Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    ひわ@turoporfali

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 124

    ひわ@turoporfali

    ☆quiet follow

    #sbcr_week お題:パラレル。🤍💜ウイーク四日目! ……ていうかこっちのほうがお題:花 っぽい気が…

    肩を並べて「人が多いな」
     花見客でいっぱいの公園を、あたりをいぶかしげに見回しながら、シリウスはそう言った。
    「いつも高いところで見てるから、気づかなかっただけだよ」
     僕はそう言いかえす。そして付け加える。
    「でも、やっとここまで降りてきてくれた」
     あの騒動の後、どうやらシリウスはプロキオンを許したようだった。
     今の彼は邪魂を追わなくなった。そのかわり、僕の行く先々に姿を現すようになった。僕から邪魂が出てるのかと思って、そう聞いたら、なんだか決まり悪げな感じで「そうじゃない」とだけ言われた。
    「プロキオンも誘ったんだけど、今更合わす顔がないから行かないって」 
     そう伝えると、シリウスはまじまじと僕の顔を見つめて、その後視線を外して「ふん」とだけ言った。
     今日は晴れていて、暑いくらいだ。
     宴会を開いているひとたちの敷物を避けようとして、足がもつれて転びかけたところを、腕を掴まれてようやく体勢を立て直す。
    「大丈夫か、やはり体がなまりきっているな」
    「そうかもね」
     昔だったらムキになっていたかもしれない。シリウスは絶対に追いつけない存在で、僕は必死になって後を追っていたから。
     でもいまはここまで降りてきてくれて、一緒に肩を並べて歩けている。
    「己もさっき転びかけた。高いところで人間どもを見下ろしていたほうが慣れてるし、気が楽だ」
     え、そうだったんだ。僕は全く気づかなかった。たぶんシリウスにも僕にも見えていないことはまだあったんだ、とそのとき初めて気づいた。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    👏👏👏👏👏👏👏👏👏💜💜💜💕💕💕🙏🙏🙏🙏🙏🙏🙏🙏🙏🙏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works