mitotte_kazu
PAST今ぐらいの時期に変わった飲み物を楽しむ🦍と🐇さんの短いお話檸檬 グランドカンパニーの納品を終え建物を後にしたルガディンは、初夏とも形容されそうな爽やかな日差しに顔を顰めた。明順応、という単語を思い出しながら足早に宿へむかっているとリンクシェルが鳴り響く。
「今どの辺?」
「溺れた海豚亭」
返答する間もなく尋ねてきた相手に苦笑しながら、見上げた建物の名を伝えた。丁度良かった!と弾んだ声が返ってきて、彼は首を傾げた。
呼び出されたマーケット付近のエーテライト横の日陰で、通信相手のヴィエラが涼しい顔で佇んでいた。手を挙げて挨拶すると、気付いた彼女に微笑みかけられる。
「何か予定あった?」
それを今聞くのかと苦笑した彼が首を振ったので、尚更好都合だと彼女は彼に歩み寄った。
2652「今どの辺?」
「溺れた海豚亭」
返答する間もなく尋ねてきた相手に苦笑しながら、見上げた建物の名を伝えた。丁度良かった!と弾んだ声が返ってきて、彼は首を傾げた。
呼び出されたマーケット付近のエーテライト横の日陰で、通信相手のヴィエラが涼しい顔で佇んでいた。手を挙げて挨拶すると、気付いた彼女に微笑みかけられる。
「何か予定あった?」
それを今聞くのかと苦笑した彼が首を振ったので、尚更好都合だと彼女は彼に歩み寄った。
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PAST瀬島さん(@Doggy_t_ff14 )に自機概念ピアスを素敵な解釈と共に作って頂いたので衝動的に書いてしまった🦍と🐇さんと耳飾りのお話耳飾 ねぇねぇ、とリンクシェルの通信に応じると同時に聞き慣れたヴィエラの声が届いた。
「今、何してる?」
日課のペルペル族の依頼を完了し、報告していたところだったのでその旨を伝える。今日の分まだだった!とひとりごちた彼女が指輪を用いたテレポで飛んできた。モンクに切り替わり駆け足で受注した依頼の中でモンスターを討伐するものがあったらしく、上目遣いで見つめて来られる。苦笑して頷くと、にっこり満足気に微笑み返された。
「で、何の用だったんだ?」
ひと段落した辺りを見計らって声をかけると、あぁ!と思い出したかのように彼女はいつもの踊り子の姿に変わる。見て見て、と背伸びしてきた彼女の耳元で、見慣れないイヤリングが揺れていた。
1476「今、何してる?」
日課のペルペル族の依頼を完了し、報告していたところだったのでその旨を伝える。今日の分まだだった!とひとりごちた彼女が指輪を用いたテレポで飛んできた。モンクに切り替わり駆け足で受注した依頼の中でモンスターを討伐するものがあったらしく、上目遣いで見つめて来られる。苦笑して頷くと、にっこり満足気に微笑み返された。
「で、何の用だったんだ?」
ひと段落した辺りを見計らって声をかけると、あぁ!と思い出したかのように彼女はいつもの踊り子の姿に変わる。見て見て、と背伸びしてきた彼女の耳元で、見慣れないイヤリングが揺れていた。
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PASTヴァレンティオンを満喫している🦍と🐇の短いお話贈呈 毎年恒例になりつつある、海都でのヴァレンティオンの催事場巡りに今回も付き合っていた。ヴィエラに付き添っていただけの当初に比べて多少慣れてきたルガディンも、露天を覗き見比べる余裕が出来てくる。
「これは今年の新作か」
「そう〜!去年から定番になったこっちも美味しいよ!」
少しわかってきたと思っていたが、やはり彼女の知識量などには勝てない。真剣な顔で次の店の品定めをする彼女の手から、戦利品の入った紙袋を苦笑しながら受け取った。ありがと、と身軽になった身体で手早く会計をすませる彼女を遠巻きに眺めていた。
「ここの好き」
