秋月水樹
MOURNING前に呟いたどこかの女学校に潜入調査するユマハラの話。※ユの女装。
ひそひその噂話。ひそひその噂話。
季節外れの転校生は、百五十程しかない女の子で。
季節外れの転勤で来た養護教諭は、桃色を帯びた白髪の綺麗な高身長の女性。
その二人が放課後の保健室で、密かに愛を囁いている。
そんな噂はでたらめだ、と軽くあしらわれるも、中庭で転校生を見つめる教諭のなんと優しい目の事か。
絶対にあの二人はそういう仲なのだと、今日も学内でひそひそと話されている。
「で、見つかったのか?」
放課後の保健室、夕暮れを背に教諭の言葉に女生徒は口を開いた。
「いえ、まだですね」
顔の幼さの割には低い声、それもその筈、彼女、いや、彼は女生徒ではない。
彼の言葉にため息を吐いて、「こっちもまだだ」と呟いて椅子に凭れ掛かればキィと音を立てた。
1963季節外れの転校生は、百五十程しかない女の子で。
季節外れの転勤で来た養護教諭は、桃色を帯びた白髪の綺麗な高身長の女性。
その二人が放課後の保健室で、密かに愛を囁いている。
そんな噂はでたらめだ、と軽くあしらわれるも、中庭で転校生を見つめる教諭のなんと優しい目の事か。
絶対にあの二人はそういう仲なのだと、今日も学内でひそひそと話されている。
「で、見つかったのか?」
放課後の保健室、夕暮れを背に教諭の言葉に女生徒は口を開いた。
「いえ、まだですね」
顔の幼さの割には低い声、それもその筈、彼女、いや、彼は女生徒ではない。
彼の言葉にため息を吐いて、「こっちもまだだ」と呟いて椅子に凭れ掛かればキィと音を立てた。
秋月水樹
SPUR ME一般人には通用しない単語を話す能力持ちの犯人と巻き込み事故ユマハラの話(唐突に始まる🍜)※そんな能力ありません「お前たち超探偵に探偵特殊能力があるように、俺ら犯罪者にも能力を持つ者がいる」
「なんで!?」
ボクが思わずツッコミを入れれば「はったりだろう」と凄く呆れたようにハララさんがため息をついた。
「はったりかどうか、今見せてやる!
この、変態特殊性癖の力を!」
「へんた……っ、元々変態は特殊性癖じゃないか!」
黙れ!大声で喚き犯人がボク達に手をかざす。
何が来るかわからないが、ボクがハララさんを守らなければと前に出た時だった。
「庇おうが関係ない!
俺の性癖を味わえ!!」
「ユーマ、帰ろう。
くだらない遊びに付き合っている暇は無い」
そう思いたいが、何故か嫌な予感がする。
「ハララさん!」
庇うようにハララさんを背後に隠そうとしても、ボクの方が身長が低い。
1838「なんで!?」
ボクが思わずツッコミを入れれば「はったりだろう」と凄く呆れたようにハララさんがため息をついた。
「はったりかどうか、今見せてやる!
この、変態特殊性癖の力を!」
「へんた……っ、元々変態は特殊性癖じゃないか!」
黙れ!大声で喚き犯人がボク達に手をかざす。
何が来るかわからないが、ボクがハララさんを守らなければと前に出た時だった。
「庇おうが関係ない!
