初春おもち
DONE灰七ワンウィークお題。夜/半分/夏。より、お題、全部盛り。#灰七ワンウィーク企画
私の半身目に痛い夏の日差しが通り過ぎて、秋の気配が漂うようになってくる夏の夜。
もう0時を回ったというのに、東京の街の灯りは神々しく、とても強い。そして、その光が強い程、闇も濃くなる。そんな欲望渦巻く東京には呪霊が湧きやすい。けれど、今、そんな七海は日常から離れて、ホッと息をつき、東京の街の夜空を見上げている。
この季節になると、2006年の夏の夜の事を思い出す。高専一年の七海がまだ若かった頃、灰原と夜中に寮を抜け出して、高専裏手の山に行った時の事を。
七海はグラスの酒を煽ると、「ふぅ」と息をつく。ガラス張りの机の上には、灰原と七海が仲良く写っているⅬ判写真が、透明なガラスケースに入れられて飾られている。
「灰原、私の半身」
4281もう0時を回ったというのに、東京の街の灯りは神々しく、とても強い。そして、その光が強い程、闇も濃くなる。そんな欲望渦巻く東京には呪霊が湧きやすい。けれど、今、そんな七海は日常から離れて、ホッと息をつき、東京の街の夜空を見上げている。
この季節になると、2006年の夏の夜の事を思い出す。高専一年の七海がまだ若かった頃、灰原と夜中に寮を抜け出して、高専裏手の山に行った時の事を。
七海はグラスの酒を煽ると、「ふぅ」と息をつく。ガラス張りの机の上には、灰原と七海が仲良く写っているⅬ判写真が、透明なガラスケースに入れられて飾られている。
「灰原、私の半身」
初春おもち
MEMO五夏前提の灰七です。私が書いた全年齢五夏小説「かわたれ」の五夏が前提にあります。そして、産土神が現れる場所や形態、灰原の術式・呪解という世界観は、私の書いた「恋とは突然始まるもの」を踏襲しています。
悟の母親を捏造。母親の術式も捏造しています。一応、悟の母親の術式について、具体的に決めているのですが「かわたれ」の続きを書くかもしれないので、現時点では抽象的にして伏せてます。試し読み感覚でどうぞ。
灰七タイムリープポクポクポクポク。木魚を叩く音が聞こえる。目の前の大きな写真は、人懐っこく笑った、灰原。
「それではみなさま、出棺の時間でございます」
灰原の親族が泣いている。喪服の人々が、立ち上がった。五条さんも、も、家入さんも、軒並み高専関係者は出席している。
夏油さんはいない。
呪詛師になったから。
灰原が棺の中、綺麗に花を添えられて眠っている。さっき、最後のお別れをしたのだった。灰原に百合の花を添えて。けれど、七海は灰原の痛ましい顔を見る事ができなかった。
「ほら、七海、いくぞ」
そう五条さんに促されて、外に出る。この葬儀場から、灰原は火葬場へと向かう。
寮の部屋に帰る。七海1人だけ生きて帰ってきて。頭を抱える。最後の灰原の言葉が忘れられない。
10595「それではみなさま、出棺の時間でございます」
灰原の親族が泣いている。喪服の人々が、立ち上がった。五条さんも、も、家入さんも、軒並み高専関係者は出席している。
夏油さんはいない。
呪詛師になったから。
灰原が棺の中、綺麗に花を添えられて眠っている。さっき、最後のお別れをしたのだった。灰原に百合の花を添えて。けれど、七海は灰原の痛ましい顔を見る事ができなかった。
「ほら、七海、いくぞ」
そう五条さんに促されて、外に出る。この葬儀場から、灰原は火葬場へと向かう。
寮の部屋に帰る。七海1人だけ生きて帰ってきて。頭を抱える。最後の灰原の言葉が忘れられない。
Haniwa
DONE✨🥖🕺「はいよろこんで」🕺🍙✨YT: https://www.youtube.com/watch?v=1K3WDpgbKsI
TWT: https://x.com/HaniwaBun/status/1825095474044629069
