藤 夜
DONE離反ifのクリスマス短編集、テーマはキスのひとりアンソロです(笑)教師if 伏黒視点
例年別々に過ごすイブを、珍しく伏黒姉弟と一緒にケーキ作りをする夏五のお話
【雪が融けるまで725秒】にあわせて支部に掲載したお話より再掲
◆三◆ スカイブルー「それじゃ、僕と一緒に恵たちとケーキ作ろうぜ」
故あって保護者の真似事のようなことをしている姉妹が私にはいて、毎年クリスマスには彼女たちと一緒にケーキを作ってささやかなクリスマス会をし、サンタクロースの真似事をしていた。それが今年は、
「私たちだけで作ったケーキを夏油様に食べて貰いたいから準備ができるまで他所のお家で遊んできて」
と言われてしまった。成長が喜ばしくもあり、寂しくもあり、ならば非常勤として働いている高専で事務仕事を片付けようと思っていた所に、悟に声を掛けられた。
彼にも保護者と言うより後見人として面倒を見ている姉弟がいる。こちらはクリスマスに一緒にいても鋭い目つきで邪険にされるそうだが、それは表面上だけで、それなりに楽しんでくれているみたいだから、と毎年ケーキやらプレゼントやらを携えていそいそと出掛けていく。紆余曲折があった上でクリスマスは一緒に過ごしたい間柄になったにも関わらず、優先すべき相手がいることに互いに不満を言うことはない。私はそんな悟だからこそ大切だし、悟だって私のことは承知している。それでも世の浮かれたカップルを見れば羨ましくなるのは当然で、イブじゃなくてクリスマスに一緒に過ごすようになった。
3206故あって保護者の真似事のようなことをしている姉妹が私にはいて、毎年クリスマスには彼女たちと一緒にケーキを作ってささやかなクリスマス会をし、サンタクロースの真似事をしていた。それが今年は、
「私たちだけで作ったケーキを夏油様に食べて貰いたいから準備ができるまで他所のお家で遊んできて」
と言われてしまった。成長が喜ばしくもあり、寂しくもあり、ならば非常勤として働いている高専で事務仕事を片付けようと思っていた所に、悟に声を掛けられた。
彼にも保護者と言うより後見人として面倒を見ている姉弟がいる。こちらはクリスマスに一緒にいても鋭い目つきで邪険にされるそうだが、それは表面上だけで、それなりに楽しんでくれているみたいだから、と毎年ケーキやらプレゼントやらを携えていそいそと出掛けていく。紆余曲折があった上でクリスマスは一緒に過ごしたい間柄になったにも関わらず、優先すべき相手がいることに互いに不満を言うことはない。私はそんな悟だからこそ大切だし、悟だって私のことは承知している。それでも世の浮かれたカップルを見れば羨ましくなるのは当然で、イブじゃなくてクリスマスに一緒に過ごすようになった。
guacatos
DONESuguru and Satoru having sweet dreams...What are they dreaming about?2 versions: with and without scars 2
藤 夜
DONE離反ifのクリスマス短編集、テーマはキスのひとりアンソロです(笑)祓本 先輩芸人視点
クリスマスにまつわる可愛らしい嫉妬を横から見ていたモブ芸人の一幕
【雪が融けるまで725秒】にあわせて支部に掲載したお話より再掲
◆二◆ 悋気 きらきらとした街角は着飾った人々がイルミネーションや華やかな店先を眺めながらそぞろ歩いている。そんな街中とは一転、扉を潜りもぎりを抜ければ、埃くさい会場がおしゃれとは程遠い様相を呈している。それでも熱気に満ち溢れ、クリスマスソングではなく大歓声が響き渡る。
「ありがとうございましたっ」
