nmc29bananaxxx @nmc29bananaxxx 君と篤に飢えた妖怪なんでも食べる絵とSSS無節操にぽいぽいする ☆quiet follow Yell with Emoji Tap the Emoji to send POIPOI 75
nmc29bananaxxxMEMO🐰種🎂のアレ 滑り込み曲種宴のあとで「ったくどうすんだ、これ」 結局大量に持ち帰ることになったクラッカーの山を前に、大曲はため息をついた。 「せやから毎日何かお祝いしたらええやん」 沢山の人に祝われて上機嫌の種ヶ島は、大曲の肩に凭れかかって上目遣いに笑う。ふわりと香るいつもの香水の匂いも、何だかより甘く感じるのは気のせいか。 「例えば?」 「えー?『修二くん今日もかっこよくいてくれてありがとう』、とか?」 「自分で言うなし」 額を小突くとけらけら笑う声も、綿菓子のように甘ったるい。嬉しい、楽しい、幸せ。そんな感情を素直に表現されて、悪い気がする奴はいないだろう。 「ま、誕生日はまだ終わってへんし。まだまだお祝いしてくれるんやろ?」 「それはいいけどよ……そんなに何個もクラッカー鳴らす必要ねーだろ」 668 nmc29bananaxxxDOODLEちっちゃい篤にご機嫌な君 nmc29bananaxxxMEMO📕のアレ 月+篤 ちょっと🗼🗼匂わせさして興味はない、が 目当ての本を無事購入し、越知は都内の街並みを歩いていた。ふと、特大広告が目に留まる。 (君島か) 近頃の君島は芸能人としての人気がますます高まっているようで、そこかしこで彼の姿を見かけるのだ。相変わらず活躍しているようで何よりだと思いながら、スマートフォンを取り出してカメラを起動させた。 (……悪くない) 人が写り込むことも、光の反射が入ることもなく、なかなか良い写真が撮れたのではないか。だからと言ってどうということもないが。スマートフォンをポケットにしまい、また足を進めるとカフェが目に入った。少し休憩でもするかと、店内に入りコーヒーを注文する。 一息ついたところで、先ほど撮った写真を思い出した越知は再びスマートフォンを手にし、トークアプリを起動させた。通知の一番上にあるトーク画面に、写真を送信する。ほどなくして『新しいCMのやつですね!めっちゃかっこいいです!』という返信と、キラキラと目を輝かせるうさいぬのスタンプが送られてきた。越知はこうして、君島を慕う後輩のためにときどき写真を送ることがある。そのたびに良いリアクションを返してくれるから、口角も上がってしまうというものだ(喩えそれが誰にも気づかれない程度だとしても)。 1039 nmc29bananaxxxMEMO📕のアレ 種がちょっといる飴色の声 最近、君島の様子がおかしい。 おかしいと言っても、何か特別なことが起きたわけではない。俺が話しかけると眉を顰めるのも同じだし、側から見たら相変わらずな関係に見えるだろう。 「……遠野くん」 ほら、これだ。語尾が妙に甘ったるい。お前はもっとこう、すっと冷たい薄氷のような声で仕方なしに呼んでいただろう。それが今では、まるで舌に蜂蜜を乗せたみたいな吐息で俺を惑わせる。低く歌うような音色に、背筋がぞわりと粟立った。 「何だよ」 「いえ。ただ、珍しくぼーっとしているようでしたので」 「別に、んなことねえ」 視界の隅に種ヶ島のにやけ顔が入り込む。何なんだアイツ、ブン殴りてえ。 「なら、いいのですが。……私の足手まといになるようなことはしないでくださいね」 546 nmc29bananaxxxMEMOずっと📕ネタ ぴゅあ篤仕立てです(?)たまには処刑の話を 歩み寄ろうと決めたのは、私だ。だからこれは受け容れなければならない。彼が私を受け容れてくれたように。そう頭ではわかっているのだが、心がついていかない。 「何と七歳で死刑執行人になったヤツがいるんだ!興奮するだろ?」 「はあ」 もうかれこれ何時間経ったことだろう。意を決して「また好きな処刑人の話を聞かせてくれますか?」