hl_928
CAN’T MAKEフェルドクロフトでソロモンおじさんの家を片付ける話を書きたい(かけねえ)ので、自分のものを処分する下りだけ書いてみた。
We couldn't take everything. 半ヤードほどの穴を掘り、燃えやすそうなものから放り込む。擦り切れた毛布を焚き付けするように、マッチをそっとその上に置いた。あっという間に火が回り、抱いたものを炭と灰に変えていく。
ゴミを抱えてきたオミニスと転入生が、羊皮紙や革の焼ける匂いに顔を顰めた。
「燃やしてるのか?」
「納屋は村のものなんだ。空にしなきゃいけないから中身は処分してく」
「家に置けばいいのに」
「いいんだ」
二人に言葉を続けさせないために言い切って、傍らに積んでおいた本を三冊まとめて炎の中に放り込んだ。
「防衛術の理論」
転入生が重なった一番上の本のタイトルを読み上げる。彼の顔は何を考えているようでもなかった。きっと何気なくそうしただけだろう。
1151ゴミを抱えてきたオミニスと転入生が、羊皮紙や革の焼ける匂いに顔を顰めた。
「燃やしてるのか?」
「納屋は村のものなんだ。空にしなきゃいけないから中身は処分してく」
「家に置けばいいのに」
「いいんだ」
二人に言葉を続けさせないために言い切って、傍らに積んでおいた本を三冊まとめて炎の中に放り込んだ。
「防衛術の理論」
転入生が重なった一番上の本のタイトルを読み上げる。彼の顔は何を考えているようでもなかった。きっと何気なくそうしただけだろう。
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MAIKINGとちゅう~。戦闘シーンむずかしい「ディフィンド!」
魔法の刃がプロテゴを砕き、そのまま顔のすぐ脇を薙いでいったのが分かってゾッとした。
君とやるのは久しぶりだから楽しみだなんて始まる前は笑っていたのに、始まってみればこの殺気の籠もった攻撃はなんだ。初戦授業の決闘と甘めにしていたとはいえ、防御呪文を打ち破る威力なんて。セバスチャンの目を見ると、その真剣さはまるでフェルドクロフトでランロクの信奉者を相手にしているときのようだった。
「本気すぎない!?」
「君相手じゃ本気以外ないだろ。レヴィオーソ!」
得意の浮遊呪文でこちらの手を封じる気か。
「勘弁してよ…!」
細長い決闘台の上を前に転がって回避をする。身体能力のお陰で呪文を避けるのは得意だけれど、このやり方は相手の動きから目が離れるのが弱点だと分かっていた。それでもそう動いてしまったのは完全に癖で、下手を打ったとすぐに理解する。止まったところでセバスチャンに視線を戻すが、彼はこちらの動きを読んで次の呪文の軌跡を描き終えかけていた。
1571魔法の刃がプロテゴを砕き、そのまま顔のすぐ脇を薙いでいったのが分かってゾッとした。
君とやるのは久しぶりだから楽しみだなんて始まる前は笑っていたのに、始まってみればこの殺気の籠もった攻撃はなんだ。初戦授業の決闘と甘めにしていたとはいえ、防御呪文を打ち破る威力なんて。セバスチャンの目を見ると、その真剣さはまるでフェルドクロフトでランロクの信奉者を相手にしているときのようだった。
「本気すぎない!?」
「君相手じゃ本気以外ないだろ。レヴィオーソ!」
得意の浮遊呪文でこちらの手を封じる気か。
「勘弁してよ…!」
細長い決闘台の上を前に転がって回避をする。身体能力のお陰で呪文を避けるのは得意だけれど、このやり方は相手の動きから目が離れるのが弱点だと分かっていた。それでもそう動いてしまったのは完全に癖で、下手を打ったとすぐに理解する。止まったところでセバスチャンに視線を戻すが、彼はこちらの動きを読んで次の呪文の軌跡を描き終えかけていた。
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PAST本編後のやつ。ぼーっとしてるモーションの時に時計出してるパターンがあるのは忘れてもろて…。
unspoken 朝八時少し前。
生徒が一番多くなる頃合いを見計らって、ホグワーツの大広間をフクロウが行き交い始める。新聞を運ぶフクロウ、分厚い紙包みを運ぶフクロウ、吠えメールを運ぶフクロウ。大抵は自分たちには無縁のものなのだが、この日は珍しく、転入生、セバスチャン、オミニスの三人組が朝食を摂るテーブルの上を、ホーッっと鳴きながら灰色のフクロウが旋回していた。
