140文字まとめ②★この台詞から妄想するなら様
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【受け取ってくれるかい?】
煌めく銀色の宝石を差し出されて、少年は瞳を瞬かせた。
「人間はこれを婚姻の証にするのだと聞いた」
フィンが照れくさそうにはにかむ。
「受け取ってくれるかい?」
いつか見た恋愛ドラマの様だ。煌めいているのは指輪ではなく、ダイヤその物だけど。
「…はい、喜んで」
その宝石の通り、永遠の愛を誓う。
【溢れてきてるよ】
節の張った指がするりと滑り込む。人差し指が一本入れば、次は中指。柔らかな粘膜を撫でて解して拡げる。
先程この身に受け止めた彼の滾る遺伝子が腹の奥底から溢れ出る。それはねっとりと糸を引いて敷かれた紅緋色のマントに落ち白い花を咲かせた。
「溢れてくるな」
嬉しそうに言うな、恥ずかしい奴め。
【苦しいのに、辛いのに、この想いは消えないんだ】
彼は悪魔。
そんな事解っている。
永世の忠誠を交えても、この旅の果てには闇しかない。
『…そんなこと、わかってる』
だから離れようとした。
それでも彼はついて来た。
不義理な俺に変わらぬ愛と忠誠を誓ってくれた。
行き着く先は闇と、解っているのに。
「…愛してるんだ」
彼への愛情を捨てられずにいる。
★おばかなことをするふたりが見たい。様
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【なんとなく気まぐれで相手を褒めてみたところ、何か裏があるのかと疑われムカついたので無理矢理褒め続けた結果なんか変な空気になるフィン主】
「顔が良いよな」
「…は?」
何でも無い戦闘後に唐突に言われ、フィンは腑抜けた声を上げた。
「あと性格と声もいい。手も脚も長いし少し癖のある金髪も綺麗。服の裾が短いのも似合ってるし」
「王、一体…」
唐突すぎて頭が追いつかない。苛ついた様に王が言う。
「ただ俺がフィンの全てを愛してるって話」
★今日の二人はなにしてる様
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【マーガレットを育てることにした。ピンクのマーガレット。花言葉は「恋占い」「秘密の恋」「真実の愛」。この恋の行く先はどうかな?花も恋も一緒に育てていきましょう。】
妖精の集落に花の苗を持ち込んだ。他の場所とは違い木々が豊かに育つここなら、きっとよく育つのだろう。
「小さいですね。何の苗ですか?」
小さな蕾を蓄えただけの苗を見て従者が言う。
「貰い物だから俺も分からないんだ」
お二人にお似合いですよ、と貰った花の苗。
「咲いたら真っ先にお前に見せるね」
★CP向け140字・SSお題様
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【暖かな鼓動】
柔らかな絹糸の布に二人包まれて朝を迎える。
自分とは違う細く靭やかな筋肉のついた滑らかな胸に頬を寄せれば、暖かさと緩やかに脈打つ鼓動が聞こえた。
「愛してるぜ」
頬にかかる蒼い髪を指先で払う。
王と慕う彼が腕の中に居る。
ここで共に生きている。
それを確かめれば、また一つ強くなれる糧となる。
【色づく】
「見てるだけで寒いな」
広がる銀世界で王が苦々しく言う。従者は小首を傾げるがそれ、と自分の装束を示され理解した。
「俺は平気ですが」
「俺が寒い…そうだ」
従者に近付くと彼の胸元に体を滑り込ませ、両手で頬を挟み引き寄せ口吻る。
「これでよし」
頬を真っ赤にした従者に王は満足気に言ってみせた。
★140文字で書くお題ったー 様
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【愛してる、って言ったら満足?】
騎士は傅いて王の手の甲へと誓いの口吻を落とす。次いで手を上に向け唇を滑らせ手首を喰み、それから掌へを舐め、指先に触れる。流れるように手への口吻を続ける騎士の髪を空いた手で梳かしながら王は言った。
「満足したか?」
口吻の意味。
忠誠と慕情を含む騎士の求めに王は答える。
「俺も愛してるよ」
【全部全部、君のせい】
長い長い旅路の果てにこの地へ来て、自分が仕えるべきと心から思える王に出会い、そして永世の忠誠を誓った。
自分は彼の騎士。