何軒目かを巡っていた時に彼女が呟いた店のチョコレートや包装に見覚えがあった。以前貰ったものだな、と何気なしに視界に入った価格を二度見して、目を剥いてしまう。横に書かれた説明を流し見て、ブランド物のククルビーンを手間暇かけて加工してウルダハで販売している有名店だとようやく把握できた。通りで高価で美味いはずだと1人納得している横で、また真剣な表情で陳列されている商品を吟味している彼女が頷いた。これとこれください、と慣れている彼女の指がチョコレートの上を滑っていく。彼女が選んだ商品が丁寧に包まれていくのを眺めながら、パッケージまで可愛いな、などと思った。
805「これは今年の新作か」
「そう〜!去年から定番になったこっちも美味しいよ!」
少しわかってきたと思っていたが、やはり彼女の知識量などには勝てない。真剣な顔で次の店の品定めをする彼女の手から、戦利品の入った紙袋を苦笑しながら受け取った。ありがと、と身軽になった身体で手早く会計をすませる彼女を遠巻きに眺めていた。
「ここの好き」
何軒目かを巡っていた時に彼女が呟いた店のチョコレートや包装に見覚えがあった。以前貰ったものだな、と何気なしに視界に入った価格を二度見して、目を剥いてしまう。横に書かれた説明を流し見て、ブランド物のククルビーンを手間暇かけて加工してウルダハで販売している有名店だとようやく把握できた。通りで高価で美味いはずだと1人納得している横で、また真剣な表情で陳列されている商品を吟味している彼女が頷いた。これとこれください、と慣れている彼女の指がチョコレートの上を滑っていく。彼女が選んだ商品が丁寧に包まれていくのを眺めながら、パッケージまで可愛いな、などと思った。
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PASTせっかくの頭割り開催なので以前skebで描いて頂いた時に嬉しすぎて書き上げてしまった🦍と🐇の短いお話絵画「あ、」
並んで歩いていたヴィエラが呟き、急に歩みを止めた。すぐ気付いたルガディンはどうしたかと彼女へと歩み寄る。そんな彼の裾を引っ張り、見てみて、と街中の一角を指し示す。穏やかな表情のルガディンがミニオンのナマズオを引き連れ、路上で絵を描いていた。風景や街中に目を向け、時折冒険者の依頼を受けてそれに応じた絵を描いているようだった。
「すごいね」
目を輝かせ呟いた彼女に頷いて同意する。種族のせいにするつもりはないが、自身の不器用さ故に芸術系統に関してはビエルゴ神も苦笑するだろうレベルの彼には、絵師とも呼べるルガディンが工神にも並んで見えた。すみませーん、と物怖じせず件のルガディンの絵師に声をかける彼女に慌てて駆け寄った。
1711並んで歩いていたヴィエラが呟き、急に歩みを止めた。すぐ気付いたルガディンはどうしたかと彼女へと歩み寄る。そんな彼の裾を引っ張り、見てみて、と街中の一角を指し示す。穏やかな表情のルガディンがミニオンのナマズオを引き連れ、路上で絵を描いていた。風景や街中に目を向け、時折冒険者の依頼を受けてそれに応じた絵を描いているようだった。
「すごいね」
目を輝かせ呟いた彼女に頷いて同意する。種族のせいにするつもりはないが、自身の不器用さ故に芸術系統に関してはビエルゴ神も苦笑するだろうレベルの彼には、絵師とも呼べるルガディンが工神にも並んで見えた。すみませーん、と物怖じせず件のルガディンの絵師に声をかける彼女に慌てて駆け寄った。
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PAST前に上げた抱擁と繋がる気もするけど個別で楽しめる(といいなあ)🦍と🐇の短い小話包容 特に大した事ではない事象を思い出したり、連日周囲に振り回されてしまうと自覚しない内に疲労が蓄積してしまうようだった。自覚していない内の蓄積というのがたちが悪いもので、少し腰を下ろしぼんやりと休むことにする。
「何してんの?」
突然姿を現したヴィエラに驚くこともなくちょっと休憩を、と返した。ルガディンの返答にふぅんと呟き、その隣にちょこんと腰掛けて彼女は悪戯っぽく笑う。
「確かに疲れた顔してる」