「オミニス宛てかな」
転入生には荷物が届くような心当たりがなかった。オミニスの顔がぎゅっと寝起きの不機嫌さの数倍も険悪になる。
オミニスが家族に抱く感情とは裏腹に、彼の家族は思い出したかのようにふくろう便を送ってくることがあった。身の回りの細々とした品やお菓子、お小遣いなど。オミニスはそうした物が届くたびにこの顔をする。そんな様子でも荷物を捨てたり邪険にしたりはしないのが、なぜか彼らしいと思えた。
4848生徒が一番多くなる頃合いを見計らって、ホグワーツの大広間をフクロウが行き交い始める。新聞を運ぶフクロウ、分厚い紙包みを運ぶフクロウ、吠えメールを運ぶフクロウ。大抵は自分たちには無縁のものなのだが、この日は珍しく、転入生、セバスチャン、オミニスの三人組が朝食を摂るテーブルの上を、ホーッっと鳴きながら灰色のフクロウが旋回していた。
「オミニス宛てかな」
転入生には荷物が届くような心当たりがなかった。オミニスの顔がぎゅっと寝起きの不機嫌さの数倍も険悪になる。
オミニスが家族に抱く感情とは裏腹に、彼の家族は思い出したかのようにふくろう便を送ってくることがあった。身の回りの細々とした品やお菓子、お小遣いなど。オミニスはそうした物が届くたびにこの顔をする。そんな様子でも荷物を捨てたり邪険にしたりはしないのが、なぜか彼らしいと思えた。
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PASTボガートの話オミニス編Nameless here for evermore.「次。ミスター・ゴーント」
呼ばれて一歩前に出る。
がんばってと転入生が耳打ちしてきたのに、頷いて応えた。
みんなを通り抜ける間に、私またアレを聞くのは嫌とグレースが呟くのが聞こえる。他に何人かの嘆息も。クラスメイトたちの方が緊張しているのが、見えなくてもわかった。
誰もが何が来るかを知っている。去年も一昨年も同じものが出たからだ。
他のみんなのボガートはよく見えなかったしあまり音を立てないから自分ではわからなかったが、どうやらあのボガートはとびきりひどい部類らしい。初めてやったときなど、普段口を利いたこともないレイブンクローのアミット・タッカーに、「君のボガートのせいで数日間寝不足になった」と苦情を言われた。それにどう答えたかは忘れたが。
4258呼ばれて一歩前に出る。
がんばってと転入生が耳打ちしてきたのに、頷いて応えた。
みんなを通り抜ける間に、私またアレを聞くのは嫌とグレースが呟くのが聞こえる。他に何人かの嘆息も。クラスメイトたちの方が緊張しているのが、見えなくてもわかった。
誰もが何が来るかを知っている。去年も一昨年も同じものが出たからだ。
他のみんなのボガートはよく見えなかったしあまり音を立てないから自分ではわからなかったが、どうやらあのボガートはとびきりひどい部類らしい。初めてやったときなど、普段口を利いたこともないレイブンクローのアミット・タッカーに、「君のボガートのせいで数日間寝不足になった」と苦情を言われた。それにどう答えたかは忘れたが。
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PASTオミ&セバ、友だちになるルート一案。個人的にはそれなりにオミニスにも性格悪くあってほしい「貴方はオミニスで『言い訳はバッチリさ』をお題にして140文字SSを書いてください。」のお題で書いた。
友を得る目が見えないことがやたらと同情を誘うらしいと気づいたのは、ホグワーツに入ってすぐだった。足を引っ掛けて転ばしても、
「見えなかったんだ、すまない」
と言えば、彼らは決まって気まずそうな顔をして怒りを引っ込め、それどころかこちらの悪意すら疑わなくなる。
見えていないのはどっちだ?
これだけの人がいても、ごくつまらない人間が大半だと気付いて正直ガッカリした。だから、
「嘘をつくなよ。ゴーント家だかなんだか知らないけれど、僕は売られたはケンカは買うぜ」
なんて啖呵を切ってくれる彼の反応が嬉しくて、思い切り肩を殴られて尻餅をついたけれど、思わず笑ってしまった。
「わざとって気付いたのは君が初めてだ!」
彼はキョトンとして、
588「見えなかったんだ、すまない」
と言えば、彼らは決まって気まずそうな顔をして怒りを引っ込め、それどころかこちらの悪意すら疑わなくなる。
見えていないのはどっちだ?