笑い声に湧く会場に向かってマイクを挟んで並び立ち、九十度にお辞儀をして威勢よく声を揃えて挨拶をし、舞台袖に後輩がはけてきた。最近飛ぶ鳥を落とす勢いで人気も実力もうなぎ上りだ。元々見た目は上々で、寧ろそれが足を引っ張っていた感もある。顔だけのファンだってついていないよりマシだが、シャレにならない奴らも中にはいる。
「クリスマスに演芸場に来る奴なんて、もの好きだけで客なんてたいして入らないと思ってた。暇人多いんだな」
2271「ありがとうございましたっ」
笑い声に湧く会場に向かってマイクを挟んで並び立ち、九十度にお辞儀をして威勢よく声を揃えて挨拶をし、舞台袖に後輩がはけてきた。最近飛ぶ鳥を落とす勢いで人気も実力もうなぎ上りだ。元々見た目は上々で、寧ろそれが足を引っ張っていた感もある。顔だけのファンだってついていないよりマシだが、シャレにならない奴らも中にはいる。
「クリスマスに演芸場に来る奴なんて、もの好きだけで客なんてたいして入らないと思ってた。暇人多いんだな」
おはぎ
DONE仕事初め嫌だよーうわーん、と思っていたら何か出来ていました。正月休みも無く働いている皆様には本当に頭が下がります。
最強たちでもきっと嫌になるときはあるよね、そんなお話です。
息をするように教師if。
お題:こんな職場はもう嫌だ「はい、じゃあ次のお題『こんな職場は嫌だ』」
「……正月休みも何も無く馬車馬のように働かされる職場」
「誰が、事実を言えと、言ったんだッ!!」
ダン、と机を叩く大きな音に、周囲にいた補助監督の目が一斉にこちらを向く。大丈夫何でもないよ、と五条が執り成し、またいつも通り辛気臭い室内へと戻っていった。
今日は一月三日。最寄りのスーパーも近年の労働環境改善の波を受けて休業している三が日の最終日。呪霊の発生に休みなどない呪術師達にとって、むしろ繁忙期ともいえるこの時期は毎年高専の職員室に缶詰か、現場で年越しが常だった。
クリスマスから正月にかけて、幸せな人々の光に照らされた闇は一層暗く、深くなる。
「はぁ、もし私が呪力を操れなかったら、特級呪霊を生み出す自信があるね」
2471「……正月休みも何も無く馬車馬のように働かされる職場」
「誰が、事実を言えと、言ったんだッ!!」
ダン、と机を叩く大きな音に、周囲にいた補助監督の目が一斉にこちらを向く。大丈夫何でもないよ、と五条が執り成し、またいつも通り辛気臭い室内へと戻っていった。
今日は一月三日。最寄りのスーパーも近年の労働環境改善の波を受けて休業している三が日の最終日。呪霊の発生に休みなどない呪術師達にとって、むしろ繁忙期ともいえるこの時期は毎年高専の職員室に缶詰か、現場で年越しが常だった。
クリスマスから正月にかけて、幸せな人々の光に照らされた闇は一層暗く、深くなる。
「はぁ、もし私が呪力を操れなかったら、特級呪霊を生み出す自信があるね」
MondLicht_725
Deep Desire「GEGO DIG. NEW YEAR PARTY 2」の展示品でした。少々加筆修正しました。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16711934
この少年期会ってた夏五妄想話の続きの呪専時代夏五です。
地方に任務に行く話。
⚠️呪霊について元ネタはありますが、実際のありとあらゆるものと一切関係ありません🙇♀️ 50638
anko396
DONEWEBオンリー【GEGODIG.NEW YEAR PARTY 2】
の為に描いた漫画です!
見に来て下さりありがとうございます😭🙇♀️
素人に毛が生える前のまだつるつるな私ですが、一生懸命描きました!!!!
まだ初心者なので読みにくいかも知れませんが、9ページも描けたのは初めてです😭🙌
普通の中学生夏五(距離近)が初日の出を見に行くお話です!