頬杖をついてにんまり笑った彼女にバレるぐらい顔に出てしまっていたようだ。つられて苦笑する。
「おっぱい揉む?」
休憩を終えて2人で気分転換にダンジョンを回っていた時に不意に彼女が言った。動揺のあまり帰還させてしまったフェアリーを再度召喚しながら、急に何事かと尋ねる。
1151「何してんの?」
突然姿を現したヴィエラに驚くこともなくちょっと休憩を、と返した。ルガディンの返答にふぅんと呟き、その隣にちょこんと腰掛けて彼女は悪戯っぽく笑う。
「確かに疲れた顔してる」
頬杖をついてにんまり笑った彼女にバレるぐらい顔に出てしまっていたようだ。つられて苦笑する。
「おっぱい揉む?」
休憩を終えて2人で気分転換にダンジョンを回っていた時に不意に彼女が言った。動揺のあまり帰還させてしまったフェアリーを再度召喚しながら、急に何事かと尋ねる。
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PASTナマコさん(@namakomesi)から素敵なお題を頂いたので勝手なイメージで書き上げた🦍と🐇さんのお話たなごころのうえ ヴィエラに呼び出されたのはいつもの喫茶店だった。定番となったメニューとドリンクを前に、他愛のない話に花を咲かせる。
「そういえば、何の用事だったんだ?」
どちらともなく話が途切れ珈琲で口を潤し、忘れない内にとルガディンが彼女に尋ねた。両手で持っていたカップを卓上に置き、悪戯っぽく彼女が口角を上げる。薄々嫌な予感がしてきたが特に予定もなかったので、温くなった珈琲をもう一口飲みつつ彼女の返答を待った。しなやかな指を絡めた手を顎の下に添え、卓上に肘を突いた彼女が歌うように呟く。
「どうしよっかなぁ」
悩んでいる表情すら様になっている彼女からカップの中に視線を向ける。考える猶予のためにもう少しゆっくり飲んだ方がいいかな、などと思いながら、彼も一度カップを卓上に置いた。
3136「そういえば、何の用事だったんだ?」
どちらともなく話が途切れ珈琲で口を潤し、忘れない内にとルガディンが彼女に尋ねた。両手で持っていたカップを卓上に置き、悪戯っぽく彼女が口角を上げる。薄々嫌な予感がしてきたが特に予定もなかったので、温くなった珈琲をもう一口飲みつつ彼女の返答を待った。しなやかな指を絡めた手を顎の下に添え、卓上に肘を突いた彼女が歌うように呟く。
「どうしよっかなぁ」
悩んでいる表情すら様になっている彼女からカップの中に視線を向ける。考える猶予のためにもう少しゆっくり飲んだ方がいいかな、などと思いながら、彼も一度カップを卓上に置いた。
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PASTポッキーの日にちなんでベタなネタの🦍と🐇さんの小話ぽきげ 友人のルガディンに勧められた本に没頭していた。彼も恋人のエレゼンに面白いと紹介されて気に入ったので、と言っていただけあって夢中で読み耽ってしまっていた。じわりと眼球が熱を帯び、文字の羅列が霞む。栞を挟んだページを閉じ、本を傍に置く。眼鏡を外した目元を鼻筋に向けて指圧していると、
「はい」
ぴとりと頬に何かが触れた。横目で確認すると猫舌の自分に合わせて温度を調整してくれたであろうホットドリンクが入ったカップが密着していた。カップを両手に保持してこちらを見下ろすヴィエラに礼を述べ、カップを受け取る。コーヒーにしては淡い色合いの液体の香りを確認していると、カフェラテだよ、と隣に腰掛けた彼女に微笑みかけられた。なるほどと返しカップを傾けると、ミルクでまろやかになった焙煎の苦味とは微かに香ばしい風味が舌に広がった。思わず首を傾げてしまうと、隣から小さく笑い声が聞こえた。
1705「はい」