俺の性癖を味わえ!!」
「ユーマ、帰ろう。
くだらない遊びに付き合っている暇は無い」
そう思いたいが、何故か嫌な予感がする。
「ハララさん!」
庇うようにハララさんを背後に隠そうとしても、ボクの方が身長が低い。
秋月水樹
MOURNING(前回のあらすじ)調査で疲れていたハラさんにタクシーの中で「帰ったら気持ちいいこと、しましょうね(小声)」と伝えたら「……気持ちいい、こと?」と聞き返されてしまった。ユマハラ。部屋に入って思い出した。「……え、本当にわからないですか?」
思わずそう聞くも「気持ちがいいこと」とハララさんが考える素振りを見せる。
確かに最中に「気持ちがいい」と聞いたことがなかったが、それでも恋人にそう言われたら頬の一つくらい染めるのが普通ではないだろうか。
「ほら、一緒に帰ってお風呂に入ってご飯食べました。
いつもその後、ボクの部屋でなにをしてます!?」
思わず語気を強めてしまったがハララさんは少しだけ視線を泳がせ、やがてゆっくりと
「……報告書の作成?」
と返したので、ボクは「全然気持ちよくないじゃないですか……っ!」とタクシーの中で頭を抱えた。
幸い運転手はからかう様な人ではなく、ただ無言で車を走らせている。
気持ちがいいこと、つまり夜の営みが出てこなかった事に泣きたくなった。
1775思わずそう聞くも「気持ちがいいこと」とハララさんが考える素振りを見せる。
確かに最中に「気持ちがいい」と聞いたことがなかったが、それでも恋人にそう言われたら頬の一つくらい染めるのが普通ではないだろうか。
「ほら、一緒に帰ってお風呂に入ってご飯食べました。
いつもその後、ボクの部屋でなにをしてます!?」
思わず語気を強めてしまったがハララさんは少しだけ視線を泳がせ、やがてゆっくりと
「……報告書の作成?」
と返したので、ボクは「全然気持ちよくないじゃないですか……っ!」とタクシーの中で頭を抱えた。
幸い運転手はからかう様な人ではなく、ただ無言で車を走らせている。
気持ちがいいこと、つまり夜の営みが出てこなかった事に泣きたくなった。
秋月水樹
MOURNINGボクのハラさん、可愛いでしょ?なユ※10年後ユマハラ
きっとボクしか知らない顔。全く可愛げがない、と値段交渉に渋った依頼人の言葉に横を見れば呆れた表情で溜息を吐いていた。
ボクが口を開くよりも先に
「交渉がのめないのなら、この件は無しだ。
他を当たってほしい」
とハララさんが椅子から立ち上がるので、ボクも慌ててコーヒーを飲み干して立ち上がる。
苛立つような表情でボク達を睨みつけている依頼人に軽く会釈し、先に歩いていくハララさんを追いかける。
「良かったんですか、依頼を断って」
「あんなのは世界探偵機構がするもんじゃない。
当人同士話し合えば解決する」
帰る、と小さく言ったのでボクは横を歩きながらハララさんを見つめる。
風で髪の毛が揺れて、ハララさんが煩わしそうに髪を後ろにやれば、首筋に見える昨夜の印。
857ボクが口を開くよりも先に
「交渉がのめないのなら、この件は無しだ。
他を当たってほしい」
とハララさんが椅子から立ち上がるので、ボクも慌ててコーヒーを飲み干して立ち上がる。
苛立つような表情でボク達を睨みつけている依頼人に軽く会釈し、先に歩いていくハララさんを追いかける。
「良かったんですか、依頼を断って」
「あんなのは世界探偵機構がするもんじゃない。
当人同士話し合えば解決する」
帰る、と小さく言ったのでボクは横を歩きながらハララさんを見つめる。
風で髪の毛が揺れて、ハララさんが煩わしそうに髪を後ろにやれば、首筋に見える昨夜の印。
秋月水樹
MOURNINGメシマズなユと試すハラさんの話。ハッピーバレンタイン炒飯。
※捏造犬ちゃんいます。
※ユマハラ未満
好奇心は猫を殺す 。眩しいと感じて目を開けば青空が広がっているのが見えて、僕はゆっくりと起き上がる。
「此処は……?
僕はユの作ったちゃ……いや、炒飯と言うには些か語弊がある……」
見た目こそ確かに炒飯であることは変わりなかったのだが、食べた後が思い出せない。
ただ、あれは炒飯ではなかったと記憶が訴えている。
おかしい、辺りを見渡すも何時もの薄汚れた事務所でもなければホテルの室内でもない。
何処だろうか、立ち上がって遠くを見る。
川のせせらぎ、何処までも続く花畑。
見たことがない景色だ、そう思っていると後ろから何かが走ってくるような音がした。
速い、そう感じて振り返ると同時に僕は目を見開いた。
栗毛で耳は垂れ下がり、僕を見つめる丸い目。
2411「此処は……?