そこで色々…🥰 9
arroz_kkdk
INFOあけましておめでとうございます!🐙と🧜♂️からの御年賀を展示とネットプリントで公開させていただきます。葉書サイズで印刷できるかと思います✌セブンプリント:CUH4GHJY
期限:2023/1/7 23時ごろまで
ネットワークプリント:7XCRNUDZ52(葉書対応機でない場合はがき印刷不可)
期限:2023/1/8 28時ごろまで
shiki_sbp
DONE2022.12.31~2023.1.1 夏五WEBオンリーイベント【GEGODIG.NEWYEAR PARTY2】開催おめでとうございます!!n番煎じの年越し漫画ですがよろしければ…!! 3
ya_rayshan
DONEGEGODIGNY開催おめでとうございます!🎉🥳初めてこういったイベントに、サークル側として参加できたこと、とても嬉しく思います!
こちらの展示品のパスワードは、会場に掲載している展示商品の詳細にあります。また、Pixivで連載中のシリーズと同じ設定ですので、この作品だけだとわからない部分もあるかと思います。予めご了承の程、よろしくお願い致します。 15188
おはぎ
DONEGGD.NYP2の展示作品です。以前冒頭を少しポイしていた作品をお正月仕様に少し手を入れて完成させました!
ドキドキ!五条家お宅訪問~!なお話です。
180%捏造ですが、幸せになって欲しい気持ちだけは本物を詰め込みました。
▼特に以下捏造が含まれます
・教師if
・五条家メンバ(悟両親、ばあや、その他)
・五条、夏油両実家に関する事柄(所在地から全て)
上記楽しめる方は宜しくお願いします!
猛獣使いを逃がすな「……本当に大丈夫なのか?」
「だーいじょうぶだってば! 何緊張してんの」
「普通緊張するだろう! 恋人の実家にご挨拶に行くんだぞ!」
強張った身体をほぐそうと悟が私の肩を掴んでふるふると揺すった。普段なら制止するところだが、今はじっと目を閉じて身体をゆだねていた。されるがままの私を悟が大口開けて笑っているが、もはや今の私にとってはどうでもいい。この胃から喉元までせり上がってくるような緊張感を拭ってくれるものならば、藁でも猫でも悟でも、何でも縋って鷲掴みたい。現実逃避をやめて、大きく深呼吸。一気に息を吸い過ぎて咳き込んだが、緊張感が口からこぼれ出てはくれなかった。
「はぁ……帰りたい……高専の寮で一人スウェットを着て、日がな一日だらだらしたい……」
27404「だーいじょうぶだってば! 何緊張してんの」
「普通緊張するだろう! 恋人の実家にご挨拶に行くんだぞ!」
強張った身体をほぐそうと悟が私の肩を掴んでふるふると揺すった。普段なら制止するところだが、今はじっと目を閉じて身体をゆだねていた。されるがままの私を悟が大口開けて笑っているが、もはや今の私にとってはどうでもいい。この胃から喉元までせり上がってくるような緊張感を拭ってくれるものならば、藁でも猫でも悟でも、何でも縋って鷲掴みたい。現実逃避をやめて、大きく深呼吸。一気に息を吸い過ぎて咳き込んだが、緊張感が口からこぼれ出てはくれなかった。
「はぁ……帰りたい……高専の寮で一人スウェットを着て、日がな一日だらだらしたい……」
MondLicht_725
DONE夏五オンリー「雪が融けるまで725秒」展示品でした。見てくださった方ありがとうございました😊
pixivにある転生パロ「白と黒、ときどき青」( https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16575482 )の夏五のクリスマス話です。 6426
おはぎ
DONEWebイベ展示作品③テーマは「くるみ割り人形」 現パロ?