これだけの人がいても、ごくつまらない人間が大半だと気付いて正直ガッカリした。だから、
「嘘をつくなよ。ゴーント家だかなんだか知らないけれど、僕は売られたはケンカは買うぜ」
なんて啖呵を切ってくれる彼の反応が嬉しくて、思い切り肩を殴られて尻餅をついたけれど、思わず笑ってしまった。
「わざとって気付いたのは君が初めてだ!」
彼はキョトンとして、
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PAST目が見えなくなるセバを掻きたいと思って書いたけど、困らなかったから話が広がらずに終了したやつ。生粋の魔法界生まれは治る負傷に対する意識ガバガバ耐性ありあり過ぎて話にならなかった
目が溶けた起きたことは至極単純で、魔法薬学の授業でオミニスの作った目薬を使ったら眼球が溶け落ちた。それだけだった。
「目が…溶けた…? どういうこと? 大丈夫なの、それ…」
転入生は狼狽しきった震え声で言いながら、こちらの顔をペタペタ触ってくる。包帯がずれるから止めて欲しい。
この目で見られないのが残念で仕方ないが、セバスチャンには彼が青ざめているのがはっきりわかった。入学したばかりの頃のマグル生まれのクラスメイトたちを思い出す。魔法や薬で何かが起きるたびに大騒ぎしていた彼らも今やすっかり魔法界に順応してしまい、今やこの種の事故にも慣れっこだ。だから転入生のこの反応は懐かしくも新鮮で、イタズラをしている気分になれるのが楽しかった。
2867「目が…溶けた…? どういうこと? 大丈夫なの、それ…」
転入生は狼狽しきった震え声で言いながら、こちらの顔をペタペタ触ってくる。包帯がずれるから止めて欲しい。
この目で見られないのが残念で仕方ないが、セバスチャンには彼が青ざめているのがはっきりわかった。入学したばかりの頃のマグル生まれのクラスメイトたちを思い出す。魔法や薬で何かが起きるたびに大騒ぎしていた彼らも今やすっかり魔法界に順応してしまい、今やこの種の事故にも慣れっこだ。だから転入生のこの反応は懐かしくも新鮮で、イタズラをしている気分になれるのが楽しかった。
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PASTお題で「今日も人間のふりをしている。」で始めて「今日も人間のふりをしている。」で閉めろって言われたのに閉めなかったダメなやつ書いてるうちにサイコパシーも生えたけど主訴は離人症&現実感消失症。あとゲーム画面のカメラって誰の視点なんだろうとか
今日も人間のふりをしている。今日も人間のふりをしている。
魔法生物たちはいつもそう言いたげな目でこちらを見てくる。
ご飯をあげれば食べてくれる。ブラッシングをすればちゃんと甘えてくれる。
でもそれはその時だけ。いつも少し遠巻きに、警戒しているみたいに僕を見る。
ナティやセバスチャン、ポピー。他のみんなにも先生たちにもシローナにもピピンさんにも、人間じゃないディークだってそんな目で見ないのに。
僕に向き合う魔法生物たちだけは、いつでも僕の頭の1ヤード後ろを見る。
ああ、そうだね、僕はいつもここから見てる。
恐ろしく疲れているときには偶にあったことだったけれど、ホグワーツに来てからそれはほとんど四六時中になった。
何もかもが自分の頭越しのように見えて、現実感がまるでない。ふわふわと浮わついた心地で、色鮮やかな景色もすべて作り物のよう。何をしていても操り人形を繰っているようで自分の体が動いている気がしないし、何かを感じてもそれはそのように感じているという情報だけで、胸の奥には手が届かない。
1945魔法生物たちはいつもそう言いたげな目でこちらを見てくる。
ご飯をあげれば食べてくれる。ブラッシングをすればちゃんと甘えてくれる。
でもそれはその時だけ。いつも少し遠巻きに、警戒しているみたいに僕を見る。
ナティやセバスチャン、ポピー。他のみんなにも先生たちにもシローナにもピピンさんにも、人間じゃないディークだってそんな目で見ないのに。
僕に向き合う魔法生物たちだけは、いつでも僕の頭の1ヤード後ろを見る。
ああ、そうだね、僕はいつもここから見てる。
恐ろしく疲れているときには偶にあったことだったけれど、ホグワーツに来てからそれはほとんど四六時中になった。
