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DOODLE炎さんハピバ2023!!!(遅刻)お揃いのマグカップが大きさの違う手にそれぞれ収まってる光景、いいよね…いい…リボン何をどうされたんでしょうね…
リボンの有効活用方法について「エンカク! サルカズは誕生日に年の数だけ角にリボン巻いてお祝いするって本当!?」
「本当なわけがあるか」
色とりどりのリボンを握りしめて帰宅した上司兼同居人兼恋人に、エンカクは重い溜息を吐いた。
「今日はさ、うちのオフィスでクリスマス会やったんだよ。といってもティータイムにプレゼント交換しただけなんだけど。予算だけあらかじめ決めておいてくじ引きを作ってね」
「お前の部署は暇なのか?」
「年末で月末なこの時期が暇なはずないだろう。こんな楽しい催しを企画でもしない限りやってられないんだよ」
私が用意したのはサーミでも人気のハンドクリームで、と聞いてもいないことをべらべら喋るその手には、いまだに色彩豊かなリボンの数々が握られたままである。できるだけそれらを視界に入れぬよう視線をそらしながら、エンカクは電気ポットのスイッチを入れた。
2383「本当なわけがあるか」
色とりどりのリボンを握りしめて帰宅した上司兼同居人兼恋人に、エンカクは重い溜息を吐いた。
「今日はさ、うちのオフィスでクリスマス会やったんだよ。といってもティータイムにプレゼント交換しただけなんだけど。予算だけあらかじめ決めておいてくじ引きを作ってね」
「お前の部署は暇なのか?」
「年末で月末なこの時期が暇なはずないだろう。こんな楽しい催しを企画でもしない限りやってられないんだよ」
私が用意したのはサーミでも人気のハンドクリームで、と聞いてもいないことをべらべら喋るその手には、いまだに色彩豊かなリボンの数々が握られたままである。できるだけそれらを視界に入れぬよう視線をそらしながら、エンカクは電気ポットのスイッチを入れた。
ももた
MOURNINGハッピーバースデーエンカク!という勢いだけで久々に書いた炎博です。誕生日もすっかり過ぎ、久々の創作でうまくまとまりませんでしたが弊社の信頼度那由多の炎さんにプレゼントを贈る弊社博のお話です。 9
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DOODLE炎博、モブ視点でランドリールームネタ。昨晩はシーツと服をどろどろにしたらしいです。博さんは肌弱い人用の洗剤使ってるので炎さんはわざわざそっちで洗ってくれました。優しい。 最初に思ったのは、エンカクさんって意外に高っけぇ洗剤使ってるんだなっていうことだった。
エンカクさんといえばうちの部署ではそれなりに有名人だ。というのもうちは調達部門の中でも施設管理、特に地下菜園関連の物品を取り扱っていて、その業務範囲に療養庭園の荷も含まれるからだ。園芸部にお届け物です、と通達すると大体あの人が取りに来てくれるので、うちの部署では顔を知らないメンバーのほうが少ないだろう。フォルテの同僚でも台車を使うような大型コンテナを軽々と担いで持っていく姿には結構ファンも多い。だって力持ちって無条件にかっこいいだろ? 俺も鍛えてはいるんだけどなかなか筋肉がつかなくって、まあいいんだ俺の愚痴は。そのエンカクさんが、夜中のランドリーにいるところに偶然出くわしたっていう、その話がしたいんだから。
2245エンカクさんといえばうちの部署ではそれなりに有名人だ。というのもうちは調達部門の中でも施設管理、特に地下菜園関連の物品を取り扱っていて、その業務範囲に療養庭園の荷も含まれるからだ。園芸部にお届け物です、と通達すると大体あの人が取りに来てくれるので、うちの部署では顔を知らないメンバーのほうが少ないだろう。フォルテの同僚でも台車を使うような大型コンテナを軽々と担いで持っていく姿には結構ファンも多い。だって力持ちって無条件にかっこいいだろ? 俺も鍛えてはいるんだけどなかなか筋肉がつかなくって、まあいいんだ俺の愚痴は。そのエンカクさんが、夜中のランドリーにいるところに偶然出くわしたっていう、その話がしたいんだから。