彫刻と白鳥――パシンッ
頬を打つ乾いた音がスタジオに響く。張りつめた空気に触れないよう周囲に控えたダンサーたちは固唾を飲んでその行方を見守った。
水を打ったように静まり返る中、良く通る深い響きを持った声が鼓膜を震わせる。
「君、その程度で本当にプリンシパルなの?」
その台詞に周囲は息をのんだ。かの有名なサトル・ゴジョウにあそこまで言われたら並みのダンサーなら誰もが逃亡しただろう。しかし、彼は静かに立ち上がるとスッと背筋を伸ばしてその視線を受け止めた。
「はい、私がここのプリンシパルです」
あの鋭い視線を受け止めてもなお、一歩も引くことなく堂々と返すその背中には、静かな怒りが佇んでいた。
日本人離れしたすらりと長い手足と儚く煌びやかなその容姿から『踊る彫刻』の異名で知られるトップダンサーがサトル・ゴジョウその人だった。今回の公演では不慮の事故による怪我で主役の座を明け渡すことになり、代役として白羽の矢がたったのが新進気鋭のダンサー、スグル・ゲトーである。黒々とした艶やかな黒髪と大きく身体を使ったダイナミックなパフォーマンスから『アジアのブラックスワン』と呼ばれる彼もまた、近年トップダンサーの仲間入りを果たした若きスターである。
1086頬を打つ乾いた音がスタジオに響く。張りつめた空気に触れないよう周囲に控えたダンサーたちは固唾を飲んでその行方を見守った。
水を打ったように静まり返る中、良く通る深い響きを持った声が鼓膜を震わせる。
「君、その程度で本当にプリンシパルなの?」
その台詞に周囲は息をのんだ。かの有名なサトル・ゴジョウにあそこまで言われたら並みのダンサーなら誰もが逃亡しただろう。しかし、彼は静かに立ち上がるとスッと背筋を伸ばしてその視線を受け止めた。
「はい、私がここのプリンシパルです」
あの鋭い視線を受け止めてもなお、一歩も引くことなく堂々と返すその背中には、静かな怒りが佇んでいた。
日本人離れしたすらりと長い手足と儚く煌びやかなその容姿から『踊る彫刻』の異名で知られるトップダンサーがサトル・ゴジョウその人だった。今回の公演では不慮の事故による怪我で主役の座を明け渡すことになり、代役として白羽の矢がたったのが新進気鋭のダンサー、スグル・ゲトーである。黒々とした艶やかな黒髪と大きく身体を使ったダイナミックなパフォーマンスから『アジアのブラックスワン』と呼ばれる彼もまた、近年トップダンサーの仲間入りを果たした若きスターである。
おはぎ
DONEWebイベ展示作品②テーマは「オーナメント」 現パロ夏と猫五
コロコロサトル「こらッ、サトル! 返しなさい!」
「んなぁー」
コロコロとじゃれるサトルからやっとの思いで真っ赤な飾りを取り戻した。ぴかぴかと周囲の景色を反射して光る玉は、所々に引っかき傷ができていた。
「全く、何か飲み込んだりしたら危ないからやめなって言ってるのに」
「んな、んにぃー」
「わ、こら、まとわりつくなって」
返せ返せと、私の脚にぐりぐり頭を押し付けてくる。そのうち当初の目的を忘れかけたのか、顔を擦りながらゴロゴロ喉を鳴らしていた。
「他にもオモチャがあるだろう? 美々子と菜々子が来る前に飾りつけしちゃいたいからそっちで遊んでてよ、ね?」
お気に入りのぬいぐるみを取ってやっても素知らぬ顔で、またツリーによじ登ろうとする。仕方ないな、とサトルを抱きかかえツリーを見せてやった。
1141「んなぁー」
コロコロとじゃれるサトルからやっとの思いで真っ赤な飾りを取り戻した。ぴかぴかと周囲の景色を反射して光る玉は、所々に引っかき傷ができていた。
「全く、何か飲み込んだりしたら危ないからやめなって言ってるのに」
「んな、んにぃー」
「わ、こら、まとわりつくなって」
返せ返せと、私の脚にぐりぐり頭を押し付けてくる。そのうち当初の目的を忘れかけたのか、顔を擦りながらゴロゴロ喉を鳴らしていた。
