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    ひわ@turoporfali

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    #F蘭ワンドロ お題:桜/cherry blossoms。カップリング要素のない焔さんと樹果さんと寶さん。無駄に偽客(サクラ)要素がはいりました。最後だけちょっとチル蘭。

    サクラ「ええっ、ばーえふ? カレーがおいしいあのおみせ?」
    「ようせいさんが願いを叶えてくれるって、いまSNSで話題らしいよ……ていうか、焔、声が大きいのはいいけど、棒読み」
     bar Fの店内。カウンター前のスツールには、焔と樹果が座っている。
    「しょうがねえだろ、嘘がつけない性格なんだからよ」
     言いながら、焔がタンブラーの水を一気に半分ほど飲み干した。
    「君たち、バイト代出すんやさかい、あんじょうやりや」
     カウンター内から、寶が有無を言わさぬような笑顔を浮かべている。
    「金の亡者め…。SNSとリアル口コミ併用で店の宣伝、とか上手くいくのかよ」
     樹果は携帯をいじり始めた。
    「ばーえふは、都内にあるちいさなおみせです。不定休、ランチ営業あり、くらい書いときゃいいだろ、ねえ寶」
    「そんな感じでよろしく頼むで」
    「わかった、じゃあ行ってくる、焔、行こう」
    「おう」

     外はまだ寒い。だが夭聖のふたりには気にするほどのものではない。ふたりが外に出ると、午前中のせいか、人通りはまだ少なかった。
    「もうちょっと人の多いところ行こうか。ところでうるうは?」
    「知るかよ。今日は卒業式で、在校生送辞を読まされるとかで学校に行った」
    「知ってんじゃん……」
    「何か言ったか? そういえば蘭丸は?」
     返事をためらっていた様子の樹果が、ぎこちなくしゃべりだした。
    「チ……リウスと出かけてる。桜を見にいくんだって」
     焔は一瞬眉をしかめたが、平静を取り戻したようだ。
    「仲がいいのか、自分を虐めたいんだかわかんねえな、あいつ」
    「あいつって誰、蘭丸?」
     歩きながら焔は考えているようだった。
    「どっちもかもな。つうか、あんまり喋ってると宣伝文句を忘れちまいそうで」
    「ごめん焔、それ俺も」
     確かに「どっちも」かもしれない。自分が見えていないくせに、自分を傷つけたがるところが、チルカと蘭丸、あの二人はとてもよく似ている。
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