と聞いてみたら、ぱあっと顔を輝かせた遠野くんに腕を引っ張られて部屋に連行され、延々と処刑人講座を受けて今に至る。よくぞこれだけ話が続くものだとその知識量には舌を巻くが、流石に痺れを切らしそうだ。 (少し前の私からしたら、ありえないですね) そもそも、自ら彼の処刑の話を聞こうと申し出ること自体、私の中では革命だと言っても良い。しかも話の腰を折ることなく、ただひたすら楽しそうな饒舌に相槌を打っているのだから、自分で言うのもおかしいが明日は雪が降るのかもしれない。 878 nmc29bananaxxxSPOILER君のデレにずっと脳焼かれてる nmc29bananaxxxMEMO入+君 🐰篤🎂のアレmutual love「はあ……」 君島は深いため息をつきながら合宿所の廊下を歩いていた。「俺の処刑についてもっと詳しく教えてやる」と言って聞かない遠野に捕まり、練習終わりだというのに長々と話に付き合わされていたのである。 (まったく、誕生日じゃなかったらこんなこと絶対に許されませんよ) 彼の処刑に対する情熱は認めるが、だからといって自分にもそれを押しつける気持ちはいつまで経っても理解できない。そんな話を聞かなくとも、試合で嫌というほど見せられているのだから。それこそ、他のチームメイトに処刑法について説明できてしまうくらいに。 「あれ、君島」 「入江くん」 もう一つため息をついたところで、そのチームメイトに声をかけられる。入江もまた、遠野の誕生日祝いに一役買った男だ。 966 nmc29bananaxxxMEMO桜花見と曲種甘〜い両思い曲種で参加させていただきます!成人済設定春の宵は貴方と 花見をしよう、と修二に誘われた。時刻は夜の九時。 「こんな時間からか?」 「夜桜っていうのも風流でええやん。昼間は混んでるしな」 「まあ、確かに」 コンビニで適当につまみでも買っていこうや、なんて言って。二人で暮らすアパートを出ると、街灯の明かりの先に月がぼんやりと浮かんでいた。 角を曲がったところにあるたい焼き屋は、夜遅くまで営業している。顔を合わせると、今日も買っていくかい、と言われたから、せっかくならといつものヤツを二つ買った。 「たい焼きなら、ビール合わへんなあ。熱いお茶でも買っとく?」 「つーか、出来立てだし公園行く前に食うわ」 「それ正解⭐︎」 食べ歩きなんて行儀が悪いとは思いつつも、誰もいない夜道だからたまには良いだろうと誰も聞いていない言い訳を心の中で独り言ちた。紙袋から取り出した一つを修二に手渡し、もう一つのたい焼きを早速味わう。外はさくさく、中はふわっとした丁度良い甘さの生地に、ずっしりとした餡子は安定の美味さだ。 891 nmc29bananaxxxMEMO君大好きな篤理由なんてない「おっ君島、今日もそれしか食わねえのか!」 「……ハァ」 ここ数日、合宿所のレストランで朝食を摂っていると当然のように向かいに腰掛けてくる男がいる。君島は大きなため息をついた。 「朝くらい、一人で過ごさせてくれませんか」 「アァ?それより俺の好きな処刑人の話、聞かせてやるよ」 「人の話、聞いてました?」 自分はとうに食事を終えたらしい。湯呑みだけを持ってやってきた遠野は、今日も処刑だの血祭りだの物騒な単語を朝から楽しそうに並べ立てる。周囲はこの光景に慣れてしまったらしく、誰も助けてはくれない。 「何度も言ってますよね、私は処刑など興味ありません」 「だからお前にも処刑の良さがわかるように、俺が話してるんだろ」 843 nmc29bananaxxxMEMO旅先でイチャつく君篤Bonnes vacances「……すげえ」 本日の宿であるヴィラに到着すると、遠野はあんぐりと口を開けて絶句した。久々にまとまったオフが取れたという君島に誘われて、二人でリゾート地に赴いたのだ。五つ星であるこのホテルの客室の中でも最高級のヴィラスイートは、リビングからエメラルドグリーンの海とプライベートプールが見渡せた。 