うぐひす
MAIKING夏油と五条を振り回しながら歌姫先輩とデートする硝子④春コミ新刊〆切は2/28にしました。がんばります
溶けたマシュマロとパンケーキの隠し味④ 7
歌姫が額に手を当てた。
「ああ、結局こうなるんだわ……」
「だから知らんぷりすればよかったんですよ」
硝子は腕を組んだ。ちょっとだけ恨みがましく少女を見つめる。
二人分の視線を浴びた少女は首をすくめた。
すぐに硝子は視線を外した。少女に当たったところで仕方がない。職業柄、こういうことには慣れている。そういう勤務体制(まだ学生だが)はどうかと思うが。
商業ビルを出た三人は、少し歩いてメインストリートから一本入った路地裏に立っていた。百貨店の裏側の通りだ。急に坂道になっているからか、人が少ない。ここなら立ち話をしていても大丈夫だろう。
「そういうわけにもいかないでしょう」
「もう、歌姫先輩、そういうところ真面目すぎるんですよ」
3486歌姫が額に手を当てた。
「ああ、結局こうなるんだわ……」
「だから知らんぷりすればよかったんですよ」
硝子は腕を組んだ。ちょっとだけ恨みがましく少女を見つめる。
二人分の視線を浴びた少女は首をすくめた。
すぐに硝子は視線を外した。少女に当たったところで仕方がない。職業柄、こういうことには慣れている。そういう勤務体制(まだ学生だが)はどうかと思うが。
商業ビルを出た三人は、少し歩いてメインストリートから一本入った路地裏に立っていた。百貨店の裏側の通りだ。急に坂道になっているからか、人が少ない。ここなら立ち話をしていても大丈夫だろう。
「そういうわけにもいかないでしょう」
「もう、歌姫先輩、そういうところ真面目すぎるんですよ」
うぐひす
MAIKING夏油と五条を振り回しながら歌姫とデートする硝子春コミで…出すんだ…!
溶けたマシュマロとパンケーキの隠し味③ 5
「服見に行きましょうよ」
「そうね」
時間より早く出た硝子と歌姫は、坂を下って商業ビルに入った。この繁華街のランドマーク的な施設で、でかでかとビル名が駅から見える。地方から来た人にとっては都会の象徴として憧れの的だが、
「私、実はここ、あんまり入ったことないんですよね」
「あー、東京にいると逆に来ないわよね。その辺でも服買えるし」
「そうなんですよー。高専から出るのもちょっと面倒だし。私、任務で外出することも少ないし」
「敷地が必要だからって、あんな辺鄙(へんぴ)な場所を東京と呼ぶのはちょっと抵抗あるわ」
「ほんとですよ。あんなの東京じゃない」
エスカレーターに乗って一フロアずつ歩く。円柱の中央にエスカレーターが配置され、店舗を見て回るにはぐるりと一周する。
5162「服見に行きましょうよ」
「そうね」
時間より早く出た硝子と歌姫は、坂を下って商業ビルに入った。この繁華街のランドマーク的な施設で、でかでかとビル名が駅から見える。地方から来た人にとっては都会の象徴として憧れの的だが、
「私、実はここ、あんまり入ったことないんですよね」
「あー、東京にいると逆に来ないわよね。その辺でも服買えるし」
「そうなんですよー。高専から出るのもちょっと面倒だし。私、任務で外出することも少ないし」
「敷地が必要だからって、あんな辺鄙(へんぴ)な場所を東京と呼ぶのはちょっと抵抗あるわ」
「ほんとですよ。あんなの東京じゃない」
エスカレーターに乗って一フロアずつ歩く。円柱の中央にエスカレーターが配置され、店舗を見て回るにはぐるりと一周する。
うぐひす
MAIKING夏油と五条を振り回しながら歌姫先輩とデートする硝子②きっと春コミで出る
溶けたマシュマロとパンケーキの隠し味 3
「休みなのにアンタたちと顔合わせなきゃいけないの、何かの罰ゲーム?」
しかめっ面の歌姫に、五条が舌を出した。
燦々と降り注ぐ太陽光が容赦なく肌を焼く。硝子は手のひらを目の上にかざした。普通に眩しい。五月の晴天を舐めていた。