uto_aa_saiga
PROGRESSpixivでシリーズしているIF過呪怨霊灰原です。色々設定に捏造がありますのでご注意下さい。
シリーズ一作目:https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15284287
注意書き
今回ちょっとダーク寄りになります。
下衆でクズなモブが出てきます。
灰七糖分控えめだけど濃度は高いみたいな。
過呪怨霊全開灰原と呪詛師寄りっぽい七海をお届けします。 12695
鳥獣ギガ
DOODLEド●キ灰七 かき氷最後の一口食べきる直前(口に入れてから)一口づつでも味交換しとけばよかったなと気付いて口移しで交換して青と赤混ざって二人の舌が紫になってしまって先輩ズに『あ…こいつらキスしたな』ってバレバレであれみみも
DONE2024七誕4コマ漫画(5コマ)。Xにそのまま載せるとオチ的な部分がサムネになってしまうのでポイピクの方に載せてみました。灰七(ド健全)だと言い張る。意味が分からない貴方はそのままの清らかな貴方でいてください。 2nononoko1996666
MOURNING空港での2人。七海と灰原は、ずっと一緒にいてほしいです。
エンドロールの後は「ねぇ、これからどこに行こうか?」
場違いな程の、明るく凛とした声。
灰原の声だけが響き渡り、私と彼以外、この場所には誰もいなかった。
「灰原?…何を言って」
「ここってさ、まあ空港だから遊ぶ場所はないんだけどね!」
あはは、と乾いた笑顔を浮かべる灰原の顔を、私は直視出来ずに、唾を飲み込んで自分の感情を誤魔化した。
彼の後ろには、大きな白い扉がただ一つ立っているだけ。その頭上には電光掲示板が不自然に掲げられ、彼の名が映し出され、チカチカと光っている。
灰原はその扉のドアノブに触れる事はなく、こちらに腕をぐっと伸ばし、掌を上に向けていた。
まるで、手を繋いでほしいとでも言うような仕草で。
「私は…」
貴方と、同じ場所へは行けない。
1982場違いな程の、明るく凛とした声。
灰原の声だけが響き渡り、私と彼以外、この場所には誰もいなかった。
「灰原?…何を言って」
「ここってさ、まあ空港だから遊ぶ場所はないんだけどね!」
あはは、と乾いた笑顔を浮かべる灰原の顔を、私は直視出来ずに、唾を飲み込んで自分の感情を誤魔化した。
彼の後ろには、大きな白い扉がただ一つ立っているだけ。その頭上には電光掲示板が不自然に掲げられ、彼の名が映し出され、チカチカと光っている。
灰原はその扉のドアノブに触れる事はなく、こちらに腕をぐっと伸ばし、掌を上に向けていた。
まるで、手を繋いでほしいとでも言うような仕草で。
「私は…」
貴方と、同じ場所へは行けない。
uto_aa_saiga
PROGRESSお祭りありがとうございます!!未完品でお目汚し失礼します。灰七と言い張る系の灰七です。
後半部の繋がりおかしいとかフラグ管理失敗とかほぼト書きとかそいういう低鱈苦です。
平行世界交差IF
灰七感低め、無糖、ブロマンス感強し
以下注意点
・夏油離反なし、五条離反(not呪詛師)
・七海死亡シーンあり
・灰原に対してのみ七海が丁寧語じゃない
きっと一生忘れない「灰原、誰か…いや、五条さんへ連絡を!」
山の傾斜の中、道の無い木々の間を逃げながら、一瞬思案した七海が灰原に向かって指示を出す。
「わかった!」
夏油さんは今日は任務が入っていると言っていたが、五条さんは久しぶりに休みだと言っていた気がする。確かに七海の言うとおり、助けを求めるならすぐに動ける可能性のある五条さんへ連絡してみる方がいいだろう。
灰原はそう七海の言葉から察して携帯を操作する。