何もかもが自分の頭越しのように見えて、現実感がまるでない。ふわふわと浮わついた心地で、色鮮やかな景色もすべて作り物のよう。何をしていても操り人形を繰っているようで自分の体が動いている気がしないし、何かを感じてもそれはそのように感じているという情報だけで、胸の奥には手が届かない。
hl_928
PASTジャックドウ好き取り残される「君ってさ、ずっとそのままなんだよね?」
「そうだな。いつまでも俺はリチャード・ジャックドウだ」
「僕がいなくなっても、みんなが君を忘れても」
「そう、俺の死体が砂になっても、ホグワーツが瓦礫になっても」
「…それってこわくない?」
「ゴーストになって良いことを教えてやろうか?」
「なに?」
「ゴーストは気が狂わない。変わらないから」
「気が狂いそうなくらい怖いって言いたいの?」
「俺はそんなに繊細じゃないから難しいことはわからないね」
灰銀の透きとおった彼は、視線から逃げるようにその首を外して有らぬ方に放り投げた。
「じゃあな後輩! また来るといい!」
彼の首は弧を描きながら別れを叫び、胴体はこちらに手を振りながら去っていった。
321「そうだな。いつまでも俺はリチャード・ジャックドウだ」
「僕がいなくなっても、みんなが君を忘れても」
「そう、俺の死体が砂になっても、ホグワーツが瓦礫になっても」
「…それってこわくない?」
「ゴーストになって良いことを教えてやろうか?」
「なに?」
「ゴーストは気が狂わない。変わらないから」
「気が狂いそうなくらい怖いって言いたいの?」
「俺はそんなに繊細じゃないから難しいことはわからないね」
灰銀の透きとおった彼は、視線から逃げるようにその首を外して有らぬ方に放り投げた。
「じゃあな後輩! また来るといい!」
彼の首は弧を描きながら別れを叫び、胴体はこちらに手を振りながら去っていった。
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PAST強欲セバスチャンエゴ諦めを知らない、我の強い彼が打ちのめされている様はとても見ていられなかった。
罪の恐怖と後悔と魂の亀裂。その全てから来る痛み。
取ってあげよう。そう思った。自分ならうまくやれる。
「大丈夫。安心して」
彼の前に温かい紅茶を差し出しながら笑いかけると、両手を額に当てて俯いていた彼が顔を上げた。何日も眠れていない酷い顔だ。
迷いなく彼の両腕の隙間に杖を差し込み、胸に先端を当てる。スッと杖を引くと、なんの手応えもなく銀色の液体とも気体ともつかないものが杖にまとわりついてきた。
彼は虚をつかれて自分の胸から引きずり出される銀色を見つめていたが、すぐに我に返ってこちらの手首を掴み上げる。
窶れたその顔には嫌悪と怒りが溢れていた。
482罪の恐怖と後悔と魂の亀裂。その全てから来る痛み。
取ってあげよう。そう思った。自分ならうまくやれる。
「大丈夫。安心して」
彼の前に温かい紅茶を差し出しながら笑いかけると、両手を額に当てて俯いていた彼が顔を上げた。何日も眠れていない酷い顔だ。
迷いなく彼の両腕の隙間に杖を差し込み、胸に先端を当てる。スッと杖を引くと、なんの手応えもなく銀色の液体とも気体ともつかないものが杖にまとわりついてきた。
彼は虚をつかれて自分の胸から引きずり出される銀色を見つめていたが、すぐに我に返ってこちらの手首を掴み上げる。
窶れたその顔には嫌悪と怒りが溢れていた。
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PASTギャレス・人の心ないんか・ウィーズリーのSShappy happy snowly day目が覚めて窓の外を見た瞬間わかった。
最高だ!
毛布の隙間から寒さが忍び込み首筋が冷たい。ストーブの焚かれたこの部屋でこれだから、とびきりの冷え具合だ。風に煽られた重そうな雪は窓に張り付いたそばからガラス越しの熱に溶かされて呆気なく消えていった。暖かなベッドから飛び出すと寒気に足首をくすぐられる。それに誘われてギャレス・ウィーズリーはクシャミをひとつして、大変に満足した。
なんて素敵な天気!
上機嫌で着替えて大広間に向かう。朝食を摂りながら教員たちの席を眺めていると、マチルダ・ウィーズリーと目があった。今日は目をつけられたくない。いや、いつだって嫌だけど。にっこりと笑って手を振ると、彼女は牽制するような目線を寄越してからおはようというように頷いた。探していた顔は見当たらない。
2227最高だ!