街はようやく起き出したところだった。休日の東京の朝は遅い。開店時間前に繁華街を歩く人は少数だ。怠惰な休日にはふさわしい。連休で旅行に行っている人も多いのか、繁華街はいつもより少しだけ控えめだ。近くの改札から吐き出される人数もなんとなく少ないような気がする。
眩しいので、硝子は少し移動して五条の影に入った。こういう時は無駄にある身長が役に立つ。
あまりに有名な犬の銅像の前で、四人は集まっていた。
4348「休みなのにアンタたちと顔合わせなきゃいけないの、何かの罰ゲーム?」
しかめっ面の歌姫に、五条が舌を出した。
燦々と降り注ぐ太陽光が容赦なく肌を焼く。硝子は手のひらを目の上にかざした。普通に眩しい。五月の晴天を舐めていた。
街はようやく起き出したところだった。休日の東京の朝は遅い。開店時間前に繁華街を歩く人は少数だ。怠惰な休日にはふさわしい。連休で旅行に行っている人も多いのか、繁華街はいつもより少しだけ控えめだ。近くの改札から吐き出される人数もなんとなく少ないような気がする。
眩しいので、硝子は少し移動して五条の影に入った。こういう時は無駄にある身長が役に立つ。
あまりに有名な犬の銅像の前で、四人は集まっていた。
うぐひす
MAIKING夏油と五条を振り回しながらデートする歌姫先輩と硝子の一日的なやつ溶けたマシュマロとパンケーキの隠し味 1
ゴールデンウィークである。休めない人に気を遣って、公共放送では頑なに「大型連休」と呼称される。しかしそんな気遣いは何の足しにもならないどころか偽善にしか感じないので、どこかに捨ててほしい。いややっぱり気遣いは欲しいのでそのままでいい。気を遣われているということが重要なのだ。でもやっぱりなんかむかつく。揺れ動くこの乙女心を理解してほしい。
爽やかに晴れた初夏の日差しが、アスファルトを溶かしかねない勢いで照りつけている。毎年、この時期はいきなり暑くなるのだ。春はどこへ言ったのだろう。ついこの間まで肌寒くて上着が手放せなかったというのに、今日は汗ばむ陽気どころか今年初の夏日だ。いきなり気温が上がりすぎている。巫女装束めいた白と緋色の和服の下でじっとりと汗ばむ肌が気持ち悪い。朝のひんやりした空気が暖められて、それに呼応するように街中には人が増えている。そろそろ商業施設も開店時間を迎える頃合いだ。
1944ゴールデンウィークである。休めない人に気を遣って、公共放送では頑なに「大型連休」と呼称される。しかしそんな気遣いは何の足しにもならないどころか偽善にしか感じないので、どこかに捨ててほしい。いややっぱり気遣いは欲しいのでそのままでいい。気を遣われているということが重要なのだ。でもやっぱりなんかむかつく。揺れ動くこの乙女心を理解してほしい。
爽やかに晴れた初夏の日差しが、アスファルトを溶かしかねない勢いで照りつけている。毎年、この時期はいきなり暑くなるのだ。春はどこへ言ったのだろう。ついこの間まで肌寒くて上着が手放せなかったというのに、今日は汗ばむ陽気どころか今年初の夏日だ。いきなり気温が上がりすぎている。巫女装束めいた白と緋色の和服の下でじっとりと汗ばむ肌が気持ち悪い。朝のひんやりした空気が暖められて、それに呼応するように街中には人が増えている。そろそろ商業施設も開店時間を迎える頃合いだ。
ten_san_dayo_fu
SPUR MEコメディ?さしすがひとりかくれんぼ(してない)でわちゃわちゃ。五夏五っぽい何かにしたい。ブロマンス。途中までさしすでひとりかくれんぼ(してない)高専にはパソコンルームなどというものは無い。補助監督事務室と図書室に誰でも使っていいパソコンが一台ずつ置かれている。補助監督たちは自分のパソコンがあるし、教師陣も職員室に自身のパソコンがあるので、この誰でも使っていいパソコンは主に高専の学生のためのものだ。
ここ最近、夏油は時間ができればそのパソコンに向かっていた。補助監督事務室は基本的に忙しい補助監督たちがバタバタと動き回っていたりあちこちに電話をかけていたりするので、静かな図書室の方によくいる。
