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    nachi_osora

    @nachi_osora

    GW:T、K暁にゴロゴロしてる。書くのはほぼ固定、読むのは雑食。だいたいけけ受肉してるしアジトメンバー全員わちゃわちゃしています。

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    nachi_osora

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    140字お題の「正直に申し上げます」で思いついたお話。140字どころじゃないのでこちらに。
    あきとくんの大学の友人(モブ)視点で、夏以降のあきとくん。ちょっとギャグ。一応けあきだけど、ほぼほぼ二人が出てないです。

    #K暁

    正直に申し上げます(友人Ver) 友人である『いづっちゃん』こと伊月暁人は、たいそうなイケメンだ。それを本人に言うと「何言ってるんだよ」と照れくさそうにするけど、そんな時までイケメン。
     ただ両親を早くに亡くしたり、妹さんが入院したりでどこか思い詰めたような表情が最近増えてて、友人一同はけっこう心配してた。
     あいつが何をしたって言うんだ、神様って意地悪だと憤る者も多かったが(いづっちゃんはイケメンなだけでなく良い奴なのでファンも多いのだ)、学生身分の俺たちに出来るのはせいぜい声をかけたり、出られなかった授業の内容を知らせてやることぐらいで。
     触れたら切れてしまうんじゃないかという張り詰めた空気……お盆を越えた頃がそのピークだったろうか、それがある時からゆるまった。
     危なかった妹さんが助かったらしいと聞き、みなで「良かったな、落ち着いたら飯でも行こう」と声をかければ、そりゃもう嬉しそうに微笑むもんだから、男女関係なく見とれてしまったほどで。
     詰め込んでたバイトを減らし、授業にもきちんと出るようになったいづっちゃんは、青白かった顔の面影などもうない。それどころか――。
    「なぁ、最近のいづっちゃん、変わったと思わね?」
    「あー、健康的になったよなぁ」
     それはそう。そうなのだが。
    「いや、それだけじゃなくてさ」
     言いよどむ俺に友人は「なんだよ」と首を傾げる。
     なんだろう、なんと言えばいいんだろう。
    「こう、雰囲気が」
    「雰囲気」
     元々いづっちゃんは良い奴だし、兄であるせいか面倒見もよくて、凛としつつも穏やかな空気をまとう男であったと思う、うん。
     だけど最近、そこに甘さというか……花のようなものを感じるのは俺だけだろうか。
    「とか言ってたら、あそこにいるの伊月じゃん」
    「え。あ、ほんとだ。連れがいるのか」
     声をかけようとした道路の向こう側の友人が一人でないことに気づき、呼びかけようとあげかけた腕を下げる。
     いづっちゃんと同じくらいの身長の、だがそこそこ年上そうなスーツ姿の男だ。親戚の人か、バイト先の上司か。そう思ったものの、それにしては目つきが鋭く立ち振る舞いも隙がないというか、どうにもカタギの人に見えない。
    「あれ大丈夫? その道の人じゃない??」
    「多分……? 伊月、意外と腕っ節あるし」
    「でもヤのつく自由業の方ならアウトじゃん?!」
    「笑ってるし、知り合いっぽい感じがするんだよなぁ……って、あ」
    「え」
     カタギじゃない人(仮)が、いづっちゃんの頬に触れた。その瞬間の、目を伏せたいづっちゃんの表情をなんといえばいいんだろう。
     喜びと、切なさと、愛おしさと、恋しさと……そんなものをぎゅっと煮詰めたような、甘い顔だ。色気がある、と言ってもいい。
    「あわわわわわ……!」
    「……お前が言ってたの、あれか」
     そう言われて、時々感じてた『花』と、今見てしまった『色気』が同系統のものだと理解する。
    「ち、近からずも遠からず?!」
     確かに甘いと思ったけど、さすがにあそこまでじゃない。
     友人の知らない一面を見てしまって(しかもあれ、ただの友人が見ていい顔じゃない気がする)動揺する俺のはたで、唯一気持ちをわけあえそうな相方は「まあ幸せそうでいいんじゃないか」とのんびりつぶやいた。
    「どんな関係かは知らんけど、あの伊月にあんな甘えた顔させるの、ただ者じゃないだろ」
     それに単純だが俺の動揺も少し落ち着く。まあ「どんな関係もクソもないだろあれは。どう見てもあれだろあの二人」というツッコミもあるけれど。
    「そっか。……甘えられるのか、いづっちゃん」
     二十歳やそこらで色んなものを背負い込んだ俺の大事な友人は、やっとそれを一緒に持ってくれる人に出会ったのかと。
     とりあえず。
    「ヤのつく自由業じゃないといいなぁ……」
     俺の心底からの心配に、横の友人はこらえきれず吹き出したのだった。
     
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    nachi_osora

    DONEけけにプレゼント買いたくて地下アイドルすることになったあきとくんの(アホな)お話。のはずだったんですがシリアス長編ルートになりました。
    最後はハッピーエンドです!
    秘密と、嫉妬と、愛の歌 KKに何かプレゼントを贈りたい。そう思いついたのはいつだったか。
     KKは暁人の師であり相棒でありそして恋人だ。長い夜を越えて二十以上も年上の彼とそういう関係になってしばらくたつ。本来だったら付き合うどころか出会うことすらなかったような違う世界の男だが、今の暁人にとっては誰にも渡せない大事な人だ。
     さて話は戻る。そうプレゼント、プレゼントだ。歳が離れてることもあり、あまり同年代の友人たちのような付き合い方をしていないが、プレゼントくらい渡しても罰は当たらないだろうと暁人は思ったのだ。
     スマートフォンでブランド物の財布や時計を眺めては、その値段に溜息をついてしまう。暁人に甘いKKのことだ、きっと何を贈ったって喜んでくれるに違いない。だけど彼の年齢を考えれば、あまりにも安っぽいものは似合わないだろう。かといって暁人の財布には厳しすぎる額だ。確かにKKと共にアジトのメンバーとしてバイトするようになってから以前よりも懐具合は楽になったが……目下暁人は学生なのでなかなか苦しい。
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    「ん・・・・・」
    優しい重みで暁人は目を覚ました。身じろぎしてほんの少しだけ重いまぶたをひらけば、目の前に裸のまま自分を抱きしめて眠るKKの姿がある。
    途端に昨日のことを思い出して、暁人は思わずもう一度ぎゅっと眼を閉じた。

    (・・・・あんなの反則だろ・・・!)

    昨晩ーいや正確にはつい先刻まで。散々啼かされて喘がされて、身体の奥の奥まで何度も穿たれて。
    思い出せばそれだけで、また身体が反応してしまう。待って待って待ち焦がれて、やっと得たものは、愛されているという実感そのもので、そして何よりも。

    (・・・こんなに、気持ちいいなんて)

    ほう、と思わず吐息が漏れる。本当なら昨日はまずは「お試し」であって、またこれから少しづつ何度も身体を重ねて気持ち良くなって行ければいい、なんて思っていたし、そうKKにも言われていたから安心していたのに。
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