ぴとりと頬に何かが触れた。横目で確認すると猫舌の自分に合わせて温度を調整してくれたであろうホットドリンクが入ったカップが密着していた。カップを両手に保持してこちらを見下ろすヴィエラに礼を述べ、カップを受け取る。コーヒーにしては淡い色合いの液体の香りを確認していると、カフェラテだよ、と隣に腰掛けた彼女に微笑みかけられた。なるほどと返しカップを傾けると、ミルクでまろやかになった焙煎の苦味とは微かに香ばしい風味が舌に広がった。思わず首を傾げてしまうと、隣から小さく笑い声が聞こえた。
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PASTいいおっπの日にかこつけてそういう🐇さんと🦍の大変短いお話抱擁「大丈夫?おっぱい揉む?」
また疲れた顔をしてしまっていたのか、討伐戦を繰り返していたルガディンに何の前触れもなくヴィエラが言った。半ば呆れと困惑が入り混じった表情の彼とは裏腹に、彼女はいつも通りの表情で首を傾げている。鎖骨と胸元が強調された柔らかそうな薄手の生地越しにふにふにと件の箇所に触れながらいいの?と彼女は再確認をとった。
「……お前は、」
溜息を吐きながら口を開いたルガディンに胸元を触る手を止めうんうんとヴィエラが頷いた。その様子を眺めて再度溜息を吐いた彼が指を三本立ててやや口早に話し始める。
「そういう事を気軽に言うな、男がそれをすれば簡単に喜ぶと思うな、俺も男だという危機感を持て」
以上、頼んだ。彼はどこか照れたような表情で顔を逸らし気まずそうに黙り込んだ。後ろでまとめた髪を揺らしながら彼女が少し考え込み、指を立て反論する。
762また疲れた顔をしてしまっていたのか、討伐戦を繰り返していたルガディンに何の前触れもなくヴィエラが言った。半ば呆れと困惑が入り混じった表情の彼とは裏腹に、彼女はいつも通りの表情で首を傾げている。鎖骨と胸元が強調された柔らかそうな薄手の生地越しにふにふにと件の箇所に触れながらいいの?と彼女は再確認をとった。
「……お前は、」
溜息を吐きながら口を開いたルガディンに胸元を触る手を止めうんうんとヴィエラが頷いた。その様子を眺めて再度溜息を吐いた彼が指を三本立ててやや口早に話し始める。
「そういう事を気軽に言うな、男がそれをすれば簡単に喜ぶと思うな、俺も男だという危機感を持て」
以上、頼んだ。彼はどこか照れたような表情で顔を逸らし気まずそうに黙り込んだ。後ろでまとめた髪を揺らしながら彼女が少し考え込み、指を立て反論する。
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PAST暁月辺りでオルシャに降り立った頃ぐらいの🦍と🐇さんのお話観光※捏造を含みます
初めて降り立つ土地の空気の中で微かに潮の香りを感じ、海に面した土地なのだと再認識する。きょろきょろと興味深そうに周囲を見渡すヴィエラをルガディンは眺めていた。同じ海に面した都市でもリムサロミンサとはまた異なる空気だと目を細めた彼と、見上げてきた彼女の視線がかちあう。
「……初めて来るとこでしょ?なんでそんな落ち着いてるの」
可愛くない、と唇を尖らせた彼女に苦笑する。
「初めてといえば嘘になるか」
港から微かに見える巨大なエーテライトに視線を移した彼が小さく呟いた。不思議そうに首を傾げた彼女から、なんでもないと目を逸らす。教えてくれるまで離れない、と抱き付いてきた彼女をやんわりと引き剥がしながら、彼は溜息を吐いた。
3346初めて降り立つ土地の空気の中で微かに潮の香りを感じ、海に面した土地なのだと再認識する。きょろきょろと興味深そうに周囲を見渡すヴィエラをルガディンは眺めていた。同じ海に面した都市でもリムサロミンサとはまた異なる空気だと目を細めた彼と、見上げてきた彼女の視線がかちあう。
「……初めて来るとこでしょ?なんでそんな落ち着いてるの」
可愛くない、と唇を尖らせた彼女に苦笑する。
「初めてといえば嘘になるか」
港から微かに見える巨大なエーテライトに視線を移した彼が小さく呟いた。不思議そうに首を傾げた彼女から、なんでもないと目を逸らす。教えてくれるまで離れない、と抱き付いてきた彼女をやんわりと引き剥がしながら、彼は溜息を吐いた。
