未、ちょっといい?」
思い出すのは昔の、といっても一年も経過していない時期の記憶。月待依宵に久々に再会した夜咲未は、中庭で彼女と対峙していた。
冬に入ってから会う機会が減っていたため、三ヵ月振りくらいだろうか。依宵は、痛々しい姿をしていた。指先には絆創膏、至るところにガーゼを当て、足にも腕にも頭にも包帯が巻かれていた。顔の半分が覆われていて、片目を見ることが出来ない。
一体どうして、何があったのかと、中庭に向かいながら彼女に聞いても、なにも答えてくれない。ただスカートを翻しながら、先を進む。
足を止めた。そこは、よく二人で昼御飯を食べていた場所だった。
2080思い出すのは昔の、といっても一年も経過していない時期の記憶。月待依宵に久々に再会した夜咲未は、中庭で彼女と対峙していた。
冬に入ってから会う機会が減っていたため、三ヵ月振りくらいだろうか。依宵は、痛々しい姿をしていた。指先には絆創膏、至るところにガーゼを当て、足にも腕にも頭にも包帯が巻かれていた。顔の半分が覆われていて、片目を見ることが出来ない。
一体どうして、何があったのかと、中庭に向かいながら彼女に聞いても、なにも答えてくれない。ただスカートを翻しながら、先を進む。
足を止めた。そこは、よく二人で昼御飯を食べていた場所だった。
翠蘭(創作の方)
DONE華軍企画内企画、「彼岸(悲願)の向日葵」の自宅の話、四話目幸せな夢を断つ話 四 特に何事もなく翌日を向かえた未だったが、昨日見たあれがなんなのか、気になって考え続けていた。そのため若干寝不足気味である。授業にも身が入らなかった。休めばよかったものを、と思うかもしれないが、依宵との約束を反故にしたくはないと、半ば無理矢理登校していた。
(先輩が知ったら、今すぐ帰れって言われる、だろうな)
現在は頭痛もなく、寝不足以外には異常が無いため、心配ないと自己判断していた。
それに、彼女との昼食の為だけに無理をしているわけではない。
昨日の頭痛は、夕焼けに起因していた。そして頭痛に苛まれながら、未は月待依宵の幻影を見た。思い出せない記憶が依宵に関係しているのは明白だろう。彼女に会って話をすれば思い出せることがあるのではないか、未はそう思っていた。
1422(先輩が知ったら、今すぐ帰れって言われる、だろうな)
現在は頭痛もなく、寝不足以外には異常が無いため、心配ないと自己判断していた。
それに、彼女との昼食の為だけに無理をしているわけではない。
昨日の頭痛は、夕焼けに起因していた。そして頭痛に苛まれながら、未は月待依宵の幻影を見た。思い出せない記憶が依宵に関係しているのは明白だろう。彼女に会って話をすれば思い出せることがあるのではないか、未はそう思っていた。
翠蘭(創作の方)
DONE華軍企画内企画、「彼岸(悲願)の向日葵」の自宅の話、三話目 疑念の話幸せな夢を断つ話 三 五月の連休明け以降、月待依宵と共に行動することが増えた。最初は依宵が勝手に着いて来たり、戦闘に割って入ったりだったが、いつの間にか、未から彼女の側に行くことが多くなっていた。
交流を重ねるうちに、依宵の両親は、彼女と妹を庇って死んだのだと教えてくれた。相手は人間ではなく化け物だったが、周りに言っても信じてくれなかったという。相手のことが怖くて、そういう風に見えたのだろうと。しかし、五社に来て、それが『神擬』だったのだと知った。
神擬とは、成り損ないのなにか。詠手の血を求める神とは違い、人間の血肉を貪るモノだ。学生には殺すことが出来ないが、大人であれば対応が出来るという。五社よりも本土での目撃が多いが、そもそもの数は少ないため、都市伝説程度の扱いを受けている。
2265交流を重ねるうちに、依宵の両親は、彼女と妹を庇って死んだのだと教えてくれた。相手は人間ではなく化け物だったが、周りに言っても信じてくれなかったという。相手のことが怖くて、そういう風に見えたのだろうと。しかし、五社に来て、それが『神擬』だったのだと知った。
