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DOODLE赤黒の日2025春の日のこと、あかくろ 就職して数年経った頃に赤司が都内に買ったマンションは、拍子抜けするほど普通の家だった。
彼のことだから、エントランスからして豪華な、港区あたりのコンシェルジュ付きタワーマンション最上階でも選ぶとばかり思っていた。とはいえ赤司が実際購入したマンションも、都心までのアクセスが良く彼の勤める会社まで地下鉄一本で行けるし、地域的にも騒がしくなく、静かで落ち着いた街だった。マンションの住人も穏やかな人が多くて、すれ違いざまに黒子が挨拶をしたら、影の薄さに驚きつつも皆んなにこやかに返してくれる。
一人暮らしにしては間取りが広いとは思うものの、想像よりもずっと庶民的であたたかい家を、黒子も密かに気に入っていた。例えばの話、彼と一緒に住むことがあったら、こんな家だったら素敵だろうなと思えるくらいには。
3755彼のことだから、エントランスからして豪華な、港区あたりのコンシェルジュ付きタワーマンション最上階でも選ぶとばかり思っていた。とはいえ赤司が実際購入したマンションも、都心までのアクセスが良く彼の勤める会社まで地下鉄一本で行けるし、地域的にも騒がしくなく、静かで落ち着いた街だった。マンションの住人も穏やかな人が多くて、すれ違いざまに黒子が挨拶をしたら、影の薄さに驚きつつも皆んなにこやかに返してくれる。
一人暮らしにしては間取りが広いとは思うものの、想像よりもずっと庶民的であたたかい家を、黒子も密かに気に入っていた。例えばの話、彼と一緒に住むことがあったら、こんな家だったら素敵だろうなと思えるくらいには。
キムチ鍋食べたい。
DONEChocobox🍫にていただいたホワイトデーネタ2作目です〜🩵
かわいいネタすぎて書かずにはいられず……結構長めになってしまったのでこちらであげます☺️🩷🩵
🍫ありがとうございました〜!! 3242
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DOODLEアイドル赤黒(でもアイドル要素はあまりない…)きらめく君の一番星 うたた寝の中で、夢を見た。
夢の中で、ボクたちは高校のユニフォームを着ていた。広い体育館では、ボールが弾む音と、靴底が擦れる音がする。声援を背に、ボクたちはコートを駆け回っていた。
はらり、と赤い髪が揺れる。汗で濡れた額にその毛先が張り付いて雫が落ちた。しなやかな身体は美しく跳び、ボールは華麗にゴールへと吸い込まれていった。まるでドラマのワンシーンのようなシュートから、目が離すことができなかった。
かと思えば場面は切り替わって、今度はぱちり、と盤面を叩く音がした。真剣な横顔は、息をするのも忘れるくらいに綺麗だった。迷いのない指先が、将棋の駒を運んでゆく。勝利だけを見据えた、強い眼差しだった。
その次は、大きな会社の社長。かっちりとしたスーツを着込んだ彼は、背筋をぴんと伸ばして大勢の人前に立っていた。人を従えるカリスマ性のあるキミに、誰もが信じてついてゆく。
3028夢の中で、ボクたちは高校のユニフォームを着ていた。広い体育館では、ボールが弾む音と、靴底が擦れる音がする。声援を背に、ボクたちはコートを駆け回っていた。
はらり、と赤い髪が揺れる。汗で濡れた額にその毛先が張り付いて雫が落ちた。しなやかな身体は美しく跳び、ボールは華麗にゴールへと吸い込まれていった。まるでドラマのワンシーンのようなシュートから、目が離すことができなかった。
かと思えば場面は切り替わって、今度はぱちり、と盤面を叩く音がした。真剣な横顔は、息をするのも忘れるくらいに綺麗だった。迷いのない指先が、将棋の駒を運んでゆく。勝利だけを見据えた、強い眼差しだった。
その次は、大きな会社の社長。かっちりとしたスーツを着込んだ彼は、背筋をぴんと伸ばして大勢の人前に立っていた。人を従えるカリスマ性のあるキミに、誰もが信じてついてゆく。
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DOODLEとある雪の日の赤黒⚠️高校生設定で、くろこくんの家にお泊まりしてるとでも思ってもらえれば…
春待ちにキス 寒さにぶるりと震えて、暖を求めてもぞもぞと毛布の中で寝返りを打つ。そうしていたら、赤司が黒子の腰にぎゅっと腕を回した。もこもこの靴下が半分脱げてしまっていて、中途半端に剥き出しになった足先に、赤司の素足が絡む。冷えた黒子の爪先とは違って、赤司の身体は暖かかった。
今は何時だろう。朝の部屋はまだ薄暗い。彼のパジャマの胸元に顔をうずめながら、冷たくなった鼻先を温めるように息を吐く。
「さむいです」
「今朝は冷えるね。暖房を上げようか」
枕元にあった空調のリモコンを取ろうと赤司は手を伸ばすけれど、その手を掴んで、毛布の中へと逆戻りさせた。隙間が出来ると寒い。ぴたりとくっついていたら、赤司は寝起きの掠れた声で笑って、もう一度黒子を優しく抱きしめた。
3666今は何時だろう。朝の部屋はまだ薄暗い。彼のパジャマの胸元に顔をうずめながら、冷たくなった鼻先を温めるように息を吐く。
「さむいです」