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DOODLEおじ炎博、あんまり美味しくなかったのど飴の話。おじ炎さんが考えすぎている。庭園メンバーいつまでも仲良しだととても嬉しい。おじ炎さん一人称にした結果、おじ炎さんの認識がだいぶずれてるのでスズちゃんたちがめちゃ小さかったことになってたり鉱石病があんまり脅威じゃなかったりしてるのに博さんの体調にはすこぶる敏感で、自分で書いてて愛じゃん…て勝手にニコニコしていた。
「だから置いていっていいよって言ったのに」
何のことを言われているのかと尋ねられたところで、俺に返せるのは無言だけである。だが目の前の人間はといえばその無言からですら情報を引き出しあっさりと真相へとたどり着いてしまうほどの脳みその持ち主であるため、つまるところこれはただの意味のない抵抗でしかないのだった。
鉱石病というのはそれなりに厄介な病気で、時間をかけて徐々に内臓の機能を奪っていく。そのスピードや広がりやすい箇所には個人差が大きいとされているが、やはり感染した元凶である部分、俺に取っては左肩から喉元にかけての不調が最近とみに目立つようになってきた。そもそもこんな年齢まで生きるつもりもなかったのだと言えば、目の前の妙なところで繊細な男はわかりやすく気落ちして、挙句の果てに食事量まで減らして回りまわって俺が怒られる羽目になるため口にするつもりはない。たかがサルカズ傭兵というそこらじゅうで使い捨てにされる命ひとつにまで心を割く余裕など持ち合わせてもいないくせに、固く握り込まれるその小さな拳をそこまで悪いものとは思わなくなったのは、まさしく病状の悪化のせいに違いない。決してこの男に感化されたわけではない。決して。
1956何のことを言われているのかと尋ねられたところで、俺に返せるのは無言だけである。だが目の前の人間はといえばその無言からですら情報を引き出しあっさりと真相へとたどり着いてしまうほどの脳みその持ち主であるため、つまるところこれはただの意味のない抵抗でしかないのだった。
鉱石病というのはそれなりに厄介な病気で、時間をかけて徐々に内臓の機能を奪っていく。そのスピードや広がりやすい箇所には個人差が大きいとされているが、やはり感染した元凶である部分、俺に取っては左肩から喉元にかけての不調が最近とみに目立つようになってきた。そもそもこんな年齢まで生きるつもりもなかったのだと言えば、目の前の妙なところで繊細な男はわかりやすく気落ちして、挙句の果てに食事量まで減らして回りまわって俺が怒られる羽目になるため口にするつもりはない。たかがサルカズ傭兵というそこらじゅうで使い捨てにされる命ひとつにまで心を割く余裕など持ち合わせてもいないくせに、固く握り込まれるその小さな拳をそこまで悪いものとは思わなくなったのは、まさしく病状の悪化のせいに違いない。決してこの男に感化されたわけではない。決して。
ももた
TRAINING夏らしくちょっとした怪異に遭うドクターのお話。重岳オニイチャンが出てきます。エンカクは名前以外全く出てこないけど炎博のお話です。
うちのドクターは怪異に遭いやすそうだなと思って書いたのですが何分怖い話が苦手なのでそんなに怖くない話になりました。 8
ももた
TRAINING作戦以外の仕事を任されるエンカクとその報告を聞くドクターの短いお話です。気持ちは炎博です。
とある方のツイートを見て、そういう可能性を秘めた男エンカク…と思って書いてしまった次第です。 6
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DOODLEおじ炎博、二人でウェディングケーキ(の一部)を食べる話。この炎博は結婚済みです。なお残りのケーキのほとんどは炎さんが食べたそうです。
ノア休開催おめでとうございますイエアーーーーーー!!!!!「これ、どうやったらバレずに済むかなぁ」
そびえたつ巨大なケーキの前を見上げながら、ドクターは呆然と呟いた。
「何がバレるまずいんだ?」
「ぎゃー! もう帰ってきちゃったの!?」
「直帰すると伝えておいたはずだが」
背から刀を下ろしもしないまま、長身のサルカズはじろりとドクターを見下ろした。その眼差しに射すくめられたドクターは何とか必死に逃げ道を探そうとしたが、そもそも背後の巨大ケーキを隠せていないので、最初からドクターの負けではあったのである。
「言い訳は聞いてやる」
「えーとね、はい、確認を怠った私のミスでございます……」