僕はユの作ったちゃ……いや、炒飯と言うには些か語弊がある……」
見た目こそ確かに炒飯であることは変わりなかったのだが、食べた後が思い出せない。
ただ、あれは炒飯ではなかったと記憶が訴えている。
おかしい、辺りを見渡すも何時もの薄汚れた事務所でもなければホテルの室内でもない。
何処だろうか、立ち上がって遠くを見る。
川のせせらぎ、何処までも続く花畑。
見たことがない景色だ、そう思っていると後ろから何かが走ってくるような音がした。
速い、そう感じて振り返ると同時に僕は目を見開いた。
栗毛で耳は垂れ下がり、僕を見つめる丸い目。
秋月水樹
MOURNINGハラさんの舌ピアスを未だ夢見てる。※ユマハラ(付き合い済み、同棲はしてる)
内緒の内緒。硬い感触に最初は歯かなと思ったが位置がおかしい事に気づき、なんだろうと舌先で触ればハララさんがびくりと身体を揺らした。
何時もだったらそこで止めて謝るのだが、歯でもなければ飴でもない、小さな塊をなんだろうと舌先で触り続ける。
「っ、やめ」
ハララさんがボクの胸元を叩くも、ボクはそれが気になってしまい後頭部に手を回して更に深めにキスをしていく。
絶えず口からは息が漏れ、ハララさんの瞳から涙が落ちる。
丸くて、硬くて、ちょっと冷たい。
やがてそれが舌に付けられたピアスだと理解したのと、ボクの胸ぐらを掴んでそのまま後ろに押し倒し、息を切らして頬を赤く染めたハララさんが「がっつき過ぎだ」と言って部屋から出ていってしまった。
1497何時もだったらそこで止めて謝るのだが、歯でもなければ飴でもない、小さな塊をなんだろうと舌先で触り続ける。
「っ、やめ」
ハララさんがボクの胸元を叩くも、ボクはそれが気になってしまい後頭部に手を回して更に深めにキスをしていく。
絶えず口からは息が漏れ、ハララさんの瞳から涙が落ちる。
丸くて、硬くて、ちょっと冷たい。
やがてそれが舌に付けられたピアスだと理解したのと、ボクの胸ぐらを掴んでそのまま後ろに押し倒し、息を切らして頬を赤く染めたハララさんが「がっつき過ぎだ」と言って部屋から出ていってしまった。
秋月水樹
MOURNING一緒に年を越すユマハラです。数年前、初めて年を一緒に越すことになってユーマが僕に提案したのは、時間になったら一緒に飛ぶということだった。
カナイ区の子供たちがそれをしたから地上にいなかったと興奮気味に言っていたのでそれを聞いたユーマがやりたいと言ってきたのだ。
「……ちょっと、子供っぽいですよね」
忘れてください、と笑うので「別に構わない」と返す。
「え?」
「君がしたいのなら、僕は構わない」
ベッドから降りて立ち上がる。
脱ぐ前で良かった、と思いながらユーマを見れば嬉しそうにベッドから降りて僕の手を繋いだ。
「来年はもう少し、考えておきます」
子供っぽいという言葉が自分の中で引っ掛かっているのか、小さな声でそう呟く。
「……楽しみに、しているよ」
1756カナイ区の子供たちがそれをしたから地上にいなかったと興奮気味に言っていたのでそれを聞いたユーマがやりたいと言ってきたのだ。
「……ちょっと、子供っぽいですよね」
忘れてください、と笑うので「別に構わない」と返す。
「え?」
「君がしたいのなら、僕は構わない」
ベッドから降りて立ち上がる。
脱ぐ前で良かった、と思いながらユーマを見れば嬉しそうにベッドから降りて僕の手を繋いだ。
「来年はもう少し、考えておきます」
子供っぽいという言葉が自分の中で引っ掛かっているのか、小さな声でそう呟く。
「……楽しみに、しているよ」
秋月水樹
MOURNINGクリスマスの翌朝ユマハラ。※単に話してるだけ。
※二人ともすっぽんぽんです。
甘いケーキは要らない。幼い頃、クリスマスは楽しかった。
両親がケーキを買ってきて、ご馳走を用意して。
寝ていれば良い子にしていたからとサンタがやってきて、プレゼントを枕元に置いてくれた。
翌朝プレゼントを抱えて両親に言えば、嬉しそうに笑ってくれたのを今でも覚えている。
何時から来なくなったと、僕は思わない。
僕は、良い子じゃなくなったからだ。
