カンパ
DONEたいみつワンライ高級ディナー(たいみつ) テーブルマナーとは、それぞれの食文化が培ってきた決まりに従い、食事の際に用いられる道具を適切に使い、食事を共にする人に敬意をはらうマナーのことである。出典、ウィキペディア。
「ぶっちゃけ、高級レストランとか苦手なんだよね」
やわらかなエスプーマが添えられたアスパラガスの冷製ポタージュを前にした三ツ谷がそんなふざけたことを抜かしたのは、ささやかな二人の記念日のことであった。十一月十四日。数年前、この男と恋人という関係に至った日である。
「記念日のたびに毎回こんな素敵なレストランを用意してもらっといて言える台詞じゃないのはわかってるんだけど……」
「おい、スープをすくうときは手前から奥にって何度言やわかるんだ」
4193「ぶっちゃけ、高級レストランとか苦手なんだよね」
やわらかなエスプーマが添えられたアスパラガスの冷製ポタージュを前にした三ツ谷がそんなふざけたことを抜かしたのは、ささやかな二人の記念日のことであった。十一月十四日。数年前、この男と恋人という関係に至った日である。
「記念日のたびに毎回こんな素敵なレストランを用意してもらっといて言える台詞じゃないのはわかってるんだけど……」
「おい、スープをすくうときは手前から奥にって何度言やわかるんだ」
dorotkrb
DONE東リベ・海外旅行シリーズ第一弾。初めて書いたたいみつです。ほんとーに色々許してくださる、心の大きな方しか読んではいけない気がします…。合わなければ自主退避でなにとぞ。ガレリアでワルツを「おお、えぐれてんなー」
ガレリアの中心部、丸いドーム型のガラス屋根の下にできた人だかりの中心に、そのモザイク画の雄牛は横たわっていた。同じ男としては少々痛々しく感じる姿で。
「くだらねぇ…」
「なんでだよ。一回ぐらいいいじゃん。最初で最後だよ」
そう言って笑いながら見上げる恋人は苦々しい顔で腕を組む。それでも一緒に順番待ちをしてくれるようだ。口では素っ気無い事を言っても最後には自分に甘い。それを良く知っている。
ミラノ有数の観光地は昼を過ぎていよいよ賑わいを見せていた。歴史ある優美な建造物にハイブランドが店を構えるここヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガレリア。お洒落に煩いミラノっ子達はもちろんありとあらゆる人種の観光客が行きかっている。
6349ガレリアの中心部、丸いドーム型のガラス屋根の下にできた人だかりの中心に、そのモザイク画の雄牛は横たわっていた。同じ男としては少々痛々しく感じる姿で。
「くだらねぇ…」
「なんでだよ。一回ぐらいいいじゃん。最初で最後だよ」
そう言って笑いながら見上げる恋人は苦々しい顔で腕を組む。それでも一緒に順番待ちをしてくれるようだ。口では素っ気無い事を言っても最後には自分に甘い。それを良く知っている。
ミラノ有数の観光地は昼を過ぎていよいよ賑わいを見せていた。歴史ある優美な建造物にハイブランドが店を構えるここヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガレリア。お洒落に煩いミラノっ子達はもちろんありとあらゆる人種の観光客が行きかっている。
カンパ
DONEたいみつワンライ二人の関係(たいみつ) 二人の関係? 知らないよそんなの……。なんせ彼らのことを知ったのはほんのついさっきのことなんだ。
ここは喫茶店で、俺は店員で、来週に迫った彼女とのデートに向けてバイトに明け暮れるしがない大学生だ。専攻は国文。女ばっかしの学部だよ。でもそこで俺は天使に出会った。アキちゃんだ。マッシュウルフの髪が似合うちょっと個性的な女の子。口癖は「ねえ、それって本当に必要?」