「プールの隣には露天風呂があります。この辺りで天然温泉は珍しいんですよ」 「ていうか、広すぎねえ……?」 「まあ、ご家族で泊まっていただけるような広さではありますね」 たった二人で泊まるには広すぎる間取りに、贅を極めた部屋の造り。都会の喧騒から離れ、他人の気配を感じさせない空間はどこか開放的な気分にさせる。 「気に入りましたか?」 700 nmc29bananaxxxMEMO🐰篤4月ボイスを聞く季節ですね散り際が一番美しい 君島が日本に滞在する期間は仕事とテニスの合宿のときだけだが、桜の季節にそれが重なると、自分も日本人なのだなと改めて感じる。薄紅色の花びらが咲き誇る光景は美しく、心が洗われるような思いがするからだ。 「綺麗ですね」 「そうかァ?明日には全部枯れてたりしてな!」 そう言ってけたけたと笑う隣の男は自分よりもよほど日本に長く住んでいるはずなのに、どうしてこうも風情がないのか。わかっていたこととはいえ、ついため息が零れる。 「本当にアナタって人は、情緒とかそういうものがありませんね」 「俺にそんなもん求めんなよ。桜ねえ……地元はもっとすげえからな」 「ああ……なるほど」 確かに彼の故郷には桜の名所があると聞いた。城を一望できる公園には、さまざまな種類の桜が何千本も花を咲かせるのだという。それはさぞ風光明媚なことだろう。そんな素晴らしい景色にも大して関心がなさそうな男は、さらさらと絹のような黒髪を揺らしながら、時折舞い落ちる花びらを交わして歩いていく。皮肉にも大層画になるその様に、君島はすうっと目を細めた。練習終わりの日も暮れた帰り道、辺りには誰もいない。 751 nmc29bananaxxxMEMO篤が君を抱っこしたくなる理由nostargia 一人っ子で物心ついた頃には自分の部屋が与えられた遠野に祖母がくれたのが、くまのぬいぐるみだった。茶色くてまあるい瞳に、淡いグレーのふわふわの毛並み。家にいるときはいつでも一緒だった。大事な友達で相棒。ぬいぐるみは遠野の話を何でも聞いてくれた。周りの子どもたちには呆れられるようなことも、静かにうん、うん、と頷いてくれるのだ。遠野はこう見えて几帳面で、ぬいぐるみを丁寧に扱った。汚れるから決して外には連れて行かなかったし、毎日乾いた布で手入れをしていた。ぬいぐるみはいつでも綺麗な毛並みを保っていた。 寝るときに母と祖母が入れ替わりに部屋に来て、遠野とぬいぐるみの頭を順番に撫でてくれるのが毎晩のお決まりだった。ぬいぐるみを抱いて寝ていると、時折真っ暗だった部屋の隅に光が射し込む。幼い遠野が薄目を開けると、仕事帰りの父がこちらをそっと見つめて安心したような顔を浮かべていた。 710 nmc29bananaxxxDOODLE君♂×君♀ nmc29bananaxxxDOODLE君と篤この体勢でお家で映画とか観ててほしい nmc29bananaxxxSPOILER君と篤ずっと同じコマに収まっててかわいい nmc29bananaxxxDOODLE篤♂×篤♀ nmc29bananaxxxDOODLE君♂×君♀ nmc29bananaxxxDOODLE白ジャー時代の君と篤エピ見たい聞きたい知りたい nmc29bananaxxxCAN’T MAKE君♀篤♀ nmc29bananaxxxMEMO色々出る前に妄想しとこうぜ4GOLD「ちょっと、起きて!」 正月休み、実家の布団でぬくぬくと微睡んでいた遠野は、母に叩き起こされる。 「……ぁ?何?」 「キミ様からすごい荷物来てるんだけど!どうすればいい⁉︎」 「は?」 何故ここで君島の名前が出てくるのか。むくりと起き上がり、促されるまま居間に赴くと、クーラーボックスの中身を取り出しては感嘆の声をあげる祖母の姿があった。見てみれば、その荷物は遠野ではなく母宛てになっている。 「何だ、これ」 「蟹とか鮑とか、美味しそうな物が沢山入ってるのよ!ほら見て」 母に手紙を手渡される。どうやら荷物に同封されていたようだ。 