カーテンの隙間から差し込んだ朝日によって目覚めた僕は薄目を開ける。
懐かしくも嫌な夢を見た気がする。
「んっ……」
眼鏡、と身じろぐと僕を抱きしめるようにして寝ている人物が声を漏らした。顔を見るとまだ眠っているようで目蓋は閉じられたままだった。
起こさないようにそろそろと動いて上半身を起き上がらせれば、空気が素肌に当たって寒かった。
1482両親がケーキを買ってきて、ご馳走を用意して。
寝ていれば良い子にしていたからとサンタがやってきて、プレゼントを枕元に置いてくれた。
翌朝プレゼントを抱えて両親に言えば、嬉しそうに笑ってくれたのを今でも覚えている。
何時から来なくなったと、僕は思わない。
僕は、良い子じゃなくなったからだ。
カーテンの隙間から差し込んだ朝日によって目覚めた僕は薄目を開ける。
懐かしくも嫌な夢を見た気がする。
「んっ……」
眼鏡、と身じろぐと僕を抱きしめるようにして寝ている人物が声を漏らした。顔を見るとまだ眠っているようで目蓋は閉じられたままだった。
起こさないようにそろそろと動いて上半身を起き上がらせれば、空気が素肌に当たって寒かった。
秋月水樹
MOURNING珈琲を飲んで休憩をするユとハラさんの話。ユマハラ。※解釈違いありそうなので何でも許せる方向け。
言葉に出来ない想いたち。砂糖とミルクを入れた甘いカフェオレのマグカップ。それと、何も入っていないブラック珈琲を入れたマグカップを持ちながらリビングに向かう。
猫の絵柄のマグカップに入った黒い液体を眺めながら「大人だなぁ……」と呟く。
ハララさんはボクと違って、苦い珈琲でも普通に飲む。
毎回一口飲んでは、少し微笑んでまた飲む。
カフェインを摂りすぎるといけないからと、朝起きた時と今みたいな休憩時に珈琲を入れるのだが、ハララさんは何時だってブラックを飲む。
格好良い、憧れてキッチンで砂糖を入れる前に飲んだが、すぐに砂糖を入れた。
ハララさんは平然とした顔で飲んでいる。
それがとても、格好良くて好きだ。
ボクの手から珈琲を受け取る時、少しだけ何か言いたげな表情だった。
1210猫の絵柄のマグカップに入った黒い液体を眺めながら「大人だなぁ……」と呟く。
ハララさんはボクと違って、苦い珈琲でも普通に飲む。
毎回一口飲んでは、少し微笑んでまた飲む。
カフェインを摂りすぎるといけないからと、朝起きた時と今みたいな休憩時に珈琲を入れるのだが、ハララさんは何時だってブラックを飲む。
格好良い、憧れてキッチンで砂糖を入れる前に飲んだが、すぐに砂糖を入れた。
ハララさんは平然とした顔で飲んでいる。
それがとても、格好良くて好きだ。
ボクの手から珈琲を受け取る時、少しだけ何か言いたげな表情だった。
秋月水樹
MOURNING乾燥で唇が切れているユと常にうる艶なハラさんの話。※ハラユマハラ。
下拵えは万全に。僅かに口の端から息が漏れ、もっとと強請ろうと首に手を回しかけた時だった。
不意に顔を離され、何故か分からずに目を開ければハララさんがボクを心配そうに見つめている。
どうしたんですか、と問おうと口を開けた時だった。
ピリッとした痛みが唇に生じる。
触れば指先に血が付いていて、でも理由はわかっているので「あぁ」と声を漏らせば「歯が、当たったか?」とハララさんは珍しく少し動揺交じりの声を漏らした。
「違いますよ、最近乾燥しているせいか唇がよく切れるんです」
血を指先で拭って、さて続きをと向き合った時だった。
「待て」
……ハララさんはよくボクに対して「待て」と言うけど、まるで犬に聞かせるように言う。
手を顔の前でかざしたままベッドから降りる姿に唇を尖らせれば、また仄かに唇が痛んだ。
2337不意に顔を離され、何故か分からずに目を開ければハララさんがボクを心配そうに見つめている。
どうしたんですか、と問おうと口を開けた時だった。
ピリッとした痛みが唇に生じる。
触れば指先に血が付いていて、でも理由はわかっているので「あぁ」と声を漏らせば「歯が、当たったか?」とハララさんは珍しく少し動揺交じりの声を漏らした。
「違いますよ、最近乾燥しているせいか唇がよく切れるんです」