毛布の隙間から寒さが忍び込み首筋が冷たい。ストーブの焚かれたこの部屋でこれだから、とびきりの冷え具合だ。風に煽られた重そうな雪は窓に張り付いたそばからガラス越しの熱に溶かされて呆気なく消えていった。暖かなベッドから飛び出すと寒気に足首をくすぐられる。それに誘われてギャレス・ウィーズリーはクシャミをひとつして、大変に満足した。
なんて素敵な天気!
上機嫌で着替えて大広間に向かう。朝食を摂りながら教員たちの席を眺めていると、マチルダ・ウィーズリーと目があった。今日は目をつけられたくない。いや、いつだって嫌だけど。にっこりと笑って手を振ると、彼女は牽制するような目線を寄越してからおはようというように頷いた。探していた顔は見当たらない。
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PASTあみっとぽえむ星を観測していると、なんて僕らはちっぽけなんだろうって気付くんだよね。まあ、ありきたりな感想なんだけど間違いのない事実だ。
星はあんなに小さく見えるけど、物凄く遠くにあって、本当は地球よりも何千倍も大きい。僕たちはそれに比べたら砂粒の何分の一ほどの大きさもない。えっ、他のものに例えたら…?比率が極端すぎて、他の物体との対比は無理だよ。
でね、僕はそれを考えると時々ホッとするんだ。
そりゃ僕も星みたいにいつか輝きたいって思うよ。でも何もかもうまくいかないって気分になった時は自分がちっぽけだって事実にホッとするんだよね。僕はまだ何もかもを自分でどうにかできるほど大きくない。うまくいかないことがあったとして、全部が全部自分のせいじゃない。偶然とか、他の誰かや何かとの巡り合わせとか色々な要素が全部絡んで何かが起きるんだから、何かがうまくいかないとしても、それが自分だけのせいだなんてそんなわけない。そんなに僕は大きくない。思い上がりだよ。
675星はあんなに小さく見えるけど、物凄く遠くにあって、本当は地球よりも何千倍も大きい。僕たちはそれに比べたら砂粒の何分の一ほどの大きさもない。えっ、他のものに例えたら…?比率が極端すぎて、他の物体との対比は無理だよ。
でね、僕はそれを考えると時々ホッとするんだ。
そりゃ僕も星みたいにいつか輝きたいって思うよ。でも何もかもうまくいかないって気分になった時は自分がちっぽけだって事実にホッとするんだよね。僕はまだ何もかもを自分でどうにかできるほど大きくない。うまくいかないことがあったとして、全部が全部自分のせいじゃない。偶然とか、他の誰かや何かとの巡り合わせとか色々な要素が全部絡んで何かが起きるんだから、何かがうまくいかないとしても、それが自分だけのせいだなんてそんなわけない。そんなに僕は大きくない。思い上がりだよ。
hl_928
PAST本編後ウィーズリー先生が転とセバの後見人になるとしたら―生徒Aの場合―
「ウィーズリー先生が新しい後見人?」
彼は驚いたように聞いたばかりの言葉を繰り返した。それから数秒だけ考えこんでわかりましたと答える。
その表情には前任の後見人を惜しむ寂寥感と、僅かに安堵が見える。
「もちろんあんたが他の先生に後見人になって欲しいなら」
「いえ、大丈夫です!」
彼はこちらの言葉を最後まで待たずに深く頭を下げる。
「ご迷惑をお掛けするかも…でも先生なら安心です。よろしくお願いします」
「六年生ともなれば進路のことも考えなきゃいけないからね。相談したいことがあればいつでもおいで」
そう言葉をかければ彼はホッとしたように笑って、
「ありがとうございます、ウィーズリー先生。何かあったらすぐに相談させてもらいます」
703「ウィーズリー先生が新しい後見人?」
彼は驚いたように聞いたばかりの言葉を繰り返した。それから数秒だけ考えこんでわかりましたと答える。
その表情には前任の後見人を惜しむ寂寥感と、僅かに安堵が見える。
「もちろんあんたが他の先生に後見人になって欲しいなら」
「いえ、大丈夫です!」
彼はこちらの言葉を最後まで待たずに深く頭を下げる。
「ご迷惑をお掛けするかも…でも先生なら安心です。よろしくお願いします」
「六年生ともなれば進路のことも考えなきゃいけないからね。相談したいことがあればいつでもおいで」
そう言葉をかければ彼はホッとしたように笑って、
「ありがとうございます、ウィーズリー先生。何かあったらすぐに相談させてもらいます」
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PAST転とオミ。匿うルート、上手く隠せば隠すほどオミニスのストレスヤバそう
「いつもどおり」の彼方此方「最近のセバスチャンについて、どう思う?」
二人だけでとわざわざ地下聖堂に呼び出されて、そこでされた質問がこれだった。
「どうってどういう意味?いつもどおりだと思うけど」
問いの意味がわからない。
最近のセバスチャンといえば、本をたくさん読んでいて、授業を受けて、たまに決闘で体を動かして、課題をして、同級生をからかって、ホグズミードに行って、授業をして、読書をして。なんのおかしなところもない。