神擬とは、成り損ないのなにか。詠手の血を求める神とは違い、人間の血肉を貪るモノだ。学生には殺すことが出来ないが、大人であれば対応が出来るという。五社よりも本土での目撃が多いが、そもそもの数は少ないため、都市伝説程度の扱いを受けている。
翠蘭(創作の方)
DONE華軍企画内企画、「彼岸(悲願)の向日葵」の自宅の話、二話目昔の話
幸せな夢を断つ話 二 月待依宵という、赤いリボンの髪飾りが似合う仙狐の生徒は、多くの後輩に優しかったから、すれ違った生徒が彼女に手を振ったり、穏やかに話しかけたりすることが多々あった。彼女自身も、何かあれば後輩を気に掛け、相談を受けたり、時には共闘した。
五社の生徒は、武器を用いて神を戦うことが出来る舞手と、術を使い、舞手を援護する詠手の二種類にわけられる。依宵は舞手だった。一対のハルパーを使って神殺しを行う。彼女は神を殺すことを、弔いであると称していた。
「彼らを殺してあげられるのは、私達しかいないから、だから私にとって、神殺しは弔いなの」
そう、同級生にそう語ったことがある。
2328五社の生徒は、武器を用いて神を戦うことが出来る舞手と、術を使い、舞手を援護する詠手の二種類にわけられる。依宵は舞手だった。一対のハルパーを使って神殺しを行う。彼女は神を殺すことを、弔いであると称していた。
「彼らを殺してあげられるのは、私達しかいないから、だから私にとって、神殺しは弔いなの」
そう、同級生にそう語ったことがある。
犬と暮らしたことがない
DONE推しのかれぴ(強めに言い張る)お誕生日おめでとうございます🥳🎉🎊🎂🎁
好きだよ〜〜ッ!!
推しのお誕生日に向日葵(?)描いたのでお花で揃えようと紫苑(?)描いたんですが物事の後先は考えて行動せねばならないな……と思ったのでした、お花むずいしつかれた😂
翠蘭(創作の方)
DONE華軍企画内企画、「彼岸(悲願)の向日葵」の自宅の話幸せな夢を断つ話 一 あれほど鮮やかだった世界が、ほんの少し柔らかい色へと変わりつつある。それでも太陽は容赦無く地上を照らしていた。そんな光を反射した、華やかな黄色い花弁が見える。
「一見普通のひまわり畑ですね、綺麗」
小さな少女が呟いた言葉に、隣にいた人物は苦言を呈する。
「校内に、向日葵が咲く場所は、皆無だ。それに、この花の時期は、もう終わっている」
数輪だけなら、花壇で咲いているなら、誰かが種を埋めたのではないかと思うこともできただろう。しかし、二人の視界に映る場所一面に、向日葵は咲いていた。第二グラウンドとテニスコート、そして室内プールが設備されている建物の近く、本来であれは更地である場所に、五メートルはあるであろう大輪の花がたくさん在る。
1933「一見普通のひまわり畑ですね、綺麗」
小さな少女が呟いた言葉に、隣にいた人物は苦言を呈する。
「校内に、向日葵が咲く場所は、皆無だ。それに、この花の時期は、もう終わっている」
数輪だけなら、花壇で咲いているなら、誰かが種を埋めたのではないかと思うこともできただろう。しかし、二人の視界に映る場所一面に、向日葵は咲いていた。第二グラウンドとテニスコート、そして室内プールが設備されている建物の近く、本来であれは更地である場所に、五メートルはあるであろう大輪の花がたくさん在る。
37sakuranbo
TRAININGずっと見ることができなかったシーンを、やっと今日見ました。この日に見ると決めていました。
推しが召される話は本当に苦手なので心して見ましたが、やっぱりツラかった。
せめて明るく描きたくて。向日葵みたいな笑顔だったなぁ。
劇中のシーンは描けそうもないので、S木R平さんのブログからオフショを拝借。安定の似てなさです。
2021.9.1