血を指先で拭って、さて続きをと向き合った時だった。
「待て」
……ハララさんはよくボクに対して「待て」と言うけど、まるで犬に聞かせるように言う。
手を顔の前でかざしたままベッドから降りる姿に唇を尖らせれば、また仄かに唇が痛んだ。
秋月水樹
MOURNING10年後ユマハラのパジャマ事情。※かっこいいユはいません。
※ハラさんの寝間着が芋ジャー。
そしてサイレンは鳴り響く。枕を持って上目遣いに見遣ればハララさんは少し黙ったあと
「……一時間三万」
と答えたので、瞬時に頷く。
一緒に寝るのに一時間につき三万、安いものだ。
下心は少しあったが、純粋にハララさんと枕を並べて寝てみたかったというのもある。
着替えるから待っていろと部屋に入っていくので、廊下で座って待つ。
冬のせいか、冷たい廊下の壁が体温を奪っていく気がしてボクはソワソワとする。
勇気をだして良かった、と枕を持ち直せば「入っていいぞ」と声がした。
「お、お邪魔しま……」
緊張しながら扉を開け、ボクは目を開く。
殺風景というよりはシンプルな部屋、片隅に置かれたベッドは柔らかさを重視したと言っていたのを思い出す。
「どうした?」
柔らかなベッドの上に座って、ハララさんがこちらを見つめる。
2855「……一時間三万」
と答えたので、瞬時に頷く。
一緒に寝るのに一時間につき三万、安いものだ。
下心は少しあったが、純粋にハララさんと枕を並べて寝てみたかったというのもある。
着替えるから待っていろと部屋に入っていくので、廊下で座って待つ。
冬のせいか、冷たい廊下の壁が体温を奪っていく気がしてボクはソワソワとする。
勇気をだして良かった、と枕を持ち直せば「入っていいぞ」と声がした。
「お、お邪魔しま……」
緊張しながら扉を開け、ボクは目を開く。
殺風景というよりはシンプルな部屋、片隅に置かれたベッドは柔らかさを重視したと言っていたのを思い出す。
「どうした?」
柔らかなベッドの上に座って、ハララさんがこちらを見つめる。
秋月水樹
MOURNING朝に弱いぽやぽやハラさんと、5年同棲してて初めて見たユの話。※10年後ユマハラ ※キャラ崩壊気味おかしい、ボクはリビングの椅子に座ったまま考える。いつもなら必ず起きているハララさんが、起きていない。
先程デリバリーで頼んだスープは冷めないように布を被せ、パンは乾かぬように袋に入ったままだ。
通常の恋人同士なら「朝だよ」と寝ている恋人の頬をつつく事は容易いかもしれないが、ボクは出来なかった。
ハララさんの部屋には、朝七時まで無断で入ると警報音が鳴り響き、目覚めたハララさんは思いきりコインを弾いてくる。
当時頬にはコイン型の痣ができて、その前は額、もっと前はと数えだしたらキリがない。
それに、如何に完全防音の部屋を買ったとはいえ、警報音で起こしてしまった機嫌はちょっとやそっとじゃ直らない。
一日中触らせてもらえない時がなによりもキツかった。
2973先程デリバリーで頼んだスープは冷めないように布を被せ、パンは乾かぬように袋に入ったままだ。
通常の恋人同士なら「朝だよ」と寝ている恋人の頬をつつく事は容易いかもしれないが、ボクは出来なかった。
ハララさんの部屋には、朝七時まで無断で入ると警報音が鳴り響き、目覚めたハララさんは思いきりコインを弾いてくる。
当時頬にはコイン型の痣ができて、その前は額、もっと前はと数えだしたらキリがない。
それに、如何に完全防音の部屋を買ったとはいえ、警報音で起こしてしまった機嫌はちょっとやそっとじゃ直らない。
一日中触らせてもらえない時がなによりもキツかった。
秋月水樹
MOURNING10年後ユマハラ、ユマが依頼で出かけるようです。その日報告書で帰れなかった。明日から三日ほど家にいません、と帰ってきてリビングにいた僕をカバンも置かずに抱きしめながら涙声でそう言うので「静かになるな」と言えば「寂しくはないんですか……?」と悲しそうに眉を下げた。
寂しくなるか否かなんて、分かりきったことを聴く。
「仕事だろう、僕みたいに半年や一年帰らないわけじゃない。
ただの三日だ」
「ただの三日でも、ボクは寂しいです」