アンテナはかろうじて圏外にはなっていないが一本しか立っていない。さもありなん。近くの集落だった場所は人は居らず、その隣の集落とて人は減る一方だという話だった。
山自体は季節によっては山の幸を穫りに人が入る事はあるという。そうやって入山した人間が無惨な姿で見つかる事件が起こり、窓が残穢を観測して呪霊の仕業と発覚した。
33139山の傾斜の中、道の無い木々の間を逃げながら、一瞬思案した七海が灰原に向かって指示を出す。
「わかった!」
夏油さんは今日は任務が入っていると言っていたが、五条さんは久しぶりに休みだと言っていた気がする。確かに七海の言うとおり、助けを求めるならすぐに動ける可能性のある五条さんへ連絡してみる方がいいだろう。
灰原はそう七海の言葉から察して携帯を操作する。
アンテナはかろうじて圏外にはなっていないが一本しか立っていない。さもありなん。近くの集落だった場所は人は居らず、その隣の集落とて人は減る一方だという話だった。
山自体は季節によっては山の幸を穫りに人が入る事はあるという。そうやって入山した人間が無惨な姿で見つかる事件が起こり、窓が残穢を観測して呪霊の仕業と発覚した。
umeboshi_juju
DONEカルピスソーダのペットボトルの文言に萌え散らかした結果のやつ。pixivにも同じ小説があります。毒を食らわば皿まで「振ってはいけませんよ」
七海が僕に炭酸飲料をくれる時によく言う言葉だ。僕は炭酸飲料(特にコーラ)が好きでよく飲む。それを見ているからか、七海は僕が落ち込んでいる時には寄り添うように、嬉しいことがあった時はともに喜んで僕に炭酸飲料を買ってくれることがあるのだ。
僕は炭酸が喉を通り抜けるあのシュワシュワとした感じが好きだから、むやみに振って炭酸が抜けるようなことはしない。それでも七海は言ってくる。
「振っては」「いけませんよ?」
ある日僕は七海の言葉に被せるように言ってみたんだ。だって僕は七海の前で一度たりとも炭酸飲料を振ったことがないのに、いつも言うから不思議で仕方がなくて。
「っ……」
そうしたら七海は言葉を詰まらせて、そのまま動かなくなってしまった。
4096七海が僕に炭酸飲料をくれる時によく言う言葉だ。僕は炭酸飲料(特にコーラ)が好きでよく飲む。それを見ているからか、七海は僕が落ち込んでいる時には寄り添うように、嬉しいことがあった時はともに喜んで僕に炭酸飲料を買ってくれることがあるのだ。
僕は炭酸が喉を通り抜けるあのシュワシュワとした感じが好きだから、むやみに振って炭酸が抜けるようなことはしない。それでも七海は言ってくる。
「振っては」「いけませんよ?」
ある日僕は七海の言葉に被せるように言ってみたんだ。だって僕は七海の前で一度たりとも炭酸飲料を振ったことがないのに、いつも言うから不思議で仕方がなくて。
「っ……」
そうしたら七海は言葉を詰まらせて、そのまま動かなくなってしまった。
umeboshi_juju
DONE1/17はおむすびの日だということで短いお話を書きました。pixivにあげてあるものと同じお話です。
おにぎりと、ある二人の物語自分にとっては重めの任務でくたくたになって寮に戻った深夜一時。七海は猛烈に腹を空かせていた。もう麓のコンビニまで行く気力などない。しかしこの空腹を抱えて朝まで過ごせるだろうか。明日は座学があるからそれに備えてさっさと風呂を済ませて休みたいのに寝られるだろうか。
ぐぅ……。
悲しげに七海の胃は空っぽであることを主張する。買い置きのカップラーメンは先日灰原との試験勉強の折に消費してしまった。もしかしたら夕飯の残りが食堂に……ある訳ないか。
ぐるぐると考えているうちに気づけば七海は食堂に居た。何もないのはわかっている。それでももしかしたら……。疲れ切った頭はうまく回らないが一縷の望みを掛けて食堂の電気をつける。
