朝の身支度 ぱっと目が覚める。
脳が揺らぎ、視界がぼんやり霞む。朝なのだ、と感じたのはぴったり閉じたカーテンから光が漏れているからだった。鉛のように重たい身体をのっそりと起こした。手を組み、腕を前に伸ばしてうんと筋肉を引っ張る。ふわあ、と欠伸をした。夢を見ていた気がするが、あまり覚えていない。おそらくたいして良い夢ではなかったし、特に嫌な気分になっていないので悪夢でもなかった。ああ、微妙に設定が現実離れしていた気もする。でも身近に自称宇宙人がいるせいだろうか、目を閉じたままじっとして「何があったっけ」と思い返していると、それは特に変な状況ではなかったように思えてきた。
(麻痺してきてるかも)
しょぼしょぼする目をぎゅっと閉じたり、開けたり。そうすると、目がじんわりと熱くなってくる。なんとなく血流が良くなった気がしてきたら、ようやく布団を剥いで床に足をつけた。裸足だったので、足の裏がひんやりと冷たくなる。眉を顰めつつ、そのまま立ち上がった。
2682