力を込めて抱きしめてくる、走ってきたのだろうか微かに汗の匂いがして僕は押し退けるように腕で胸板を押す。
「ハララさんも着いてきてください」
「僕は久しぶりのオフだ。
と言っても、用事でカナイ区には立ち寄るつもりだがな」
カナイ区、という言葉にユーマがぴくりと反応する。
「なんでカナイ区」
3536寂しくなるか否かなんて、分かりきったことを聴く。
「仕事だろう、僕みたいに半年や一年帰らないわけじゃない。
ただの三日だ」
「ただの三日でも、ボクは寂しいです」
力を込めて抱きしめてくる、走ってきたのだろうか微かに汗の匂いがして僕は押し退けるように腕で胸板を押す。
「ハララさんも着いてきてください」
「僕は久しぶりのオフだ。
と言っても、用事でカナイ区には立ち寄るつもりだがな」
カナイ区、という言葉にユーマがぴくりと反応する。
「なんでカナイ区」
秋月水樹
MOURNING10年後付き合っているし同棲しているユマハラの話。(※ユマは190センチになってくれると願っている)(ネタバレあり)毎夜ではないが、それでも二人揃えば「一緒に寝ましょう!」と枕を持ちそう言うのだが、誘われたその人はニコッとして
「おやすみ」
そう言って自分の部屋に入っていく。
今日もボクは同棲した時に浮かれて買ったダブルベッドの上で一人泣いていた。これで何敗目だろうか、五十回辺りで数えるのをやめた。
付き合ってから何年も経つのに、一緒に寝たのはまだ両手の指の数にも満たない。
夜の営みに至っては片手程度。
一緒に眠れる時間なんて限られており、明日にでもハララさんは北の方に依頼を受けに行って、一ヶ月は戻らないと言っていた。
今日も暫く会えないから寂しい、と付け加えたのだが「おやすみ、ユーマ」と顔も見ずに扉を閉められてしまった。
2855「おやすみ」
そう言って自分の部屋に入っていく。
今日もボクは同棲した時に浮かれて買ったダブルベッドの上で一人泣いていた。これで何敗目だろうか、五十回辺りで数えるのをやめた。
付き合ってから何年も経つのに、一緒に寝たのはまだ両手の指の数にも満たない。
夜の営みに至っては片手程度。
一緒に眠れる時間なんて限られており、明日にでもハララさんは北の方に依頼を受けに行って、一ヶ月は戻らないと言っていた。
今日も暫く会えないから寂しい、と付け加えたのだが「おやすみ、ユーマ」と顔も見ずに扉を閉められてしまった。
秋月水樹
MOURNING10年後のバズーカにぶち当たったハラさんとユマと子供の話。※パロ、捏造過多。
あらすじ:アマテラス社が作った10年後の自分と入れ替えが出来るバズーカの弾を当たる前に蹴ったハララが10年後の自分と入れ替わったら、子供を連れてきた。
「お、お久しぶりです大人ハララさん……」
子供の手を握って呆然としているハララさんに恐る恐る声をかければゆっくりと此方を向き、やがて会いたくなかったと言わんばかりに溜息を吐かれた。
「……この時の僕はそんなに間抜けだったか?
こんな、何回も過去に帰りたくないんだ」
子供がじいっとボクを見上げている。
歳は五歳くらいだろうか、ボクを見つめる大きな目が可愛かった。
「えっと、もしかしてその子は」
ボクとの、と恥ずかしくなって言葉が窄めば「違う」と即答された。
そんなに早くに答えなくても、と苦い顔をしていると「依頼人の子供だ。トイレ行くから一時的に預かった瞬間これだ」とハララさんも苦い顔をした。
1464「お、お久しぶりです大人ハララさん……」
子供の手を握って呆然としているハララさんに恐る恐る声をかければゆっくりと此方を向き、やがて会いたくなかったと言わんばかりに溜息を吐かれた。
「……この時の僕はそんなに間抜けだったか?
こんな、何回も過去に帰りたくないんだ」
子供がじいっとボクを見上げている。
歳は五歳くらいだろうか、ボクを見つめる大きな目が可愛かった。
「えっと、もしかしてその子は」
ボクとの、と恥ずかしくなって言葉が窄めば「違う」と即答された。
そんなに早くに答えなくても、と苦い顔をしていると「依頼人の子供だ。トイレ行くから一時的に預かった瞬間これだ」とハララさんも苦い顔をした。