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PAST10/01は眼鏡の日だそうで申し訳程度の眼鏡が出てくる🦍と🐇さんのお話眼精疲労 自室のドアを閉じ、少し無理しすぎたなとルガディンは充血した眼を閉じる。焦点などを定める必要もなくなりじわりと熱を帯びた目元が淡い暗闇に包まれた。深く息を吐いて、こういう時は温めて血行を良くすべきなんだろうが、などと考える。のたうち回る程の痛みでもなく、ジリジリとウルダハの熱波に灼かれるような痛みが続いていた。しばらく休んでエーテルが回復すれば治るため、温めたタオルなど用意する気力もなければ必要性もない。そのまま腰を下ろしていたベッドへ後ろ向きに倒れ込んだ。そのまま仰向けで休んでいるとお邪魔しま〜す、と軽やかな声と共にドアが開く音がする。施錠しておくのを忘れた、と考えている間に、声の主であるヴィエラがてくてくとこちらに歩み寄ってくる気配がして身体を起こした。
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PASTユウさん(@namakomesi )とジャックさん(@Kuraki_kazuma )と流れでダブルデートする🦍と🐇さんの話買物 新商品のカットソーを棚から取り出し、ヴィエラは自身の胸元へと当てる。シンプルながら襟のデザインが可愛く、手持ちの服とも合わせやすそうで微かに口角が上がった。買ってもいいかもと値段を確認するとデザイン程可愛くないお値段で口角がすかさず下がってしまう。残念ながら予算オーバーと小さく肩を落とし、簡単に畳んで棚へと戻した。それでも手ぶらで店を後にするのも悔しくて値下げされている棚まで向かう。セール品でも良さそうな品があったが普段は着ないような色しか残っておらず、まぁそんなもんだよね、と眉を顰めつつ広げては見比べてを繰り返していた。何枚目かを持ち上げ目線の高さで広げていた際に、見覚えのあるエレゼンと棚越しに視線がかち合う。
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PAST引越しにて今は亡き場所となった🐇さんこだわりハウジングのお話。空間 ヴィエラに呼び出され彼女の家を訪問したルガディンを出迎えたのは唐突な抱擁だった。腰に回された細くしなやかな腕と押し付けられた柔らかな胸の感触からあえて意識を逸らし、何があったのか彼女に尋ねる。
「特に何も」
こちらの胸元に思い切り押し付けられていた顔を上げ、彼女は短く答えた。その表情や声色は思っていたよりも明るく、安心しながらそうかと彼女の頭を撫でる。数回瞬きしてから綻んだ表情で彼女はもう一度力強く抱き付いてくる。何事かと思ったがとりあえず自身の掌にすっぽりと収まる彼女の後頭部を撫で続けた。
あ、そうだといきなりこちらを見上げてきたヴィエラが見て見てとルガディンの腕を引いて地下へと駆けて行く。急になんだと思いながらも特に抵抗はせず、彼女に導かれるまま階下へ向かっていく。
1249「特に何も」
こちらの胸元に思い切り押し付けられていた顔を上げ、彼女は短く答えた。その表情や声色は思っていたよりも明るく、安心しながらそうかと彼女の頭を撫でる。数回瞬きしてから綻んだ表情で彼女はもう一度力強く抱き付いてくる。何事かと思ったがとりあえず自身の掌にすっぽりと収まる彼女の後頭部を撫で続けた。
あ、そうだといきなりこちらを見上げてきたヴィエラが見て見てとルガディンの腕を引いて地下へと駆けて行く。急になんだと思いながらも特に抵抗はせず、彼女に導かれるまま階下へ向かっていく。
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PAST某怪ウォッチコラボ初実装時に書いた🦍と🐇の短いお話身体 袋の中からメダルを取り出し、枚数を確認する。必要枚数には微妙に足りておらず、微かに溜息を吐いて元に戻した。その様子を眺めていたヴィエラが何かを察したように立ち上がり、あと何枚?と声をかけてくる。少し間を置いて無言で枚数分の指を立てて答えるとあからさまに肩を落とし溜息を吐かれ、苦笑してしまう。