「今朝は冷えるね。暖房を上げようか」
枕元にあった空調のリモコンを取ろうと赤司は手を伸ばすけれど、その手を掴んで、毛布の中へと逆戻りさせた。隙間が出来ると寒い。ぴたりとくっついていたら、赤司は寝起きの掠れた声で笑って、もう一度黒子を優しく抱きしめた。
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DOODLEキムチ鍋食べたい。さん(@Tabetai_Nabe )との共作です❤️カウントダウン、恋人距離まで「黒子、手を繋いでもいい?少しでもいいから」
「えっ……っと……だめでは、ないですけど」
周囲は二人だけで誰もおらず、今は夜だから遠目からでもわかりにくいだろうし、少しならば───そう自分に言い聞かせた黒子は数秒後後悔することになる。
**
黒子テツヤは中学時代からの友人からアタックされている最中であった。もちろん、好きだとか恋だとかそういう類のアタックである。お相手はあの赤司征十郎であった。
社会人となった今も赤司とは連絡を取り合う中だった。元気にしているか、変わりはないかと連絡をくれる彼に、本当に面倒見のいい人だと思っていたのは今となっては彼の想いに全く気が付かなかった自分を哀れんだものである。
6491「えっ……っと……だめでは、ないですけど」
周囲は二人だけで誰もおらず、今は夜だから遠目からでもわかりにくいだろうし、少しならば───そう自分に言い聞かせた黒子は数秒後後悔することになる。
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黒子テツヤは中学時代からの友人からアタックされている最中であった。もちろん、好きだとか恋だとかそういう類のアタックである。お相手はあの赤司征十郎であった。
社会人となった今も赤司とは連絡を取り合う中だった。元気にしているか、変わりはないかと連絡をくれる彼に、本当に面倒見のいい人だと思っていたのは今となっては彼の想いに全く気が付かなかった自分を哀れんだものである。
Cpppp
MOURNING結婚目前でテツヤに逃げられる(当然訳アリ)赤黒翌朝渡したはずの指輪を逃げ途中の黒子にわざわざ追いかけて指にはめて無理やり連れ戻そとするんだけども‥‥的な
結末まで決まってるから描きたいけど続かないかもなので供養
(ちなみにここから怒涛のめちゃくちゃどんでん返しハピエンになる予定でした)
一応悲しいお話なのでなんでも大丈夫な人向け 3
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DOODLE黒子くんお誕生日おめでとうのきもち㊗️ゆる〜く赤黒黒子くんはぴば🎂0131 手を伸ばしても、届かない。
「もう少し…なんですけど…」
背伸びをして、目いっぱい腕を伸ばしても、目当ての背表紙は指先を掠めるだけだった。
昼休みの図書室は生徒もほとんどいない。ひっそりとした中で、黒子のわずかな唸り声だけが響く。古びたインクの匂いが、昼間の晴れた室内に篭っていた。よく見たら棚の隙間に埃が溜まっている。ちゃんと掃除して換気したほうが良いのでは、なんて考えながら、ぴょんぴょんとジャンプして一番上の棚に手を伸ばした。けれど、なかなか届かない。
「黒子?」
一人でジャンプしながらぜぇはぁと息を吐いていたら、不意にボクの名前を呼ぶ声が聞こえた。鮮やかな、目を引く赤い毛先がちらりと光る。
「赤司君。どうしてここに」
2977「もう少し…なんですけど…」
背伸びをして、目いっぱい腕を伸ばしても、目当ての背表紙は指先を掠めるだけだった。
昼休みの図書室は生徒もほとんどいない。ひっそりとした中で、黒子のわずかな唸り声だけが響く。古びたインクの匂いが、昼間の晴れた室内に篭っていた。よく見たら棚の隙間に埃が溜まっている。ちゃんと掃除して換気したほうが良いのでは、なんて考えながら、ぴょんぴょんとジャンプして一番上の棚に手を伸ばした。けれど、なかなか届かない。
「黒子?」
一人でジャンプしながらぜぇはぁと息を吐いていたら、不意にボクの名前を呼ぶ声が聞こえた。鮮やかな、目を引く赤い毛先がちらりと光る。
「赤司君。どうしてここに」
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DOODLE⚠️ぽめがバース(?)赤黒その2⚠️あかしくんがポメになります
⚠️何も考えずに読んでください
わんだふるぱにっく!「わんっ、わんわん!」
「…?2号、どうしました…えっ!」
散歩から帰ってきたら、家の前に犬が倒れていました。
「だっ、大丈夫ですかっ!?」
慌てて駆け寄れば、その子は道の片隅に小さな身体を丸めて目を閉じて、寒そうにぷるぷると震えていた。どのくらいこの場にいたのだろう。今日は比較的暖かいものの、真冬の寒空の下に長時間いたとしたら、冷え切っていてもおかしくない。
そっと抱きかかえればほんわりと温かかった。低体温にはなっていなかったようで、ひとまずは安心したものの2号のリードを引いて急いで家の中に入る。
部屋の暖房とヒーターの電源も入れて、薄手の毛布で冷えてしまった犬の身体を包む。少しでも温まるように、黒子の膝の上に乗せて、毛布の中に手を入れてふわふわした身体を撫でた。2号も心配そうに寄り添っている。
