贖いに名はつかないキリオ・オルブライトは同僚兼恋人のチェキータ・ローランと出勤した際、署長直々に執務室まで来るようにと話しかけられた。
元からフランクに接してくれる署長ではあるが、出勤してすぐに説明も少なく執務室への呼び出しという流れに少しの違和感を抱いたのは確かだった。
「署長から呼び出しって珍しいっすね、先輩なんかやらかしちゃったとか…!?」
「思い当たる節はないけど、ゼロとも言い切れないな。とりあえず行ってくるから、今日のニュースでも確認しておいてくれ」
「了解っす!行ってらっしゃーい」
ニコニコといつも通り呑気に笑うチェキータに見送られ、所長の執務室のドアをノックする。
名前を告げると程なくして「入ってくれ」と返事があったので「失礼します」と声をかけてドアを潜った。
12484