かいつまんで説明すると、とある案件でドクターが少しだけ手を貸した相手が炎国内でもそこそこ名の知れた洋菓子チェーンを展開しており、是非ともお礼にと言われたしつこ、もとい熱心な申し出を断り切れなかったことに端を発する。会議の合間の雑談で結婚記念日が近いのだとぽろっともらしてしまったのも悪かった。ロドスに帰還してバタバタと溜まっていた業務を片付けながらすっかりそのことを忘れていたドクターの元に届いたのは巨大なウェディングケーキで、しかもよくある一部分だけが食べられるように出来ていて大部分が模型という代物ではなく、大小重ねられた三段ともがすべて当日中にお召し上がりくださいの立派なケーキであったものだから、さすがのドクターでさえも呆然と立ちすくんでいたというわけである。
3324そびえたつ巨大なケーキの前を見上げながら、ドクターは呆然と呟いた。
「何がバレるまずいんだ?」
「ぎゃー! もう帰ってきちゃったの!?」
「直帰すると伝えておいたはずだが」
背から刀を下ろしもしないまま、長身のサルカズはじろりとドクターを見下ろした。その眼差しに射すくめられたドクターは何とか必死に逃げ道を探そうとしたが、そもそも背後の巨大ケーキを隠せていないので、最初からドクターの負けではあったのである。
「言い訳は聞いてやる」
「えーとね、はい、確認を怠った私のミスでございます……」
かいつまんで説明すると、とある案件でドクターが少しだけ手を貸した相手が炎国内でもそこそこ名の知れた洋菓子チェーンを展開しており、是非ともお礼にと言われたしつこ、もとい熱心な申し出を断り切れなかったことに端を発する。会議の合間の雑談で結婚記念日が近いのだとぽろっともらしてしまったのも悪かった。ロドスに帰還してバタバタと溜まっていた業務を片付けながらすっかりそのことを忘れていたドクターの元に届いたのは巨大なウェディングケーキで、しかもよくある一部分だけが食べられるように出来ていて大部分が模型という代物ではなく、大小重ねられた三段ともがすべて当日中にお召し上がりくださいの立派なケーキであったものだから、さすがのドクターでさえも呆然と立ちすくんでいたというわけである。
ginzi_O5
DONE博の死後、皆を守りたいという念が歪んで地縛霊になった博の元に転生した炎が迎えに来る話※某S⊂P報告書風
Object No:4318
class:None
収容手順:No-4318と当該オブジェクトの出現範囲である金属製構造物群(No-4318-A)を含む周囲1kmは高さ4mのフェンスで封鎖し、「文化遺跡保護」の名目で一般人の立ち入りを制限してください。警備員を配置しNo-4318及び収容区域周辺を常に監視してください。
補遺:インシデント-4318-1によって当該オブジェクトは非異常化及び消滅し、収容の必要性は無くなりました。
内容:No-4318はレベル4霊的異常存在です。体長はおよそ170cm前後と見られ、非常に解像度の低い破損した黒色の電子画像の靄のような外見です。画像データが破損した際に見られるような多色光が常にモザイク状に発生しているため対象の正確な観察は困難です。オブジェクトに対し物理的な接触を行う事は不可能ですが、No-4318は何らかの手段で干渉を行うことが出来ます。
5176class:None
収容手順:No-4318と当該オブジェクトの出現範囲である金属製構造物群(No-4318-A)を含む周囲1kmは高さ4mのフェンスで封鎖し、「文化遺跡保護」の名目で一般人の立ち入りを制限してください。警備員を配置しNo-4318及び収容区域周辺を常に監視してください。
補遺:インシデント-4318-1によって当該オブジェクトは非異常化及び消滅し、収容の必要性は無くなりました。
内容:No-4318はレベル4霊的異常存在です。体長はおよそ170cm前後と見られ、非常に解像度の低い破損した黒色の電子画像の靄のような外見です。画像データが破損した際に見られるような多色光が常にモザイク状に発生しているため対象の正確な観察は困難です。オブジェクトに対し物理的な接触を行う事は不可能ですが、No-4318は何らかの手段で干渉を行うことが出来ます。
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DOODLE深夜にインスタントラーメンを食べる炎博(事後)の話#炎博とごはん 企画に参加させていただきました!
