運命の染色体季節は巡る。
その中でも変わらないものがある。
言葉にしないと通じ合えないものだろうか。
夜酒を嗜みながら、ふと、愛しき相手の横顔をみる。
精悍な顔立ちで凛々しく微笑んでいる貴方の姿が何よりも愛おしい。
酒でほんのりと顔が紅くなっている麗しき端麗な顔立ちに思わず女性と間違えてしまいそうになる。
そんな愛しき貴方。
生誕は一緒にお祝いしたい。
なんなら記念日も一緒に寄り添っていたい。
赤い糸の染色体が掛け合わせてくれた天命の人だから。
ひとつの命として産まれてくることができればいいのに。それは不可能かな。
一緒に生きて共に死を迎えたい。
そんな風に貴方は思ってくれていますか?
貴方は私の天命の人です。
赤い運命の染色体が引き合わせて心同士を引き寄せてくれたのです。
そんな風に思ってもいいですか?
病めるときも健やかなるときも死が二人を分かつまで共に在り続けたいと思うのは本望なのです。
そんな気持ちを貴方はご存じでしょうか?
ただ言えることはひとつだけ。
額をこつんと重ね合わせて互いに微笑み合う。
その瞬間が何よりも大事で何よりも愛おしい。
『我愛你』
二人が言った一言はそれだけだった。
微笑み合ったまま夜酒の酔いの心地好さとなびく風の過ごしやすさに身を委ねて時間を忘れて二人は身を任せた。