140文字まとめ★140文字で書くお題ったー様
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【無自覚バカップル】
度重なる連戦にマガツヒが枯渇するのが分かる。最後の一匹を斬り伏せて溜息を細く吐いた。回復しようにも龍穴まで遠い。
「王、どうぞ」
従者である騎士が知恵の親指を自らの剣で斬った。血とマガツヒがどろりと溢れる指を躊躇いもなく差し出す。
「頂きます」
王はその手を取ると躊躇いもなく口に含んだ。
【いつかの夢の続き】
細い指が首筋を這う。鎖骨を撫で、長い睫毛を揺らして形の良い小さな唇から熱を吐く。
「フィン」
仕えるべき王が愛しむ声色で名を呼ぶ。熱が滾る。目眩がする。触れてくる彼の熱さにこれは夢ではないのだと気付く。自分だけ理解できぬまま、淫靡に振る舞う王は唇を歪めて笑う。
「夢の続きを楽しもうか」
【きっとたぶん】
視線が痛い…まるで貫通スキルで射抜かれたように突き刺さる、熱を孕み艶やかさすら感じる翡翠の眼に居心地悪く身を捩る。あの視線を知らない訳ではない。ただの学徒であった頃、遠巻きに送られていた…彼の物はそれより強い。
けれどその意味を汲み認めてしまっては、きっとこの先へ進めなくなるのだ。
【捨てられないガラクタ】
王がその掌にある小秘石を大切そうに撫でるのを見て、フィンは小首を傾げた。
「王よ、それは」
どう見ても何の変哲も無い小秘石に見える。
「覚えてるか、これ。お前が最初にくれた物だ」
「…もっと良い物を贈ります」
その言葉に王は綺麗な笑みを浮かべて言った。
「お前からの贈り物なら何でも宝物だよ」
【結論はとうに出ている】
滑らかな指が鎖骨を撫で、首筋をなぞり、頬を辿る。
「フィン」
王が痺れる様な甘い声色で名を呼ぶ。俺はその手を取り、甲へ忠誠の口吻を送る。愛しいその手に縋りたい。彼を俺だけの王に出来たらどれ程いいだろう。
ああそうだ…最初から解っていた。
俺は王に焦がれている。愛慾を籠めて見ているのだ。
★想像して…ほらかわいい…様
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【あんまりお歌の上手じゃないフィン主】
完全無欠の王にも欠点があるのだと初めて知ったフィンは、それを垣間見た戦闘後笑いが止まらなかった。
「…笑うな」
むすりとした王が言う。彼の【子守唄】は寧ろ覚醒しそうな出来であった。
「いや、悪い。っくく」
睨む王が可愛らしくて、思わず昔の口調でフィンは言った。
「今度俺が歌を教えてやろう」
★キスしたあとの反応ったー様
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【フィンが主にキスをすると「おねがい、もう一回だけ、もーいっかいだけ、しよ?」とウルウルしながら熱いほっぺたをすりよせてきました】
甘く蕩けるとは上手い表現だ。
重ねられた唇から伸びる彼の熱い舌に口内を蹂躙され、甘露の様な唾液を送られ喉を潤す。耳障りな水音と互いの荒い呼吸に聴覚を犯されて、それから離れる唇の間に銀糸が紡がれ途切れる。
『もう一回だけ』
紅潮した頬を寄せれば、従者は優しく笑み再び少年の顎を掬い取った。
★おばかなことをする2人が見たい様
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【片方がカッコつけてコーヒーのブラックを頼むも一口目で挫折し、結局相手に押し付け合うフィン主】
「んッふ」
凄い声出したな、と従者を見れば端正な顔を歪めて咽込んでいる。手にしたマグには東京から持ち込んでみた珈琲が入っている。
「あ、ごめん、苦かったか」
まさかそこまで咽るとは。
「少し甘くしようか?」
「…頼む」
ブラックのまま珈琲を飲む俺を、甘い珈琲を飲む彼が悔しそうに見ていた。
★CP向け140字・SSお題様
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【とぎれとぎれ】
指が、肢体が、金と蒼の長髪が絡む。
「ふぃ、ん、フィン…」
簡素な布の上に組み敷かれたまま、甘い鳴声の合間に必死で愛しい騎士の名を呼ぶ。その姿が堪らなく愛しくて、騎士は優しく彼を揺さぶりながらあやす様に彼の髪を梳く。
「大丈夫だ。俺はお前さんの目の前にいるよ」
少年がうっとりと微笑んだ。
【二人を包む朝】
簡素なベッドの上で素肌を寄せ合い、重ねて温め合えば例えどんな場所でも平気だ。
隣で眠る彼の頬にかかる金糸を指で払い、目の下の紋様を辿る。触れた指先から温かな体温と愛しさが溢れてくる。確かに彼は此処に存在している。
たとえこの世界が荒廃し滅びたとしても、二人で朝を迎えられるなら本望だ。
★この台詞で素敵な作品を様
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【幸せにするのは、俺だと信じていたのに】
甘い熱を抱く宝玉の瞳が彼奴を映しているのが赦せない。王の隣で連れ添い歩く彼奴は何だ、貴様は王の何を知っている?彼は俺の、俺だけの王だ。触れるな話すな見るな!
「…フィン」
血溜まりの中に立つ王に手を差し出す。
「王よ、手を」
貴方の隣で永世の忠誠を誓うのは俺でなくてはならない。
そうだろ?
【言い訳でもあるのか?言ってみろ。聞くだけ聞いてやる】
突然重ねられた唇に驚く事等なく他人事の様に思ったのは、彼の視線の熱に気が付いていたから。
「っ、申し訳無い」
無意識の行いだったのだろう、慌てて顔を背ける姿に腹が立つ。長い髪を引っ張り、呆けた唇を舐めて笑う。
「で?このキスに言い訳でもあるか?告白なら聞いてやる」
彼は目を丸くしていた。