彼女の家はあまり裕福ではなくて、大学も奨学金で通っているらしい。だからお金の使い方にはちょっぴりうるさかった。学食も使わずに毎日弁当持参だし(これがまた美味しいんだ)、デートだってほとんどが互いの家で遠出などしたことがない(それはそれでエッチな展開に持っていきやすいからいいのだ)。そんな彼女との交際一年記念日に、オレはささやかなサプライズを企画しているのである。高価なものをただ贈るだけでは怒られるのが目に見えてるから、オレとお揃いという体で、ほんの少し値の張る腕時計をプレゼントする予定なのである。なにこの高そうな時計、ねえ、それって本当に必要? そう言ってくるであろうアキちゃんに俺は毅然とした態度でこう返すのだ。いやいやアキちゃん。これはね、俺が欲しかったの。で、きみに贈るとかそういうのは関係なしに自分で自分に買って、あまりに使い勝手が良かったもんできみのぶんも買ってみたんだ。だから気にしなくていいんだよ。必要か必要でないかと言われれば、まあ、必要じゃないかもしれないけどさ。
3056ここは喫茶店で、俺は店員で、来週に迫った彼女とのデートに向けてバイトに明け暮れるしがない大学生だ。専攻は国文。女ばっかしの学部だよ。でもそこで俺は天使に出会った。アキちゃんだ。マッシュウルフの髪が似合うちょっと個性的な女の子。口癖は「ねえ、それって本当に必要?」
彼女の家はあまり裕福ではなくて、大学も奨学金で通っているらしい。だからお金の使い方にはちょっぴりうるさかった。学食も使わずに毎日弁当持参だし(これがまた美味しいんだ)、デートだってほとんどが互いの家で遠出などしたことがない(それはそれでエッチな展開に持っていきやすいからいいのだ)。そんな彼女との交際一年記念日に、オレはささやかなサプライズを企画しているのである。高価なものをただ贈るだけでは怒られるのが目に見えてるから、オレとお揃いという体で、ほんの少し値の張る腕時計をプレゼントする予定なのである。なにこの高そうな時計、ねえ、それって本当に必要? そう言ってくるであろうアキちゃんに俺は毅然とした態度でこう返すのだ。いやいやアキちゃん。これはね、俺が欲しかったの。で、きみに贈るとかそういうのは関係なしに自分で自分に買って、あまりに使い勝手が良かったもんできみのぶんも買ってみたんだ。だから気にしなくていいんだよ。必要か必要でないかと言われれば、まあ、必要じゃないかもしれないけどさ。
keisan_gou24
INFOツイッターに上げていた『左ちくびだけぷっくりしちゃったみつやくん』のSSに紅葉薫さんが素敵なファンアートを描いてくださったので、許可を得て投稿しています😭最高なので見てくれという気持ちです。紅葉薫さんありがとうございます…👏✨
ポイピクわからん民なのでなにか違う気がしますが許してください…年齢制限はこれでいいんでしょうか…
元のSS→https://twitter.com/keisan_g
zn__185
CAN’T MAKEたいみつ 没です…途中まで良すぎたのに書き負えられませんでした。18才未満のフォロワーさんは見ないでください。高卒済のフォロワーさんは任意でお願いします。
モロ語、最後の方♡飛んでます 2678
じょじ
SPUR MEホスパロ。供養こめるマグダラのマリアホストクラブ「MAGDALENA」。この街でも名前の知れた店である。
青いネオンが輝く店内に足を踏み入れると、暖かみのあるオレンジのネオンを基調に、シャンデリアが煌めいている。
長い階段を降りていけば、店内は平日の夜だというのに賑わいをみせていた。特に水曜日、この日は人の出入りが多い。
その原因はこの店のオーナーである柴大寿が顔を見せに来店することがま挙げられる。
毎週水曜日、閉店の1時間前きっかりに来店するこの男は、店内に足を踏み入れた瞬間そのことを店内の誰もが理解する。
どう見ても上等だと思われるコートにスーツ、派手な柄のストールを巻いているが、その下から覗く首筋にちらりと見えるタトゥーには誰もが目線を奪われるだろう。日本人離れしたくっきりとした鼻筋と顔立ちにスタッフだろうかと思われるが、その佇まいや貫禄、近寄り難い雰囲気には店側の人間では無く、その筋のものと捉えられても仕方ない。何より、大寿が訪れたことで店内は色めき立つと共に、スタッフ一同の気を引き締める意味あいがあった。
4626青いネオンが輝く店内に足を踏み入れると、暖かみのあるオレンジのネオンを基調に、シャンデリアが煌めいている。
長い階段を降りていけば、店内は平日の夜だというのに賑わいをみせていた。特に水曜日、この日は人の出入りが多い。