背徳の味「美味しそうなにおいがする」
むくりとシーツから身を起こした視線の先、ドクターは珍しくバツの悪そうな顔をしたエンカクとばっちり目が合ってしまったのだった。
ドクターの私室から調理用コンロを発掘したのはエンカクだった。発見の間違いではない、文字通りの発掘である。というのもドクターの私室はエンカクが足を踏み入れることを許された当初、床すら見えないほどの大量の本で埋め尽くされており、その整理に手を付けたのは部屋の持ち主本人ではなくエンカクだったからである。
「どこまで読んだ」
「七分の、いや六分の一くらい、かな……?」
「その中で有用なメモや書き込みがあったものは」
「特に見当たらなかった。私はそういうの残すタイプじゃなかったみたい」
2075むくりとシーツから身を起こした視線の先、ドクターは珍しくバツの悪そうな顔をしたエンカクとばっちり目が合ってしまったのだった。
ドクターの私室から調理用コンロを発掘したのはエンカクだった。発見の間違いではない、文字通りの発掘である。というのもドクターの私室はエンカクが足を踏み入れることを許された当初、床すら見えないほどの大量の本で埋め尽くされており、その整理に手を付けたのは部屋の持ち主本人ではなくエンカクだったからである。
「どこまで読んだ」
「七分の、いや六分の一くらい、かな……?」
「その中で有用なメモや書き込みがあったものは」
「特に見当たらなかった。私はそういうの残すタイプじゃなかったみたい」
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DOODLE博が炎さんのぶかぶかTシャツの下にえっちな下着はいてて炎さんがびっくりした話Secret 確かに合鍵は渡してある。用事が長引きそうだから先に部屋で待っていろとも告げた。だがここまでくつろぎすぎた恰好で出迎えられるといっそ腹立たしささえ湧き上がってきてしまうのは人間として間違っていることだろうかと、エンカクは自室のベッドの上に寝そべったままの上司の姿にギリリと奥歯を噛み締めた。
外勤がメインの自分とロドスにおける三トップの一人という男の立場では、そう頻繁に休みが一致することはない。現に目的地の天候不順さえなければエンカクは先週にはロドスに帰還できていたはずであるし、本日はとっくに別の任務へと出立している予定だった。そのため不意に転がり込んできた休暇を正直持て余してしまっていたのは事実である。そんな時に上司であり不本意ながら恋人であるという間柄の男から『部屋へ行ってもいいか』と簡潔すぎるテキストを受け取っても、返事などひとつに決まっていたのだった。
3315外勤がメインの自分とロドスにおける三トップの一人という男の立場では、そう頻繁に休みが一致することはない。現に目的地の天候不順さえなければエンカクは先週にはロドスに帰還できていたはずであるし、本日はとっくに別の任務へと出立している予定だった。そのため不意に転がり込んできた休暇を正直持て余してしまっていたのは事実である。そんな時に上司であり不本意ながら恋人であるという間柄の男から『部屋へ行ってもいいか』と簡潔すぎるテキストを受け取っても、返事などひとつに決まっていたのだった。
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DOODLE炎さんrdsに来ていっぱいご飯食べれるようになって筋肉育ってたらいいなっていう話。すくすく元気 うーん、と何やら書類とこちらを何度も視線を往復させた後、男はフード頭をかしげてひとこと言った。
「君、ひょっとして育った?」
「は?」
「これさ、君の入職時の証明写真なんだけど」
「おい何故そんなものを持っている」
「人事は私の管轄だもの。で、やっぱり育ってない? 筋肉」