3063「…?2号、どうしました…えっ!」
散歩から帰ってきたら、家の前に犬が倒れていました。
「だっ、大丈夫ですかっ!?」
慌てて駆け寄れば、その子は道の片隅に小さな身体を丸めて目を閉じて、寒そうにぷるぷると震えていた。どのくらいこの場にいたのだろう。今日は比較的暖かいものの、真冬の寒空の下に長時間いたとしたら、冷え切っていてもおかしくない。
そっと抱きかかえればほんわりと温かかった。低体温にはなっていなかったようで、ひとまずは安心したものの2号のリードを引いて急いで家の中に入る。
部屋の暖房とヒーターの電源も入れて、薄手の毛布で冷えてしまった犬の身体を包む。少しでも温まるように、黒子の膝の上に乗せて、毛布の中に手を入れてふわふわした身体を撫でた。2号も心配そうに寄り添っている。
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DOODLE⚠️ポメガバース赤黒⚠️くろこくんがポメガ
⚠️本当に何も考えずに読んでください
わんだふるらぶ! 好きな人と想いが通じ合って、恋人になれたのなら、触れ合いたいと思うのは当然のことだろう。ましてや、色々と興味はある年頃だ。お互いバスケばかり、赤司に至ってはそれ以外のことでも多忙で、学生生活のほとんどは部活で明け暮れてしまったけれど、決して欲がないわけではない。知らないことは知りたいと思うし、触ってみたいし、触られたい。そう思うのは、健全な青少年の証ではないだろうか。触れ合うことに、壁がなければ。
高校を卒業して東京に戻ってきた赤司は、黒子の大学までもアクセスの良い駅近くにマンションを借りていた。いつでも遊びに来て良いよ、と黒子用の合鍵まで準備して。
何度か訪れたことのある赤司の家だけれど、何度来ても緊張する。思ったよりも普通の1LDKで、想像していたよりも広さはないけれど、それでも学生が一人で住むマンションにしては十分な広さはあった。
3650高校を卒業して東京に戻ってきた赤司は、黒子の大学までもアクセスの良い駅近くにマンションを借りていた。いつでも遊びに来て良いよ、と黒子用の合鍵まで準備して。
何度か訪れたことのある赤司の家だけれど、何度来ても緊張する。思ったよりも普通の1LDKで、想像していたよりも広さはないけれど、それでも学生が一人で住むマンションにしては十分な広さはあった。
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DOODLE⚠️オメガバ赤黒、ちょっとだけいやらしいオメガバ赤黒! 大人になったら、番になろう。そして正式な段階を踏んで結婚してほしい。オレの人生には、黒子が必要だから。黒子がいない人生なんて、もう考えられないから。
そんな、今思い返せば恥ずかしい言葉だった。我ながら必死な思いは伝わったのか、黒子は表情のないまま小さく頷く。それでも、彼の白い頬は赤く染まっていた。
ボクも、赤司君と番になりたいです。そう言ってもらえて、本当に嬉しかった。絶対に幸せにするし、大切にする。心に誓った瞬間でもあった。
黒子の家族、それから、あの小難しい赤司の父も、二人の交際は認めてくれた。ただ、口を揃えて言われるのは「番になるのは成人してからだ」ということだ。それは尤もだと思う。Ωということを差し引いても元々身体が小さく、ヒートもまだ安定していない黒子にとって、赤司と番になるということは肉体的にも精神的にも負担がかかる。それにまだ親の扶養に入る学生の立場であるし、東京と京都という隔たりもある。
3522そんな、今思い返せば恥ずかしい言葉だった。我ながら必死な思いは伝わったのか、黒子は表情のないまま小さく頷く。それでも、彼の白い頬は赤く染まっていた。
ボクも、赤司君と番になりたいです。そう言ってもらえて、本当に嬉しかった。絶対に幸せにするし、大切にする。心に誓った瞬間でもあった。
黒子の家族、それから、あの小難しい赤司の父も、二人の交際は認めてくれた。ただ、口を揃えて言われるのは「番になるのは成人してからだ」ということだ。それは尤もだと思う。Ωということを差し引いても元々身体が小さく、ヒートもまだ安定していない黒子にとって、赤司と番になるということは肉体的にも精神的にも負担がかかる。それにまだ親の扶養に入る学生の立場であるし、東京と京都という隔たりもある。
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DOODLE恋人はサンタクロースかもしれないクリスマス赤黒 午後六時を過ぎた駅ビル内はとても賑やかで、たくさんの人が行き交っている。
「黒子、お待たせ」
「赤司君。お疲れさまです」
食品フロアの入口近くで、駅構内に飾られている大きなツリーをぼんやり眺めていたら、待ち人は颯爽と現れた。人の多さのざわめきの中でも、その声は凛としてよく通って聞こえる。
二人の目的は、駅ビル内にある黒子の好きなケーキショップだ。食品フロアは広いけれど、もう迷わず行けるくらいよく行っている。何でもない普通の日も、誕生日も記念日も、いつもお世話になっているいきつけのお店だった。