その原因はこの店のオーナーである柴大寿が顔を見せに来店することがま挙げられる。
毎週水曜日、閉店の1時間前きっかりに来店するこの男は、店内に足を踏み入れた瞬間そのことを店内の誰もが理解する。
どう見ても上等だと思われるコートにスーツ、派手な柄のストールを巻いているが、その下から覗く首筋にちらりと見えるタトゥーには誰もが目線を奪われるだろう。日本人離れしたくっきりとした鼻筋と顔立ちにスタッフだろうかと思われるが、その佇まいや貫禄、近寄り難い雰囲気には店側の人間では無く、その筋のものと捉えられても仕方ない。何より、大寿が訪れたことで店内は色めき立つと共に、スタッフ一同の気を引き締める意味あいがあった。
riuriuchan1
SPUR ME記憶喪失たいみつ 俺の一日はベッドの中で眠る獅子を起こすところから始まる。簡単なミッションのように思えて、これがなかなか難しい。というのもこんもりとした布団の下に潜んだ獅子──柴大寿は、寝起きが悪い。それもひどく。声をかけても体を揺さぶってもなかなか目を開けないし、一歩間違えたら布団の中に引きずり込まれてそのまま喰われる。大きな危険の伴う任務なのである。
「大寿くん〜朝だよ〜」
でかい塊を揺さぶる。……無言。唸り声さえ返ってこない。まだ深い眠りの底にいるらしい。眉間の皺の取れた穏やかな寝顔から察するに、随分と幸せな夢を見ているのだろう。その夢から引き離すのは気の毒だが、現実世界にいる三ツ谷隆を放っておかれても困る。この静かな家には、遊び相手は大寿くんしかいないのだから。それに今日は映画鑑賞会するって約束した。
2997「大寿くん〜朝だよ〜」
でかい塊を揺さぶる。……無言。唸り声さえ返ってこない。まだ深い眠りの底にいるらしい。眉間の皺の取れた穏やかな寝顔から察するに、随分と幸せな夢を見ているのだろう。その夢から引き離すのは気の毒だが、現実世界にいる三ツ谷隆を放っておかれても困る。この静かな家には、遊び相手は大寿くんしかいないのだから。それに今日は映画鑑賞会するって約束した。
Misoniii_Saba
DONE大人たいみつ♀でイチャイチャしてるだけの話。ぽいぴくを使ってみたかったのと短いの書きたかった。かけがえのない人よ【たいみつ♀】今からそっち行っていい?
帰宅して部屋着に着替えたところにかかってきた電話の向こうで、三ツ谷がそう言った。分かったと返せば、ほっとしたような声でありがとうと言う。通話を終えて、ソファに腰掛ける。今日は友人の結婚式だと言っていた。短くもない付き合いだから、朝までかも、などと話していたのを思い出す。しかしまだ、20時を回ったばかりだ。二次会が終わったあたりだろうか。三ツ谷の声はどこか静かだった。何かあったのかもしれない。
(…ああ、そうか)
三ツ谷からそうと聞いたことはない。ただ、もしや、と思った。今は違っても、かつては想いを寄せていた相手なのかもしれないと。惚れた女の過去の恋に嫉妬するほどガキじゃない。三ツ谷がノスタルジーを覚えて寂しさを感じたのならば、その手を取って今ここにある愛を伝えてやろうと、気障なことを考えてしまった。
2070帰宅して部屋着に着替えたところにかかってきた電話の向こうで、三ツ谷がそう言った。分かったと返せば、ほっとしたような声でありがとうと言う。通話を終えて、ソファに腰掛ける。今日は友人の結婚式だと言っていた。短くもない付き合いだから、朝までかも、などと話していたのを思い出す。しかしまだ、20時を回ったばかりだ。二次会が終わったあたりだろうか。三ツ谷の声はどこか静かだった。何かあったのかもしれない。
(…ああ、そうか)
三ツ谷からそうと聞いたことはない。ただ、もしや、と思った。今は違っても、かつては想いを寄せていた相手なのかもしれないと。惚れた女の過去の恋に嫉妬するほどガキじゃない。三ツ谷がノスタルジーを覚えて寂しさを感じたのならば、その手を取って今ここにある愛を伝えてやろうと、気障なことを考えてしまった。
カンパ
MAIKINGベータのみつやとアルファのたいじゅの長い話になる予定だったもの。ぶつぎり。たぶん続きは書かない。オメガバ(たいみつ) この世界にはアルファとオメガのラブストーリーが溢れている。