2774ぐぅ……。
悲しげに七海の胃は空っぽであることを主張する。買い置きのカップラーメンは先日灰原との試験勉強の折に消費してしまった。もしかしたら夕飯の残りが食堂に……ある訳ないか。
ぐるぐると考えているうちに気づけば七海は食堂に居た。何もないのはわかっている。それでももしかしたら……。疲れ切った頭はうまく回らないが一縷の望みを掛けて食堂の電気をつける。
umeboshi_juju
DOODLEまた謎シチュ空間を生み出してしまった…。そして塗り残しがある。。。いい竿の日が悪い…。うそ、準備不足の自分が悪い。
本当は小話(文字の方)も描きたかったんだけど時間切れです。
ちょっとだけえっち。
uto_aa_saiga
PROGRESS灰七 転生パロ 灰も七も女性交際経験あり 現在はフリー進捗…っていうかまあ、最後まで書けたらいいねーくらいに。
webオンリーに進捗だそうとして忘れてたヤツですね。
約束の涯て(仮 七海建人は、前世というものがある。思い出したのは高校入学の頃である。
高校は地元、そこそこ田舎の田んぼの中ののどかな校風であった。そこそこ田舎なだけあって外見の上からの隔意は少々あったがそれも人によるという程度であからさまな陰湿ないじめなどには遭ったことはない。とにかく長閑だ。
どのくらいかと言えば、だだっ広がる田んぼの中に学校があるのだ。
あの山の中とどっちがいいんだろうかと、具体的に何かと比較した事に気づいて、疑問を抱いた。明確な比較対象の山中の学校なぞ行った事実はなかったからだ。
そこをきっかけにしてどんどん手繰られる記憶に驚いた。自分の生まれる前の自分の記憶によれば、我ながらなかなかハード且つ重い人生を送ったらしい。
4929高校は地元、そこそこ田舎の田んぼの中ののどかな校風であった。そこそこ田舎なだけあって外見の上からの隔意は少々あったがそれも人によるという程度であからさまな陰湿ないじめなどには遭ったことはない。とにかく長閑だ。
どのくらいかと言えば、だだっ広がる田んぼの中に学校があるのだ。
あの山の中とどっちがいいんだろうかと、具体的に何かと比較した事に気づいて、疑問を抱いた。明確な比較対象の山中の学校なぞ行った事実はなかったからだ。
そこをきっかけにしてどんどん手繰られる記憶に驚いた。自分の生まれる前の自分の記憶によれば、我ながらなかなかハード且つ重い人生を送ったらしい。
nononoko1996666
TRAINING呪詛師灰原③(①から同じ設定)。灰原くん、生きてたら虎杖くんと絶対仲良くなるでしょ……泣。
寝不足七海。(七海視点)。
ほんわか?を目指しました。
幕間このところずっと眠りが浅く、夜中に何度も目覚めてしまう。その原因を自分なりに痛いほど理解していた。
つい先日、呪詛師となった灰原と会ったからだ。
共に食事をし、大きな口を開けて笑う灰原は昔の面影とまったく変わらない、それがただ悲しかった。
ふと枕元のスマートフォンがチカチカと光り、何気なく触ると、知らない番号からショートメールが届いており、指が止まる。
『七海、虎杖くん動かないんだけど、どうしよ?
とりあえず、ここに来て』
「……………は?」
メッセージにはその文書と、東京駅近くのホテルの住所だけが記述されていた。
✳✳✳
「七海ごめんねー、こんな夜中に来てもらって」
「灰原っ、…虎杖くんは…どこです?貴方まさか…」
2060つい先日、呪詛師となった灰原と会ったからだ。
共に食事をし、大きな口を開けて笑う灰原は昔の面影とまったく変わらない、それがただ悲しかった。
ふと枕元のスマートフォンがチカチカと光り、何気なく触ると、知らない番号からショートメールが届いており、指が止まる。
『七海、虎杖くん動かないんだけど、どうしよ?