「他にもオモチャがあるだろう? 美々子と菜々子が来る前に飾りつけしちゃいたいからそっちで遊んでてよ、ね?」
お気に入りのぬいぐるみを取ってやっても素知らぬ顔で、またツリーによじ登ろうとする。仕方ないな、とサトルを抱きかかえツリーを見せてやった。
おはぎ
DONEWebイベ展示作品①テーマ「シチュー」教師if
一口サイズの風物詩 ふと顔を上げると部屋に差し込んでいたはずの明かりが翳り、窓の外では街頭がちらほらとつき始めていた。慌てて家中のカーテンを引きながら、壁にかかる時計に目をやればまだ時刻は十七時を回ったあたり。日没がすっかり早くなったものだと季節の移り変わりを感じる。
今日の夕食はどうしようか、悟の帰宅時間を思い出しながらテレビに目をやると、そこには暖かなオレンジの光に包まれた食卓が映っていた。
「あ、そうだ」
私は冷蔵庫の中身を覗くと、そそくさと買い出しに出かけた。
◇
「たっだいま~」
「おかえり」
はー疲れた、と呟きながら悟が帰宅する。彼が帰ってきた途端に部屋の中が賑やかに感じるのは私だけだろうか。少しだけ感傷に浸ったような心地で「急に冷えてきたでしょ」と声をかけると「全然分かんなかった! でも確かにみんなコート着てたかも!」と洗面所から大声が返ってくる。がたがた、ばしゃばしゃ、様子を見ずとも悟が何をしているのか物音だけで手に取るように分かる。これは私の気持ちの問題ではなく、存外物理的にうるさくなっているだけかもしれないな、と苦笑した。
1136今日の夕食はどうしようか、悟の帰宅時間を思い出しながらテレビに目をやると、そこには暖かなオレンジの光に包まれた食卓が映っていた。
「あ、そうだ」
私は冷蔵庫の中身を覗くと、そそくさと買い出しに出かけた。
◇
「たっだいま~」
「おかえり」
はー疲れた、と呟きながら悟が帰宅する。彼が帰ってきた途端に部屋の中が賑やかに感じるのは私だけだろうか。少しだけ感傷に浸ったような心地で「急に冷えてきたでしょ」と声をかけると「全然分かんなかった! でも確かにみんなコート着てたかも!」と洗面所から大声が返ってくる。がたがた、ばしゃばしゃ、様子を見ずとも悟が何をしているのか物音だけで手に取るように分かる。これは私の気持ちの問題ではなく、存外物理的にうるさくなっているだけかもしれないな、と苦笑した。
藤 夜
DONE離反ifのクリスマス短編集、テーマはキスのひとりアンソロです(笑)教師×教師 虎杖視点
クリスマスプレゼントにまつわる惚気のひと幕
【雪が融けるまで725秒】の開催、おめでとうございます&ありがとうございます♪
ひと足先にサンプルがわりに第1話を掲載します^^
◆一◆ 久遠「しょうがない、伏黒が迎えに来るまではここで寝てなよ」
そう言って家入は空いているベッドを指差した。申し訳なさに仕事は、と問えば、
「仕事納めはまだ先だから、私のことは気にしなくてもいいよ」
積み上がった書類の奥で目元を細めて頷かれた。閉じたカーテンの向こう側にあるベッドに寝転ぶと、冷えたシーツが火照った肌に心地よく、横たわれば楽になった体に、疲れていたのだと実感した。
クリスマス明け、最後の任務に出掛けたところでやけに暑いと感じたら、伏黒に思いっきりどやされた。どうやら珍しく風邪を引いたらしい。ただ、風邪なのか、呪霊に中てられたのか、イマイチ判断がつきかねるからと、怒鳴った伏黒に連れられてやってきた医務室で様子見と相成った。まあ、伏黒が俺の代わりにまとめて報告書を作成して、提出してくるまでの間、寝て待っていろ。と言うのが正しいのだろう。年末だから年内に提出しとけって言うなら、こんな年の瀬に駆り出さなくてもと思わなくもないけれど、年の瀬だからこそ、刈り取れる危険は摘んでおけと言う理屈も当然理解はできる。猶予があるからとクリスマスに予定を入れられなかっただけで、御の字なのだろう。