『お正月はオードブルを作られるとお聞きしました。お口に合いますように』 見覚えのある、少し角ばっているが整った文字。そういえば、実家での正月の過ごし方を話したことがあるような気がする。 945 nmc29bananaxxxMEMO色々出る前に妄想しとこうぜ3ストレス発散 君島の家に到着した遠野がリビングに足を踏み入れると、そこには大音量のロックンロールが鳴り響いていた。ありえないことにもかかわらず、一瞬部屋を間違えたかと思い、扉を閉める。音は遮蔽されたが、微かにバックビートがわんわんと波打っているようだった。意を決して再び開ける。 「……どうした」 「おや、今日はもう大学終わったんですか」 「そうだけど……」 君島はソファに腰掛け、超特大のテレビ画面に映るかつてのアメリカのスター歌手のライブ映像を観ていた。遠野も名前は知っているが、どちらかというと自分たちよりも祖母の世代のアーティストだ。レトロな情景はまったく遠野の好みではなかったが、それよりも普段はクラシックの蘊蓄を滔々と語る君島がこのような音楽に傾倒していることに意表を突かれた。 750 nmc29bananaxxxMEMO色々出る前に妄想しとこうぜ2帰省 何年ぶりかに降り立った空港は、乾いた空気と目に痛い太陽光と、カップケーキの甘い香りで満ちていた。君島はそれを五感で受け止めるたびに、なんとも言えない懐かしさと少しばかりの寂しさを覚える。それはこの地を離れて久しい自分が大人になってしまったことに対してか、それとも別の何かなのかはわからない。 "I’ve missed seeing you around" "It’s been so long" 出迎えてくれた運転手は、君島が物心ついた頃から送迎を担当していた。君島家がこの地を離れてからも、帰るたびに車の手配をしてくれる。日本よりもずっと広い道路を、左ハンドルの車は猛スピードで走っていく。サングラス越しに見る景色は、あの頃の記憶とそう相違はない。 674 nmc29bananaxxxMEMO色々出る前に妄想しとこうぜめごこ「お、ここにもあんのか」 買い出しに来たスーパーの菓子売り場で、遠野が足を止める。君島もその視線の先を辿ると、地域限定のスナック菓子が並んでいた。 「へえ、限定ですか」 「インハイでこっち来たとき買っていったら、ばあさんが気に入ってたヤツ。地元には売ってねえから」 「ほう……お祖母様想いなんですね」 君島は特に他意もなく思った通りのことを言ったまでだったが、遠野にとっては意外な発言だったらしく、切れ長の目は大きく見開いた。そしてうへえ、という声と共にくしゃりと顔が歪む。 「なんか、お前がそういうこと言うの、気持ちワリィな」 「気持ち悪いとは何ですか、失礼な人ですね」 また詮無い言い合いが始まりそうだったところで、遠野のスマートフォンが着信を知らせた。 745 nmc29bananaxxxMEMO事後いいこと知った「ッてえ」 皮膚が引き攣れるような痛みを覚え、首を捻って鎖骨の下辺りを見る。案の定、そこは薄っすらと出血した痕があり、歯型もくっきりと残っていた。 何が楽しいのか、君島はコトのたびにこうして俺に噛みついたり傷をつけたがったりする。どれも数日もすれば消えるようなものだから今更どうするつもりもないが、普段澄ました顔をしている男がこんな動物じみたマーキング行為に執着しているのは面白い。 「私は仕事なので、もう行きますね。遠野くんは大学ですか」 「んー、午後からだから一回家帰るかな」 「そうですか。では出る前に適当に片付けておいてください」 二人とも朝から何をやっているんだと笑ってしまうが、先ほどまでの情事の気配など欠片も見せず、君島はいつも通りの声で告げると剥き出しの背中を向けた。ベッドから抜け出した背筋は姿勢良く伸びているものの、全裸というのはどんな人間でも間抜けなものだ。 