任務が終わり寮に夏油が居ないことを確認すると、五条はまっすぐ図書室にやってきた。図書室の角に配置されているパソコンの前に、夏油はやはり、居た。
「傑お前最近パソコンで何してるわけ?」
7356ここ最近、夏油は時間ができればそのパソコンに向かっていた。補助監督事務室は基本的に忙しい補助監督たちがバタバタと動き回っていたりあちこちに電話をかけていたりするので、静かな図書室の方によくいる。
任務が終わり寮に夏油が居ないことを確認すると、五条はまっすぐ図書室にやってきた。図書室の角に配置されているパソコンの前に、夏油はやはり、居た。
「傑お前最近パソコンで何してるわけ?」
たんごのあーる
TRAINING8月は頑張ろう、と思っていたのに。出遅れた。夏は、なんだか何しようかな、ってソワソワするな、と思いながら書いた短文。
夏が始まる最近どうもおかしい。おかしい、というよりは調子が出ない。というか、普通だと思っていたのに、調子が狂う。
入学してから、数ヶ月。ようやく環境にも慣れてきていろいろと落ち着いてくるかと思っていたが、現状は落ち着くどころか、なにかと戸惑いがちだった。
「なぁー、なんか調子悪ぃんだけど。治して、硝子。」
誰かに聞いて欲しくなって、ため息まじりに教室の机に突っ伏し、家入に気持ちをこぼしてみる。
「はあ?ワタシに言わずに病院行け、病院。五条家なら、お抱え医師とかいるだろうに。」
咥えタバコのまま、眉間にシワを寄せて鋭く返される言葉に、がっかり感を隠さない五条は素直に口に出す。
「や、病院キライだし、そんなんじゃなくて。硝子って、なんでも治せるんじゃねーの?」
2120入学してから、数ヶ月。ようやく環境にも慣れてきていろいろと落ち着いてくるかと思っていたが、現状は落ち着くどころか、なにかと戸惑いがちだった。
「なぁー、なんか調子悪ぃんだけど。治して、硝子。」
誰かに聞いて欲しくなって、ため息まじりに教室の机に突っ伏し、家入に気持ちをこぼしてみる。
「はあ?ワタシに言わずに病院行け、病院。五条家なら、お抱え医師とかいるだろうに。」
咥えタバコのまま、眉間にシワを寄せて鋭く返される言葉に、がっかり感を隠さない五条は素直に口に出す。
「や、病院キライだし、そんなんじゃなくて。硝子って、なんでも治せるんじゃねーの?」
たんごのあーる
TRAINING[夏五ワンライ]お題:愛するもの呪専で、さしすで、離反前と離反後。置いていくほうが辛いのか、置いていかれるほうが辛いのか。
愛するもの初めて同級生3人で任務につき、思いの外、と思っていたのは補助監督だけだけれど、予定時間よりもずいぶん早く片が付いて、それならばと直帰ではなく、晩ごはんを食べて帰ろうとした日のことだった。
晩ごはんにも少し早い時間だったので、どこかで暇つぶしをしようと入ったのが、五条が行ったことがないと言う、街中のゲームセンターだった。
ぐるりと廻って、クレーンゲームやら、シューティングゲームやら気になったものをいくつか試した後、
「やっぱりプリクラ、いっとく?」
と、家入が言った。
「プリクラ、って何?」
「んー、写真をシールにするんだよ。今日の記念にいいかもね。で、どれにする?硝子。」
いくつかあるプリクラを覗いて、一番綺麗に撮れると評判の一台に決め、お金を入れると
1230晩ごはんにも少し早い時間だったので、どこかで暇つぶしをしようと入ったのが、五条が行ったことがないと言う、街中のゲームセンターだった。
ぐるりと廻って、クレーンゲームやら、シューティングゲームやら気になったものをいくつか試した後、
「やっぱりプリクラ、いっとく?」
と、家入が言った。
「プリクラ、って何?」
「んー、写真をシールにするんだよ。今日の記念にいいかもね。で、どれにする?硝子。」
いくつかあるプリクラを覗いて、一番綺麗に撮れると評判の一台に決め、お金を入れると
ただの倉庫