「渡した控えは持ってきた?」
「はい!ばっちりです」
店はさすがにクリスマスイブとあって混み合っていた。列に並んで、財布の中に入れていた予約の控えを取り出す。ケーキの予約自体は赤司がしてくれたのだけれど、当日はもしかしたら仕事で少し帰りが遅くなるかもしれない、ということで、在宅で仕事をしている黒子の方に予約票を託されたのだ。結局赤司が仕事を頑張ってくれたので、こうして無事に待ち合わせて会うことが出来たのだけれど。
3011「黒子、お待たせ」
「赤司君。お疲れさまです」
食品フロアの入口近くで、駅構内に飾られている大きなツリーをぼんやり眺めていたら、待ち人は颯爽と現れた。人の多さのざわめきの中でも、その声は凛としてよく通って聞こえる。
二人の目的は、駅ビル内にある黒子の好きなケーキショップだ。食品フロアは広いけれど、もう迷わず行けるくらいよく行っている。何でもない普通の日も、誕生日も記念日も、いつもお世話になっているいきつけのお店だった。
「渡した控えは持ってきた?」
「はい!ばっちりです」
店はさすがにクリスマスイブとあって混み合っていた。列に並んで、財布の中に入れていた予約の控えを取り出す。ケーキの予約自体は赤司がしてくれたのだけれど、当日はもしかしたら仕事で少し帰りが遅くなるかもしれない、ということで、在宅で仕事をしている黒子の方に予約票を託されたのだ。結局赤司が仕事を頑張ってくれたので、こうして無事に待ち合わせて会うことが出来たのだけれど。
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DOODLEまるのうちキラキラあかくろ 駅前の商業施設の自動ドアを出ると、ひやっと冷たい風が頬を撫でた。辺りはもうすっかり暗くて、エントランスの広場にはきらびやかなイルミネーションとクリスマスツリーがきらきら光っている。家族連れや寄り添うカップルがしきりに写真を撮っていた。室内では暑くて外していたマフラーを、もう一度しっかり巻き直す。
「寒いね」
ロングコートのポケットに手を入れて、赤司はぽつりとそう呟いた。その言葉と息が、ふわりと白い息になってきらめく街に溶けてゆく。
「そうですね」
俯いて、それだけ返す。巻き直したマフラーは、さっきまでいた映画館の匂いが映ったのか、ほんのり甘いキャラメルみたいな匂いがした。
寒い、と言いながら、街ゆく人は肩をすくめて早足気味に家路を急いでいたり、カップルたちは手を繋いでいちゃいちゃ歩いていたり。けれど二人はどちらもせず、とぼとぼとした歩みでツリーの前を横切った。
5254「寒いね」
ロングコートのポケットに手を入れて、赤司はぽつりとそう呟いた。その言葉と息が、ふわりと白い息になってきらめく街に溶けてゆく。
「そうですね」
俯いて、それだけ返す。巻き直したマフラーは、さっきまでいた映画館の匂いが映ったのか、ほんのり甘いキャラメルみたいな匂いがした。
寒い、と言いながら、街ゆく人は肩をすくめて早足気味に家路を急いでいたり、カップルたちは手を繋いでいちゃいちゃ歩いていたり。けれど二人はどちらもせず、とぼとぼとした歩みでツリーの前を横切った。
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DOODLE肉食ってるだけのあかくろ きれいなドーム型を描いたひとかたまりにスプーンを入れる。口に入れると濃厚なミルクの甘さがふわっと広がった。冷たい感触が、よく暖房の効いた飲食店ではかえってちょうどいい。
「おいしいです」
「それはよかった」
黒いニットに白いシャツを合わせた赤司くんは、首に白い紙エプロンを結んでにこにこと笑っている。赤司くんと紙エプロン、ミスマッチな姿はとてもかわいい。そんなかわいい赤司くんを見ながら食べる美味しいバニラアイスは格別だ。嬉しさと幸せに浸りながらもう一口とスプーンを入れたら、「でもね」と赤司くんが口を開く。
「焼肉屋に来て肉を食べないなんて聞いたことないんだけど」
「赤司くんが食べてるので大丈夫です。ここはデザートにも力を入れてるんですよ」
2163「おいしいです」
「それはよかった」
黒いニットに白いシャツを合わせた赤司くんは、首に白い紙エプロンを結んでにこにこと笑っている。赤司くんと紙エプロン、ミスマッチな姿はとてもかわいい。そんなかわいい赤司くんを見ながら食べる美味しいバニラアイスは格別だ。嬉しさと幸せに浸りながらもう一口とスプーンを入れたら、「でもね」と赤司くんが口を開く。
「焼肉屋に来て肉を食べないなんて聞いたことないんだけど」
「赤司くんが食べてるので大丈夫です。ここはデザートにも力を入れてるんですよ」
Cpppp
DOODLE御曹司×婚約者の設定ネタアカクロできてるとこだけ挙げ
まじで途中までしか描いてないし
ほぼメモ書きみたいになってる
最初の3枚のみ歳上×歳下で
残り全部歳下×歳上のアカクロ
最後の2枚のみラッキースケベ的な表現あり 7
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DOODLEこたつでいちゃいちゃ、あかくろ ある寒い日のこと。
ぬくぬくとした部屋の中で、顔には出さずとも、黒子は焦っていた。