746 nmc29bananaxxxMEMOおねむな君はかわいい泊まっていけば 洗いざらしのくたびれたTシャツも、コイツが着ればヴィンテージの小洒落た杢グレーに見えてしまう。俺の前にいるときは単なるワガママで面倒臭い普通の男な気がしていたけれど、やはり生まれ持ったものが違うのだと、ふとした瞬間に感じるのだ。 隣に腰を下ろし、ぽやぽやと瞬きを繰り返す輪郭を眺める。裸眼の素顔は幼い。おろした横髪にもみあげが隠れると、いよいよ子どものようだと思った。そんなことを言うのはアナタだけですと頬を膨らませるが、それは即ちこの顔を知っているのは俺だけだということだ。甘ったるい事実は胸の内を快く溶かしていく。 長い脚を窮屈そうに腕の中に収めて体育座りのような格好をしているくせに、背筋はぴんと伸びているアンバランスさがおかしい。テレビは何となくつけているものの、きっと内容など全く頭に入っていないのだろう。昼間は理知的に輝いている瞳は、とろりと夜の色を湛えている。首元の少し撓んだ生地の辺りに触れると、柔軟剤の香りがした。 503 nmc29bananaxxxMEMO光に気づいた日光 搭乗口が端にあるせいか、出発ロビーには人もまばらだった。君島と遠野はベンチに並んで腰掛ける。もうじき日本行きの飛行機の搭乗案内が始まれば、二人はここで別れるのだ。 「結局、お前のナンバー抜かせなかったな」 「抜かせませんよ」 ぽつりと呟いた言葉を逃さずに君島が返すと、遠野はふと笑った。白い横顔に、彼はこんな風に大人びた笑みを浮かべる男だっただろうかと思う。この数ヶ月で、自分は確かに変わった。いっぽう、遠野という人間はずっと変わらないような気がしていたが、そうではなかったのかもしれない。君島はこの地を離れるのが、今になって少しだけ後ろ髪を引かれるような思いがした。 「これからどうすんだ」 「同じですよ。芸能活動は続けますし……ああ、もう日本代表選手ではなくなりますから、セーブしていた仕事はもっと忙しくなりますね」 613 nmc29bananaxxxMEMO思ったより君篤かも(?)誘い文句「遠野くん」 「んー?」 ごそごそとシャツの中に侵入してくる不埒な手を捕らえ、君島はため息をついた。 「何ですか、この手は」 「さあ、何だろうな」 彼がこんな風にスキンシップを取ろうとしてくるときは、ただ甘えたいだけではない。決して頻度は高くないが、欲が薄い男がたまに見せるこういう態度は、君島をいつだって翻弄する。 「……まったく」 「!」 手首を掴み、ソファに縫い留めるように押しつけた。君島より体格の良い遠野が抵抗しようと思えば造作もないのにしないのは、つまりはそういうことだ。見上げてくる紫の瞳は、愉しげに揺らめいた。 「誘うなら、もっと上手に誘ったらいかがです」 「えー」 まだ自由の利く長い脚を、腰に絡めてくる。本当にたちが悪い。行儀の悪いそれをどうしてやろうかと君島が思案していると、遠野は踵で尾骶骨の辺りを掠めるように触れた。 586 nmc29bananaxxxDOODLEケープちゃま 2 nmc29bananaxxxMEMO髭の話だって男の子だもの 珍しく、君島のほうが先に覚醒した。普段は寝覚めが良い遠野が早々に起きて、君島が目覚める頃には朝食の支度が出来上がっている。君島はまだぼんやりとした目を擦りながら、未だ夢の中の白い面差しを眺めた。 (黙っていると本当に綺麗ですね……処刑処刑とやかましい人とは同一人物とは思えない) そんな騒がしい男と日々を共にするようになってから、もう何年経つだろう。君島は苦笑し、そっと彼の頬に触れた。 (……おや?) よく見てみれば、口元にうっすらと髭が生えている。遠野とて男なのだ、当たり前といえば当たり前なのだが、いつも先に起きてさっさとシェービングを済ませているから、こんな姿を見るのは意外と初めてのことだった。 