summeralley
DONEバーテンダーPとマスター💅と客🍚の三角関係。ネイPシーン多めで飯P帰結予定です。ジキルのレシピ色々あるようですが、視覚的に綺麗な部分の良いとこ取りで書いてます。それに二層に分かれてて一気飲みするタイプのカクテルはマスター💅の店みたいなお上品バーでは出ないと思いますが、全ては、バー小説でなくてネイP飯P小説なので……🥹
【飯PネイP】煙るバーカウンターにて/04ジキル 今日の食事会は、本当に気分が悪かった。研究者の集まりというのは、高め合うことが出来る時もあれば、牽制と探り合いが渦巻く時もある。今日は、後者だった。
そう飲まされたわけではなかったが、場の空気にあてられた僕はひどく苛立っていた。いつしかあの店のことを思い出し、足は勝手に表通りから一本入り込む。
地面を睨みながら歩いていると、ビルとビルの間の暗闇から話し声が聞こえた。ちらと目線を向ければ、気の荒そうな男が、どうやら学生に絡んでいる。肩がぶつかったとか、なんとか、ろくでもない理由で……咄嗟に二人の間に入り込み、苛立ちそのままに雑に声をかけた。
「もういいだろ、どっちも早く帰りなよ」
絡まれていた学生は、間に僕が入ったことでこれ幸いと駆け出す。絡んでいた男は、矛先を僕に向けはじめた。当然の結果だろう。
3317そう飲まされたわけではなかったが、場の空気にあてられた僕はひどく苛立っていた。いつしかあの店のことを思い出し、足は勝手に表通りから一本入り込む。
地面を睨みながら歩いていると、ビルとビルの間の暗闇から話し声が聞こえた。ちらと目線を向ければ、気の荒そうな男が、どうやら学生に絡んでいる。肩がぶつかったとか、なんとか、ろくでもない理由で……咄嗟に二人の間に入り込み、苛立ちそのままに雑に声をかけた。
「もういいだろ、どっちも早く帰りなよ」
絡まれていた学生は、間に僕が入ったことでこれ幸いと駆け出す。絡んでいた男は、矛先を僕に向けはじめた。当然の結果だろう。
summeralley
DONE客🍚がマスター💅とバーテンダーぴを取り合う話。ネイPシーン多めかつ、飯Pエンド予定です。03話にしてやっと煙り、飯Pの距離が少し縮まりました。店員と客だからなかなか詰まらないね……
【飯PネイP】煙るバーカウンターにて/03ブルームーン 火曜の繁華街は、週末に比べるといくらか落ち着いていた。古びたビルの周りにも、そう酩酊している人はいない。夜の街に生きる人々が足取り軽やかに行き交い、曜日の感覚の薄れている学生たちだけが、酔いのまわった陽気さで語り合っている。
足音の響く薄暗い階段を上がり、四階にある『Veil』の扉を開けると、前回と違いマスターが不在だった。
「いらっしゃいませ、どうぞ」
ピッコロさんは相変わらず微笑みもしないが、僕が二度座ったカウンターの席を手で示してくれる。覚えてもらえていたということが、浮き足立つように嬉しい。
「何になさいますか」
「僕、本当にお酒よく知らなくて……ピッコロさんの好きなカクテル、作ってもらえますか?」
3991足音の響く薄暗い階段を上がり、四階にある『Veil』の扉を開けると、前回と違いマスターが不在だった。
「いらっしゃいませ、どうぞ」
ピッコロさんは相変わらず微笑みもしないが、僕が二度座ったカウンターの席を手で示してくれる。覚えてもらえていたということが、浮き足立つように嬉しい。
「何になさいますか」
「僕、本当にお酒よく知らなくて……ピッコロさんの好きなカクテル、作ってもらえますか?」
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DONEマスター💅と客🍚がバーテンダーぴを取り合う連載です。が、ギスギスはない予定です。ネイPシーン多めに書くつもりだけど、最終的に飯Pに帰結するはずなので繊細なネイP派の方は避けてね。
【飯PネイP】煙るバーカウンターにて/02アフターエイト 賑やかな表通りから入り込んだ裏通りは、まだ木曜日なのに週末のような様相だった。既に酩酊している集団、あきらかに夜の仕事のきらびやかな男女、電話へ向かって頭を下げる人、缶のお酒を片手に談笑する若者たち……飲食店の照明と看板の灯り、ビルの壁に飾られたネオンが煌々とそれらを照らし出している。
そのビルは比較的古びていて、入口のテナントサインにも抜けている部分が何ヵ所かあった。二階は、20時には閉店の洋食屋とカレー屋、三階は数軒の居酒屋、そして四階に、半月前に訪ねたバー『Veil』がある。
「こんばんは……」
窓つきの扉をゆっくり開くと、店内にはマスターだけがいた。
「おや、少し前に……研究の話を聞かせて下さった……」
3429そのビルは比較的古びていて、入口のテナントサインにも抜けている部分が何ヵ所かあった。二階は、20時には閉店の洋食屋とカレー屋、三階は数軒の居酒屋、そして四階に、半月前に訪ねたバー『Veil』がある。
「こんばんは……」
窓つきの扉をゆっくり開くと、店内にはマスターだけがいた。
「おや、少し前に……研究の話を聞かせて下さった……」
summeralley
DONEマスター💅、バーテンダーぴ、客🍚がじわじわと距離を詰め三角関係に陥る予定の連載です。が、見てて辛いギスギスはないです。ネイPシーン多めに書くつもりだけど、最終的に飯Pに帰結するはずなので繊細なネイP派の方は避けてね。
【飯PネイP】煙るバーカウンターにて/01ウォッカトニック 大人になるにつれ飲酒の場面が増えるとは、大学でもさんざんに聞かされた。自分の飲める量を把握しておかないと、痛い目に遭うと。
ところが実際は、把握していようがいまいが、飲まなければいけない場面は出てくる。今がまさにそうだ。お世話になっている教授に「もう一軒」と言われれば、上手く断る術をまだ僕は知らなかった。
賑やかな飲食店の並ぶ表通りから、少し入り込んだ裏通りは雑多な印象だった。車止めに座り込んで話し込んでいるのは、学生だろうか? ビルとビルの間には不穏な暗闇が蹲り、通りに輝くネオンのせいで余計にその陰を濃くしていた。
教授がビルの階段を上がって行くので、僕もついて行く。もう大人だが、夜の街には慣れていない。こういうビルには、何か悪いものが潜んでいそうで、一人では絶対に踏み入らなかっただろう。
4010ところが実際は、把握していようがいまいが、飲まなければいけない場面は出てくる。今がまさにそうだ。お世話になっている教授に「もう一軒」と言われれば、上手く断る術をまだ僕は知らなかった。
賑やかな飲食店の並ぶ表通りから、少し入り込んだ裏通りは雑多な印象だった。車止めに座り込んで話し込んでいるのは、学生だろうか? ビルとビルの間には不穏な暗闇が蹲り、通りに輝くネオンのせいで余計にその陰を濃くしていた。
教授がビルの階段を上がって行くので、僕もついて行く。もう大人だが、夜の街には慣れていない。こういうビルには、何か悪いものが潜んでいそうで、一人では絶対に踏み入らなかっただろう。