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第三十九回 お題:「専売特許」「向日葵」
司視点 両想い
貴方のような、その花を。「……おーい、類。まだなのか?」
「あともうちょっとだよ!もう少しだけ待ってね」
背後で忙しなく鳴る機材の音に若干の恐怖を抱きながら、空を見上げる。
照りつける太陽が眩しくて手で隠しながら、ひっそりとため息をついた。
類に見せたいものがあるから会わないかと言われ、昼休みに約束したのが今朝の話。
手早くお昼を済ませ、見せたいものはと聞くと、類は手を引いて下駄箱に向かった。
ここからは下を向いてておくれ、と言われ、どうにか指定の場所には着いたものの、少しだけ待ってておくれ、と言われてから、この有様だ。
正直繰り返された実験の数々の影響で、学校内で機材の音がすると何がくるかとつい身構えてしまったり、びくびくしてしまうため、実験じゃないとしてもできたら早く見せたいものを見せてほしいと思ってしまう。
2267「あともうちょっとだよ!もう少しだけ待ってね」
背後で忙しなく鳴る機材の音に若干の恐怖を抱きながら、空を見上げる。
照りつける太陽が眩しくて手で隠しながら、ひっそりとため息をついた。
類に見せたいものがあるから会わないかと言われ、昼休みに約束したのが今朝の話。
手早くお昼を済ませ、見せたいものはと聞くと、類は手を引いて下駄箱に向かった。
ここからは下を向いてておくれ、と言われ、どうにか指定の場所には着いたものの、少しだけ待ってておくれ、と言われてから、この有様だ。
正直繰り返された実験の数々の影響で、学校内で機材の音がすると何がくるかとつい身構えてしまったり、びくびくしてしまうため、実験じゃないとしてもできたら早く見せたいものを見せてほしいと思ってしまう。
ju_pavilion
DONE五悠ワンドロ お題「向日葵」・寂しくなると、赤ちゃん返りをするようになってしまったゆうじくんと、そんなゆうじくんをあやして甘やかす先生の話
・先生が、獄門疆から出てきたあとの世界線
ベイビー(ドント)クライ2週間の出張から帰ると、玄関で出迎えてくれた恋人は、眉間にシワを寄せ、大きな瞳を歪ませ、下唇を強く噛みながら、僕へと抱きついてきた。
「悠仁、ただいま」
「……おかえりなさい……」
「いいこにしてた?」
「……うん……」
背中に回した手から伝わる体温が、平常時よりも高い。普段の身長よりも、10cmは低くなった僕の首に埋めた顔からは、静かにしゃくり上げる声が聞こえてくる。この期に及んでも、なお我慢しているのだろうか、僕の上着を握る手は震えていた。
いつもより近くなった顔から聞こえる声に、聞こえない振りは出来なくて、元より、聞こえない振りなどするつもりはさらさら無くて、震える手をそっと包んだ。
「寂しかった?」
返事の代わりに、おでこが鎖骨に押し付けられる。
5693「悠仁、ただいま」
「……おかえりなさい……」
「いいこにしてた?」
「……うん……」
背中に回した手から伝わる体温が、平常時よりも高い。普段の身長よりも、10cmは低くなった僕の首に埋めた顔からは、静かにしゃくり上げる声が聞こえてくる。この期に及んでも、なお我慢しているのだろうか、僕の上着を握る手は震えていた。
いつもより近くなった顔から聞こえる声に、聞こえない振りは出来なくて、元より、聞こえない振りなどするつもりはさらさら無くて、震える手をそっと包んだ。
「寂しかった?」
返事の代わりに、おでこが鎖骨に押し付けられる。
七橙🧸
DOODLE暦くんお誕生日おめでとう!!!気付けば暦くんばかり描いちゃってましたね…誕生日には間に合いませんでしたが向日葵も一緒に描けて満足です🌻☺️
バースデー配信では暦の名前の由来を聞けたのめちゃくちゃよかったな。。ほかにも貴重なお話聞けて大満足…ほんとおめでとう!太陽のようなあなたが大好きです!
2021.8.9 3