それでも必要枚数が揃うまで付き合ってくれた彼女に礼を述べた。フェイトが終わる度に生じる倦怠感と体力のラグからぐったりしている彼女に向けて白魔法を放つ。ありがとー、と疲労を隠し切れない彼女が頬を緩ませた。視線を下ろし彼女の露出された肩や胸元を見つめる。ヴィエラ族らしい細身だが豊満な身体や彼女の好みに合わせて投影された装備は見た目の割に防御力が高いのだといつか誇らしげに言っていたのを思い出した。それでもその身体に刻まれた傷跡は少なくはないのだろう。
763それでも必要枚数が揃うまで付き合ってくれた彼女に礼を述べた。フェイトが終わる度に生じる倦怠感と体力のラグからぐったりしている彼女に向けて白魔法を放つ。ありがとー、と疲労を隠し切れない彼女が頬を緩ませた。視線を下ろし彼女の露出された肩や胸元を見つめる。ヴィエラ族らしい細身だが豊満な身体や彼女の好みに合わせて投影された装備は見た目の割に防御力が高いのだといつか誇らしげに言っていたのを思い出した。それでもその身体に刻まれた傷跡は少なくはないのだろう。
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PASTバレンタインなのでチョコ渡す🐇さんとチョコ食べる🦍の短い話片割 この海の街にもイベントの余波が来ているようで、浮ついた雰囲気が漂っていた。幸せそうな人を見るのは嫌いではないが、この空気の中独り歩くルガディンはどこか居た堪れなさを感じていた。
それでもイベントのおかげで普段ならあまり手を出さないようなチョコレートが並んでいる店頭を眺めるのは楽しいものだった。買ったところで勿体なくて食べられないのは目に見えているし、貧相な自身の舌はどれを食べても美味しく感じるのだろう。折角だからと思いつつ平凡な板チョコレートを手に取る。と、掌からチョコレートが消えた。目線を掌から上げるとルガディンから取り上げたチョコレートを興味深そうに眺めるヴィエラがいた。
「買うの?」
握ったチョコレートをひらひら翳しながらヴィエラが首を傾げた。まぁ、とルガディンが頷くとふぅんと数回頷いた彼女がそれを棚に戻す。買うと言ってるのに、と棚のチョコレートに伸ばされた彼の手をヴィエラの手が掴んだ。ルガディンが何なんだと困惑している間に人気の少ない通りまで引っ張り出される。されるがままだったルガディンの離された掌にちょこんと小箱が載せられた。どこか見覚えのあるデザインの小箱をしばらく眺めてから、目の前のヴィエラに視線を向ける。にんまりと意味深に笑った彼女が覚えてる?と首を傾げた。ルガディンが数回頷いて開けても良いか了承を得ると、勿論、と微笑まれた。
903それでもイベントのおかげで普段ならあまり手を出さないようなチョコレートが並んでいる店頭を眺めるのは楽しいものだった。買ったところで勿体なくて食べられないのは目に見えているし、貧相な自身の舌はどれを食べても美味しく感じるのだろう。折角だからと思いつつ平凡な板チョコレートを手に取る。と、掌からチョコレートが消えた。目線を掌から上げるとルガディンから取り上げたチョコレートを興味深そうに眺めるヴィエラがいた。
「買うの?」
握ったチョコレートをひらひら翳しながらヴィエラが首を傾げた。まぁ、とルガディンが頷くとふぅんと数回頷いた彼女がそれを棚に戻す。買うと言ってるのに、と棚のチョコレートに伸ばされた彼の手をヴィエラの手が掴んだ。ルガディンが何なんだと困惑している間に人気の少ない通りまで引っ張り出される。されるがままだったルガディンの離された掌にちょこんと小箱が載せられた。どこか見覚えのあるデザインの小箱をしばらく眺めてから、目の前のヴィエラに視線を向ける。にんまりと意味深に笑った彼女が覚えてる?と首を傾げた。ルガディンが数回頷いて開けても良いか了承を得ると、勿論、と微笑まれた。