職権濫用も甚だしいが、この男については言うだけ無駄だろう。記憶喪失だと言い張るわりに妙に法の穴のすり抜け方に詳しい男は、指先だけでこちらを呼んだが、エンカクは当然のように無視した。だがその程度でめげることはない男は、どうやらエンカクが写っているらしい写真を眺めながら、腕の太さがどうの肩がどうのとうんうん唸っている。それがあまりにも面倒になったエンカクは、深いため息をつきながら、投げやりに答えてやった。
1573「君、ひょっとして育った?」
「は?」
「これさ、君の入職時の証明写真なんだけど」
「おい何故そんなものを持っている」
「人事は私の管轄だもの。で、やっぱり育ってない? 筋肉」
職権濫用も甚だしいが、この男については言うだけ無駄だろう。記憶喪失だと言い張るわりに妙に法の穴のすり抜け方に詳しい男は、指先だけでこちらを呼んだが、エンカクは当然のように無視した。だがその程度でめげることはない男は、どうやらエンカクが写っているらしい写真を眺めながら、腕の太さがどうの肩がどうのとうんうん唸っている。それがあまりにも面倒になったエンカクは、深いため息をつきながら、投げやりに答えてやった。
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DOODLE博さんのハピバをするのか否か話題に乗ろうとしたら何か出来た。とはいえお祝いのメインはアミヤちゃんで、しっかり祝われて来いという感じのことを炎さんは言いたかったんだと思います。この炎さん信頼度五億くらいある風の生まれた日のこと「それで、お前の誕生日はいつなんだ」
「私の?」
エンカクの誕生日についてはあれだけぎゃあぎゃあと大騒ぎした癖に、自身について聞かれた途端にきょとんと首をかしげてみせる。てっきりさあ自分の誕生日も、と強請られるものだとばかり思っていたエンカクは肩透かしを食らった気分であったのだが、当の本人はといえば至極どうでも良さそうな顔のまま、あっさりと口を開いた。
「ああ、書類上は確か」
そうして告げられたのは約一か月ほど先の日付だったが、その声にはただの数字を読み上げている以上の感情は乗っておらず、ともすれば敵の残数をカウントしているときのほうがよほど人間味のある声をしているほどだった。
「だってね、私記憶喪失なんだよ……あ、その顔はまだ疑ってるな、本当に何も覚えてないんだってば。だからそんな覚えてもいないものに思い入れを持てと言われてもね」
850「私の?」
エンカクの誕生日についてはあれだけぎゃあぎゃあと大騒ぎした癖に、自身について聞かれた途端にきょとんと首をかしげてみせる。てっきりさあ自分の誕生日も、と強請られるものだとばかり思っていたエンカクは肩透かしを食らった気分であったのだが、当の本人はといえば至極どうでも良さそうな顔のまま、あっさりと口を開いた。
「ああ、書類上は確か」
そうして告げられたのは約一か月ほど先の日付だったが、その声にはただの数字を読み上げている以上の感情は乗っておらず、ともすれば敵の残数をカウントしているときのほうがよほど人間味のある声をしているほどだった。
「だってね、私記憶喪失なんだよ……あ、その顔はまだ疑ってるな、本当に何も覚えてないんだってば。だからそんな覚えてもいないものに思い入れを持てと言われてもね」
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DOODLE炎さんハピバ!!!プレゼント考えておいて「あ、日付変わった。誕生日おめでとう」
「お前はそれが今発言すべき内容だと本気で思っているのか?」