本格的な冬はもう少し先だというのに、近頃は毎日とても寒い。今朝は今季の最低気温を大幅に下回って、日中も晴れ間は出るものの気温は上がらないらしい。
赤司とデートの約束をした日は、よりにもよってそんな寒い日だった。
クリスマスが近づいてきて、街はきらびやかに彩られている。少し前から始まっていたクリスマスマーケットに行ってみたいと言ったのは、珍しく黒子のほうだ。とは言っても、絶対行きたい!というわけでもなく、赤司の家にお邪魔した時にたまたま見ていたテレビでクリスマスマーケットの特集をしていて、へー。行ってみたいですねぇ。と何となく言っただけなのだけれど、赤司はそれを覚えていてくれていたらしい。何気ない一言を覚えてくれていたのは素直に嬉しかった。
2568ぬくぬくとした部屋の中で、顔には出さずとも、黒子は焦っていた。
本格的な冬はもう少し先だというのに、近頃は毎日とても寒い。今朝は今季の最低気温を大幅に下回って、日中も晴れ間は出るものの気温は上がらないらしい。
赤司とデートの約束をした日は、よりにもよってそんな寒い日だった。
クリスマスが近づいてきて、街はきらびやかに彩られている。少し前から始まっていたクリスマスマーケットに行ってみたいと言ったのは、珍しく黒子のほうだ。とは言っても、絶対行きたい!というわけでもなく、赤司の家にお邪魔した時にたまたま見ていたテレビでクリスマスマーケットの特集をしていて、へー。行ってみたいですねぇ。と何となく言っただけなのだけれど、赤司はそれを覚えていてくれていたらしい。何気ない一言を覚えてくれていたのは素直に嬉しかった。
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DOODLE自分からプロポーズしたい赤黒「黒子が好きだ。オレと、恋人になってほしい」
そう言われた某月某日。数時間後には赤司の乗る予定の新幹線の時間が迫っている。東京駅近くのカフェでお茶をして、駅に向かう道中だった。
ひたり、と、冷たい風が頬を撫でる。日差しは暖かくても、連日の最低気温は徐々に低くなっていた。ぴゅうぴゅうと吹くビル風に、歩幅の速い都会の人は皆寒そうに肩をすくめて歩いている。二人も、つい先ほどまではそうだった。
まっすぐに黒子を見つめる赤司の耳が、僅かに赤いことに気付く。駅前の喧騒の中で、黒子は、今しがた言われたことを反芻した。
黒子が好きだ。オレと、恋人になってほしい。
普段無表情を貫く黒子の頬がみるみるうちに赤くなる。何て言っていいのかわからず、何度も口をぱくぱくさせた。頭の中で、ぐるぐると言葉が彷徨っている。
3916そう言われた某月某日。数時間後には赤司の乗る予定の新幹線の時間が迫っている。東京駅近くのカフェでお茶をして、駅に向かう道中だった。
ひたり、と、冷たい風が頬を撫でる。日差しは暖かくても、連日の最低気温は徐々に低くなっていた。ぴゅうぴゅうと吹くビル風に、歩幅の速い都会の人は皆寒そうに肩をすくめて歩いている。二人も、つい先ほどまではそうだった。
まっすぐに黒子を見つめる赤司の耳が、僅かに赤いことに気付く。駅前の喧騒の中で、黒子は、今しがた言われたことを反芻した。
黒子が好きだ。オレと、恋人になってほしい。
普段無表情を貫く黒子の頬がみるみるうちに赤くなる。何て言っていいのかわからず、何度も口をぱくぱくさせた。頭の中で、ぐるぐると言葉が彷徨っている。
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DOODLEがーでんぷれいすで待ち合わせ、あかくろ 午後七時まで、あと二分。
黒子は、とてもとても急いでいた。
仕事終わりの赤司と外で待ち合わせることも月に数回の頻度であることだけれど、今日はいつもより少し、特別だ。
丁寧にアイロンをかけた白いシャツに、赤司に勧められて買ったは良いものの今まで着る機会のなかったジャケットと、シンプルなグレーのパンツを合わせる。普段は動きやすさ重視のカジュアルな服が多い黒子にしてはかなり綺麗めにまとめた服装だ。果たして本当にこれで良いのか、不安が募りすぎて仕方ないけれど、事前に相談した黄瀬にお墨付きを貰っているので大丈夫だと信じるしかない。
それから、赤司の部屋にあるヘアアイロンを拝借してコンセントを差し込む。温まったプレートに毛先を挟んで整えた。これも使い慣れていないので、余計なことはしない。ただ跳ねた髪をまっすぐに伸ばして、良い感じにまとまってくれれば十分だ。鏡の中の自分は相も変わらず面白みのない無表情を貫いていたけれど、それなりに身なりを整えたからみすぼらしい姿ではないとは思う。たぶん。自分がどう思われようがどうでも良いが、自分のせいで隣を歩く彼まで何かを言われてしまうことは避けたかった。
2944黒子は、とてもとても急いでいた。
仕事終わりの赤司と外で待ち合わせることも月に数回の頻度であることだけれど、今日はいつもより少し、特別だ。
丁寧にアイロンをかけた白いシャツに、赤司に勧められて買ったは良いものの今まで着る機会のなかったジャケットと、シンプルなグレーのパンツを合わせる。普段は動きやすさ重視のカジュアルな服が多い黒子にしてはかなり綺麗めにまとめた服装だ。果たして本当にこれで良いのか、不安が募りすぎて仕方ないけれど、事前に相談した黄瀬にお墨付きを貰っているので大丈夫だと信じるしかない。