彼の往く道において彼の剣となり、楯となる事を約束した…筈だった。
「それがまさか、な」
忠誠以上の愛を紡ぎ合うだなんて、貴方が魅力的なせいだ。隣で眠る王へそう呟いた。
★140字SSお題ネタったー③ 様
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【舌と舌で】
連戦に魔力が枯渇する。
「拙いな」
道具からチャクラドロップを取り出し口に含む。
「あ、ズルい」
敵を薙ぎ払った少年がフィンの口にドロップがある事に気付き、彼のマントを掴み引き寄せて唇を寄せた。絡む二人の舌の間でドロップは溶ける。
「まだやれるだろ?」
「勿論」
回復した二人は大群を見据えた。
★じれったいお題ったー様
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【いっそ、拒んで】【くるしい】【いつもと、ちがう】
労るつもりで王の手を取った。王はフィンの手を自ら頬にあてがうと金色の瞳を恍惚に細めて擦り寄る。恋する乙女の様な姿に戸惑う。
『なんだ、それは』
熱が上がり鼓動が早くなる。
「フィン」
王に艶を含む声色で名を呼ばれる。
『駄目、だ』
王へこのような感情を抱いてしまっては…彼の騎士として失格だ。
【お香嗅がせまくってたので…】
力を付ける為にと香を渡される。それを嗅げば魔力が増大するのが確かに分かる…いい匂いではないが。
「なぁ、王よ」
「何?」
渋い表情でフィンは王に声を掛けた。振り返る王へ手を伸ばし長い髪を一房取る。
それを鼻に寄せれば、彼の甘い香りが全身を刺激した。
「俺は王の香りだけで強くなれるんだがな」
✠ ✠ ✠
ふと彼の編み込まれた髪が乱れているのに気付く。
「髪が解けてる」
直してやろうと手招きすれば彼は一つ返事で此方へとやって来た。
「…どうかしたか?」
掌に流れる金糸に以前彼が自分の髪を嗅いでいたことを思い出して、同じ様に鼻に寄せてみた。
『あ…拙い』
彼の鮮やかな香りに体の奥底が熱く滾った。
【おフィンとセタンタさんを会話させようとしたら主ちゃんにしこたま邪魔されたので】
数日振りに会った同郷の悪魔に、フィンは剣を仕舞い話し掛けようと歩みを進めた。
が、急に割り入った王の背に阻まれてしまう。数言話すと悪魔は手を振り去っていってしまった。
「王?」
振り返る王の頬が何故か赤い。
「だってお前、セタンタに会うといつも俺の自慢するだろ…聞いてて恥ずかしいんだよ」
【主従は体躯差が凄いですね】
三編みを解いた長い金糸を掻き分けて、隆々とした筋肉を纏う広い背中に唇を這わせる。
背筋を辿り、肩甲骨を甘噛して僧帽筋の筋を舌先で舐めた。
「おいおい、随分と積極的だな。足りなかったか?」
伸びてきた大きな掌に頭を撫でられる。
「…うん」
彼と自分の体はこんなにも違うのだと認めざるを得ない。
✠ ✠ ✠
かかる蒼い長髪を払い、薄く肉付き小さく膨らんだ胸筋を掠め、浮き出た肋骨を撫でると臍の筋を擽り、細く括れた柔い腰を掴めば滑らかで柔らかな肌に俺の指が沈んだ。
「…もう一回、する?」
素肌を確かめる俺の動きに甘い笑みを浮かべた王が言う。
「では、お言葉に甘えて」
その靭やかな躰を組み敷いた。
【陰鬱な主従の420文字】
※フィンヤンデレ、微グロ※
《フィン》
血と禍つ霊で溢れる赤い湖の上に立つ騎士だった者は鞣し革のブーツが穢れるのも構わず湖の中心で項垂れる王に歩み寄る。可哀想に美しい王の顔は血に濡れ絶望に歪み長い髪も血の中に揺蕩い穢れていた。騎士だった者が王の前に跪き殺戮を行った穢い手で王の顎を掬い取り恍惚と囁く。
「これで俺のモノだ」
✠ ✠ ✠
《主人公》
一人、また一人と目の前で仲魔が惨殺される光景を見る事しか出来ない。聴いた事無い絶叫を上げ血と禍つ霊を噴き上げる様に嘔気が迫り上がる。金糸と紅緋の布を翻し殺戮を繰り返すアレは何だ?化け物?俺はアレを知らない。アレが俺の騎士である筈ない。竦む体で只自分に言い聞かせるしか出来なかった。
✠ ✠ ✠
《アオガミ》
彼の意識に呼び掛ける。返事をしない…いや、出来無いのだろう。目の前で起こっている光景は余りにも酷たらしく惨めですらあった。心拍数が上がっている。吐物が溢れる。必死に呼び掛ける。今の私にはそれしか出来ない。何度も呼び掛ける。
…最期に歪んだ騎士の顔を認識し、私の意識はそこで途切れた。