ドクターの乗った車両が襲撃を受けたのは、作戦を無事とは言えずともなんとか終え、臨時に築いた拠点から引き揚げるまさにさなかであった。負傷者を先に帰還させるために大型車両で出発させ、警備が手薄であったところを狙われたのだ。相手は漁夫の利を狙うために敵陣営を見殺しにした地元の武装組織である。というところまでわかっている通り、現在は危機的状況であるとはいえ、おおむねドクターの想定の範囲内のトラブルではあった。かと言って油断が出来るかというと勿論そんなわけではなく、移動都市外縁部スラムの廃墟の一角で、ドクターはPRTSの端末を片手にエンカクと二人きりでクリスマスを迎えているのである。
2295「お前はそれが今発言すべき内容だと本気で思っているのか?」
ドクターの乗った車両が襲撃を受けたのは、作戦を無事とは言えずともなんとか終え、臨時に築いた拠点から引き揚げるまさにさなかであった。負傷者を先に帰還させるために大型車両で出発させ、警備が手薄であったところを狙われたのだ。相手は漁夫の利を狙うために敵陣営を見殺しにした地元の武装組織である。というところまでわかっている通り、現在は危機的状況であるとはいえ、おおむねドクターの想定の範囲内のトラブルではあった。かと言って油断が出来るかというと勿論そんなわけではなく、移動都市外縁部スラムの廃墟の一角で、ドクターはPRTSの端末を片手にエンカクと二人きりでクリスマスを迎えているのである。
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DOODLE転生現パロ記憶あり。博が黒猫で花屋の炎さんに飼われている。博猫さんは毛づくろいが下手すぎてもしゃもしゃにされたのを自力で戻せないので、原因にブラッシングを要求しましたねことのせいかつ いくら朝から店を閉めているとはいえ、生花という生き物相手の職業であるためやらなければならない作業は多い。ましてや今回の臨時休業の理由は台風、取引先各所への連絡から店舗周辺の点検と補強までひと通り終わらせたときには、すでに窓の外にはどんよりとした黒い雲が広がり始めていた。
「ドクター?」
店の奥にある居住スペースの扉を開けても、いつものようにのたのたと走り来る小さな姿はない。しん、とした家の気配に嫌な予感を募らせたエンカクがやや乱暴な足取りでリビングへと駆け込んだとして、一体誰が笑うというのだろう。なにせあのちっぽけな黒猫はその運動神経の悪さに反して脱走だけは得手ときている。植物や薬剤をかじらないだけの聡明さはあるというのに、頑として水仕事で荒れた手のひらで撫でられねば一歩も動かないと主張する小さな生き物に、どれだけエンカクが手を焼いたことか。だがエンカクの心配をよそに、雨戸を閉めた仄暗い部屋の中で黒猫はあっさりと見つかった。キッチンの出窓、はめ殺しの小さな窓には雨戸もカーテンもないため、今にも落ちてきそうなほどの暗雲がよく見て取れた。自身が抱いているものを安堵とは決して認めないものの、やや歩調を緩めたエンカクは窓の外をじっと見つめたまま動かない黒猫の背にそっと立つ。
1015「ドクター?」
店の奥にある居住スペースの扉を開けても、いつものようにのたのたと走り来る小さな姿はない。しん、とした家の気配に嫌な予感を募らせたエンカクがやや乱暴な足取りでリビングへと駆け込んだとして、一体誰が笑うというのだろう。なにせあのちっぽけな黒猫はその運動神経の悪さに反して脱走だけは得手ときている。植物や薬剤をかじらないだけの聡明さはあるというのに、頑として水仕事で荒れた手のひらで撫でられねば一歩も動かないと主張する小さな生き物に、どれだけエンカクが手を焼いたことか。だがエンカクの心配をよそに、雨戸を閉めた仄暗い部屋の中で黒猫はあっさりと見つかった。キッチンの出窓、はめ殺しの小さな窓には雨戸もカーテンもないため、今にも落ちてきそうなほどの暗雲がよく見て取れた。自身が抱いているものを安堵とは決して認めないものの、やや歩調を緩めたエンカクは窓の外をじっと見つめたまま動かない黒猫の背にそっと立つ。