それから、赤司の部屋にあるヘアアイロンを拝借してコンセントを差し込む。温まったプレートに毛先を挟んで整えた。これも使い慣れていないので、余計なことはしない。ただ跳ねた髪をまっすぐに伸ばして、良い感じにまとまってくれれば十分だ。鏡の中の自分は相も変わらず面白みのない無表情を貫いていたけれど、それなりに身なりを整えたからみすぼらしい姿ではないとは思う。たぶん。自分がどう思われようがどうでも良いが、自分のせいで隣を歩く彼まで何かを言われてしまうことは避けたかった。
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DOODLE猫舌あかしくんの赤黒どうしてか、忘れられない日がある。
あの日は、珍しく赤司くんと二人で帰っていた。何故かはあまり覚えていない。たぶん、他の皆んなは何かしら用事があるとかで、部活後は早めに切り上げて帰って行ったのかもしれない。
もう夜に近い校舎の外は真っ暗で、風が少し冷たかったことは記憶にある。だいぶ秋も深まって、少しずつ冬への支度を始めているような、そんな気候だった。激しい運動で火照っていた身体が、じんわりと冷えていく。汗を掻いていた指先は、夕刻の気温であっという間に冷たくなってしまった。
「やっぱり、朝と夜はだいぶ冷えてきましたね」
「風邪引くなよ」
「気をつけます」
赤司くんと二人きりは珍しくて、何を話して良いのかもよくわからず、けれどなんとなく、話は途切れることなく続いていた気がする。バスケの話がほとんどだったと思うけれど、好きな本の話や、勉強の話、今朝見たニュースの話なんかもした。赤司くんは、とっつきにくそうに見えて意外と話しやすかった。姿勢良く歩く姿はぴんと背筋が伸びていて、話す様子は時事ニュースを読み上げるアナウンサーみたいに澱みなく、声も凛と澄んでいてきれいだった。とても同い年には思えない。かっこよくて、憧れで、ボクを導いてくれた、神さまみたいな人だ。
3071あの日は、珍しく赤司くんと二人で帰っていた。何故かはあまり覚えていない。たぶん、他の皆んなは何かしら用事があるとかで、部活後は早めに切り上げて帰って行ったのかもしれない。
もう夜に近い校舎の外は真っ暗で、風が少し冷たかったことは記憶にある。だいぶ秋も深まって、少しずつ冬への支度を始めているような、そんな気候だった。激しい運動で火照っていた身体が、じんわりと冷えていく。汗を掻いていた指先は、夕刻の気温であっという間に冷たくなってしまった。
「やっぱり、朝と夜はだいぶ冷えてきましたね」
「風邪引くなよ」
「気をつけます」
赤司くんと二人きりは珍しくて、何を話して良いのかもよくわからず、けれどなんとなく、話は途切れることなく続いていた気がする。バスケの話がほとんどだったと思うけれど、好きな本の話や、勉強の話、今朝見たニュースの話なんかもした。赤司くんは、とっつきにくそうに見えて意外と話しやすかった。姿勢良く歩く姿はぴんと背筋が伸びていて、話す様子は時事ニュースを読み上げるアナウンサーみたいに澱みなく、声も凛と澄んでいてきれいだった。とても同い年には思えない。かっこよくて、憧れで、ボクを導いてくれた、神さまみたいな人だ。
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DOODLE泣いて笑って忙しい赤黒 付き合っていたって、知らないことはたくさんあるし、知りたいこともたくさんある、と思っている。
「赤司君って、泣くことあるんですか」
そんなふとした疑問に、彼は「どうだろう」と首を傾げて笑った。
記憶にあるのは、WCの決勝戦後に流した涙だ。汗と混ざってこぼれ落ちる、とても綺麗な涙だった。重ね合わせた手のひらは熱く、唇はわずかに震えていた。溢れ出す感情を抑えることが出来ない、そんな表情。あの時の興奮と高揚は一生忘れないだろう。
ただ、それとは別にして、あれ以来赤司が感情を剥き出しにして、泣いたり怒ったりしたところを見たことがない。恋人として付き合うようになってもなお、赤司は黒子の前ではずっと穏やかだった。
2825「赤司君って、泣くことあるんですか」
そんなふとした疑問に、彼は「どうだろう」と首を傾げて笑った。
記憶にあるのは、WCの決勝戦後に流した涙だ。汗と混ざってこぼれ落ちる、とても綺麗な涙だった。重ね合わせた手のひらは熱く、唇はわずかに震えていた。溢れ出す感情を抑えることが出来ない、そんな表情。あの時の興奮と高揚は一生忘れないだろう。
ただ、それとは別にして、あれ以来赤司が感情を剥き出しにして、泣いたり怒ったりしたところを見たことがない。恋人として付き合うようになってもなお、赤司は黒子の前ではずっと穏やかだった。
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DOODLE東京駅純情ものがたりこの日は仕事が早く終わりそうだから、たまには外に飲みにでも行かないか、と、珍しく赤司からそう誘われた。