とりあえず、ここに来て』
「……………は?」
メッセージにはその文書と、東京駅近くのホテルの住所だけが記述されていた。
✳✳✳
「七海ごめんねー、こんな夜中に来てもらって」
「灰原っ、…虎杖くんは…どこです?貴方まさか…」
nononoko1996666
MAIKING呪詛師灰原(狂っても明るい灰原くん!)。例の件で生き残ったけど、その後、妹とかを上層部に利用されて殺されて狂って夏油さん側についた灰原。な設定(最低)。
七海とは友情以上恋愛未満な(?)関係。
美しい世界(仮)「あ!七海ー、久しぶりだね」
目の前に現れた彼は、屈託なく笑っていた。その顔が昔と変わらず幼いままで、私は白昼夢でも見ているかのような、現実との区別が追いつかず、目眩を起こしそうだった。
「…灰原」
手が震えるのを必死で隠し、背中にある鉈をいつでも出せるように腕を回す。
そしてひと呼吸し、頭を落ち着かせながら、辺りを注意深く観察する。
駅前のこの場所は金曜日の夜という事もあり、多くの人々で賑わっている。夏油さんや他の呪詛師の気配も感じない。
周りの声が雑音に聞こえはじめ、灰原が口を動かすのを待つしかなかった。
そんな私の様子を気にすら留めず、灰原は明るい笑顔のままはっきりと応えた。
「今日はたまたま買い物に来てたんだけど?…そんな怖い顔しないでよ」
2685目の前に現れた彼は、屈託なく笑っていた。その顔が昔と変わらず幼いままで、私は白昼夢でも見ているかのような、現実との区別が追いつかず、目眩を起こしそうだった。
「…灰原」
手が震えるのを必死で隠し、背中にある鉈をいつでも出せるように腕を回す。
そしてひと呼吸し、頭を落ち着かせながら、辺りを注意深く観察する。
駅前のこの場所は金曜日の夜という事もあり、多くの人々で賑わっている。夏油さんや他の呪詛師の気配も感じない。
周りの声が雑音に聞こえはじめ、灰原が口を動かすのを待つしかなかった。
そんな私の様子を気にすら留めず、灰原は明るい笑顔のままはっきりと応えた。
「今日はたまたま買い物に来てたんだけど?…そんな怖い顔しないでよ」
nononoko1996666
MOURNING(色々あって夏油さんに生き返らせてもらった。けど容姿は17歳のまま←人を油断させる為)呪詛師灰原✕(色々あってやっぱり戻ってきた27歳)呪術師七海明るい灰原くんはいません。書きたいとこだけ!
幕が下がるぐちゃり、と腐った肉が裂ける音がした。
自らがふるった刃先にも、同じく酷い色をした液体がこびりついている。
「…はぁ」
今日何度目かも分からない、溜息を付いてばかりの七海は、いい加減参っていた。
呪霊の強度は2級ぐらいのものだったが、数が多くて仕方ない。祓っても祓っても、どこからか湧き出たのか次々と七海に向かってくる。
昼食後からの急な依頼で、時刻はもう19時を回っており、とっくに労働時間外である。
駅前から一歩路地に入ったこの場所は、昼でも日が当たる事はない店が集まり、まるで時代遅れの繁華街といった所だ。
「…もう、こいつで終わりでしょう」
最後の一体を祓う。
するとその呪霊から血のように流れる黒い液体は、まるでマグマのようにゆっくりと、近くの廃墟のホテルへと戻るように入っていく。
1981自らがふるった刃先にも、同じく酷い色をした液体がこびりついている。
「…はぁ」
今日何度目かも分からない、溜息を付いてばかりの七海は、いい加減参っていた。
呪霊の強度は2級ぐらいのものだったが、数が多くて仕方ない。祓っても祓っても、どこからか湧き出たのか次々と七海に向かってくる。
昼食後からの急な依頼で、時刻はもう19時を回っており、とっくに労働時間外である。
駅前から一歩路地に入ったこの場所は、昼でも日が当たる事はない店が集まり、まるで時代遅れの繁華街といった所だ。
「…もう、こいつで終わりでしょう」
最後の一体を祓う。
するとその呪霊から血のように流れる黒い液体は、まるでマグマのようにゆっくりと、近くの廃墟のホテルへと戻るように入っていく。
初春おもち