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DOODLE博さんのひげ剃りの話。博さんにはちょっとだけまばらに生えててほしい。 身だしなみに最低限以上の興味がない人間の朝など、顔を洗って歯を磨いて、まあそのくらいで完了である。あとは一応、ひげ剃りなど。
「何をって、ひげ剃りだよ。見ればわかるだろう」
確かに彼の使っているような立派なシェーバーではないけれど、私だって一応は成人済みの男性なのでひげを剃る必要がある。エンカクのポカンとした表情は寝起きということを差し引いたとしてもさらに滑稽なほどで、人間とは驚くとここまで表情が抜け落ちるのかと笑ってしまいそうになるほどだった。無論、剃刀を持ったままで大爆笑などしてしまえば怪我の危険性があるため私の腹筋には過度な我慢を強いたが、おかげで午後ちょっと引き攣って痛かった。我が身体のことながらなんて脆弱な腹筋だ。それはともかく。
1587「何をって、ひげ剃りだよ。見ればわかるだろう」
確かに彼の使っているような立派なシェーバーではないけれど、私だって一応は成人済みの男性なのでひげを剃る必要がある。エンカクのポカンとした表情は寝起きということを差し引いたとしてもさらに滑稽なほどで、人間とは驚くとここまで表情が抜け落ちるのかと笑ってしまいそうになるほどだった。無論、剃刀を持ったままで大爆笑などしてしまえば怪我の危険性があるため私の腹筋には過度な我慢を強いたが、おかげで午後ちょっと引き攣って痛かった。我が身体のことながらなんて脆弱な腹筋だ。それはともかく。
ももた
TRAINING怪我をして入院するドクターの見舞いに行くエンカクのお話。弱音を吐く博はともかく次への意欲が高まった事に実は胸きゅんしてる弊社炎さん。
ツールを使って作成してみた弊社博の顔に傷を入れてみたら良い感じだったので爆発に巻き込まれてもらいました。 7
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DOODLE花布さんのめっちゃ萌える炎博ネタを見てくれ!!!!! 泣くときくらいは大声で泣き喚けばいいのだ。そうすればあの時だって間に合ったのに。
小さな子供という生き物はゾッとするほど気配がない。ましてやこの到底まともでない子供はさらに増して生きている気配が薄かった。それなりに経験を積んだ傭兵である自分ですらこうなのだ、訪ねてきた人間が何度幽霊と間違えたかわからないというのに、本人はといえば別段気にすることもなくニコニコと本日出会った物事を口いっぱいに夕食を頬張りながら話している。喋るのか食べるのかどちらかにしろなどという行儀の良いことを言う人間はこの家にはいなかったので、エンカクはせっせとその小さな口元を拭いてやりながら自分の食事を同時に済ませた。そしてひと通りやることを終わらせて、おやすみなさいと小さな手を振って隣にある自分の寝室へと消えたのがほんの数時間前のこと。その次に見たのは、エンカクのベッドの足元で静かに泣く彼の姿だった。
731小さな子供という生き物はゾッとするほど気配がない。ましてやこの到底まともでない子供はさらに増して生きている気配が薄かった。それなりに経験を積んだ傭兵である自分ですらこうなのだ、訪ねてきた人間が何度幽霊と間違えたかわからないというのに、本人はといえば別段気にすることもなくニコニコと本日出会った物事を口いっぱいに夕食を頬張りながら話している。喋るのか食べるのかどちらかにしろなどという行儀の良いことを言う人間はこの家にはいなかったので、エンカクはせっせとその小さな口元を拭いてやりながら自分の食事を同時に済ませた。そしてひと通りやることを終わらせて、おやすみなさいと小さな手を振って隣にある自分の寝室へと消えたのがほんの数時間前のこと。その次に見たのは、エンカクのベッドの足元で静かに泣く彼の姿だった。
