ぶぜまつとポリネシアンセックス・第五夜前編 本丸の畑にて、松井江は今までにないほどの熱量で畑仕事に精を出していた。本日の畑当番は松井と蜻蛉切の組み合わせで、蜻蛉切の手伝いと日頃畑仕事にやる気を出さない松井の尻を叩くために桑名江が自主的に手伝いに来たのだが、
「桑名、次は!?」
「あっ、えっと……じゃあ、向こうの区画にこれで追肥を、」
「了解!」
松井は桑名から肥料の入った桶を引ったくるように受け取って、ずんずんと勢いよく指定された区画に向かっていった。その後ろ姿を、桑名が呆然と眺めている。
「……松井、熱でもあるのかなぁ?」
普段の気だるげに畑仕事をする様子しか見ていなかったので、桑名は今キビキビと動く松井に違和感しか持てなかった。桑名が心配そうに松井の方を見ていると、後ろから蜻蛉切が声をかけてきた。
2029