大寿くんと訪れた映画館で、壁に飾られた上映中の映画のポスターを見上げた。自分はあまり恋愛系の作品を見るほうではないから、恋愛映画で有名な作品や演者、ましてや最新の流行などはまるで知らない。知らないけれども、そんなオレだって知っていることがある。この世界のラブストーリーの中心には、必ずと言っていいほどアルファとオメガがいるということ。喜劇的な愛も、悲劇的な愛も、すべては特別な性が織りなす物語であるということ。目の前に貼られたポスターの煽り文句は『アルファとオメガを結ぶ運命の糸を紡ぐ物語』なのだから、その薄ら寒さに背中が震える。アルファとオメガの運命の話ね。うん、全米が泣くねこりゃ。
2487大寿くんと訪れた映画館で、壁に飾られた上映中の映画のポスターを見上げた。自分はあまり恋愛系の作品を見るほうではないから、恋愛映画で有名な作品や演者、ましてや最新の流行などはまるで知らない。知らないけれども、そんなオレだって知っていることがある。この世界のラブストーリーの中心には、必ずと言っていいほどアルファとオメガがいるということ。喜劇的な愛も、悲劇的な愛も、すべては特別な性が織りなす物語であるということ。目の前に貼られたポスターの煽り文句は『アルファとオメガを結ぶ運命の糸を紡ぐ物語』なのだから、その薄ら寒さに背中が震える。アルファとオメガの運命の話ね。うん、全米が泣くねこりゃ。
gurennkeito
MEMOたいみつのアイディアぽいの。夏の巣籠もり、たいみつ専門学生時空で、夏の課題製作の為に集中出きるマンスリーマンションないか調べてた三ツ谷。
その場所を提供する大寿。
マンスリーマンションかと思ってたら軽井沢の別荘だった。
B&D時代に交渉の場として使用してた別荘。
母親が療養のために家族と過ごした場所。
そこで自然の中で集中力出きる空間で作業する三ツ谷
材料とか食料、アイディア出しの為に軽井沢の麓へドライブからのデート
滞在期間より外れた日に夏祭りか花火大会があった。
来年はこれ行きたいとお願いする三ツ谷
課題作成終わったら残りは遊びに費やして。
花火大会できないから花火買ってきて楽しむたいみつ
別荘滞在最終日前の夜に愛し合って。
別荘だから声をきにせず激しく愛し合え。
353その場所を提供する大寿。
マンスリーマンションかと思ってたら軽井沢の別荘だった。
B&D時代に交渉の場として使用してた別荘。
母親が療養のために家族と過ごした場所。
そこで自然の中で集中力出きる空間で作業する三ツ谷
材料とか食料、アイディア出しの為に軽井沢の麓へドライブからのデート
滞在期間より外れた日に夏祭りか花火大会があった。
来年はこれ行きたいとお願いする三ツ谷
課題作成終わったら残りは遊びに費やして。
花火大会できないから花火買ってきて楽しむたいみつ
別荘滞在最終日前の夜に愛し合って。
別荘だから声をきにせず激しく愛し合え。
Papilionidae_
SPUR MEたいみつ セ●ピスパロライオンと雪豹、加筆修正して、支部にあげるまでの発破用
🐝ごめん……(扱いが悪い)
ご都合設定色々、パスワードはひらがな三文字のあの言葉を半角ローマ字で 5589
じょじ
DONEご飯を食べる話一口に切る。
それは他人のそれより多少はデカいが、ちゃんと口腔に収まるように切り分けられ、口に運ばれる。所作ひとつひとつはこの普段のこの男からしてみると意外にも綺麗で丁寧である。
これをギャップと言わずなんと言おうか。三ツ谷隆はそう考える。
元暴走族の頭を張っており、体の表面積の大半は墨に覆われていると言うのに食事のとりかたひとつにしてもこの男の所作は綺麗にできていた。
これは食事に限ったことではないが。
今思えば弟である八戒もそうだ。焼き魚の食べ方なんて身ひとつ残さず綺麗に骨を残して食べた時、内心舌を巻いたものだった。
どうやらそれは兄であるこの男の躾だったらしい、と気付いたのは最近だ。
最初はただ意外でそのギャップに微笑ましく思っていたのだが、今では微笑ましいどころか、魅了されてしまっている。
2590それは他人のそれより多少はデカいが、ちゃんと口腔に収まるように切り分けられ、口に運ばれる。所作ひとつひとつはこの普段のこの男からしてみると意外にも綺麗で丁寧である。
