はじめての恋人穹は恋愛というものをまだよく理解しきれていない。
全くの無知という訳ではなく、恋愛関係にある者、恋人同士というものが何をするかくらいは知っている。
思いを伝えあって、共に寄り添い歩いて、手を繋いで、唇を重ねて、そして…
生まれて初めての恋人が出来てから、穹は三月なのかの読んでいた本や人に勧められた映画で予習はしたのだが、どれをどうすればいいのか、どんな切っ掛けタイミングで手を繋いだらいいんだろう等と何処かで聴いた歌のような悩みを抱えていた。
これを人に話すと、まずまず『お前の恋人に任せておけばいいんじゃないか』と返される。
それは穹の恋人がそういった情事に通じていそうな…悪く言えば遊び慣れていそうな男、サンポ・コースキだからだろう。
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