オミニスは懊悩の浮かぶ顔で目を伏せる。
「…いつもどおり過ぎないか?」
なるほど。あんなことがあったのに、と言いたいのか。
「深刻な顔でいられたら、隠せるものも隠せないよ」
「それにしたってあんな…何事もなかったような態度」
1649二人だけでとわざわざ地下聖堂に呼び出されて、そこでされた質問がこれだった。
「どうってどういう意味?いつもどおりだと思うけど」
問いの意味がわからない。
最近のセバスチャンといえば、本をたくさん読んでいて、授業を受けて、たまに決闘で体を動かして、課題をして、同級生をからかって、ホグズミードに行って、授業をして、読書をして。なんのおかしなところもない。
オミニスは懊悩の浮かぶ顔で目を伏せる。
「…いつもどおり過ぎないか?」
なるほど。あんなことがあったのに、と言いたいのか。
「深刻な顔でいられたら、隠せるものも隠せないよ」
「それにしたってあんな…何事もなかったような態度」
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PAST本編後。懲罰室を私物化するセバスチャンというアイデアがあるここはあなたのための部屋「なにここ…」
セバスチャンのあとに続いてその部屋に入った転入生は思わず顔をしかめた。
スリザリン寮のある地下牢と言われるエリアの中でも、ここの「牢獄」っぷりはとびきりだと思う。なんというか、シンプルに趣味が悪い。
けれど、嫌悪感丸出しの言葉を受けたセバスチャンはこともなげに答える。
「いい場所だろ? 静かで、広くて頑丈なテーブルがあって、何より誰にも邪魔されない」
何十年か何百年積み上げられたままだかわからない、大量の埃の積もった本の山に手を伸ばす彼は、こちらを見もしない。本当にここを気に入っているらしく、鼻歌でも歌いそうな上機嫌だ。
「場所が場所だから、ここを知ってるやつはスリザリン生にも多いんだ。でも誰も足を踏み入れたがらない。大抵の空き部屋はイチャつきたい奴らが忍び込んでるものだけど、ここだけは例外だ」
1281セバスチャンのあとに続いてその部屋に入った転入生は思わず顔をしかめた。
スリザリン寮のある地下牢と言われるエリアの中でも、ここの「牢獄」っぷりはとびきりだと思う。なんというか、シンプルに趣味が悪い。
けれど、嫌悪感丸出しの言葉を受けたセバスチャンはこともなげに答える。
「いい場所だろ? 静かで、広くて頑丈なテーブルがあって、何より誰にも邪魔されない」
何十年か何百年積み上げられたままだかわからない、大量の埃の積もった本の山に手を伸ばす彼は、こちらを見もしない。本当にここを気に入っているらしく、鼻歌でも歌いそうな上機嫌だ。
「場所が場所だから、ここを知ってるやつはスリザリン生にも多いんだ。でも誰も足を踏み入れたがらない。大抵の空き部屋はイチャつきたい奴らが忍び込んでるものだけど、ここだけは例外だ」
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PAST本編後。アンが○ぬので注意ですfarewell my better halfそれは突然だった。午後の暖かさとビンズの平淡な語り声にやられて落ちかけていた意識が即座に引き戻される。
ぷつりと頭の奥で音がして、なにか繋がっていたものが切れた感触。
いきなり自分が半分の重さになったような気色の悪い浮遊感。
何かがごそりと背中全体から剥がれ落ちたような感覚。
いつの間にか胸の真ん中にぽっかり穴が空いている気がする。
すぐに、ああそうかと解った。
横を見るとオミニスとその向こうの転入生はすっかり眠りの世界に旅立っていて、深い寝息まで聞こえる。彼らを起こして言うべきだろうかと逡巡したが、結局口を噤むことにした。どうせすぐに手紙が届く。彼らはそれに酷く動揺するはずで、そうなるまでは何も考えずに眠らせてやるのが良いだろう。
531ぷつりと頭の奥で音がして、なにか繋がっていたものが切れた感触。
いきなり自分が半分の重さになったような気色の悪い浮遊感。
何かがごそりと背中全体から剥がれ落ちたような感覚。
いつの間にか胸の真ん中にぽっかり穴が空いている気がする。
すぐに、ああそうかと解った。
横を見るとオミニスとその向こうの転入生はすっかり眠りの世界に旅立っていて、深い寝息まで聞こえる。彼らを起こして言うべきだろうかと逡巡したが、結局口を噤むことにした。どうせすぐに手紙が届く。彼らはそれに酷く動揺するはずで、そうなるまでは何も考えずに眠らせてやるのが良いだろう。
hl_928
PASTアズカバンルートのセバとオミさあ、声を揃えて、ご一緒にやあ、オミニス。意外と早かったな。
君のことだからグズグズ決断できずに、10年は会いに来ないと思ってた。
ずいぶん背が伸びたな。でも、ここにいるわけでもないのに痩せ過ぎじゃないか? ちゃんと食事は摂ってるのか?