これをギャップと言わずなんと言おうか。三ツ谷隆はそう考える。
元暴走族の頭を張っており、体の表面積の大半は墨に覆われていると言うのに食事のとりかたひとつにしてもこの男の所作は綺麗にできていた。
これは食事に限ったことではないが。
今思えば弟である八戒もそうだ。焼き魚の食べ方なんて身ひとつ残さず綺麗に骨を残して食べた時、内心舌を巻いたものだった。
どうやらそれは兄であるこの男の躾だったらしい、と気付いたのは最近だ。
最初はただ意外でそのギャップに微笑ましく思っていたのだが、今では微笑ましいどころか、魅了されてしまっている。
riuriuchan1
DOODLEモブとたいみつ「いる。すっげぇ、かわいい人だよ」
三ツ谷先輩がそう言った瞬間、列島──厳密に言うと渋谷センター街鳥貴族第3テーブルが──震撼した。
三ツ谷先輩は俺の憧れだ。同じ専門学校を卒業、同じ会社に就職し仕事でもいろいろとお世話になっている。専門学校時代から三ツ谷先輩のセンスは群を抜いていて、卒制では滅茶苦茶厳しいと有名な先生からもベタ褒めされていた。将来有望なデザイナー、しかもイケメンときたらモテないわけがなく。うちの女性社員たちはみんな三ツ谷先輩に彼女がいるのか、気になって仕方がないらしい。
そんなハイエナたち(口が裂けても本人たちには言えないが。ぶっとばされるので)から白羽の矢を立てられた哀れな存在が俺だった。つまりは、退職して独立する先輩を送迎するこの飲みの場で、彼女の有無を聞き出せと命令を受けたのだ。
2884三ツ谷先輩がそう言った瞬間、列島──厳密に言うと渋谷センター街鳥貴族第3テーブルが──震撼した。
三ツ谷先輩は俺の憧れだ。同じ専門学校を卒業、同じ会社に就職し仕事でもいろいろとお世話になっている。専門学校時代から三ツ谷先輩のセンスは群を抜いていて、卒制では滅茶苦茶厳しいと有名な先生からもベタ褒めされていた。将来有望なデザイナー、しかもイケメンときたらモテないわけがなく。うちの女性社員たちはみんな三ツ谷先輩に彼女がいるのか、気になって仕方がないらしい。
そんなハイエナたち(口が裂けても本人たちには言えないが。ぶっとばされるので)から白羽の矢を立てられた哀れな存在が俺だった。つまりは、退職して独立する先輩を送迎するこの飲みの場で、彼女の有無を聞き出せと命令を受けたのだ。
cantana0510
REHABILI初ポイピクはまさかのみつたい。チュー寸前を描いたら事後を描きたくなるやつ。
(たいじゅくん髪型捏造です。DK軸では短くスッキリしてるといいな)
328ビッチみたいになっちゃってごめんけど色気がすごすぎるんだDK軸の見た目… 2
カンパ
MOURNINGアラサーのたいみつが喫煙所でばったり会う話。煙草を吸うたいみつ とあるホテルの最上階のレストランで取引先と打ち合わせ。夜景が売りの店ではあるが、日が高い今のような時間帯では築ウン十年にもなる建築物の禿げた屋根やら色味に統一感のないビルやらが軒を連ねるのが見えるばかりで、百万ドルの夜景も鼻で笑ってしまう。即刻カーテンを閉めてほしいくらいだ。テーブルを挟んだ向かいに座る男はテーブルマナーがなっていないし、これが八戒だったら怒鳴り散らしているところである。
商談の内容もたいしたものではなかった。ベンチャー企業に求めるべきものではないかもしれないが、あまりにも知見がない、リスク管理が足りない、度胸もない。つまるところ、このオレと新しい商売を始めたいなどという見上げた根性を持った奴ではなく、オレの威を借りて商売をさせてもらおうという狐みたいな男だったわけだ。五分ほど会話したところでこいつとの食事の時間が無駄なものに終わることがよく分かったが、だからと言って即刻商談の場を立ち去るほどは礼儀を捨てちゃいない。こうやってきちんと丁寧に食事をして、それなりの会話をする。しかしそうは言ってももう我慢の限界なので、連れてきた秘書に目配せをしてから「失礼」と断りを入れて立ち上がった。