2855そう言って家入は空いているベッドを指差した。申し訳なさに仕事は、と問えば、
「仕事納めはまだ先だから、私のことは気にしなくてもいいよ」
積み上がった書類の奥で目元を細めて頷かれた。閉じたカーテンの向こう側にあるベッドに寝転ぶと、冷えたシーツが火照った肌に心地よく、横たわれば楽になった体に、疲れていたのだと実感した。
クリスマス明け、最後の任務に出掛けたところでやけに暑いと感じたら、伏黒に思いっきりどやされた。どうやら珍しく風邪を引いたらしい。ただ、風邪なのか、呪霊に中てられたのか、イマイチ判断がつきかねるからと、怒鳴った伏黒に連れられてやってきた医務室で様子見と相成った。まあ、伏黒が俺の代わりにまとめて報告書を作成して、提出してくるまでの間、寝て待っていろ。と言うのが正しいのだろう。年末だから年内に提出しとけって言うなら、こんな年の瀬に駆り出さなくてもと思わなくもないけれど、年の瀬だからこそ、刈り取れる危険は摘んでおけと言う理屈も当然理解はできる。猶予があるからとクリスマスに予定を入れられなかっただけで、御の字なのだろう。
藤 夜
DONE離反if。任務地で燻る傑と、自室で気遣う少し大人な悟の、秋の夜長の静かなひと時。甘えたの傑とあやす悟もいいなーって。支部に掲載の短編集より。
【漆黒】 君の声 胸糞悪い。
日付が変わるころに用意されたビジネスホテルに辿り着き、そのままバスルームに駆け込んだ。いくら洗っても拭いきれない汚れは、一級には一歩届かない呪霊の吐瀉物でもなく、己の汗や血ですらない。恍惚とでも言うような意思すらない笑顔を張りつけ、敬意と祈り、そして恐れを綯い交ぜにした信仰という名の狂気を抱いた人の群れから発せられた醜悪なまでの、まじないだ。
いくらシャワーを浴びても温まる気配を見せず、冷えて薄汚れた体を熱いぐらいのお湯を落としたバスタブに横たわらせた。私を信用してこの任務を寄越したわけではなく、ただ単に手が空いていた上に、呪霊の強さと相性、嫌がらせも兼ねてだろう。それでもこんな案件、悟に任せるぐらいなら私にお鉢を回される方が、よっぽどマシだ。シャワーを止めれば水音の代わりに聞こえる、いつ止むとも知れぬ虫の鳴き声が哀愁を誘い、人恋しさを募らせる。否、人恋しさではなく、悟が恋しいだけか。
2224日付が変わるころに用意されたビジネスホテルに辿り着き、そのままバスルームに駆け込んだ。いくら洗っても拭いきれない汚れは、一級には一歩届かない呪霊の吐瀉物でもなく、己の汗や血ですらない。恍惚とでも言うような意思すらない笑顔を張りつけ、敬意と祈り、そして恐れを綯い交ぜにした信仰という名の狂気を抱いた人の群れから発せられた醜悪なまでの、まじないだ。
いくらシャワーを浴びても温まる気配を見せず、冷えて薄汚れた体を熱いぐらいのお湯を落としたバスタブに横たわらせた。私を信用してこの任務を寄越したわけではなく、ただ単に手が空いていた上に、呪霊の強さと相性、嫌がらせも兼ねてだろう。それでもこんな案件、悟に任せるぐらいなら私にお鉢を回される方が、よっぽどマシだ。シャワーを止めれば水音の代わりに聞こえる、いつ止むとも知れぬ虫の鳴き声が哀愁を誘い、人恋しさを募らせる。否、人恋しさではなく、悟が恋しいだけか。
おちゃわん
DOODLE夏五 / わからせセックス♡呪専時代の夏五。
生意気なこと言って調子乗ってたら、
同級生に生ハメ中出しセックスされて
メス堕ちしてアヘっちゃう話。
ちんぽに勝てない悟かわいい。
キャラデザのやつ見てたら
描きたくなってしまった…✍️
♡喘ぎ/断面図/んほぉ系 4
hensoutoyokoku