779 nmc29bananaxxxDOODLE篤君🔞練習2 nmc29bananaxxxDOODLE篤君🔞練習 nmc29bananaxxxDOODLE裸エプロン nmc29bananaxxxMEMOそうだ 処刑場、行こう地獄でランデヴー「これ、行きたいデートスポットが鈴ヶ森と小塚原って……処刑場の跡地じゃないですか」 「ほお、流石だな。お前なら知ってると思ってたけど」 アンケートの回答を見て眉を顰めた君島と対照的に、遠野はぱっと目を輝かせる。休養日かつ君島も珍しく完全オフという貴重な休日の昼前、二人は電車に揺られていた。行き先は任せろと意気込む遠野に委ねた己の迂闊な選択を、君島は後悔しはじめている。京急線の車内アナウンスは、次の停車駅が大森海岸駅であることを告げた。 「ねえ、遠野くん。行き先ってまさか」 「そのまさかだ。……今日はデートだからなァ!」 ニッと笑って差し出された手を取り、ため息をひとつ。君島はサングラスに隠された目を密かに細めた。結局自分は道連れなのだ、喩えそれが地獄への招待状だったとしても。 350 nmc29bananaxxxMEMO明◯とかdu◯tとかその辺のドル誌かもしれないキミ様に5つの質問 Q1.好みのタイプは?/勿論、ファンのみんなだよ。……え、もっと具体的に?うーん、そうだな……ちょっと素直じゃないくらいがかわいいと思う。正直すぎるのも、ね? Q2.行きたいデートスポットは?/君はどこに行きたい?……僕の行きたいところ?今は、ニースかな。ゆっくり、静かな時間を過ごしたいね。ファンのみんなと♡ Q3.今一番ほしいものは?/……がむしゃらさ。テニスのU-17W杯で得た経験は、一生の宝物になりました。タレントとしての自分の人生にも、大きな影響を与えていると思う。 Q4.好きな食べ物は?/フフ、ここでこの質問なんだ(笑)。みんなも知っていると思うけど、パエリアが好きだよ。嫌いなものはない、と言いたいんだけど……いや、やっぱり秘密(笑)。 379 nmc29bananaxxxMEMO君を抱っこする篤慣れとは恐ろしいものだ そろそろ紅茶のおかわりを淹れようかと、ティーカップを持って立ち上がる。すると、お腹に後ろから両腕を回され、次いでふわりと浮遊感。立ったまま抱き上げられて、そのままよいしょよいしょと狭い歩幅でキッチンへと移動する。数センチだけ浮いた足元が心許ない。確かに彼のほうが背が高く、体重もある。だが、そうはいっても大した差ではない。こんな子どもを抱っこするような体勢は、どう考えてもおかしいのである。それでも、ときたま彼は私をこうやって抱え上げたがる。最初は驚きやめさせようとしたが、もう慣れてしまった。これが彼なりのスキンシップだということがわかってしまったというのもある。 「……何がしたいんですか」 「別に?」 352 nmc29bananaxxxMEMOイチャつく君と篤(通常運転)構ってちゃん「遠野くん、肩が重いのですが」 ソファで本を読んでいると、右肩に彼の頭が凭れかかってきた。風呂上がりのシャンプーの香りを湛えたさらさらの髪は、未だに心臓に悪い。とっくに身体も繋げた間柄だというのに、こんなことでいちいち動揺している自分にも驚く。 「んー」 聞いているのかいないのか、大きな図体は背中を丸め、今度は膝の上に倒れ込んできた。あまりにも勢いが良かったものだから小さく呻くと、吐息で笑われる。下から覗き込んできた紫の瞳は、愉しげにきらりと瞬いた。彼は意外にもストレートな甘え方をする。そして、それを不覚にもかわいいと思ってしまうのが、悔しい。 身を屈めて白い額に口づけると、頭を抱え込まれて紅い唇に呼吸ごと奪われた。 321 nmc29bananaxxxMEMO幼馴染(捏造)から見た篤隣の家の篤京くん うちは田舎だから、近所の人はみんな知り合い。特にお隣の遠野さん一家とは付き合いが長くて、一人息子の篤京くんとは腐れ縁みたいなものだ。私の歴代の好きな人も知られているし、お互い異性として意識したことはない。篤京くん、背が高くて顔も整っているからモテるんだけど、ちょっと変わっていて不思議な子だと思う。