5072商談の内容もたいしたものではなかった。ベンチャー企業に求めるべきものではないかもしれないが、あまりにも知見がない、リスク管理が足りない、度胸もない。つまるところ、このオレと新しい商売を始めたいなどという見上げた根性を持った奴ではなく、オレの威を借りて商売をさせてもらおうという狐みたいな男だったわけだ。五分ほど会話したところでこいつとの食事の時間が無駄なものに終わることがよく分かったが、だからと言って即刻商談の場を立ち去るほどは礼儀を捨てちゃいない。こうやってきちんと丁寧に食事をして、それなりの会話をする。しかしそうは言ってももう我慢の限界なので、連れてきた秘書に目配せをしてから「失礼」と断りを入れて立ち上がった。
カンパ
MOURNINGアラサーのたいみつがピアスを開け合う話。ピアスを開け合うたいみつ「そのピアスにこだわりでもあんのか」
上質なソファの上でオレを押し倒した大寿くんが『そのピアス』として指差したのは、オレが中学の頃からつけ続けている十字架模様の黒いピアスであった。大寿くんの手が伸びてきて、右手の親指と人差し指でピアスをつまみ、耳たぶの裏に飛び出したキャッチを転がす。その手つきがやたらにいやらしかったので、オレは無駄に厚い大寿くんの胸板を両手で押し返した。
「大寿くん、触り方がやらしいぞ」
「今からやらしいことすんだから構わねぇだろ」
「そりゃそうなんだけど……」
「さっさと質問に答えろ。ずっとつけ続けてるよな、コレ」
再びその大きな指の腹で耳たぶをなぞられ、思わず身震いした。背中がぞわぞわと毛羽立つような感覚。誰かに触れられて思わず身体が震えてしまうことに「気持ちいい」という答えをくれたのは大寿くんだ。だからこれはくすぐったいんじゃなくて、気持ちのいいこと。漏れそうになる声をどうにか抑えながら、共に人生を歩んできた左耳のピアスに想いを馳せる。
5544上質なソファの上でオレを押し倒した大寿くんが『そのピアス』として指差したのは、オレが中学の頃からつけ続けている十字架模様の黒いピアスであった。大寿くんの手が伸びてきて、右手の親指と人差し指でピアスをつまみ、耳たぶの裏に飛び出したキャッチを転がす。その手つきがやたらにいやらしかったので、オレは無駄に厚い大寿くんの胸板を両手で押し返した。
「大寿くん、触り方がやらしいぞ」
「今からやらしいことすんだから構わねぇだろ」
「そりゃそうなんだけど……」
「さっさと質問に答えろ。ずっとつけ続けてるよな、コレ」
再びその大きな指の腹で耳たぶをなぞられ、思わず身震いした。背中がぞわぞわと毛羽立つような感覚。誰かに触れられて思わず身体が震えてしまうことに「気持ちいい」という答えをくれたのは大寿くんだ。だからこれはくすぐったいんじゃなくて、気持ちのいいこと。漏れそうになる声をどうにか抑えながら、共に人生を歩んできた左耳のピアスに想いを馳せる。
カンパ
MOURNINGアラサーのたいみつが指輪を買いに行く話。ショップ店員視点。
指輪を買うたいみつ わたしの勤務先は、ゼロの数を数えるのがちょっと嫌になるくらいの高級アクセサリーを扱うジュエリーショップだ。小さな頃からアクセサリー食玩を買い集め続けている程度にはキラキラした物が好きだったわたしは、好きが高じた結果ジュエリーショップの販売員を目指して就職活動を行い、見事ゴールを決めたのだった。それが七年前の話。思わず目を瞑ってしまいたくなるほどのキラキラに囲まれる毎日は最高以外の何物でもなかったが、社会人生活すべてが楽しいことばかりというわけはなく、店内の清掃は面倒だし、ウン百万の宝石に触れるのは死ぬほど神経がすり減るし、なにより配属されたショップのお局がクソすぎて(あらやだ販売員にはあるまじき言葉遣い!目を瞑ってくださいまし)、近所のスーパーで「あのクソババァがさっさと異動になりますように」と七夕イベントの短冊に書き殴ったのが五年前。さて、わたしの願いは見事に叶い、お局は別店舗へ異動となって、それからはたいへん働きやすい職場へと様変わりした。それが三年前。しかしそれは、上司および同僚または後輩がわたしにとってやりやすい相手ばかりになったというだけの話であり、販売員の苦労の大半は、やはり接客にあるのだ。
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