MEMO灰七転生ifと言っていいかもわからない、強引な転生if。メモ。お焚き上げ。僕らは何度だって恋をする(草案)灰原が死んで、あまりの辛さに七海が一時的に入院してる時に、看護師を目指す為に病院に見学に来ていた灰原と同姓同名の瓜二つの灰原雄と出会う。話すも、七海の事は覚えていない。けれど、高専がかつて、希望者に降霊術で反魂を行う事があるという事を知っていたので、家族に問い合わせると、家族が呪術高専に頼んで降霊術によって特別な仮死状態の身体に灰原の魂を移して、灰原は第二の人生を呪術とは無縁の世界で生きているのだという。それをれ知った七海は心を掻き乱される。灰原は七海の記憶を失っている。けれど、七海の事を思い出して欲しいとも思う。けれど、呪術時代の頃は思い出す事が不可な縛りによって降霊術が成功していると家族から聞かされ、それは不可能。もう七海とは関わりたくない。離れて欲しいと家族には言われるけれど、七海は呪術師である事を隠して、灰原に近づき、少しでも一緒にいたくて友達になり、距離が近過ぎて戸惑う灰原に思わずキスしたりして、灰原を戸惑わせ、けれど、離れられず、そんな七海に灰原も惹かれるようになり、また2人は恋に落ちる。恋人として過ごすも、渋谷事変以降、灰原は七海が突然いなくなって動揺する。七海が死んだ後、家族がまた呪術高専の降霊術によって魂をまた特別に呪術高専が用意した仮死状態の身体に受肉させ、魂の形に引っ張られて姿形は同じ七海になる。けれど、その時はもう灰原とは会えないし、灰原の事は忘れている。だから、渋谷事変の前に万が一を考えて、灰原に自分の事を好きにさせておいて、突然いなくなる事を許して欲しいとだけ手紙に書いて、灰原が訪ねてきたら、渡して欲しいと母親にことづける。それは呪術の事を知らない、思い出してはいけない灰原にくわしくは話せないから簡素。仕方がないが、その手紙で納得する灰原ではない。七海を探す灰原。家族に聞いて、居場所を教えて貰って、パン屋で働く七海に出会い、初めましてだね。と、何度でも僕らは恋に落ちるみたいな少し切なくも強引な話。転生if? 2人とも呪術時代の頃は死んで降霊させられた後は忘れているので、出会うたび初対面だけど、惹かれるという設定。
886初春おもち
MOURNING灰七掌編小説です。試しに投稿してみます。お手て繋いで 二〇〇六年。任務を済ませたある夏の日の午後の事だった。蝉時雨の中、鳥居のある階段をのぼって高専に帰る道すがら、灰原が右手がむずむずすると言い出したのだ。ナタの入った黒い袋を右肩に担ぎ上げた七海が、灰原の拳を触る。
「呪霊にでもやられたのでしょうか。家入さんに診てもらいましょうか?」
そう言うのに、灰原は顔を赤くして、ただ。
「手のひらがむずむずする」
とだけ言う。グーにしている灰原の右手を開かせると、灰原の手のひらはしっとりと濡れて汗ばんでいる。
「たぶん、このむずむずは家入さんでは治せないと思う」
そう罰が悪そうに言う灰原に。
「じゃ、どうやって治せばいいんですか?」
と七海が不思議がる。
「それは僕の好きな人が手を握ってくれたら、治るんじゃないかな」
1517「呪霊にでもやられたのでしょうか。家入さんに診てもらいましょうか?」
そう言うのに、灰原は顔を赤くして、ただ。
「手のひらがむずむずする」
とだけ言う。グーにしている灰原の右手を開かせると、灰原の手のひらはしっとりと濡れて汗ばんでいる。
「たぶん、このむずむずは家入さんでは治せないと思う」
そう罰が悪そうに言う灰原に。
「じゃ、どうやって治せばいいんですか?」
と七海が不思議がる。
「それは僕の好きな人が手を握ってくれたら、治るんじゃないかな」
lionmaru_dolly
DONE【星空】「灰七webオンリー3」展示作品
〈花は花なれ 人も人なれ3〉の開催おめでとうございます!
12月に発行予定の灰七本(全年齢向け)の前半部分を展示しています。
こちらと後半部分を収録予定です。
(余力があれば別にr18本も作りたいです…余力…)
8/1か8/18を、灰くん誕生日(仮)と捏造して書いてます
パスワードは展示会場のスペース内です 10