ああ、まともな食事が恋しいな。お菓子もね。
ところでオミニス。僕はずっと待ってたんだぜ。ゴーント家の人間がここに来るのを。
僕をここに送った君のことだから、きっと君の家族も招待してくれるはずだと思ってたんだ。
そうしたらやっと君の家族に挨拶できるし、君の話もできると楽しみにしてたんだけどな。
なのに待てど暮せど来やしない。
なあ、どうしてだ、オミニス?
まさか僕にしたことを、君の大嫌いな家族にはしてないなんて言わないよな?
758君のことだからグズグズ決断できずに、10年は会いに来ないと思ってた。
ずいぶん背が伸びたな。でも、ここにいるわけでもないのに痩せ過ぎじゃないか? ちゃんと食事は摂ってるのか?
ああ、まともな食事が恋しいな。お菓子もね。
ところでオミニス。僕はずっと待ってたんだぜ。ゴーント家の人間がここに来るのを。
僕をここに送った君のことだから、きっと君の家族も招待してくれるはずだと思ってたんだ。
そうしたらやっと君の家族に挨拶できるし、君の話もできると楽しみにしてたんだけどな。
なのに待てど暮せど来やしない。
なあ、どうしてだ、オミニス?
まさか僕にしたことを、君の大嫌いな家族にはしてないなんて言わないよな?
hl_928
PASTすごい久しぶりに二次創作したやつ。now it's yours 呼び出されて訪れた地下聖堂には、既にセバスチャンが待っていた。
二人きりになったのは久しぶりのことに感じる。
「オミニス」
彼の声は張り詰めている。
アンからの手紙を受け取ったあの日以来、セバスチャンはこんなふうに追い詰められた硬い声を出さなかった。する必要がなくなった。何もかもを失ったから。
「セバスチャン」
呼びかけに応える自分の声に警戒の色が出ていないか心配になる。
彼は誰よりも大切な友人だ。「だった」と表現はしたくないし、するつもりもない。けれど既に起きてしまったことを思えば、いつかそうなってしまう日が来たとしても不思議ではないと心の片隅で怯えている自分がいる。そして、そうなるとしたらそれは彼自身の行いの結果としてだろうという予想も。
3341二人きりになったのは久しぶりのことに感じる。
「オミニス」
彼の声は張り詰めている。
アンからの手紙を受け取ったあの日以来、セバスチャンはこんなふうに追い詰められた硬い声を出さなかった。する必要がなくなった。何もかもを失ったから。
「セバスチャン」
呼びかけに応える自分の声に警戒の色が出ていないか心配になる。
彼は誰よりも大切な友人だ。「だった」と表現はしたくないし、するつもりもない。けれど既に起きてしまったことを思えば、いつかそうなってしまう日が来たとしても不思議ではないと心の片隅で怯えている自分がいる。そして、そうなるとしたらそれは彼自身の行いの結果としてだろうという予想も。
baku.