断る理由もないので、良いですよ、と黒子は答える。オレは仕事終わりだからスーツだけど、黒子は私服で良いからとも言われた。そんなふうに言われても、赤司と行く店はいつもそれなりに敷居の高い店だから、マジバに行きますよみたいな服装で行けるわけがない。そう思っていたのが勘付かれたのか、本当にいつもの服で良いからと笑われた。うーん。疑い深いけれど、彼がそう言うならまあそれで良いだろう。
週の真ん中水曜日、時計の針がまっすぐ縦になった頃。
約束していた時間のほんの数分後に、「ごめん、お待たせ」と言って赤司は黒子の前に颯爽と現れた。まだ蒸し暑さの残る中、背筋を伸ばし、チャコールグレーのスーツを涼しい顔して着こなしている。臙脂色に水色のストライプが入ったネクタイは、黒子が選んで、今朝黒子が結んであげたものだ。人のネクタイなんて結べない、と思っていたけれど、いつしか結ぶのが当たり前の習慣になったことである。そのネクタイが朝と変わらず、赤司の襟元を彩っていた。
4563断る理由もないので、良いですよ、と黒子は答える。オレは仕事終わりだからスーツだけど、黒子は私服で良いからとも言われた。そんなふうに言われても、赤司と行く店はいつもそれなりに敷居の高い店だから、マジバに行きますよみたいな服装で行けるわけがない。そう思っていたのが勘付かれたのか、本当にいつもの服で良いからと笑われた。うーん。疑い深いけれど、彼がそう言うならまあそれで良いだろう。
週の真ん中水曜日、時計の針がまっすぐ縦になった頃。
約束していた時間のほんの数分後に、「ごめん、お待たせ」と言って赤司は黒子の前に颯爽と現れた。まだ蒸し暑さの残る中、背筋を伸ばし、チャコールグレーのスーツを涼しい顔して着こなしている。臙脂色に水色のストライプが入ったネクタイは、黒子が選んで、今朝黒子が結んであげたものだ。人のネクタイなんて結べない、と思っていたけれど、いつしか結ぶのが当たり前の習慣になったことである。そのネクタイが朝と変わらず、赤司の襟元を彩っていた。
香(浮遊琥珀)
DONE【キミ話】赤黒ワンドロワンライ作品をまとめました!
かわいいからシリアス?まで、色々な赤黒ちゃんを詰めたので楽しんでいただけたら嬉しいです!
※パスワードは開催日8桁 例:20240101 20
香(浮遊琥珀)
PROGRESS【キミ話】ワンドロワンライに参加できなかった時のお題で、作成途中の作品たちです。1枚絵や漫画が混ざってます。
ギャグ寄りのお話や真面目なお話(⚠️男体妊娠の設定あり)なども詰めました。
改めて赤黒の世界をより深く考える貴重な機会をいただきました。
素敵なお題を本当にありがとうございました!
※パスワードは開催日8桁 例:20240101
(私の「キミ話」作品パスワードは全て同じものです) 13
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DOODLEみなとみらい純情ものがたりごめん黒子、この埋め合わせは必ずするから。本当にごめん。本当にごめん。
ぺこぺこと頭を下げながら赤司が慌ただしく出て行くと、途端に部屋は静かになった。はぁ。と自分の吐いた溜息がやたら大きく聞こえる。
「埋め合わせって…」
何回目ですか。独り言が響いて虚しくなる。
そもそも今日だって、前に約束していた出掛ける予定が赤司の急な仕事で行けなくなってしまって、その埋め合わせが今日だったはずだ。埋め合わせすら埋め合わせするってどういうことだ。それにその前も、仕事終わりに食事に行く予定だったのが彼の急な残業で何回かキャンセルになっている。
赤司の仕事が忙しいことは十分すぎるほどよく分かっているし、仕事とボクどっちが大事なんですかなんて野暮なことを言うつもりはこれっぽっちもない。赤司の中で仕事が大部分を占めているのを分かっているからこそ、多忙な彼を少しでも支えたかったから一緒に暮らすことを決めたのだ。
5831ぺこぺこと頭を下げながら赤司が慌ただしく出て行くと、途端に部屋は静かになった。はぁ。と自分の吐いた溜息がやたら大きく聞こえる。
「埋め合わせって…」
何回目ですか。独り言が響いて虚しくなる。
そもそも今日だって、前に約束していた出掛ける予定が赤司の急な仕事で行けなくなってしまって、その埋め合わせが今日だったはずだ。埋め合わせすら埋め合わせするってどういうことだ。それにその前も、仕事終わりに食事に行く予定だったのが彼の急な残業で何回かキャンセルになっている。
赤司の仕事が忙しいことは十分すぎるほどよく分かっているし、仕事とボクどっちが大事なんですかなんて野暮なことを言うつもりはこれっぽっちもない。赤司の中で仕事が大部分を占めているのを分かっているからこそ、多忙な彼を少しでも支えたかったから一緒に暮らすことを決めたのだ。
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DOODLEお風呂に入る赤黒恋人が多忙過ぎて心配なのですが。
そう某知恵袋に相談したくなるくらい、赤司は多忙を極めていた。平日は朝早くから夜遅くまで仕事をしているし、休日出勤も多い。たまの休みでも仕事関連の電話が鳴れば取るし、対応もしてしまう。社長が忙しいのは仕方がないといえども心配だった。