DOODLE硝悟になる前の硝子の小中学校についての幻覚。煙草吸う高校生の家庭内環境とか、同級生との距離感とか。何もいわないだけで周りをよく見てる硝子はいいよね〜〜!(そこまで書いてない) 1052
irohatokaruta2
PROGRESS2021.6.6『五.夏Webオンリー』五夏+硝(さしすの呪専ほのぼの)新刊…進捗途中サンプル…です。6月中に脱稿予定で虎の穴様に委託予定です、宜しくお願い致します。 8
たんごのあーる
TRAINING[夏五ワンライ]お題:星座占い。大遅刻。オチなしです。学生時代って、なんでもないようで、そこで価値観とか、処世術とか、いろんなことを学んでたり、吸収してたりしてたんだろうな、っていう。
「硝子、何読んでんの?」
ガタガタと音をたてて自分の椅子を引き寄せると、五条が覗き込んでくる。その距離の近さにややウンザリしながら、彼の子守役の男を探したが、教室内には見当たらなかった。
「ファッション誌。付録が欲しくて、コンビニで買ったんだけど、五条見る?」
「俺が見てどーすんの?」
と言いながらも、どうやら手持ち無沙汰だったようで、五条はペラペラとページをめくり始めた。この服は硝子に似合いそう、だの、猫カワイイだの、新発売のこのお菓子が美味しそうだの、他愛もない話で盛り上がる。
「どうでもいいしすぐ忘れちゃうんだけど、最後のほうの星座占い、つい見ちゃうんだよなぁ。ちなみに五条、何座?」
「俺?誕生日12月7日だから…何座?」
2117ガタガタと音をたてて自分の椅子を引き寄せると、五条が覗き込んでくる。その距離の近さにややウンザリしながら、彼の子守役の男を探したが、教室内には見当たらなかった。
「ファッション誌。付録が欲しくて、コンビニで買ったんだけど、五条見る?」
「俺が見てどーすんの?」
と言いながらも、どうやら手持ち無沙汰だったようで、五条はペラペラとページをめくり始めた。この服は硝子に似合いそう、だの、猫カワイイだの、新発売のこのお菓子が美味しそうだの、他愛もない話で盛り上がる。
「どうでもいいしすぐ忘れちゃうんだけど、最後のほうの星座占い、つい見ちゃうんだよなぁ。ちなみに五条、何座?」
「俺?誕生日12月7日だから…何座?」
たんごのあーる
TRAININGこれが、本当に一番最初に書き上げたヤツ。百鬼夜行後。「すまん、起こしたか?」
静かに戻ってきたつもりだったが、どうやら起こしてしまったらしい。今朝早く姿を見せたかと思ったら、「ちょっとここで寝かせて。」と有無を言わさず、硝子の職場でもある医務室のベッドに、五条が潜り込んだのは数時間前。
柔らかな午後の日差しが差し込むベッドの上で半身を起こしながら、まだ少しぼんやりとした表情をしているが、その人並み外れた美貌は損なわれない。ペットボトルの水を手渡しながら、小言を言ってみる。
「ちゃんと寝て、ちゃんと食べないと。お前も人間なんだから、一応。」
「一応、って。相変わらずだよね、硝子は。」
まだ眠いのか、眼を擦りながらぼやく五条は、やはり疲れているように見えた。
「大人なんだから、睡眠も栄養も、ちゃんと摂ってるよ。そもそもどっちも少なくても、大丈夫。僕、最強だから。」
立て膝に頬杖をつきながらにんまりとする顔に、学生の頃の屈託ない笑顔がよぎる。
「大人、ってのは、自分のことは自分でちゃんと出来るヤツのことをいうんだ。まぁいいけど。私の手を煩わすようなことはするなよ、五条先生。」
「わかってるよ、硝子せーんせ。クソ爺ィの相手やら、連日の任務とか 1131
たんごのあーる
TRAINING〔夏五ワンライ〕お題:サンダル、闇、癇癪。浅い眠りだったのか、夜中に目が覚めて煙草を吸おうと思ったら、いつもの煙草を昨夜のうちに切らしてしまったことを思い出し、仕方なくコンビニに買い物に行こうとした時、いつものサンダルが見当たらない。靴箱の中も、その周りもぐるっと見渡したけれども見つからない。だとすれば、きっと彼処だな、とあたりをつけたものの、時間は午前二時過ぎ、丑三つ時。さすがに起きてないだろうと、いつもの靴を履いて外に出て見上げたその先の部屋には明かりが点いていた。