MAIKING夏五現パロその1 暗めです(notバドエン) ちょっとモブが出ます。 R-18(冒頭は全年齢)別れた後、動画配信者になるさとる。すぐるは会社員です。 1437
MondLicht_725
MAIKING夏五版ワンドロワンライ第94回お題「魔法のランプ」お借りしました。夏だけ転生してる話。
夏五版ワンドロワンライ第94回お題「魔法のランプ」 善にも悪にもつながる道
お望み通り
天国も地獄も 運命は
その手の中にある
――――アラジン『アラビアン・ナイト』より
「立ち入り禁止」の札が引っかかったロープを乗り越えてほんの数歩で、傑は早くも後悔した。やっぱり来るべきなかった。きっちり断っていれば、今頃は自室で配信が始まった映画を見ながら一杯やってたところである。
緩やかだが長く続く暗い山道に、前を行く友人たちの声は次第に大きくなっていく。外部からの立ち入りを拒む私有地の山の中、当然人工的な明かりなどない。ざわざわと風が木々の枝を揺らす音が、不気味さをさらに演出する。
山の中、ではあるのだが、進む道には古い石の階段がある。雑草や泥に侵食され、ほとんど埋もれてしまっているが、明らかに人の手によって造られた場所だ。この先には、噂によれば棄てられ放置されたままの古い寺院の跡があるという。
1924お望み通り
天国も地獄も 運命は
その手の中にある
――――アラジン『アラビアン・ナイト』より
「立ち入り禁止」の札が引っかかったロープを乗り越えてほんの数歩で、傑は早くも後悔した。やっぱり来るべきなかった。きっちり断っていれば、今頃は自室で配信が始まった映画を見ながら一杯やってたところである。
緩やかだが長く続く暗い山道に、前を行く友人たちの声は次第に大きくなっていく。外部からの立ち入りを拒む私有地の山の中、当然人工的な明かりなどない。ざわざわと風が木々の枝を揺らす音が、不気味さをさらに演出する。
山の中、ではあるのだが、進む道には古い石の階段がある。雑草や泥に侵食され、ほとんど埋もれてしまっているが、明らかに人の手によって造られた場所だ。この先には、噂によれば棄てられ放置されたままの古い寺院の跡があるという。
MondLicht_725
DONEhttps://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16596444#6この世界の祓本夏五(転生)
五誕生日編
【夏五】全部まとめて【祓本】 冷えたフローリングの上に座って、部屋を見渡す。都内のマンション、10年間空いたままだったかつての、そして再び戻ってきた夏油の私室。
ベッド。小さな本棚と、中に並んだいくつかの文庫本。クローゼットの私服。前に比べればまだまだ物は少ないが、それでも少しずつ、確実に増えている。
吐き出す息が白くなる、とまではいかないが、数日留守にした室内はここ最近の冬らしい天候に隅々まで冷え切っていた。ヒーターはつけたばかりだから、温まるまでまだ時間がかかる。
お笑い芸人「祓ったれ本舗」。
10年間の空白を経て再結成を発表してから、まもなく1年が過ぎようとしている。
つまり、相方と――五条悟と再会してからも、同じ時間が流れたということだ。
2278ベッド。小さな本棚と、中に並んだいくつかの文庫本。クローゼットの私服。前に比べればまだまだ物は少ないが、それでも少しずつ、確実に増えている。
吐き出す息が白くなる、とまではいかないが、数日留守にした室内はここ最近の冬らしい天候に隅々まで冷え切っていた。ヒーターはつけたばかりだから、温まるまでまだ時間がかかる。
お笑い芸人「祓ったれ本舗」。
10年間の空白を経て再結成を発表してから、まもなく1年が過ぎようとしている。
つまり、相方と――五条悟と再会してからも、同じ時間が流れたということだ。