DONEアウリスくんの過去編優しい親戚に引き取られる前までの話
文章処女なので変な所あっても許して下さい🙏
雀百まで 私と夫どちらとも似ていない真っ白な容姿。2人共金髪で瞳も違う色だけれど、きっと神様からの使いだわ。こんなに愛らしいんですもの。気にせず沢山可愛がるつもりよ。それにしても、手の掛からない子供だわ。3歳になっても魔法の暴走もないし、少し心配ね。嫌な予感が当たらなければ良いのだけれど。
息子が5歳になった。やっぱりこの子は魔法が使えないのかもしれない。いいえ、そんなはず無いわ。私達は純血ですもの。夫にも相談してみたけれど、もう少し様子を見ようって言うだけで特に焦ってる様子も無いの、私は心配よ。
夫の書斎で日々勉強している様で、魔法の知識だけは増えて行くみたい。私に沢山知識を話してくれるし、実践しようとしてくれる。でも唸るだけで魔法の流れさえ感じ取れ無い。
1967息子が5歳になった。やっぱりこの子は魔法が使えないのかもしれない。いいえ、そんなはず無いわ。私達は純血ですもの。夫にも相談してみたけれど、もう少し様子を見ようって言うだけで特に焦ってる様子も無いの、私は心配よ。
夫の書斎で日々勉強している様で、魔法の知識だけは増えて行くみたい。私に沢山知識を話してくれるし、実践しようとしてくれる。でも唸るだけで魔法の流れさえ感じ取れ無い。
いろは🍼
DONEリンカネの主軸カプの二人のお話。聖夜に祝福を。 Re:plicareのゲリラライヴの発表は12月25日、クリスマスイブからクリスマスへと移り変わった瞬間、唐突に発表された。会場情報は告知映像内で法則性もなく記される文字列や記号。それらの暗号を解読できた者のみが会場を特定できて訪れることが可能となっており、参加費用は発生しないフリーライヴである。前々からもっと近距離でファンと共に過ごしてみたい、と。ぽつりとこぼしたイヴの願いを歌姫に対しては底なしに甘いアダムが叶えたという形である。とは云えども暗号の難易度は会場の収容定員を越えないために敢えて高難易度に設定されており、謎を解いて加えて現地まで赴こうと行動する人物は如何程であろうか。否、そんな心配は不要である。いつもより遥かに小さな会場、教会にて開催されるゲリラライヴとなれば謎を解いた者は好奇心を擽られて必ずやってくると確信があった。アダムは元々吸血鬼であると素性が明かされているものの、イヴは正体所か名前と姿のみの情報以外はすべて非公開ではあるけれど、その実は淫魔である。魔の者たちが聖夜に教会にて神の子の聖誕を祝福するということも一興であろう。仮想配信は勿論のこと、映像としても残されない夢幻のような一夜の限定ライヴ故にできる試みとして、兼ねてよりアダムの指導を受けてピアノの鍛錬を重ねていたイヴによる弾き語りという貴重な要素も含まれていた。
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DONEソナーズにお試し投稿していたエス光の小話「あの頃の話」をこっちにも掲載したよ。あの頃の話 花のような甘い香りに、お酒みたいにくらくらする香り。様々な香りがする艶めかしいボディラインをした美人なお姉さん三名に、私は囲まれていた。
「ふぅん」
「こういうのが今の趣味なわけ?」
「平和になったってことかしら」
背の高いエレゼンの三人。見上げるとおっぱいが屋根のようでちょっと楽しい。
「えっと、何のことだ?」
「……あいつよ、あいつ」
「今のあなたの情夫のこと」
「い、いろ??」
何のことか分からなくて首を傾げると、良く知った名前を告げられる。
「エスティニアンよ、エスティニアン」
「娼婦になりたての子に同情したとか?」
「ありえる〜。平和ボケしてそう」
綺麗なお姉さんたちが次から次へと話をする。
私が首を横に振ろうが縦に振ろうがもう関係なさそうだ。
1526「ふぅん」
「こういうのが今の趣味なわけ?」
「平和になったってことかしら」
背の高いエレゼンの三人。見上げるとおっぱいが屋根のようでちょっと楽しい。
「えっと、何のことだ?」
「……あいつよ、あいつ」
「今のあなたの情夫のこと」
「い、いろ??」
何のことか分からなくて首を傾げると、良く知った名前を告げられる。
「エスティニアンよ、エスティニアン」
「娼婦になりたての子に同情したとか?」
「ありえる〜。平和ボケしてそう」
綺麗なお姉さんたちが次から次へと話をする。
私が首を横に振ろうが縦に振ろうがもう関係なさそうだ。