お望みのまま 「……さて、じゃあ、ジャンケンでもするか?」
ランちゃんに聞かれ、俺の喉がゴクリと音を立てた。緊張で喉はカラカラなのにな!
いや、緊張とは違うか〜? 期待? 大いに期待して、ソワソワして落ち着かない。
反対にランちゃんは俺の目前で嫣然と微笑んでいる。余裕だなあ。さすがランちゃん!
幼馴染みで、親友で、上官で、兄のような存在のランスロットは、つい最近、俺の、恋人になった。
誰よりも大切な存在であるランちゃんが、俺の恋人になってくれるなんて!
まだ夢を見てるみたい。
ふたつ年上のランちゃんに恋心を抱いたのは、うんと子供の頃だ。想いが恋だと忘れるくらい長い間、片想いってやつをしていた。
ランちゃんへの気持ちは、俺の中で当然のものだったから、恋をしているのも当然で、日常で、片恋も日常で、この想いが成就するなんて考えてもいなかったんだよな。
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