ふぅ、と一つため息をついて、文字通りとぼとぼとそのままコンビニに向かう。寮からのコンビニまでは五分弱の距離だが、街灯が少なくほの暗い。
なんでこんなことになったのか。あれからずっと考えているが、見当もつかない。急に癇癪を起こしたとしか思えなかった。いつもなら子どもみたいな悪口を言いあって、じゃれあいみたいな喧嘩をしても、すぐにごめんねと言えば元通りになるはずだったのに、何がきっかけだったのか、いくら考えても分からなかった。
2660ふぅ、と一つため息をついて、文字通りとぼとぼとそのままコンビニに向かう。寮からのコンビニまでは五分弱の距離だが、街灯が少なくほの暗い。
なんでこんなことになったのか。あれからずっと考えているが、見当もつかない。急に癇癪を起こしたとしか思えなかった。いつもなら子どもみたいな悪口を言いあって、じゃれあいみたいな喧嘩をしても、すぐにごめんねと言えば元通りになるはずだったのに、何がきっかけだったのか、いくら考えても分からなかった。
たんごのあーる
TRAININGTwitterに上げたの、プラス数行。五月のさわやかな風が吹き抜けるこの時期は、教室のなかでも過ごしやすい。夜蛾先生が教室に来るまでのいっとき、三人が手の大きさをひとしきり比べあった後、硝子がおもむろに手をとって、「夏油の生命線、短くね?」
と呟いた。
「硝子、手相を見られるの?」
傑がそう聞くと、硝子が傑の手をとったまま、コレが感情線、コレが結婚線、コレが生命線、と、手のひらの線をなぞる。まじまじと悟が手のひらを見てから、自分の手を硝子につき出す。
「俺は?ねぇ、俺のは?」
「…五条のも短いね。『最強』が聞いて呆れるよ。」
と言って笑った。悟と傑は顔を見合わせて、手を見比べる。
「短いと、どーなんの?」
「長いほうが、当然長生きが出来ると言われてるけど。ま、占いだからね。」
「じゃ、長い方がいいんだ。ふーん。」
そういうと、おもむろに黒の油性ペンの太い方のキャップを開けると、傑の手をとって手首まで届く太く長い生命線を引いた。
「ちょっ!悟、何してるの。」
「傑に死なれんの困るから、生命線延ばしといた。」
あっけらかんと言う悟は、自分自身の生命線も、手首の方まで延ばして書く。
「ほら、これで大丈夫。おそろい。」
満足そう 787
たんごのあーる
TRAINING「君と羊と青」呪専に入学したての、さしす。前向きな青い春を書きたかった。あと、爺や。
BGM:RADWINPS/君と羊と青正直、呪術高専なんて行きたくなかった。学ぶ、なんてことが必要だなんて思えなかった。事実、呪術なら誰にも負けない自信はあったし、机にかじりついて勉強なんてかったるい。どう考えても、群れて囲われているだけのあの場所に行く意味があるとは、とても思えなかった。でも、爺やが文字通り泣いて頼むから、まー行ってみるか、嫌ならすぐに辞めればいいし、ぐらいの気持ちだった。
入学式にいたのは、小柄な女が一人と変な前髪のデカい男が一人。
「変な前髪。」
と思わず口に出したら、
「これだから、お坊っちゃまは。口の聞き方も知らないのかい?」
と、売り言葉に買い言葉、挙げ句の果てに大喧嘩になって、教室を半壊させて大騒ぎになった。で、早速初日から夜蛾先生にがっつり怒られた。もちろんしばらくお互いに口もきかなかった。
「なのに、なんで一緒にいるかねー。」
校舎の屋上で、硝子が煙草片手に俺を見上げる。昼休みに決まって喫煙している二人を見つけてからは、置いてかれないように、もしくは先回りしてここに来る。右手側に傑、左手側に硝子、真ん中に俺、が定位置となっていた。
「ほんとだよ。煙草臭いの嫌だー、とか言うくせに 1972
あさのぐる
DONEさしすねことパンケーキ。花より団子。(あげ直しましたごめんなさい)ブースさんに出させて頂いているトート、いくつかお迎え頂けてうれしいです( ;∀;)
今日もこっそり自分のほしいものを作ります。