それでも赤ちゃんの頃から知っているから、顔を合わせれば普通に話すし、どちらかというと親戚に近い感覚かもしれない。 朝、遠征から帰ってきた篤京くんと久々に鉢合わせした。彼氏ができて浮かれていた私は、彼女とかできたの?と聞いてしまう。てっきりいつものように鬱陶しそうな態度を取られるかと思いきや、「……彼女はもうできねーかもしんねえな」だって。意味深だ。言葉からしたら酷い失恋でもしていそうなのに、篤京くんは楽しそうだった。やっぱり変わっているなと思ったけれど、多分幸せなのは伝わってきたから、良かったねと言ったら変な顔をされた。 420 nmc29bananaxxxMEMO結局君をよちよちする篤に帰結するわけでェ…酔っ払い回収 んだよ、こんな時間に電話してきやがって。……アァ?テメェ酔っ払ってんな。デケェ声出すなよ、聞こえてっから。今?家だよ。誰もいねーよ、もう寝るとこだったっつの。お前こそ何してんだよ。……打ち上げ?珍しいな、それで日付変わるまで残ってんの。潰れる前に早く帰んな。……は?どうしてそうなるんだよ。っておい、泣いてんのか?大分回ってやがる……めんどくせェ……いや、好きだけど。……わかったよ。……あのな、酒に弱くてろくでもない酔い方してる好きでもないヤツのためにわざわざ深夜に車出すほど俺はお人好しじゃねえってことくらい、お前知ってんだろ。……ああもう、うるせーな。酔いが醒めたらちゃんと言ってやるよ、どうせ今言ったところで、テメェ覚えてねえだろうから。ちょっと待ってろ、すぐ迎えに行く。それまでクダ巻いてんじゃねーぞ。で?今どこにいんの? 373 nmc29bananaxxxMEMO指を切ってしまった君の手当て?をする篤紅い切先 ぴりり、と薄い刃物が掠めたような感覚に、眉を顰めた。台本を捲っていたら、指先を切ってしまったようだ。入念にハンドクリームを塗って保湿には努めていたのに、手入れが足りなかっただろうか。不覚だと思いながら絆創膏を取りに立ちあがろうとしたところに、手首を掴まれる。白い指に私の眉間の皺は深まり、振り返らずともその手の持ち主はわかってしまう。なんですか、と口を開く前に、僅かに傷ついた皮膚はなまあたたかい感触に包まれた。つい肩が跳ね上がってしまう。それは時間にしてみればたったの数秒だったのかもしれないが、やたらと長く感じて眩暈がした。ちゅう、と微かな音を立てて指先を吸われ、ぞわぞわと熱が身体を這い上がる。距離を作った唇から覗いた舌先が、仕上げのように傷口をなぞった。にやりと笑う顔が、直視できない。本当に変な男だ。手を払いのけて、足早にその場を立ち去る。それでも、最悪なことに一度灯った火は消えることなく燻っていた。 414 nmc29bananaxxxMEMO君と篤とリップ 時事ネタ(?)魅惑のミルキープルーン「どれが良いと思います?」 「……なんだ、これ」 テーブルに並べられたのは、様々なブランドのリップアイテム。遠野が訝しげに外箱を摘み上げると、君島は開けて結構ですよ、と促した。 「広告モデルの仕事でね、私のパーソナルカラーに合わせたリップをセレクトしていただいたんです。三本あって、どれも少しずつ違うのですが……アナタならどれを選ぶのかと思って」 「パーソナルカラーって、これがか?お前、紫ってカンジじゃねーだろ」 パッケージを開けると、中身はいずれも紫を基調にしたカラーのものだった。その中からひとつ手に取り、黒い半透明のケースを眇めた遠野の瞳がきらりと光る。その輝きは、透けて見えるリキッドに混じったパープルのラメによく似ていた。 814 nmc29bananaxxxDOODLE君♀と篤♀ nmc29bananaxxxDONEYES/NO枕絵柄〜多分これで何かノベルティも作る予定 2 nmc29bananaxxxMEMO篤が淹れたココアを飲む君 ナチュラルばかっぷる隠し味はひと匙のバター「ほらよ」 目の前にことりと置かれたのは、ほかほかと湯気を湛えるマグカップ。