Scent Commandーcontinuation5 講堂へと侵入してきた敵を一掃した達也は、すぐさまに図書館の方へと向かった。
というのも、図書館のは機密文書が多く存在している。魔法を表立っては否定していない連中だ。最悪の場合、それらの文献を持っていかれる可能性が否めなかった。
達也は渡辺にその場を任せ、即座に講堂を飛び出す。
生徒でなければ手加減無用な相手である。正面突破をするのは容易かった。
「早い到着だな」
「お兄様が少し早すぎるだけです」
そう言ってにっこり微笑んだのは、どうやら講堂を飛び出した時から後を追っていたらしい深雪であった。
彼女はこれでも実力者である。この道を駆け抜けてくることは容易かっただろう。達也は心の中で称賛を送るだけにとどめ、目の前に聳え立つ図書館を見た。
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