だって彼はどんなに忙しくても黒子のいる家に帰ってくるし、食事だってなるべく一緒に食べたがる。黒子の前ではいつも疲れた顔一つ見せず、むしろ黒子の作家としての仕事はどうかと気遣ってくれる。忙しい赤司のためにも、時間の融通がきく黒子のほうがなるべく家事や料理をしようと思っているけれど、人には向き不向きがあるのか一緒に暮らし始めてしばらく経つのになかなか上達しない。逆に赤司は、たまの休みにはあっという間に掃除洗濯をし、お昼ご飯にささっとパスタやオムライスなんかを作る。しかもそれがとても美味しいのだから不公平だ。黒子はいまだにゆで卵と、レタスをちぎって並べるサラダくらいしかまともに作れないというのに。
3495そう某知恵袋に相談したくなるくらい、赤司は多忙を極めていた。平日は朝早くから夜遅くまで仕事をしているし、休日出勤も多い。たまの休みでも仕事関連の電話が鳴れば取るし、対応もしてしまう。社長が忙しいのは仕方がないといえども心配だった。
だって彼はどんなに忙しくても黒子のいる家に帰ってくるし、食事だってなるべく一緒に食べたがる。黒子の前ではいつも疲れた顔一つ見せず、むしろ黒子の作家としての仕事はどうかと気遣ってくれる。忙しい赤司のためにも、時間の融通がきく黒子のほうがなるべく家事や料理をしようと思っているけれど、人には向き不向きがあるのか一緒に暮らし始めてしばらく経つのになかなか上達しない。逆に赤司は、たまの休みにはあっという間に掃除洗濯をし、お昼ご飯にささっとパスタやオムライスなんかを作る。しかもそれがとても美味しいのだから不公平だ。黒子はいまだにゆで卵と、レタスをちぎって並べるサラダくらいしかまともに作れないというのに。
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DOODLE君のいる生活右頬に何やらざらりと温かいものが触れて、くすぐったくて身を捩る。ぐるりと寝返りを打てば、今度は反対の左頬をぺろぺろされた。耳元で、はふはふと荒い鼻息が聞こえる。
「んん…2号…くすぐったいです…」
薄く目蓋を開けると、2号はつぶらな瞳をるんるんに輝かせて黒子の周りをうろうろしながら匂いを嗅いだりほっぺたを舐めたりしていた。もう朝か。2号を散歩に連れていかないと。でも眠たい、あと少し、あと数分…。とうとうとしていたら、ふいにわしゃわしゃと髪を撫でられた。明らかに2号のものではない感触にはっと目を開く。きしり、とスプリングが鳴ったかと思えば、溢れんばかりのまぶしい朝日に照らされて、つやめいた赤い髪がさらさらと光っていた。
2828「んん…2号…くすぐったいです…」
薄く目蓋を開けると、2号はつぶらな瞳をるんるんに輝かせて黒子の周りをうろうろしながら匂いを嗅いだりほっぺたを舐めたりしていた。もう朝か。2号を散歩に連れていかないと。でも眠たい、あと少し、あと数分…。とうとうとしていたら、ふいにわしゃわしゃと髪を撫でられた。明らかに2号のものではない感触にはっと目を開く。きしり、とスプリングが鳴ったかと思えば、溢れんばかりのまぶしい朝日に照らされて、つやめいた赤い髪がさらさらと光っていた。
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DOODLE深夜の飯テロ赤黒「ラーメン…」
ぽつり、とこぼした呟きは、風呂上がりで肩にタオルを掛けたまま水を飲んでいた赤司の耳にも届いたようだ。
「?どうかした?」
首を傾げる赤司を無視して、黒子はソファの上で膝を抱えてテレビ画面に食い入る。日付が変わるまであと約一時間、そんな夜も遅い時間に、そのバラエティ番組は罪なことに背徳グルメ特集を放送していた。深夜に行列を作る店の紹介から、家で出来る簡単夜食のレシピまで。普段はさして気にも留めないその特集に、何故だかすごく心が惹かれてしまった。
特に今、黒子が釘付けになっているのは、インスタント袋麺のアレンジレシピ特集だ。豚骨の袋麺に生クリームを加え、たっぷりのベーコンを乗せている。ぐつぐつ煮立ったら大量のとろけるチーズで溢れんばかりに麺に蓋をし、真ん中に小さい窪みを作って、その上に生卵を落とした。仕上げに黒胡椒をぱらぱらと振りかける。言うなれば、インスタント麺のカルボナーラ風アレンジだ。
6023ぽつり、とこぼした呟きは、風呂上がりで肩にタオルを掛けたまま水を飲んでいた赤司の耳にも届いたようだ。
「?どうかした?」
首を傾げる赤司を無視して、黒子はソファの上で膝を抱えてテレビ画面に食い入る。日付が変わるまであと約一時間、そんな夜も遅い時間に、そのバラエティ番組は罪なことに背徳グルメ特集を放送していた。深夜に行列を作る店の紹介から、家で出来る簡単夜食のレシピまで。普段はさして気にも留めないその特集に、何故だかすごく心が惹かれてしまった。
特に今、黒子が釘付けになっているのは、インスタント袋麺のアレンジレシピ特集だ。豚骨の袋麺に生クリームを加え、たっぷりのベーコンを乗せている。ぐつぐつ煮立ったら大量のとろけるチーズで溢れんばかりに麺に蓋をし、真ん中に小さい窪みを作って、その上に生卵を落とした。仕上げに黒胡椒をぱらぱらと振りかける。言うなれば、インスタント麺のカルボナーラ風アレンジだ。