大きい手には不釣り合いな、かわいらしい丸みを帯びたフォルムの陶器からは甘い香りが漂っていた。 「なんですか、これ」 「ココアだよ。ついでだ」 「……私、甘い飲み物はあまり飲まないんですが」 「お前、甘いモン嫌いじゃねえだろ」 「嫌いではないですけど、体型維持には気を遣っているので」 君島がそう答えると、遠野はフン、と鼻で笑った。 「この程度で弛むようなだらしねえ身体してんのか?」 「なっ、そういうわけでは……」 「冷めるぞ」 「……いただきます」 どっかりと隣に腰掛けた男は、揃いのマグカップにふうふうと息を吹きかけていた。その妙に稚い仕草に、擽ったい心地を覚える。こんなペアのカップなど、いつの間に購入していたのだろう。 704 nmc29bananaxxxMEMO曲と種から見た君と篤終わり良ければすべて良し「なあなありゅーじ」 「何だよ」 「あの二人、何かあったと思わへん?」 種ヶ島の視線の先には、君島と遠野の背中が並んでいた。 「何かって、何だし」 「見てみぃ、あの雰囲気。なんちゅーか、ピンクピンクしとるやん」 「……あー」 また何を言い出すのかと嘆息した大曲は、二人を見やって思わず眉を顰めた。種ヶ島の言わんとしていることは、わからないでもない。現に君島が遠野の隣にぴったりと寄り添い、腰に手まで回している。 「確かにあれは、なんつーか、マズいな」 「やろ?絶対昨日何かあったな」 「昨日って、代表決定戦の後かよ?」 「……まあ、俺らもまだ若いし?」 「何言ってんだし」 ニヤリと笑う種ヶ島に、大曲は再びため息をついた。それでも、あの二人からは目が離せない。遠野も遠野で特段君島を咎めることもなく、普通に話をしているようだ。それどころか、時折君島の顔を覗き込むようにしては嬉しそうにしている。いつになく上機嫌に見えるその周りには、花でも飛んでいるかのようだった。 610 nmc29bananaxxxDOODLE『緋影』のイメージイラスト的君篤らくがき nmc29bananaxxxMEMO君を餌付けする篤の話 書き初めだ〜!明日はもっと味が染みて美味しくなる「遠野くんのお家は、どんなお雑煮なんですか」 洋風のリビングに似つかわしくない炬燵で寛いでいると、不意に君島が問いかけてきた。因みにこの炬燵は俺のリクエストで入れた(はじめ家主は嫌がっていたが、今は満更でもない様子で肩まで布団に包まっている)。 「あー……うちは別にねえんだよな」 「えっ⁉︎」 「そんなに驚くことか?」 大きな瞳が零れ落ちそうなほどに目を見開くオーバーリアクションに、思わず苦笑した。 「だって、アナタのお家ってそういうしきたりとか、大事にするじゃないですか」 「まあな。だからこそって言うか、こっちって食わねえんだわ。結構地域によって違うけどな」 「へえ……そういうものですか」 「お前ん家こそ、そういうのなかっただろ」 1055 nmc29bananaxxxMEMO君が練習の後急いで仕事行こうとしたら「おい待て」って言ってケアしてあげる篤はいますか意外と面倒見が良いってよく言われる「では、すみませんがこれから仕事がありますので」 練習試合を終え、君島は足早にその場を立ち去ろうとした。だが、右腕に何かが引っ掛かる。 「おい待て」 「……遠野くん、その手を離していただけますか」 「離してもいいが、こっちへ来い」 この後は雑誌のインタビューに、テレビ収録も控えている。急いでいるのにどうして邪魔をしてくるのだろうかと君島は苛立ったが、遠野の目力に気圧された。 「時間がないんですが」 「五分で終わる。ちゃんとアイシングしとけ」 まっとうな指摘に、言葉が詰まった。それでも、このまま言われるがままになるのも癪で、君島はせめてもの反論をする。 「自分でできますから」 「利き腕だから俺がやったほうが早い。さっきのショット、結構負荷かかってただろ」 687 nmc29bananaxxxDOODLEウーン流石にこれは犯罪(3年前ビジュ🐰) 2 12