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DOODLE泥さんと話した炎さんが変な夢を見る話。ゴーレムネタです。emeth 療養庭園にはその日、珍しい人物の来訪があった。
季節ごとの花々が咲き誇る花壇からは一段奥、作業用の道具などをまとめている一角には樹木と岩石を組み合わせた静かなスペースがある。その中でもひときわ大きな岩の前に、鎧を脱いだサルカズの女性がひとり座り込んでいた。
「すまない、作業の邪魔だっただろうか」
「いや」
マドロック。カズデルの古い家系の血を引く岩と土の主人。噂とは尾ひれがついて回るものとはいえ、彼女についてはあまりにも荒唐無稽な内容のものが多かった。そのためエンカクなどはおおむね話半分でしか信じていなかったのだが、いざ本人を目の前にするとなるほど根も葉もない噂話の十や二十生まれるわけだと美しく整った横顔に妙な得心をえたのだった。
3177季節ごとの花々が咲き誇る花壇からは一段奥、作業用の道具などをまとめている一角には樹木と岩石を組み合わせた静かなスペースがある。その中でもひときわ大きな岩の前に、鎧を脱いだサルカズの女性がひとり座り込んでいた。
「すまない、作業の邪魔だっただろうか」
「いや」
マドロック。カズデルの古い家系の血を引く岩と土の主人。噂とは尾ひれがついて回るものとはいえ、彼女についてはあまりにも荒唐無稽な内容のものが多かった。そのためエンカクなどはおおむね話半分でしか信じていなかったのだが、いざ本人を目の前にするとなるほど根も葉もない噂話の十や二十生まれるわけだと美しく整った横顔に妙な得心をえたのだった。
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DOODLE博さん抱えないと安眠できなくなった事実を認めようとしないおじ炎さんの話nightcap「まだ終わらないのか」
「先に寝てていいって言ったのに」
薄い夜着に腰の刀だけの姿で現れたエンカクに、男はため息をついた。時刻はとっくに夜シフトの時間に切り替わっており、最低限に抑えられた照明が執務机につく男のこけた頬を照らしている。自分と違いいつまでも年齢をとらないと思っていたが、よく見ればその顔には年月の影がある。彼とて月日の前では置いて行かれる者でしかないのだという当たり前の現実に気がつくまで、もうこんなにも時間がたってしまった。
「眠いんだろう?」
「眠くない」
「もう、そんな顔で言われてもね」
実際、本当に眠くはないのだ。どころか眠気が通り過ぎて行ってしまって困った結果、わざわざ彼の執務室にまで来てしまったのだから。彼の言葉を無視して勝手知ったる執務室へと足を踏み入れる。机の上は昼間より数段片付いていて、彼があまり現在の作業を続けるつもりはないのだということが見て取れた。
1529「先に寝てていいって言ったのに」
薄い夜着に腰の刀だけの姿で現れたエンカクに、男はため息をついた。時刻はとっくに夜シフトの時間に切り替わっており、最低限に抑えられた照明が執務机につく男のこけた頬を照らしている。自分と違いいつまでも年齢をとらないと思っていたが、よく見ればその顔には年月の影がある。彼とて月日の前では置いて行かれる者でしかないのだという当たり前の現実に気がつくまで、もうこんなにも時間がたってしまった。
「眠いんだろう?」
「眠くない」
「もう、そんな顔で言われてもね」
実際、本当に眠くはないのだ。どころか眠気が通り過ぎて行ってしまって困った結果、わざわざ彼の執務室にまで来てしまったのだから。彼の言葉を無視して勝手知ったる執務室へと足を踏み入れる。机の上は昼間より数段片付いていて、彼があまり現在の作業を続けるつもりはないのだということが見て取れた。